2015年4月 9日 (木)
7年間ご支援、ありがとうございました。
2015年1月末に、南スーダンでの支援活動を終了しました。
2005年まで、20年以上に渡る内戦から避難していた人びとは、草の茂みなどでの過酷な潜伏生活を強いられていました。2006年にはコレラによって500人以上の人びとが亡くなるなど、特に水衛生環境は劣悪でした。
JENは中央エクアトリア州の帰還民を対象に、2007年より水衛生環境改善の支援を行ってきました。井戸やトイレなどの建設といった物質的な支援のやり方を工夫することで、人びとの再定住を促し、コミュニティを再構築する事を目標としてきました。
たとえば、住民に井戸の修復や保守・点検の研修を受けてもらい、人びとが自ら水衛生問題を解決できるようにするやり方です。また、衛生教育活動では正しい知識が確実に広がるように、コミュニティや学校の生徒と一緒に、時に人形劇や歌を交えて楽しみながら活動を行いました。
その効果は確実に広がり、昨年の南スーダンで大流行したコレラに、JENが活動を行った地域では1人も感染する人はいませんでした。それは、JENのスタッフの地道な活動と、人びとのコミュニティが確実に育っている事を表す、嬉しい結果でした。
最後に、自立支援の大切さを理解し、支援活動に大きく貢献してくれた、現地スタッフに感謝の意を表したいと思います。彼らは、課題に向き合い、どんなに困難な時も熱意と努力で乗り越えてきてくれました。
世界で最も若い国、南スーダン。JENの支援は終了しますが、南スーダンの仲間がこれからも情熱を持ち続けて自分たちの国づくりに貢献してくれると信じています。
【井戸の修復研修の様子】
【目を輝かせて人形劇に見入る子どもたち】
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】
4月 9, 2015 水衛生環境改善事務所・スタッフ衛生教育 | Permalink
2014年11月 6日 (木)
水
私は、JEN南スーダン衛生促進活動のチームの一員である、マーチン・ロコロ・ジャスティンです。
今回は、南スーダンの水を含む公共サービスについてお話したいと思います。
【筆者】
南北スーダン包括的和平合意の締結後、多くの住民は、安全な水の供給や施設の整った病院などの公共サービスが、自動的に行き届くことを期待しました。しかし、今のところ住民の願いは達成されておらず、モラルの低下や公共の活動に対する住民参加のモチベーション低下にも影響しています。
包括的和平合意以前は、人々は当事者意識やコミュニティに貢献する意思を持っており、コミュニティ内の多くの活動に参加していて、誰もそれに対する報酬を受け取っていませんでした。しかし、和平協定後、公務員が政府から給料を得るようになった一方、地域のリーダーは給料を支払われず、以前と同様に無報酬で地域社会への奉仕活動を行っています。
その結果、住民の多くはボランティア精神を無くしてしまい、政府が学校や水道、道路などの公共サービスを提供してくれることを望んだのです。
私の住んでいるコミュニティ内の状況を、水の例を挙げて紹介したいと思います。水はコミュニティ内の全ての世帯で使われていますが、住民の多くは保護されていない手掘りの浅井戸、手押しポンプのある深井戸、沼地、川、小川、湧水、雨水などを利用しています。
これらの水を利用することは危険を伴います。例えば、ビルハルツ住血吸虫、コレラや腸チフスなどの病気の感染源となり得ますし、蚊やハエなどの病原体を運ぶ手段にもなってしまいます。
【農作業用に使っている、衛生管理されていない井戸水】
コミュニティの住民のほとんどは数十年の長期に渡る戦争によって、苦しい生活を余儀なくされ、教育の機会がありませんでした。住民は、水源の水を直接使い、その水を浄化する必要のあるのか、また使用するのに安全できれいな水なのかを確認することもありません。その結果、腸チフス、下痢、ビルハルツ住血吸虫やコレラなどの水因性感染症に苦しみ、兄弟、姉妹、両親、祖父母を失った人も多くいました。私が住んでいるコミュニティ内のほとんどの人々は安全な水を得ることができません。
JENは不衛生な水による問題を軽減するために、自発的な衛生環境改善行動を促す啓発活動を村レベルで行なっています。この活動により、コミュニティが自立して衛生環境が良くなることを期待しています。
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11月 6, 2014 水衛生環境改善 | Permalink
2014年9月25日 (木)
ジェンでの経験
私は、2009年7月から衛生促進員としてジェンで働いているジェイムズ・マリシュです。これまで水関連事業、特に中央エクアトリア州における衛生教育に携わってきました。ジェンに入ってから今まで、モロボ郡の小学校40校、ジュバ郡の10校、イェイリバー郡オトゴ地区の15校で衛生促進事業を行ってきました。
現在はイェイリバー郡ムゴ地区の5校で衛生促進事業を進めています。この事業ではPHAST(参加型アプローチによる衛生行動と環境衛生の改革)という手法を使って、水施設管理委員会のメンバーのトレーニングや生徒を指導することができるよう小学校の教員へトレーニングを行っています。
他のスタッフとアイデアを出し合う中で自分の潜在能力を発見することもでき、ジェンで働いてきた期間は私にとって忘れられない時間です。非常に多くの素晴らしい経験や機会を得られたことは、これからもずっと私の職業生活を形成し影響を与えるとともに、私自身の成長に繋がると信じています。
ジェンで働くことで、私は難しい仕事に挑戦する意欲が湧き、キャリアを積み上げることができました。また、私は特に水関連分野の衛生について広く学びました。それは、村の衛生環境行動改善、コミュニティーの参加、そして南スーダンにおける持続可能な開発事業等を通して、衛生促進面での国づくりに役立つものです。この事業により、批判的に考える力や分析能力が強化されるとともに、文化の異なる他の地方の人々と一緒に働くための能力も身に付きました。
衛生促進員としてジェンで働くことは私にとって、名誉なことだけではなく、私の職業生活を長きにわたって形作る一生の経験でもあるのです。私は、この記事を読んでいる読者が勇気づけられ、喜んでくれると信じています。
【事前調査に参加しているウンドゥコリ 小学校の子どもたち】
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【JEN設立20周年記念の取り組みについてはこちら】
9月 25, 2014 水衛生環境改善事務所・スタッフ衛生教育 | Permalink
2014年3月13日 (木)
今までの経験を生かして
私は、事業地イェイでJENのスタッフとして勤務している、キボ・ドミニク・ジェイムズです。
以前はJENのドライバーとして働いていましたが、この度、総務・管理アシスタントに就任しました。
2013年8月にJENに入る前は、同様の仕事をしていたことがあるので、この度、このようにJENで総務・管理アシスタントとして働けることを嬉しく思っています。
国際NGO団体のアイビス(Ibis:International Benevolence Initiatives)の南スーダンにおける事業で、総務アシスタントとして働いていたことがあり、その経験を生かすことができると思います。
JENが南スーダンで支援活動を行っていること、しかも、その事業地が私の故郷イェイであることはありがたく、とても感謝しています。
今、JENでは水衛生プロジェクトを学校とコミュニティの両方で行っています。JENの学校での活動を通じて、多くの生徒たちが衛生習慣を身につけることを、私は望んでいます。そしてコミュニティでは、村の衛生改善プログラムにより、多くの人々が、簡易(ピット)式トイレやゴミの集積ピットを利用することで、衛生的な生活習慣を身につけられることでしょう。
私は、事業実施チームのスタッフが活動をきちんと遂行できるように彼らをサポートし、彼らの仕事がスムーズに行われるようみんなの考えや意見を共有しています。
キボ・ドミニク・ジェイムズ
*** *** *** *** ***
迅速な支援を届けるために皆さまのご支援が必要です。ご協力をお願いいたします。
ご寄付はこちらから (クレジットカード)
(注)皆様からのご寄付は、今回の緊急支援や南スーダンでの支援活動に活用させていただきます。
3月 13, 2014 水衛生環境改善事務所・スタッフ | Permalink
2014年1月17日 (金)
【速報】南スーダン国内避難民緊急支援を開始します
2013年12月15日に首都ジュバで起きた軍内部の武力衝突に端を発し、ディンカ部族とヌエル族の軍兵士の衝突が国内各地にも飛び火しました。
ジュバから車で約4時間の距離に位置する中央エクアトリア州イェイリバー郡にも軍駐屯地があり、そこでは収監されていた兵士の脱走と発砲事件へと発展しました。一般市民は戦闘を恐れイェイ市内にある敷地面積わずか1平方キロの国連施設に約100世帯(約500名)が避難。緊急対応として同敷地内に1か月限定の避難民キャンプが設置されました。
避難民のうち7割が18歳未満の子どもです。にわか作りのキャンプにはまだ水やトイレの施設がなく、乾期で連日40度近い猛暑の中、適切な排泄場所もなく衛生状態の悪化が懸念されています。
JENでは、キャンプ内の避難民を対象に、これより衛生環境改善のための緊急支援を行います。
(詳細は追ってレポートいたします)
なお、JENは、2008年より同地域で帰還民支援活動を実施しています。今回の緊急支援と並行し、今後も支援活動を継続する予定です。皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
<これまでの南スーダンでの活動>
