2006年12月28日 (木)

事業終了!

   「5年間にわたるエリトリアへのご支援を、ありがとうございました!JENはエリトリアでの目標を達成し、支援を終了します」Gerset_tractor_ii_negeset

 1998年に勃発した隣国エチオピアとの国境紛争によって、多くの難民がスーダンへ避難しました。2年後の2000年にはエリトリアに平和が戻り、その後の4年間で20万人以上の難民が無事に祖国へ帰還しました。

 JENは2002年より帰還民の自立支援を行ってきました。帰還民のほとんどが、スーダン国境のゴルージ地区に定住しましたが、この地区は土地が肥沃なため農業に適しています。人びとは政府から農地をもらい、そこで自分と家族の食糧を生産して自立することが求められました。しかし、中には戦争中に夫を亡くしたり、スーダン人の夫と別れて帰還するなどの理由で女性世帯主が多くいました。彼女たちの自立を支援するため、JENはゴルージ地区で2つの養鶏組合と3つのトラクター組合の結成を支援、各組合へ施設と資機材を供与し、必要な技術と組合運営の訓練を行いました。Goluj

Gergef_poultry_2   現在、養鶏組合は卵の販売で収入を得て自立し、組合員は毎月その配当を受けています。また、トラクター組合のメンバーは各自の畑を耕すだけでなく、トラクターを組合員以外にも貸し出し、地区に大きな利益をもたらしています。JENが今年行った意識調査によると、帰還民特有の問題は解決され、昔からその地区に住んでいる地元民とほとんど差のない生活を営めていることが確認されました。そのため、JENは「帰還民女性世帯主の自立支援」という当初の目的を達成したと判断し、今後はエリトリアの主体性を尊重して撤退することに決定いたしました。

 これまで、ご支援いただいた方々、本当にありがとうございました。JENはエリトリアからは撤退いたしますが、今後もアフリカへの支援を続けていくために、現在、新たに支援する国を検討しています。

これからも、JENのアフリカ支援にご協力いただけますよう、お願いいたします。Img_0448_1

12月 28, 2006 エリトリア養鶏事業トラクター事業 |

2006年9月28日 (木)

トラクターで社会貢献

123_4   ゲルセット村には、JENが支援するトラクター組合のほかに、3台の民間のトラクターがあります。所有者たちは、話し合って、村の社会的弱者たちの土地を無料で耕してきました。

 JENの支援で結成したトラクター組合も、貢献したいと、他の所有者たちに申し出て、孤児をかかえる5軒の女性世帯主の土地を無料で耕しました。

 そのうちの一人、アムナさんは戦争で夫をなくしたあと、3人の子どもを一人で育ててきました。
「耕してもらった土地には、ソルガムを植えます。あとは、雨が降って収穫が上がることを願うばかりです。」

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9月 28, 2006 エリトリアトラクター事業 |

2006年7月 6日 (木)

ザ・サクセスストーリー

2_14  ゲルセット村は帰還民のために作られた定住地で、住民の9割が帰還民です。
 5月4日、JENのトラクターと機材の譲渡式を行いました。

 組合の女性たちは、今年はこれを使って自分の土地を耕すことができます。譲渡式では村の村長さんが演説し、組合長のセベネさんが署名しました。

 同じく挨拶した組合の経理担当者ソフィアさんは、このゲルセット村の出世頭です。
ソフィアさんは支援物資と日雇い労働で生活する最も貧しい女性の一人でした。
2年前、2,000円のもとでを借りて、30km離れた町から洋服を仕入れて、村で販売する商売を始めました。一生懸命働いて、今では村の市場にお店を出しています。
その才能がかわれて、今回、トラクター組合の経理担当者に選ばれました。1_21

 経理担当者はトラクターの燃料や維持管理に係るお金を管理する大変、重要な役割を担っています。もちろん、読み書きと計算ができなくてはいけません。
写真で彼女がもっている大きな帳面が、彼女が管理する出納帳です。後ろの壁にかかっているのが、彼女が販売している洋服です。

