「5年間にわたるエリトリアへのご支援を、ありがとうございました!JENはエリトリアでの目標を達成し、支援を終了します」
1998年に勃発した隣国エチオピアとの国境紛争によって、多くの難民がスーダンへ避難しました。2年後の2000年にはエリトリアに平和が戻り、その後の4年間で20万人以上の難民が無事に祖国へ帰還しました。
JENは2002年より帰還民の自立支援を行ってきました。帰還民のほとんどが、スーダン国境のゴルージ地区に定住しましたが、この地区は土地が肥沃なため農業に適しています。人びとは政府から農地をもらい、そこで自分と家族の食糧を生産して自立することが求められました。しかし、中には戦争中に夫を亡くしたり、スーダン人の夫と別れて帰還するなどの理由で女性世帯主が多くいました。彼女たちの自立を支援するため、JENはゴルージ地区で2つの養鶏組合と3つのトラクター組合の結成を支援、各組合へ施設と資機材を供与し、必要な技術と組合運営の訓練を行いました。
現在、養鶏組合は卵の販売で収入を得て自立し、組合員は毎月その配当を受けています。また、トラクター組合のメンバーは各自の畑を耕すだけでなく、トラクターを組合員以外にも貸し出し、地区に大きな利益をもたらしています。JENが今年行った意識調査によると、帰還民特有の問題は解決され、昔からその地区に住んでいる地元民とほとんど差のない生活を営めていることが確認されました。そのため、JENは「帰還民女性世帯主の自立支援」という当初の目的を達成したと判断し、今後はエリトリアの主体性を尊重して撤退することに決定いたしました。
これまで、ご支援いただいた方々、本当にありがとうございました。JENはエリトリアからは撤退いたしますが、今後もアフリカへの支援を続けていくために、現在、新たに支援する国を検討しています。これからも、JENのアフリカ支援にご協力いただけますよう、お願いいたします。