JENは2007年1月から、南部スーダンで帰還民の再定住を支援する事業を開始しました。
2011年7月に南スーダンは独立を果たしましたが、衛生環境の問題も含め、未だに様々な課題があります。
そこで、JENは人々が井戸やトイレの建設や、運営・管理の知識や技術を身に着けるワークショップ、そして子どもから子どもへ正しい衛生知識が広まるような衛生教育を実施しています。
南スーダンの活動について、支援速報は、こちらから
南スーダンでの活動について、くわしくはこちらから
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ご寄付はこちらから (クレジットカード)
(注)皆様からのご寄付は、今回の緊急支援や南スーダンでの支援活動に活用させていただきます。
1月 17, 2014 水衛生環境改善文化、生活、習慣避難民支援緊急支援 | Permalink
2014年1月16日 (木)
オトゴパヤムの小学校で衛生教育を続けていくために
ジャパンプラットフォームのご支援のもと、イェイリバー郡のオトゴパヤムで現在ジェンが実施している衛生教育プロジェクトを今後も続けることができるかは、生徒たちで構成された衛生クラブのメンバーや衛生教育研修を受けた先生方の手に委ねられています。
私、ベジュール ポール アンソニーは、2010年よりカジョケジ郡のプロジェクト担当としてJENに勤務しています。
イエンベ小学校の衛生教育研修を修了したジョセフ・ジュマ・ギニャ先生に、衛生教育を今後どのように続けていくかについてインタビューしました。
先生は次のように語りました。
「学校で衛生教育を長期間続けるため、収入につながるドゥラ(ソルガム=モロコシ)栽培などの農業活動を授業のカリキュラムに導入することになりました。この作物を販売した収益で、少額だけれども、掃除用ブラシや容器、石けんなどの必要な衛生用具を購入することができています」
農業のような活動を含む総合的な衛生教育を行うことは、生徒たちの中に『自分自身でできる』という自立の精神を育て、外部からの支援への依存を絶つに役立ちます。
【衛生クラブのメンバー】
学校の衛生クラブはすでに、責任者として直接学校側に助言を行っており、われわれJENスタッフは、彼らと協働しつつ衛生教育や農業活動をモニタリングすることができています。
JENの衛生プロモーターである私は、小学校自身が穀物や野菜の栽培を率先して行えるよう、そしてそれが自立につながるよう、これからも後押しを続けていきます。
イェイプロジェクト衛生プロモーター
ベジュール ポール アンソニー
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1月 16, 2014 水衛生環境改善衛生教育 | Permalink
2013年12月26日 (木)
持続的な回復に向けたコミュニティの意識作りのための衛生改善事業
レミ ピーター ジョセフです。ジェンの行っている水衛生普及員として、ジェンが現在活動しているイェイリバー郡オトゴパヤム、ウォトゴボマに属するアベギ準ボマという地域の中の集落であるバラムケ、イェンベ、パパラで村落衛生改善プログラム事業を行っています。
健康の維持は、コミュニティの意識作りと共通の考え方から成ります。衛生と人々の習慣は関係していて、コミュニティの健康の維持は、会議や条約によって作られるのではなく、公衆保健衛生の普及によって改善されるのです。
衛生や公衆衛生の普及は、劣悪な衛生習慣を変えることを目指しています。最終的な目標は、水衛生によって起こる疾病率や死亡率を減らし、アベギサブボマの3つの村落の健康管理状況の改善を図ることです。このアベギでの持続的な村落衛生改善のプログラムで、コミュニティの中から99名がボランティアで衛生普及をしてくれることになりました。また各村で衛生クラブが作られ、45名が活動に参加しています。ジェンのスタッフは、この3村で、コミュニティの衛生普及メンバーと共に頑張って活動しています。
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12月 26, 2013 水衛生環境改善 | Permalink
2013年12月12日 (木)
地域の力を活かして
マーティン ロコロ ジャスティン です。南スーダン中央エクトリア州のイェイでジェンの経済エンパワーメントアシスタントとして勤務しています。現在29歳です。結婚して3人の子どもがいます。主な業務は、責任を持ってイェイリバー郡でのプロジェクト運営を日々実施し、基本的な研修を組み、石鹸作りのパッケージングとマーケティングを実施していくことです。
限られたリソース(人的・物的資源)に関する調査について: 多くの機関は限られたリソースや予算の範囲で活動しており、プロジェクトも同様な制約があります。新しいプロジェクトはとても多くのリソースが必要かもしれないので、それらを確保できるかどうかを確かめる必要があります。しかし、本当のプロジェクトの成功は、地元でそれらが入手できるかどうかがポイントです。
既存の方法やリソースを使うことについて: プロジェクトでの時間節約のために、今、何があるかを知ることは大切です。例えば、他のところで既に対象地域での事業を計画していたら、新しい何かを発明する必要はないかもしれません。できるだけ今あるリソースを再利用することを考えることは大切です。どんなに魅力的に思われても、全てを一から始めるというのが良いとは思えません。
上記の写真は、ティナテ・オムバシグループの石けん生産の様子です。グループは、石けんを作るためにはどんな材料が必要か、またJENがいなくなってもそれらを手に入れることができるかどうかを調べなればなりません。これらの材料のほとんどは、オムバシのコミュニティー内で手に入るか市場で見つけられます。このことは、グループはたくさんの訓練を受けるだけで終わらずに、自分たちの力で運営していけるようになるということです。
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12月 12, 2013 水衛生環境改善水管理委員会 | Permalink
2013年11月28日 (木)
イェイリバー郡の水衛生施設の改善
トイレなどの基本的な衛生施設や正しい衛生習慣、安全な飲み水は、健康的でよりよい生活の基となります。衛生の知識を広めることは、人々の行動や習慣を改善するために必要なことで、至る所で用を足す習慣のある村々では特に大切です。
きれいな水が得にくい地域が多いので、女性たちは多くの時間を水汲みに費やさなければならず、他のことに時間を使うことができません。また衛生施設が十分ではないので、少女たちは生理のときに清潔にきちんと対処するのが難しく、学校を何日か休まなければなりません。
水衛生施設があると、コミュニティ、学校、マーケットなどの公共の場で衛生的な行動がしやすくなります。トイレを使ったり手を洗ったりといった正しい衛生習慣を身に付けてもらうには、そのために必要なものを準備することが大切です。なので、コミュニティや公共の場所に、衛生施設が整備され、手や身体を清潔に保つための水や石鹸がいつも使用できなければなりません。
残念ながら、イェイリバー郡のほとんどの村の人々には、NGOや政府、民間企業が設置した水衛生施設を自分たちで維持管理していこうという気持ちがありません。人々はそれらを提供してくれた団体が引き続き管理してくれるだろうと思っているのです。そのことはこれらの衛生施設の使い方から感じられます。しかし、コミュニティが設置時にかかわった衛生施設に対しては、その維持管理に強い関心を持つようです。
ルベケ村において、人々は、井戸の管理者としての当事者意識が欠けており、井戸を維持管理できていません。彼らは、見た目が澄んでいる水は安全な水と思い、井戸の水をそのまま飲んでいます。
イェイリバー郡の大部分の村が同じように、設置された給水施設を維持することができないのは、依存心が強く、自ら修繕費を集めるという意識もないし、またボランティアで働くという意欲もないからです。
水衛生施設は健康被害を防ぐだけでなく、よい環境作りにもつながります。イェイリバー郡の水衛生施設を維持するために、村人たちは、率先してボランティアで働いたり、修繕費を何とかして集めたりしなければなりません。そして給水施設や公衆トイレなどの使い方や維持管理の方法について、村で規則を作る必要があります。また、何よりも村のリーダーたちは、村人の意識を高めなければならないのです。
【壊れたままの水衛生施設】
【壊れた施設を修理するため、点検中】
ベジュール ノエル モディ
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11月 28, 2013 水衛生環境改善 | Permalink
2013年11月14日 (木)
イェイリバー郡オトゴ地区での水衛生改善事業
私は、水衛生改善事業プロジェクト・オフィサーのクワメ・エマニュエルです。2013年7月にイェイで実施されている水衛生改善事業の管理を担当しています。
【写真:筆者】
水関係の専門家として15年以上の経験があります。まず、1985年にスーダン都市水道局で勤務し、そして同国で活動している国際NGOで働きました。1992年にスーダンから南スーダンのジュバに移り、ハルツーム周辺の国内避難民キャンプで水衛生の支援をしているMFSオランダ、Goalアイルランド、IRC、ケア・インターナショナル、そしてACFフランスなどの国際NGOで働きました。その後、南スーダンのワーウでユニセフ、ジュバでCHFインターナショナルにて働いていました。