 彼女の活躍で、JENが譲渡したトラクターが長持ちするように維持管理されることを願っています。

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7月 6, 2006 エリトリアトラクター事業 |

2006年6月 8日 (木)

トラクターを降ろす方法

1_17  5月4日、日本はゴールデンウィークの真っ只中。 エリトリアのゴルージ村にJENのトラクターが到着しました。2台のトラクターは大きなトラックに載せられて、450kmと2000メートルの標高差を2日かけてやってきました。

2_8   村についたのはいいけど、どうやってトラクターを降ろすの?と、思っていたら村はずれの乾いた川へ。この川は雨季にちょっと湿る程度で、乾季はからからです。その川の中へトラックを入れると、ちょうど荷台が岸の高さに!感心しました。 3_1

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6月 8, 2006 エリトリアトラクター事業 |

2006年3月 2日 (木)

トラクター2台が到着!

2  2月16日、エリトリアの首都アスマラに新しいトラクターが2台到着しました。

 昨年11月にエリトリアの港に入港してから、通関に100日かかってやっと首都までやってきました。トラクターは、このあと、首都で整備と登録を終え、400kmの距離と2,000mの標高差を輸送されJENが支援を行っているスーダン国境近くのゲルセット村とゴルージ村に届けられます。 1

 それぞれの村では昨年8月から帰還民の女性組合を結成中です。各村200人の組合員が、組合運営の訓練を終え、トラクターを待ちわびています。
 畑を耕すために必要な、トラクターに付ける装置がまだ到着していませんが、6月に雨が降る前にはこの装置も村に届けて、組合員が適期に作物を植えられるようにがんばります。

3月 2, 2006 エリトリアトラクター事業 | | コメント (0)

2005年12月15日 (木)

11月は収穫で大忙し

2  11月はガシュ・バルカ地域は収穫で大忙しでした。トラクター組合の女性たちも、ゴマとソルガムの収穫で走り回っていました。収穫物を運ぶのにトラクターもラクダもロバもみんな、借り出されます。1

 旱ばつに苦しんでいたエリトリアでも、今年は3年ぶりにまとまった雨が降ったのですが、8月のある時期に雨が降らなかったりと、「なかなか期待通りの収穫は難しい」、と残念そうに話す組合員たちもいました。

 2つ目の養鶏事業(ゲルゲフ村)の鶏たちの産卵・販売も順調です。
 この地域は、今まで遠く首都アスマラからの卵の供給に頼っていたため、近くで生産されている養鶏組合の新鮮な卵は、町では大人気。

 また、組合の女性たちは、村の人たちにも卵の販売枠を設けることで、村人にも安価で良質なタンパク源を提供しています。卵を売ったお金で、「子どもたちの服を買いたい」「子どもにあげるミルク用のヤギを飼いたい」と、
みんな、それぞれに違う希望を持っているようです。

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12月 15, 2005 エリトリア養鶏事業トラクター事業 | | コメント (0)

2005年10月27日 (木)

エリトリア駐在員村崎からの第1報

4   9月にヨルダンからエリトリアに異動になった村崎由紀子からエリトリア便り第1報が届きました。

 この8月から、外務省の協力を得てトラクター事業の第2弾が開始されました。2ヶ所の村にて、女性世帯主を中心に組合を作り、供与したトラクターを用いて畑を早めに耕すことで、農作物の収穫を確保できるようになります。現在、組合員の選定が終了し、組合委員会に対して、規約の作成や、トラクター使用の計画、記録などの研修が行われているところです。供与されたトラクターは、来年の雨期(通常6月〜9月)に活躍する予定です。

3  また、10月の朗報として、予定より早く養鶏事業の鶏が卵を産み始めたことがあげられます。農業省の獣医さんからワクチンをしっかり受けている元気な鶏らが、着実に卵を産み、女性たちに現金収入を生み出すことが期待されています。

