給水サービスを住民自身の手で―新たに2つの村で研修とキットを提供
2022年と2024年に発生した大規模な洪水は、シンド州全域で大きな被害をもたらしました。
中でも特に深刻だったのは給水施設への被害であり、多くのコミュニティで安全な飲料水を利用できなくなり、水を原因とする感染症のリスクが高まりました。
これらの課題に対応するため、ジェンは、シンド州政府の支援と、日本の外務省からの資金協力を得て、カイルプール郡の洪水被災地域で住民の方々が安全な飲料水を利用できるよう整備する事業を実施しました。
本事業では、給水施設の修復・改善に加え、施設を自立的に管理・維持するためのコミュニティの能力強化にも重点を置きました。
ジェンは、当初対象としていた5つの村に加え、新たに2つの村にも飲料水協会を設立し、それぞれ4名のメンバーを対象に研修を実施しました。
この研修は、地域の人びとが給水施設の管理、保全を継続できるための知識とスキルを習得することを目的としています。
研修は経験豊富な専門講師が担当し、理論と実践の両方の観点から行いました。
【公衆衛生工学局の技術専門家が維持管理キットについて研修を実施】
コミュニティの能力をさらに強化するため、ジェンは飲料水協会に施設の維持管理キットを引き渡しました。このキットには、日常的な維持管理や小規模な修理作業に必要な工具・機材が含まれています。
これにより、地域の人びとは外部からの支援を待たずに小さなトラブルに対応できるようになりました。
引き渡し式は、コミュニティの主体性と持続可能性を推進する上で重要な節目となりました。
地域の人びとは、施設の維持管理を継続し、将来の世代も安全な飲料水を得られるようにするという決意を表明しました。
【維持管理キットの引き渡し】
本事業では、洪水後の電力不足や停電による課題を解決するため、太陽光発電による給水システムも導入しました。
これにより、水の供給が安定するとともに運営コストが削減されました。
【太陽光発電による給水システムを導入】
現在、村の人びとは、日常生活の大きな変化を実感しています。以前は、安全な飲料水を得るために4~5キロの距離を移動する必要がありましたが、今では清潔な飲料水を自宅の近くで容易に得られるようになりました。
ジェンは安全な飲料水の提供にとどまらず、知識や管理能力を強化し、主体性を促進することで、供給システムを住民自身が維持管理できる持続可能なモデルの構築を後押ししています。
【新しい対象村のひとつの給水施設の前で飲料水協会メンバーと】
*本事業は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」からの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。