私はこれまで、国内避難民のため、水関連の様々な活動に関わってきました。他のNGOから得た経験や知識をジェンで活かせればと思います。また、私はオトゴ地区の人々に衛生的な環境と安全な水への提供ができるように頑張りたいと思っています。そして、学校やその周辺の衛生環境を事業終了後もその地域の人々が維持できるように、しっかりとした水衛生委員会を作りたいです。
政府との関わりでは、イェイリバー郡水道局スタッフの能力強化が重要です。その為に私たちは、イェイで水衛生事業を実施している関係機関の活動地域が重複しないようにし、水質モニタリング、アセスメント、データ分析などを行っています。
この事業では衛生モニタリングを行い、人々の衛生への関心を高め、水衛生施設の管理に主体的に関われるよう促します。そして、各コミュニティーの衛生習慣と施設管理が改善されることを期待しています。
コミュニティー全体の水衛生を改善させるためには、彼らの日々の行動を把握し、理解することが必要です。それは我々のこれからの課題でもあります。
どうぞよろしくお願いします。
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11月 14, 2013 水衛生環境改善事務所・スタッフ水管理委員会 | Permalink
2013年10月 3日 (木)
石鹸作りのグループが衛生イベントを実施しました
イェイ郡オトゴパヤムのオムバシ村で、女性20名、男性5名のメンバーから構成されるTinate(ティナテ:現地語で「ありがとう」)グループが石鹸を作りました。
石鹸作りの目的は、石鹸を使って手を洗う、体を清潔にする、衣類の洗濯をする等、広範囲での公衆衛生レベルを向上させることにより、水系感染症にかかることが多い村人の健康状態を改善してもらうためです。
研修では、地元で調達可能な材料を使って石鹸を試作してみました。できた石鹸は、小さく切ったものを地元の村人に配布して使ってもらい、消費者の声を聞きました。
【研修で作った石鹸】
試作品が好評だったので、グループはその石鹸を景品として、衛生の大切さを訴えるイベントを実施しました。インパクトを考えて、所要時間は村人が退屈しない2時間程度、場所は毎週開催されるオンバシ村の土曜市にしました。
【イベントを見るためにマーケットに集まった人たち】
自作の歌を歌いながらマーケットの周りを行進して、イベントはチーフのスピーチで始まりました。
【行進中のティナテグループメンバー】
歌とダンス、石鹸を使った劇を行い、最後は聴衆参加型の衛生クイズで締めくくりました。
【衛生クイズ実施中】
ジェンは以前、この地区15校の公立小学校教員を対象にした衛生研修も実施しましたが、その研修に参加していた教員がマーケットにいて、飛び入り参加で一緒に衛生ソングを熱唱してくれました(緑色のイヤリングをした女性)。
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10月 3, 2013 水衛生環境改善 | Permalink
2013年9月19日 (木)
南スーダン担当として、東京での仕事を紹介します
初めまして。東京本部で南スーダンを担当していますシンボと申します。今年5月からJENに勤務し、約4ヶ月が経ちました。
私が担当している南スーダンは、JENが水衛生事業を行い始めて今年で7年目になります。今、私は主に、昨年の前事業の報告書をまとめたり、現在の事業について対外的な対応や事務手続きをしたりしています。現地のスタッフとの日々のやりとりや定期的に送ってもらっている報告により、離れていてもできるだけ現場の状況を知りたいと思っています。
現在行っている事業のひとつとして、現地の方々に石けんでの手洗いの大切さを理解してもらうと共に石けん作りも行っています。この間、スタッフから試作で作った石鹸の写真が届きました。とても可愛らしくよくできており、今後の活動に期待が膨らみました。
【石鹸作り】
【できあがった石鹸】
JENに勤務して数ヵ月の間に、いくつかのJENのイベントに参加しました。支援者の会やチャボラン、シンポジウムなど、これからも積極的に参加していきたいと思います。
【チャボランに参加しました】
まだ慣れないことも多くありますが、現地のスタッフがよりよい活動ができるよう、そして現地の人々の自立を少しでもサポートできるよう、これから頑張っていきたいと思います。
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
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9月 19, 2013 水衛生環境改善事務所・スタッフ | Permalink
2013年9月 5日 (木)
給水施設の修復研修
ジェンはイェイ州で、ジャパンプラットフォームの助成と日本のみなさまの支援により、2015年までにコミュニティの給水・衛生施設を強化するため、州の給水・衛生局と緊密に協力し事業を行っています。
イェイは支援ニーズが低い州と思われていましたが、2013年の4月・5月に実施されたアセスメントで、給水・衛生施設セクターに問題があることが分かりました。
ポンプ整備士たちに、給水施設のメンテナンスに関する10日間の研修を行いました。研修中、給水施設から悪臭がしたり、蠕虫が出てきた時もありました。進行役である給水・衛生局の専門家、セシリア・ミミは、塩素で処理することの重要さを述べていました。
研修の際、イェイ州オムバシ・ボマにあるカジコ小学校の副校長と話をすることができました。
アンソニー・ルバリ副校長は43歳で、妻と5人の子どもがいます。2009年からカジコ小学校に勤務している彼は、我々に給水施設の歴史について教えてくれました。
この施設は2009年に小学校とその周りのコミュニティのために掘られました。当時、1000人以上の人が使う唯一の給水施設だったのですが、そこを管理する人がいませんでした。後にコミュニティは11人の水管理委員を指名しましたが、この11人はトレーニングを受けておらず、自分たちの役割や責任をよく理解していませんでした。また、研修を受けたポンプ整備士もおらず、2年後には壊れてしまいました。
コミュニティの人々はパヤムの管理者に報告しようとしましたがうまくいかず、修復に必要な技術や知識も持っておらず、状態は悪化するばかりでした。
当時400人以上もいた生徒たちは、近くの川から水を調達せざるを得ませんでした。川の水は安全ではなく、子ども達はその水を沸かさずに使用していて、下痢で授業に出られなくなってしまうケースなどが沢山ありました。
そのため、コミュニティの人々が自分たちでメンテナンスできるよう、修復の研修が行われました。
アンソニー・ルバリ氏は支援に大変感謝し、「ジェンが給水施設の修復を支援してくれてとてもうれしいです。私はコミュニティと学校と協力し、この施設をきちんと管理していきます」と話してくれました。
イェイ州でのジェンの活動の目標は、コミュニティの回復力と自立を促進することです。
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9月 5, 2013 水衛生環境改善 | Permalink
2013年7月25日 (木)
新しいスタッフが加わりました!
イェイで活動を始めるJENの新スタッフ、マーガレット・リンドリオ・ジェームスと申します。
コミュニティー・モーバライザーとしてJENに勤務しています。もともとは教員をしていましたので、その経験をJENの学校での水衛生プロジェクトや女性の社会的地位の向上のための活動に生かしたいと思っています。
南スーダンのほとんどの学校では十分に適切な衛生教育が行われていないので、先生方を動員し、子どもたちが正しい衛生習慣を身につけるために努力したいと思います。
前職が教員ということもあり、特に教員の研修には深く関わりたいと思っています。
また、女性として、イェイ地域の女性の地位向上のために、地元の原料を使った石鹸作りを通しての収入手段が彼女たちの生計へつながるよう、発展させたいです。
さらに衛生推進委員の育成に協力し、彼らが村人たちに正しい衛生習慣を広めることで、南スーダンに大きな変化をもたらすことができればと思います。
教員を対象とすることで、大勢の人々に影響することができるでしょう。
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7月 25, 2013 水衛生環境改善事務所・スタッフ衛生教育 | Permalink
2013年6月27日 (木)
イェイリバー郡の学校における衛生
ジェンは2007年より南スーダンで支援活動を実施しています。その間、実施地域や事務所や活動内容は変化してきましたが、一つだけ変わらないことがあります。それは、ジェンは常に南スーダンの人々と共にある、ということです。
私が南スーダンで働くようになってから4年弱たちました。南スーダンという国は、たとえ離れていても縁を切ることのできない、私を魅了してやまない国です。南スーダンに着いた日、見るもの聞くものすべてが、それまでにこの国や人々について聞いていた通りだと嬉しく感じました。その思いは今も変わりません。
南スーダンは豊かな文化や伝統のある国です。かつて最先端の知的活動を誇った詩と歌の国でもあり、力強い国です。この国で、私は今までに会った人の中でも一番強い人々に会いました。たとえば困難な状況の中で勝利を勝ち取った、力と自信にあふれた女性などです。
しかしながら南スーダンはまた、支援の必要性が非常に大きい国でもあります。たとえば、地中に穴を掘っただけのトイレでも、南スーダンの人々の26人に1人しか利用することができていません。
私がこの国の異なる地域で活動してきて感じるのは、どの地域にも衛生習慣や水の供給に関して同じような問題がある、ということです。最近実施した中央エクアトリア州イェイリバー郡での調査では、井戸や衛生施設がある学校でも、子どもたちは頻繁に下痢を起こし、そのため絶えず勉強が中断されているということが明らかになりました。ジェンは今後数週間で、コミュニティがこのような衛生問題に取り組むための自信をつけるために活動するチームを作る予定です。
