道具管理委員会の工夫
南部の各村で立ち上げられた道具管理委員会(以下、委員会)は、JENが配布した瓦礫撤去や住宅再建の道具の貸し出しを行っていますが、その運営方法には実に様々な工夫が見られます。
例えば、村の中心部にあるモスクのミナレット(礼拝時刻の告知を行う高い塔)に取り付けられたスピーカーを使って、道具の貸し出しを呼びかけている村が多くあります。JENでは、貸し出しに関するポスターを作成して委員会に配布しましたが、南部の村ではまだ文字が読めない村人が多く、こうした口頭での告知が一番効果的とのことです。実際に村で聞き取り調査をすると、モスクでの呼びかけで貸し出しのことを知ったという人に多く出会います。
また、ある村の委員会では政府から支給される住宅再建の支援金配布時に、道具の貸し出しを積極的に支給金を受け取る村人に対して紹介しています。自治体の職員が委員会のメンバーとなっているため、この自治体職員が政府の支給金を配布する際に、道具の貸し出しを紹介しているわけです。他の委員会では地元の建設業者の協力を得て配布した道具を用いて再建を行うと、建設費用がディスカウントされるといったキャンペーンを実施することで道具の使用を村人に促すなど、JENのスタッフでは考えつかなかったアイデアで道具の貸し出しの促進が図られています。
このように委員会のメンバー自身がイニシアチブを取り、各村に合った独自の方法で貸し出しを実施してくれることで、JENの支援の輪が更に広がっています。
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