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10月 27, 2005 エリトリア養鶏事業トラクター事業 | | コメント (0)

2005年9月 9日 (金)

ソルガムとごま

e99  トラクターで耕作した後、エリトリアの主食となるソルガムと換金性の高いごまを栽培しました。ソルガムもごまも順調に育っています。

 アシャ モハメッド イブラヒムさん(35歳)は、33年間スーダンで難民生活を送り、エリトリアに戻ってきました。トラクター事業に参加し組合員になり、自分の土地を耕すことができ、自分の人生にも自信を持てるようになり、将来は自分の土地でたくさんの野菜を栽培したいと夢をふくらませています。

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9月 9, 2005 エリトリアトラクター事業 | | コメント (0)

2005年8月18日 (木)

70倍のスピードアップ

bird17  6月末から本格的な雨季に入ったエリトリアでは、8月中旬までが短い作付けシーズン。 JENが支援するゲルゲフ村のトラクター組合はJENからもらったトラクターを1日16時間も使い、この時期にできるだけ広い面積を耕そうとがんばっています。ラクダや牛で耕していた時に比べ、70倍のスピードアップ、二人の運転手が交代で寝る間も惜しんでのフル稼働です。栽培しているのは、日本人にも馴染みの深いゴマ。作れば政府が買い取ってくれるとあって、ここぞとばかりに、面積拡大中!

 収穫から得られる収入を、トラクターの維持管理費にあてるための組合共同用地16ヘクタールにも作付けが済みました。作付けの次は草取りだ!と、好調な出足に期待満々です。

8月 18, 2005 エリトリアトラクター事業 | | コメント (0)

2005年6月 9日 (木)

恵の雨とトラクター

bird12月上旬にエリトリアに赴任した青島あすかから第1報が届きました。

 5月28日、JENの活動地域であるガシュ・バルカで大雨が降りました。その日後に出張でガシュ・バルカのテセニーを訪れたのですが、今まで乾いていた川には水が流れており、砂漠みたいだったところが緑色に変わりました。「今年はたくさんの雨が期待できそうだ!」と、現地スタッフも村人も皆大喜び。今回の大雨をうけて、どこもかしこも本格的に雨季が始まる前の農地の耕作準備で大忙し。

JENが昨年支援したゲルゲフのトラクターも耕作の部品が付けられ、翌日から本格的に活用されることになりました。トラクター組合の女性組合員たちのトラクターによる効果に対する期待と希望に満ちており、彼女たちの明るい表情が印象に残りました。

6月 9, 2005 エリトリアトラクター事業 | | コメント (0)

2004年12月19日 (日)

組合へのトラクター引渡し式

3 1219日、ゴルージ地区ゲルゲフ村にて、JENからトラクターとトレーラーが、付属品や燃料とあわせてトラクター組合に手渡される引渡し式が、関係者一同を招待して行われました。まず供与されるトラクターを見学し、トラクターの鍵がJENからゴルージ地区長、そして組合のリーダーへと手渡されました。ゲストスピーチでは、トラクターの使い方や組織管理が成功の鍵を握ることや、この活動が成功し続けるためには現地政府の継続したフォローアップがいかに重要であるかが強調されました。そして組合のリーダーを務める女性から、感謝と活動への抱負が述べられました。最後に女性たちが準備した食事が振る舞われ、アディ・シャガラ村の養鶏事業で成長した雄鶏も料理されて、養鶏事業の成功もあわせて紹介することができました。式終了後も女性たちはたくさんの謝辞と活動への熱意を語ってくれました。

最後に村長から「年後にこの組合の成功を祝う場を設けるのでJENも参加してください」と招待を受けました。女性たちにとってこれからが本当のスタート。活動が滞りなく軌道に乗るように、JENは継続してサポートしていきます。

12月 19, 2004 エリトリアトラクター事業 | | コメント (0)