水や公衆衛生は、地方か都市部かを問わず南スーダン全体のコミュニティが直面している問題です。イェイリバー郡は比較的開けた地域と言えるかもしれませんが、それでも人々はいまだに様々な衛生問題に苦しんでいます。ジェンはこれらの深刻な問題に取り組み、コミュニティの人々や教師、生徒たちが持続可能な解決策を自ら見つけ出すことができるよう、サポートをしていくつもりです。
ジュバ事務所 エリザベス ボナネリ
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
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6月 27, 2013 水衛生環境改善事務所・スタッフ | Permalink
2013年6月13日 (木)
ジュバ郡でのトイレ建設
支援者の皆様とジャパンプラットフォームのご協力で行っている
「中央エクアトリア州における学校・コミュニティー水衛生改善事業」の活動
の一つであるトイレ建設が完了しました。
JENは、ジュバ郡の13校の小学校で、80室の子ども向けトイレを建設
しました。トイレの構造は、同国の教育省に認められたもので、1校に対する
トイレの数は生徒の人数に応じて決めました。男子児童に対しては50人の
児童に対して1基、女子児童に対しては、30人の児童に対して1基のトイレを建設しました。
トイレ建設を成功させる為には、いくつもの行程があり、また時には問題に
直面する事もありました。入札による施工業者の選定から始まり、土壌の確認、業者さん
との計画の設定、計画通りに建設が進んでいるかどうかの日々の確認、変更が
有る際の計画の再設定などです。
またJENはトイレを建設するだけでなく、住民が主体的に、そして持続的に
維持管理できるように、それぞれの学校で水衛生施設管理委員会を設置し、
委員会の意義や、維持管理に関するワークショップを実施ました。
そして5月末、とうとうトイレが完成しました。JENのエンジニアと、
教育省のエンジニアで無事建設が終わった事を最終確認し、教育省から
建設完了の承認をもらいました。丁度新学期の開始と共に、子どもたちが
トイレを使い始めてくれる準備が整いました。
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】
6月 13, 2013 水衛生環境改善 | Permalink
2013年5月16日 (木)
「ジャパン・プラットフォームの視察 ~ンガンガラ小学校~」
5月 16, 2013 水衛生環境改善 | Permalink
2013年4月18日 (木)
地域には安全な水、井戸修理工には収入 ~ ラニャ郡
2013年3月21日にお伝えした修理工協会。先日、この修理工協会と最後の全体会議 を実施しました。その会議を通して、協会が井戸を有するコミュニティやラニャ郡水道局との連携が深まっていることが実感できました。
修理だけでなく定期点検を実施することで、修理工にも定期的な収入が入るようになっています。
その会議で、同協会のメンバーで井戸修理工のジュマ・マーティンさんから話を聞きました。
「私はラニャ郡ルクルバンの修理工です。30歳で5人の子どもがいます。この協会ができる前は、たまに水道局の依頼で修理をするだけでした。
協会が設立されてから、技術の再研修を受けて、多くのことを学びました。そして、協会の他の修理工とも知り合いになり、さらに多くのことを学びあっています。コミュニティも私が井戸修理工であるということを認識してくれて、今では井戸は毎日動いています。
コミュニティは協会にお金を支払い、私はそこから手当をもらうことで子どもの教育費を支払い、家族の希望にもこたえることができ、生活は以前よりずっと楽になりました。日本の皆さんのこの事業への支援には本当に感謝しています。」
JENの同協会への支援は5月で終わりますが、同協会は長く続いてラニャ郡の人々が毎日安全な水を飲むことができると信じています。
(プロジェクト・アシスタント モガ・アレックス)
(この事業は、ジャパン・プラットフォームや皆様の支援で進められています。)
4月 18, 2013 水衛生環境改善水管理委員会 | Permalink
2013年3月21日 (木)
健康な生活のための安全な水:ラニャ郡
一昨年、ラニャ郡で設立した井戸修理工協会。今回の事業では、この井戸修理工協会が持続的に活動できるようにフォローアップをしています。先日、現場をモニタリングした際に嬉しい声を聞きました。
井戸利用委員会メンバーのヘレン・マニッシュさんによると、井戸修理工協会が発足する前は、多くの井戸が壊れたまま放置されていました。それが協会発足後、状況が変わったのです。
【インタビューに答えるヘレンさん】
ヘレンさんが住む地域には、ジュマ・マーティンさんという井戸修理工がいます。井戸が壊れた時、すぐに修理工協会に連絡が入ることになっており、先日井戸が故障した際にも、すぐにジュマさんが派遣されました。
【井戸を修理するジュマさん(作業着を着た後姿)】
井戸が壊れると、ヘレンさんは2km先の他の井戸まで安全な水を汲みに行かなければなりません。往復1時間以上かかります。近くに井戸があれば、子どもと遊んだり、他の活動に時間を割くことができます。
また、ヘレンさんは安全な水のおかげでコミュニティ内の下痢が減ったと感じています。
(この事業は、ジャパン・プラットフォームおよび皆様の支援で進められています。)
3月 21, 2013 水衛生環境改善水管理委員会 | Permalink
2013年3月 7日 (木)
井戸修理工の養成研修が修了しました。
南スーダンでは、多くの人が給水を井戸に頼っています。しかしながら、壊れている井戸も少なくありません。
多くの開発途上国では、水汲みは基本的に女性や子どもの仕事とされています。飲料水の運搬には、容量20リットルの「ジェリカン」と呼ばれるプラスチック容器が使われています。手に持ったり、頭上にのせたりして、1人1~2個つまり、20キロから40キロもの重さのジェリカンを運びます。
姉妹や友人同士で水汲みに行くと、あっという間に黄色や白のジェリカンが井戸の周りを取り囲み、順番待ちになります。小学校高学年や中学生くらいの子は一定のリズムで手押しポンプを動かしますが、低学年の子どもたちはぶら下がって全体重をかけて遊んでいる姿も見られます。井戸は娯楽が少ない子どもたちにとって格好の遊び場にもなっているようです。
本来、きちんと据え付けされたポンプは、簡単に動きますが、部品が劣化したり、子どもがぶら下がって不必要な負荷をかけ続けると、動きが重くなり、故障の原因になってしまいます。井戸がいったん故障すると「部品がない」「修理費用がない」「修理する人がいない」などの理由で放置されることがよくあります。
近隣の井戸が故障すると、女性や子どもは遠くの井戸や川まで何キロも歩かなければなりません。さらに、川の水は飲み水に適しておらず、病気の原因にもなってしまいます。井戸が故障しても修理が迅速にできれば、住民は清潔で安全な水を飲み続けることができ、また女性や子どもたちにとっては家事労働の軽減にもつながるのです。
ジェンでは、昨年ジュバの学校に井戸を掘削しましたが、井戸が故障した際は地元住民自ら修理できるよう、修理工養成の研修も実施しています。南スーダンの学校には外周壁がなく、学校の井戸を近隣住民も使用しています。
研修は、実際に壊れた井戸を修理する実地訓練を含め10日間続きました。
下の写真は、その研修最終日の修了証書授与式の模様です。井戸修理の技術を身につけ、皆誇らしげに修了証書を受け取っていました。
3月 7, 2013 水衛生環境改善 | Permalink
2013年2月 7日 (木)
自立に導く支援
先月1月22日、南スーダンに赴任しました。首都のジュバがある中央エクアトリア州を拠点に活動を行っています。以前担当していたアフガニスタンでも、衛生環境改善のための支援 「WASH (Water、Sanitation、Hygiene)」を実施していましたが、いかに現地の人の自主性を促し、自立に導く支援につなげるか、ということは、この国ではこれまで以上に難しいテーマのように感じています。
一例を紹介します。現地の職員と一緒にジュバ市にある小学校に訪問した時のことでした。
校長先生はトイレがないと言っていましたが、校舎の後方の敷地半径約50メートル以内に、違うデザインの竪穴式トイレが4つ建っていました。
地盤は「黒綿土」と呼ばれる黒灰色の膨潤土で強度が弱く崩壊寸前。最初に目に入った4つの個室が一続きのトイレは、その周りが地盤沈下して大きな溝ができていました。
その後方に別のタイプの3つ部屋トイレがありました。こちらは、全体的に前のめりに傾いているだけでなく、側面の片側一方にも傾斜していました。さらにその後ろにもトイレらしき建物がありました。こちらは、仕切りが一つの汲み取り式トイレで、手入れはされておらず不衛生で、ドアが壊れたままでした。
これまで校長先生は、いろいろなNGOに新しいトイレ建設を要望していたといいます。支援があるから、と、トイレは使い捨てにされているようでした。
南スーダンの人びとが、自立に向けた国造りをするためには、小さな意識の変化の積み重ねが必要です。一見、根深い課題ですが、人びとが、「気づき」を得る「きっかけつくり」の支援に取り組んでいきたいと思っています。
(プログラム・オフィサー 荒木名穂子)
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2/18、2/20 ニュージーランドワインのチャリティ試飲会を開催いたします!
