自然災害が頻発するアフガニスタンで住民による用水路復旧を支援:東部クナール県
ジェンは2026年7月現在、アフガニスタン東部クナール県で、洪水被害を受けた村落の支援を行っています。洪水災害は地震などと比べると人的被害が少なく、国際社会から注目されにくい側面があります。しかし、人命に直接被害が及ばなくても、生計の中心である農業に深刻な打撃を与え、飢饉などの大規模な人道危機につながります。ジェンは、繰り返される洪水で破損した灌漑用水路の復旧を中心に、災害に強いコミュニティづくりに取り組んでいます。
灌漑用水路の擁壁建設に従事する住民たち(2026年7月、クナール県ナラン地区)
「自然災害」が新たな脅威に
アフガニスタンでは2021年の政変で大規模な戦闘が終息した一方、近年は洪水や干ばつ、地震などの自然災害が人びとを苦しめています。国連によると、2026年に人道支援を必要とする人は推定2,190万人(人口の約45%)で、紛争地を除くと世界で最も高い水準です。国際移住機関(IOM)の2025年の報告でも、国内避難民の約8割は自然災害に起因するものでした。防災インフラが不十分な上、人口の7割以上が農業など気候に左右される生計に依存しているため、アフガニスタンは温室効果ガスをほとんど排出していないにもかかわらず、気候変動の影響に対して世界で最も脆弱な国のひとつとされています。
クナール県での洪水被害を伝えるニュース記事(2026年6月27日付、https://en.didpress.com/33095/)
洪水と地震による複合災害
なかでも洪水は、毎年のように全土を襲う慢性的な災害です。たとえ人命に被害が及ばなくても、耕作した農地が荒れたり、作物や家畜が流されたり、灌漑施設が壊されたりと、生計に甚大な被害が及びます。ジェンが活動する東部クナール県では、2024年に各地で洪水が発生し、17万人以上が被災、2万戸を超える住居のほか、農地、灌漑設備、医療施設、学校などが破壊されました。
その後も洪水が頻発するなか、2025年8月31日にはマグニチュード6.0の大地震が直撃。2,200人以上が亡くなり、1998年以来、同国で最悪の自然災害となりました。直前の洪水で水を含んで緩んだ地盤を揺れが襲ったことが、被害をいっそう拡大させたとも指摘されています。
住民向けの防災研修を行うプロジェクト職員(2026年7月、クナール県ナラン地区)
農業の復旧を支援
ジェンは同県ナラン地区で、洪水で被災した人びと自身による、壊れた12kmの灌漑用水路の修復と洪水を防ぐ150mの擁壁の建設を支援しています。工事に従事した約330世帯には対価として1か月分の食糧を給付し、働くことが難しい、女性・障がい者・子どもが世帯主の約220世帯には、条件を設けずに食糧を配付しています。
灌漑用水路が直れば、再び農業ができます。あわせて洪水や地震への防災研修も実施し、災害と共に生きる力をコミュニティに根づかせています。
堆積した土砂を取り除いた水路(2026年7月、クナール県ナラン地区)
※この事業は、皆様からの寄付金に加え、ジャパンプラットフォームの助成を受けて実施しています。






