食べ方の流儀
レバノンでは、直径30cmほどの薄い生地で焼き上げてあるパンをよく食べます(写真参照)。イメージとしてはナンのようなものですが、もっと薄く、丸い形が特徴です。
このパンには様々な食べ方があります。まず、ハーブのタイムとオリーブオイルを混ぜたものを載せて焼いたManou'shi。これは古くから食べられており、南部の小さな村でもよく売られています。日本ではタイムやオリーブオイルは高級食材ですが、地中海に面したこの国では安く手に入るため、多く使用されています。日本人にはあまり馴染みのない味ですが、慣れてくると癖になる味です。
また、パンを火にかけパリパリの状態にしてから、サワークリームにオリーブオイルをかけたLabnehというペースト状のものをつけて食べたりしもします。これもサワークリームは日本人には馴染みの無い食べ物で、最初は少し抵抗がありますが、パンの香ばしくパリパリした歯ざわりとサワークリームの組み合わせが癖になり、よく食べる物の一つです。冬を迎えた南部では、家庭のストーブでパンをパリパリにしている村人をよく見かけます。