東京会場
■日時:2013年2月18日(月)18:30 – 20:30(18:00開場)
■場所:ザ・リッツ・カールトンホテル東京 2階 グランドボールルーム
大阪会場
■日時:2013年2月20日(水)18:30 – 20:30(18:00開場)
■場所:ホテルモントレ大阪
お問い合わせ、お申込みは、こちら
http://www.jen-npo.org/jp/n/news/2863/
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
2月 7, 2013 水衛生環境改善事務所・スタッフ | Permalink
2013年1月24日 (木)
イリアンガリ村での衛生教育~下痢のない村に~
ジェン衛生普及員のマリアムング・モゼスと申します。今日は、コミュニティでの衛生教育の様子をお伝えします。
今回の事業では、学校で行っている衛生教育の内容を大人たちにも知ってもらい、子どもたちの行動の変化をさらに助けるために、コミュニティ衛生教育を各村で4回行っています。
【イリアンガリ村で衛生教育を進める衛生普及員】
先日、イリアンガリ村にて2回目のコミュニティ衛生教育を行いました。内容は、「下痢のない村について」です。
イリアンガリ村は、ジュバから東へ2時間ほど行ったところにある500世帯ほどの小さな村です。この村には、トイレが全くなく、昔から屋外で用を足していました。村長に話を聞くと、できたら政府にトイレを作ってもらいたいという程度にしか考えておらず、下痢とトイレの繋がりについて十分な認識がありませんでした。
【村にトイレがないことを説明する村長(中央) 】
今回の衛生教育で、その繋がりについて学んだ結果、参加者の間でトイレを作ることの重要性への意識が高まりました。しかし今度は、穴を掘る道具が欲しい、という要望が上がり…。村人たちが持っている道具で衛生的なトイレができることを説明しました。
【衛生教育のために集まった村人たち】
今回の村のような状況は特別ではなく、南スーダンには多く見られます。隣国のケニアやウガンダのように改善されるまでには、まだまだたくさんすることがありそうです。
(JEN衛生普及員 マリアムング・モゼス)
1月 24, 2013 水衛生環境改善 | Permalink
2012年12月20日 (木)
視察がありました ~クリパパ小学校にて~
現在中央エクアトリア州で進めている井戸やトイレの建設、衛生教育などはジャパン・プラットフォームと皆様の支援で進められています。11月23日、日本からモニタリングチームが来訪し、クリパパ小学校で行われている水衛生管理委員会の研修と、同小学校で完成した井戸を視察しました。
研修にはクリパパ小学校と近くのガンジ小学校の2つの委員会より合計14名が参加していました。内容は委員会の役割、井戸の管理の仕方、修理費用の集め方、トイレの使用状況の確認などで、3日間にわたって実施しています。
【研修風景】
日本から視察団がやってくると聞き、クリパパ村の村長さんも途中から参加して、村の現状を訴えると共に、研修の内容について質問をしました。すると研修3日目だったこともあり、研修に参加した村人たちが直接答えることができたのです。早くも良い成果が見えました。
【ちょっとおしゃれなクリパパ村の村長さん】
【質問に対して説明する村人】
次は、最近できたばかりの井戸の視察です。委員会はまだ研修中ですが、村人同士が協力し、井戸を囲むフェンスを半分以上作り上げていました。
【井戸を視察するモニタリングチームとジェンスタッフ】
モニタリングチームのメンバーからは、対象小学校の選び方、研修の内容などについて質問を受けました。
(ジュバ事務所長/ 西丸崇)
12月 20, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年12月 6日 (木)
コミュニティでの衛生教育~多様な文化~
今期事業では、学校での衛生教育を実施するとともにコミュニティでの衛生教育も実施します。これは、生徒の衛生行動の変化をコミュニティ・家庭からサポートするという目的があります。
【さまざまな絵カードを使った学校での衛生教育】
実施のためにジュバ郡のコミュニティを回っていると、これまでのカジョケジ郡やモロボ郡と異なった文化に気づきました。
【ジェンの事業地の一つ、イリアンガリ村】
一般的にジュバ郡にはバリ族の人々が住んでいると言われていますが、実際にはバリ族以外にも、ロルブ族、ムンダリ族、ロコヤ族、 ニャンバラ族が住んでおり、また、農業をする人と遊牧民が混在しています。特に遊牧民は、雨期が収まるこの時期に牧草を求めて動き回るため、衛生教育の実施が難しくなります。
先日、ジェンのスタッフがティジョル区域を調査していたとき、青年たちの一団に出会いました。
18歳から25歳の青年達は3か月にわたる成人の儀式を行っている最中で、この儀式が終わると、青年たちはコミュニティから結婚が許されます。
儀式は、20人前後の青年たちが3か月間、野外で寝食を共にし、敵からコミュニティをいかに守るかを示します。そして、この儀式の間、青年たちは身体を全く洗わず、全裸で過ごすのです。(残念ながら写真をお見せすることはできませんが…。)
【イリアンガリ村での貯水瓶】
南スーダンでは、コミュニティでの意思決定に男性が大きな役割を果たします。なので、衛生教育にはこのような青年たちを含めることが必要となります。
井戸の掘削が成功したイリアンガリ村の受益者の一人、キデン・ローゼさんは「私たちの住む地域で子どもたちがきれいな水を飲めることができるようになり、そして私たちは衛生教育にも初めて参加します」と幸せそうに語ってくれました。
(プロジェクト・オフィサー エリザベス・モーセ)
12月 6, 2012 水衛生環境改善文化、生活、習慣 | Permalink
2012年11月22日 (木)
長く井戸を使うために ~井戸修理工の再研修、カジョケジ郡~
JENが活動している地域では、JENが設置している学校の井戸以外にも村にはいくつか井戸がありますが、壊れてもなかなか修理されていないのが現状です。
修理されない理由の一つは、村人がどこに経験ある修理工がいるか知らないためです。
また、定期的な保守点検せずに完全に井戸が壊れてから修理するので修理費が高くなり、いよいよ修理できなくなってしまうことも問題です。
JENが設置した以外の井戸についても、きちんと保守修理され、継続的に使用できるようにするために、JENは昨年ラニャ郡で井戸修理工の協会を立ち上げ、コミュニティと協力して保守点検や修理を実施できるような体制を構築しました。
今年はカジョケジ郡とモロボ郡で、協会という形ではなく井戸修理工個人が近隣のコミュニティと連携して井戸の維持管理を行い、井戸が長く使われるようにする体制の構築を進めています。
先日は井戸修理工の能力強化のために、カジョケジ郡にていろんな村から推薦された井戸修理工31名の研修を実施しました。研修では、単なる修理技術だけでなく、保守点検(POM:PreventiveOperationand Maintenance)の技術にも重点を置きました。これは壊れる兆候をつかんで完全に壊れる前に修理するためです。
【JENが配布した作業着を着て修理訓練】
参加した井戸修理工は、みんな保守点検の技術研修に興味を示しており、参加者の一人チャプリン・ソロ(Chaplain Soro:35歳)さんは、「この活動は地域の給水事情の改善にきっと役に立つ」とコメントしてくれました。
【修了式で謝辞の準備をするチャプリンさん】
また、アス・ジョセフ(Asu Joseph:24歳)さんは、「井戸の深さの計り方など具体的なことなどを学ぶことができ、またコミュニケーション・スキルの研修を通して、どのように効果的にコミュニティから協力を得ていくかを学ぶことができた」と話してくれました。
【JENの配布したマニュアルを手にするアスさん】
今後は、モロボ郡で同じ研修を行った後、各村のコミュニティへの保守点検の説明、井戸修理工の実演を通じて、コミュニティの保守修理への理解を深める活動を行っていきます。
【カジョケジ郡での参加者全員】
(この事業は、ジャパン・プラットフォームと皆様のご支援で進められています)
(ジュバ事務所長/西丸 崇)
11月 22, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年11月 8日 (木)
ジュバ郡での井戸の掘削
11月 8, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年10月25日 (木)
衛生教育-クリパパ小学校 コミュニティ・ストーリーとスクール・マッピング
先日ご紹介したクリパパ小学校が、調査の結果事業対象校となり、衛生教育が始まりました。
初回は、コミュニティ・ストーリーとスクール・マッピングです。5年生までしかいない学校なので、1~3年生のグループと4~5年生のグループに分かれて開始です。
【衛生教育の光景】
コミュニティ・ストーリーは、子どもたちがグループワークを通して衛生に関する絵カードを並べて話を作ります。1~3年生の低学年にはジェンが持っているカードを各グループに5枚ほど渡して、話をつくります。絵には、清掃や料理、病院など普通の生活に関連する様子が描かれています。
【果物を手渡す絵、この絵から手洗いなど衛生に関連することがイメージできます】
【カードを見ながらストーリーを考える子どもたち】
各グループが発表する中で、ジェンのスタッフが衛生に関する質問をしていきます。授業の後、3年生のリジョイス・ヲロさん(Rejoice Woro)は、「いろいろなカードを使って楽しく勉強することができた」と話してくれました。
また、4~5年生の高学年では、衛生に関する絵を各人で紙に書いてもらい、それを5~6名のグループに分けて話を考えてもらいました。
【衛生に関する絵を描いている子どもたち】
ほとんどの絵に体が汚れていたり、排泄をトイレでない所でしていたり、汚れた水を飲んでいたり、といった不衛生な状況が描かれていました。そしてそれをつなげて話を作ります。
【各グループ4枚ずつ、4組が発表】
ポイントは、話を作るという作業を楽しみながら、衛生についての気付きを皆で共有することにありました。高学年生は、この後、スクール・マッピングをして自分たちの学校の様子やどこで排泄をしているかなどを笑いながら話して、授業を終えました。
【学校の見取り図を描く子どもたち】
5年生のアグレイ・ユグ君(Agrey Yugu)は、「このような授業は初めてで、みんながどのように考えているかわかって面白かった」と教えてくれました。
これから複数回にわけてこのような参加型の衛生教育を行って、子どもたちの衛生行動が変わって健康な生活を送れるように事業を進めていきます。
(この事業は、ジャパンプラットフォームや皆さまの支援で進められています)。
10月 25, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年10月11日 (木)
衛生教育のための事前調査
今回は、JENが衛生教育を行う学校での事前調査についてレポートします。
訪れた学校はジュバ郡にあるAru Primary School(アル小学校)というところです。生徒数は240人で、1年生~5年生までがここで勉強をしています。
事前調査とは衛生に関する、知識・認識(knowledge)、態度・考え方(attitude)、実践・習慣(practice)について、衛生教育を行う前の現時点での状況を確認するものです。衛生教育が終わったら、また同じような調査を行い、衛生教育の前と後でどのくらい子どもたちの知識、態度、習慣に変化があったのか確認します。
事前調査は各学年から10名ずつ生徒をランダムに選んで行われます。最初にハイジンプロモーター(衛生普及員)は子どもたちに今回の調査について説明します。「これはテストではありませんよ。でも、隣のお友達の回答を覗いて真似をしてはいけません。名前を書く必要もありません。嘘をついてもいけませんよ。」と、子どもたちに分かりやすいように英語とアラビア語で繰り返し説明を続けます。
質問の内容は例えばこんなかんじです。
下痢って知っていますか?
どれくらいの頻度で下痢をしますか?
お家にトイレはありますか?
1日に何回ぐらい手を洗いますか?
このような質問を細かく聞いていきます。質問事項がとても多いので、ハイジンプロモーター(衛生普及員)は最後まで子どもたちが退屈をしないよう、常に元気に笑いを取りながら質問を進め、調査を終わらせました。
事前調査を終えると、衛生教育が始まります。今後、子どもたちの行動に変化が起きる事を期待し、事業を続けていきます。
* この事業はジャパン・プラットフォームおよび皆さまのご支援で進められています。
10月 11, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年8月30日 (木)
日々を生き抜く ~アディリヤさんの話~
先日、対象校の選定調査のために訪れたガンジ村で一人の女性を見かけました。今回は、その村人からの話をご紹介します。
57歳のアディリヤ・ポニさんは6人の子どもがいるお母さん。ご主人は15年前の1987年に地雷を踏んで亡くなってしまいました。その後、頼れる親戚も多くが戦争でなくなり、一人で子ども6人を育ててきました。
子どもの一人は結婚しましたが、1人は大学まで行ったものの職がなく、その他の4人はまだ学校に行っておりお金がかかります。 診療所の管理人として月に280ポンド(約4480円)を得ており、それでなんとかやりくりしています。
【診療所のスタッフ宿泊施設を清掃するアディリヤさん】
アディリヤさんは、これらのことを少しずつ話す中で、涙が止まらなくなっていました。戦争が終わっても人々の悲しみがすぐに終わるわけではなく、その悲しみを背負いながら毎日を何とかして生き抜いている。そのようなことを感じた一日でした。
(プログラム・オフィサー ハイレセラッセ・メレス)
8月 30, 2012 水衛生環境改善文化、生活、習慣政治、経済、治安 | Permalink
2012年8月 2日 (木)
首都から2時間の今 ~クリパパ小学校~
前回お伝えしたように7月から開始したジュバ郡10校での水衛生活動。まずは、ジュバ郡にある約140校の中から10校を選ばなければいけません。教育局などに聞き取りをした結果、ジュバ市内および近郊を除く地域で井戸のない公立小学校として25校が確認されました。
【先生に話を聞くジェンスタッフ】
先日、この22校の一つ、クリパパ(Kulipapa)小学校を調査しました。クリパパ小学校はジュバ市内から悪路を2時間ほど行ったところにあります。1年生から5年生までの全校生徒90人ほどで朝8時半から午後2時まで勉強します。給食はなく、2時過ぎに家に帰ってからお昼だそうです。学校まで1時間かけて歩いてくる生徒もいるそうです。
【クリパパ小学校】
事前に行政から聞いていた通り、この小学校には井戸もトイレもありません。井戸は1時間ほど離れたところに一つあるだけ。学校の水は用務員さんが朝1回運んできますが、それは先生用のポリタンク一つ。子どもたちは水を使うことができず、休み時間に水を飲んだり授業の前に手を洗ったりすることもできません。トイレも学校の裏の茂みで用を足すしかありません。
【休み時間で校庭で遊ぶ子どもたち】
この学校は、2007年までは青空教室でしたが、2008年に住民が協力して土壁とトタン屋根の校舎を3棟建設、今年、政府が煉瓦造りの校舎を2棟建て始めました。しかし、井戸やトイレを作るには至っていないそうです。
【建設中の煉瓦造りの校舎】
ジュバ市に近いので町に出ていく家族も多いかと思ったのですが、実際はジュバ市でも就職できない人たちが農業をしに戻ってきていて、生徒数は少しずつ増えているとのことです。
【左から、コロネリオン先生、ケニー先生、ラドゥ先生】
12時ごろに教室をのぞくと、休み時間に水を飲めないにもかかわらず元気な生徒たちで一杯でした。
* この事業はジャパン・プラットフォームおよび皆さまのご支援で進められています。
(ジュバ事務所長 西丸崇)
8月 2, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年7月19日 (木)
あたらしい事業の始まり~ジュバ編~
ジャパンプラットフォーム(JPF)のモニタリングも6月末に無事終わり、7月6日から同JPFの支援を受けて新しい事業が始まりました。
今回の事業もこれまでと同様に、依然としてニーズの高い水衛生環境の改善です。活動も、井戸やトイレの建設、それを管理する住民たちの委員会設置、衛生教育、そして地域の井戸修理工をネットワーク化して住民が自分たちの井戸を定期的に点検できるような仕組みの構築です。
地域は、首都であるジュバ市を擁するジュバ郡。他の地域よりも発展していそうですが、ジュバ市を離れると他の地域と同じぐらい生活の大変な村々が広がっています。
【中央エクアトリア州ジュバ郡の地図】
ジュバ郡の学校トイレの普及率は46%と、全国平均の49%と大差がありません。ジュバ郡には140校近くありますが、その内、ジュバ市近郊を除いた地域の10校に対し、活動を始めます。
7月13日には、ジェンスタッフ向けの事業開始の1日ミーティング(キックオフ・ミーティング)を実施しました。ジェンのミッション・ビジョンを共有して、プロジェクトに必要なチームワークなどについてみんなで話し合います。そして、事業の概要を共有し、総務・会計セクションからの注意事項がありました。
お昼は近くの南スーダンレストランで食事でした。
今回の事業では20名程のスタッフが一丸となって、南スーダンの人々がよりよい生活を送れるように、より幸せになれるように、日本の皆さまのご協力を最大限に有効活用して支援を進めていきます。
(ジュバ事務所長 西丸 崇)
7月 19, 2012 水衛生環境改善水管理委員会 | Permalink
2012年7月 5日 (木)
わかっている村人たち~ジャパン・プラットフォームのモニタリング~
昨年5月から今年4月まで実施してきた事業は、ジャパン・プラットフォームや皆様の支援で進められてきました。その事業の成果を、先日6月30日、ジャパン・プラットフォームのモニタリング・チームが視察に来られました。
ジュバ市から悪路を3時間かけてラニャ(Lainya)郡まで向かい、ラニャ郡郡長や復興局局長と面会し、ジェンの活動について意見交換、その後、さらに奥地のケニー村まで悪路を駆って、井戸修理工によって保守点検されている井戸を確認しました。
【ケニー村の村長から話を聞くJPFメンバーとJENスタッフ】
ケニー村の村長さんは、「井戸が壊れてから修理するのではなく、日常保守点検する必要性を学びました。現在、ジェンの支援した井戸修理工が月3回点検しており、その費用として月々25ポンドを修理工の属する修理工協会に支払っています」と説明してくれました。
【井戸の状況を説明する村長(中央)】
また、村長から、「交換した方がよいパーツがあるので、できたら部品を提供してもらいたい」という申し出がありました。そこで村人の世帯数などを聞いたうえで「村の人がお金を出し合って部品を買ってはどうか」と提案すると、「それが村の自立であることはわかっているが、折角日本から来た人々がいるのでお願いしてみた」と笑いながら説明がありました。
村人たちの中に自立心がしっかり芽生えながらも、支援団体から少しでも多くの支援を手に入れようとする村人たちのしたたかな生き方を感じた一瞬でした。
ジャパン・プラットフォームのモニタリング・チームの皆さん、往復6時間の悪路の中、視察していただき、大変ありがとうございました。
(ジュバ事務所長 西丸崇)
7月 5, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年6月21日 (木)
ハンドポンプのメンテナンスをして、いつまでもきれいな水を
JENは2007年より、地元住民の安全な飲料水へのアクセスを改善するために、南スーダンで事業を行っています。これまでに、65基以上の井戸を掘削しました。事業対象者は主に学校の生徒たちですが、周辺に住む住民の生活も改善されるような事業を行ってきま した。
農村部には、他の政府機関やNGOによって掘削された井戸があったりするのですが、それをメンテナンスするということまで考えられておらず、壊れてしまっているものが沢山あります。井戸のハンドポンプの修理をする技術や部品を手に入れる手段のないコミュニティの人たちは、壊れてしまった井戸を修理できないでいるのです。
そこで、安全な水を手に入れることができないコミュニティに新しく井戸を掘削することの他に、このように壊れた状態で放置されている井戸を活かす方法を考えています。JENが事業を行っているラーニャ郡の全ての井戸では、井戸管理委員会が存在し、機能しており、そのほとんど(90%)のコミュニティの住民は、井戸が壊れたときに協力的です。
ラーニャ郡では208基(全体の35%)の井戸が修理の必要な状態でした。145基は使われているけれども年に3回は壊れてしまうもの、15基は壊れたまま放置されているもの、そして63基は機能していない状況でした。掘った井戸から安全な水を汲めないと、人々は汚い川の水を飲むことになり、それが原因で病気になってしまう可能性がでてきます。とても単純ですが、井戸の維持管理体制が整っていなければ、井戸を掘っても問題は解決されないということです。
そこで、JENはPPOMという官民共同の地方給水運営管理体制の主導を始めました。農村部における配水サービスの改善の中で、「井戸を建設するだけ」というその場限りの事業でなく、いつまでも配水サービスが持続される体制へと移行していくことが可能となります。
以前に他のNGOなどから研修を受けた人たちなど、ラーニャ郡で井戸ポンプ修理に興味のある人たちを集め、ポンプの操作方法やメンテナンス方法に関する勉強会をしました。また、ポンプ修理工たちは、水関係のビジネスを展開することも学びました。
GPSの使い方について学んでいます。
ポンプ内検査のための準備をしています。
微修理のためのポンプの検査
ポンプ交換の大修理を行っています。
その結果、民間企業から来たポンプ修理工たちは、ポンプが壊れないように操作やメンテナンスを行うには、住民たちの協力が必要なことに気が付きました。そして、住民たちから、月ごとに井戸の管理費を集めることになり、現在、ポンプ修理工たちは、ラーニャ郡の農村部水道局の監督のもと活動しています。
研修を受けたポンプ修理工たち
この官民共同の地方給水運営管理体制はまだ試験段階ですが、他の沢山のポンプ修理工が興味を示しているので、成功すると予測しております。JENはそうしたポンプ修理工たちに、農村部のコミュニティの配水環境を維持するための技術を向上させていく支援を続けていきます。
6月 21, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年6月 7日 (木)
井戸利用者の声
昨年5月から準備を進め、今年4月に完了した学校井戸の設置。モロボ郡では11基が完成しました。そこで、利用者の声を紹介します。
ドンゴダ村のルアテ・ムザメさん(27歳)。1歳の子どもがいるお父さん。普通は奥さんが水汲みに来るのですが、赤ん坊の面倒を見ているということで珍しくお父さんが。「これまで、私たちの村で支援団体は見たことがなかった。このような村には誰も来ないのかと思っていたけれど、ジェンが来て井戸を造ってくれた」と語ってくれました。
同じ村のローセ・カウンダさん(53歳)は、11人の子どものお母さん。「私たちの村で、初めて井戸ができました。これまで、往復4時間もかけて遠くの泉に水汲みに行っていましたが、今はすぐそこです。これで、畑仕事や子どもたちの世話がたくさんできるようになりました」と喜びの声を伝えてくれました。
人々の声は次回もお届けします!
(この事業は、ジャパン・プラットフォームと皆様の支援で実施されました。)
(プロジェクト・オフィサー エリザベス)
6月 7, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年4月 5日 (木)
よもやま話~現地モニタリングを通して~
先週、モロボ郡の事業地の進捗を見てきました。事業も大詰めを迎えており、井戸の設置なども各地で進んでいます。そこで出会った人々を紹介します。
右側のデビッド・バイガさん(30歳)はウドゥドラ小学校にてトイレ建設スタッフとしてボランティアで働いています。奥さんのジェシカさん(20歳)は、ほぼ毎日、デビッドさんの働きを見に来るそうです。
これまで、農業か日雇い労働しかしていなかったご主人が建設のスキルを身に付けたことで、いろいろなことにポジティブに物事を考えるようになったそうです。デビッドさんもジェシカさんが毎日見に来てくれて嬉しいと言っていました。
その小学校の新設井戸で水汲みをしていた青いシャツを着たグレイスさん(16歳)。実家を離れて、12人家族のおばさんの家を手伝っているとのこと。昔は、水汲みに往復40分かかかっていたところ、今は往復15分ですむようになって、料理や洗濯もすぐ済ませられ、ゆっくりする時間が増えたそうです。
ルジュロ・ウェスト小学校でおいしそうに水を飲む子どもたち。
そして、ヲンゴボロ小学校でも。
その学校での衛生教育の風景。パペットショウをジェンスタッフが行いました。とおりすがりの人々も見ていきます。
舞台裏ではジェンのスタッフが熱演です。
最後にみんなで記念撮影をさせてもらいました。
(この事業は、ジャパン・プラットフォームや皆様のご支援で進められています。)
4月 5, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年3月22日 (木)
コミュニティによるトイレ建設(壁・天井編)
昨年12月、コミュニティによるトイレ建設として汚水槽用の穴掘りという最初の段階をお伝えしました。(詳しくはこちら)
その後、穴の壁を作り、トイレの床を作り、そしてようやく最終段階の壁・天井に至る地域が出てきました。
3月の中旬に訪問したルジョロ・ウェスト小学校では、1月頃に住民から、「自分たちで煉瓦を用意するのでトイレの壁をベニヤ板ではなく煉瓦の壁にしたい」という申し出があり、急遽、設計を変更して対応しました。
煉瓦は町から買ってくるのではなく自分たちで土を焼き固めて作ったのです。
そして、地域の人々は作業している人々のために食事を作って支えていました。
これらは、村のリーダーたちや教会の人々、教員、保護者達のサポートで持って進められました。
(最終工程の天井づくりに入ったトイレ建設)
現場では、トイレ建設の訓練を受けたサミュエル・アユメ・アゴスティノ(29)がこの最終工程の天井づくりを地域の人々と一緒に進めていました。
「みんな、自分たちでトイレを作れることで自信をつけています。NGOに頼り切るのではなく、自分たちが本来持っていた力とジェンのトレーニングにより、もうすぐトイレが完成するところまで行きつきました」と語ってくれました。
(屋根を設置中のトイレ。真ん中にサミュエル氏)
この地域にはもともと井戸がなく、きれいとは言えない川の水を飲んでいました。ジェンはこの地域に井戸を設置し、コミュニティによるトイレ建設を進めてきましたが、ルジョロ・ウェスト小学校は、コミュニティが自分たちの尊厳を回復し自立に向けて進めることを、他の地域よりもいち早く示してくれていました。
(ルジョロ・ウェスト小学校に設置した井戸)
(プロジェクト・オフィサー:エリザベス・モーセ)
3月 22, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年3月 8日 (木)
元気になった発電機 ~自衛隊のみなさん、感謝です~
南スーダンの首都ジュバでは、電力公社が住民に電気を供給しています。しかし、ここ1年ほど停電が頻発し1週間に2~3時間しか供給されません。なので、事務所の必要な電力は、発電機を使って自分たちで発電しています。ところがこの発電機、酷使に酷使を重ねた結果、最近調子が悪くなってきてしまいました。
そんなある日、自衛隊の方がジェンの事務所を訪問されました。その際、不調な発電機の話になったところ、「それでは見てみましょうか」と、居あわせた整備員が早速点検をしてくださることになりました。
手際良く小さな小さなパーツをどんどん取り外していきます。先日、現地業者に不調の原因を見てもらった際に解体しなかった部分まで分解されていきました。
不調の主な原因は、今まで現地の業者では点検もされなかった細かい部品の汚れでした。そのような日々砂埃にさらされてしまっている細かい部品を取り出しきれいに磨いてくださいました。
作業後、発電機は、見違えるように元気な音を立てて発電を始めました。
(左から、三宅さん、大野さん、木村さん、茂籠さん、浦上さん)
自衛隊の皆さん、炎天下での作業、本当にありがとうございました。これからもこの発電機を大切に使って行きたいと思います。
3月 8, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年2月23日 (木)
井戸ができると・・・!
7か月前に独立した南スーダンで、ジェンは今年も各地で井戸を造っています。今日は、昨年の事業で井戸を造った村の声をお届けします。
カジョケジ郡のバジュル村に住むジュアン(Juan)さんは、26歳ながら5人の母親です。
2006年に村に戻って来ました。それ以来、「安全な水」を得るために毎日4kmを朝晩と往復していました。一日の大半を水汲みに費やすので、その間、子どもたちは自分たちで何とかして過ごすしかありませんでした。小さい子はちょくちょく下痢になり、病院にも行かなければなりませんでした。
ジェンが家から600mのところの学校に井戸を作ってから状況は一変しました。
「こんなに幸せなことはありません。
今では家族の世話をする時間があります。
そして水のことを心配する必要がありません。
水もたくさん出ているので列を作って待つこともありません。
家族は衛生に気をかけるようになり、今は手洗い場を作ることを考えています」
給水施設管理委員会のメンバーでもあるジュアンさんは、
「井戸がいつも動いて清潔であるように委員会の一員として責任を持ってみていきます」と語ってくれました。
井戸ができてから、生活がよくなると共に、人々の尊厳も回復していっています。
(プログラム・オフィサー エリザベス・モーセ)
2月 23, 2012 水衛生環境改善水管理委員会 | Permalink
2012年2月 9日 (木)
あたらしい事業に向けて ~北バルエルガザル州~
昨年5月から中央エクアトリア州で実施している事業もいよいよ大詰めを迎えてきました。
一方で、次の事業の準備を進めています。その一環として、治安の比較的安定している南スーダン北部の北バルエルガザル州にて、2月に入ってから現地調査を行っております。
北バルエルガザル州は南スーダンの北部に位置し、スーダンとの国境に面しております。昨年住民投票の結果により独立した南スーダン共和国は、独立後に国の内外から地元に帰ろうとしているたくさんの帰還民が発生 していますが、その中で同州は10ある南スーダンの州で2番目に帰還民が多い州です。
出典:《Office for the Coordination of Humanitarian Affairs》国連人道問題調整部、通称OCHAの資料。
http://reliefweb.int/node/476467
中央エクアトリア州にある首都のジュバからワオという町を中継して3時間。行きついたところには滑走路があるだけの空港でした。
(写真は、国連が運行している飛行機)
北バルエルガザル州の南部は、6月から12月頃まで雨季のため、幹線道路から村々へ車で入ることが難しく、これまで多くの支援団体が避けていた地域でした。
その地域の村々を見てきました。
その一つの村マンガ・ギエールにて、マグッド・モワルエルさんの家族を訪問。お昼時、ちょうど子どもたちが水汲みから帰ってきたところでした。片道40分歩いての水汲み。 朝と夕方の仕事です。
この日は病気の子どものために追加の水が必要で小さな容器に入れて帰ってきたところでした。
小さな子がきちんとコップを洗って水をくみ、病気の子に渡していました。しかし、食事の前やトイレの後の手洗いはしていないそうです。
衛生知識が普及していないことと、安全な水を安定的に入手できないことから、 雨期の時は子どもも大人もしばしば下痢になるそうです。
生計は次の写真のような萱を森から切ってきて束にして売ります。一束10ポンド(約300円)。
お父さんは、ここから数百キロも離れた首都のジュバで仕事をし、大きなお兄さんたちもジュバにいて、学生をしているそうです。
この後、子どもたちが通う近くのマンガ・ギエール小学校を訪問しました。ちょうど乾季休み中で(12月から4月まで)生徒たちは誰もいませんでしたが、教頭先生に会うことができて話を伺いました。
(下の写真、教頭先生(右端))
先生から井戸やトイレの状況、衛生教育などについて話を聞いてきました。
学校は800人近い生徒がいるのですが、校舎はなく職員室もありません。
運動場の周りに広がる大きな木の根元が各学年の教室です。
トイレはコミュニティで作り上げたものがありました。
中には石組みの穴。
大人が入ると非常に小さく感じました。
このようなトイレが、2か所だけ。だいたい女の子が使うそうで、男の子は学校のはずれにある茂みで用を足します。
その際に必要なのが、次の手に持っている品物。
単なる木の棒ですが、これがトイレットペーパーの代わりになります。別の州では石を使うところもあるとか。使ったら穴の中に捨てるそうです。
この学校には井戸がないため、子どもたちは用を足した後手を洗うことができません。
近くの井戸も歩いて40分のため、限られた学校の時間のためには汲みに行くことができないそうです。
最後に家族の皆さんと記念写真。
同県ではまだ調査を開始したばかりですが、こういった実地調査の結果を踏まえて、他地域との比較、国連等の公的機関データ、現地行政との会合といった要素から、もっとも必要な支援となるように内容を詰めていきます。
2月 9, 2012 水衛生環境改善 | Permalink
2012年1月26日 (木)
井戸のメンテを地域一体で
ジェンは、井戸を建設する際には各学校に井戸の維持管理委員会を設置して、住民が自分たちで修理やメンテナンスができるようにしています。
しかし、数年間の間に、いくつかの問題点も見えてきました。
委員会は簡単な修理はできるけれども、大きな修理は水道局に頼らざるをえない。
水道局の対応は、人員不足、予算不足で遅くなる。
修理のスペアパーツが水道局の在庫になく、地域でも手に入らない。
そこでジェンは、地域で育ち始めている井戸修理工の経験者を組織化し、政府に頼り切らず、住民と民間の修理工が連携して井戸の維持管理を進める仕組みづくりを、ラニャ郡にて進めています。
スペアパーツも修理工の協会が在庫管理して、常に在庫があるようにしていきます。
また、公共性の強いこの協会が住民とうまく連携できるよう、政府による支援にも繋げていっています。
先日は協会のメンバーである修理工の技術再確認トレーニングを行いました。
(技術再確認トレーニングの一場面)
井戸の修理工として協会の設立から関わっているジョン・ラドゥさんは
「この協会の設立を通して、井戸の維持管理は、政府ではなく私たち井戸修理工の責任であることを再確認しました。
私たちに井戸の維持管理を任せてくれようと考えているコミュニティも出てきています。
今は、その契約額について人々と一緒に勉強しています」
と語ってくれました。
(インタビューを受けるジョン・ラドゥさん(左))
ジェンは、住民が「官」だけに頼らず、「住・官・民」のネットワークの中で、民間の協会を核として、自分たちで井戸の維持管理できるような地域の自立支援を進めています。
1月 26, 2012 水衛生環境改善水管理委員会 | Permalink
2011年12月 8日 (木)
コミュニティによるトイレ建設(穴掘り編)
学校のトイレを住民が建設し、ジェンはトレーニングと資材を提供する。その活動が実際に始まりました。トイレ建設は、汚水槽用の穴掘り、穴の壁づくり、床づくり、壁・天井づくりと進められます。
その穴掘りには人手が必要です。ある地域では、コミュニティが3つのグループを作って競い合うようにして掘っていっています。またある地域では多くの住民が忙しいことから、有志がお金を募って地域住民を雇って穴を掘ります。
プロジェクトにとって重要なのは、その穴掘りの方法ではなく、住民同士がいかに話し合って自分たちで決定し進めていくかのプロセスです。
自分たちで問題を発見し、話し合い、解決する。この一連の活動が日常的にできるように後押しするのが自立支援であり、トイレ建築資材の提供はあくまでそのきっかけです。
このプロセスを通して住民はコミュニティとしての経験を積んでいきます。
カジョケジ郡のボリ小学校で警備をしているジェームス・ドキさんは、「ジェンの衛生教育の結果、これまであった小さい古いトイレも生徒たちがきれいに清掃するようになりました。こんな奥地まで来た団体はジェンが初めてです。日本の人々に支えられていることを決して忘れません」と語ってくれました。
今年は例年になく雨が降り続いていて、せっかく掘ったトイレの穴にも水が溜まって掘削を中断してしまうところもあります。しかし、人々はやる気に満ち溢れていて、早く雨が止んで建設を完成できるようにと願っています。
(この事業は、ジャパンプラットフォーム、Chabo!、支援者の皆様のご協力で進められています。)
===== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちらへ
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12月 8, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2011年11月24日 (木)
ハンドポンプ修理の女性講師第1号
今回は、事業のこぼれ話。前々回お伝えしたハンドポンプ修理工研修で活躍してくださっている、南スーダン人の水道局女性講師についてです。というのも、女性講師はこの国では非常に珍しいからです。
彼女の名前は、クリスティン・プロデンシオさん(39歳)。5人の子どもを育てているママさん講師です。
1992年に水道局の事務員として働き始めた彼女は、1993年にハンド・ポンプ修理工研修を受けました。31人の受講生の内、女性は一人だけでした。
しかも、成績優秀だったため、研修後すぐに水道局の修理工に抜擢されました。中央エカトリア州で初の女性修理工、おそらく南スーダン地域でも初めてだったと思われます。他の州から水道局を訪問する人々すべてが女性の修理工に驚いていたというエピソードから、その事実をうかがい知ることができます。
現在は、中央エカトリア州水道局の女性講師(ハンドポンプ修理)は彼女を入れて二人。これからも、活躍していってもらいたいものです。
また、今回のジェンの修理工研修には各地域から参加している33名の研修生の内、3名が女性です。その女性たちからも近いうちに話を聞いてみたいと思います。
(この事業は、ジャパンプラットフォーム、Chabo!、支援者の皆様のご協力で進められています。)
(筆者:プログラム・オフィサー ハイレセラッセ・メレス)
===== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
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11月 24, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2011年11月10日 (木)
スーダンの衛生教育:グループ討議を通した問題発掘
今年の衛生教育は、学校を中心としたコミュニティに行っています。これまでは先生や生徒たちが参加者でしたが、今年からは大人が主役です。やり方は、一方的な授業形式ではなく、これまでと同じ参加型。カジョケジ郡アディレ小学校を例にその一部を説明します。
10月はグループ討議を通した問題発掘セッションを各村ですすめていました。村人全員ではなく、15~6人の村人に集まってもらいます。女性や男性、若い人や壮年の人までうまく混じるように村長の協力を得て進めます。
そして、絵カードを使いながら、何が問題なのかを話し合っていきます。すでに衛生的に生活することがなんなのか知っている人々もおり、お互いに情報を共有しながら、どうしたらいいのか「気付き」を深めていきます。今回はトイレに行かずに川や庭先でするとどうなるのかについて話し合いました。
言葉だけだとなかなかうまく説明できないことも、絵を通して行うとみんな和気あいあいと話し合いが進みます。
グループ討議に参加したポニー・ロースさん(28歳)は、3人の子どもを育てていますが、一番下の2歳の子が家の中や軒先でしてしまったときは、病気にならないよう今度からはすぐに片付けたい、そして次回の衛生教育にもぜひ参加してより多くのことを学びたいと、言っていました。
グループの後ろの方の軒先では、討議に参加していないけれども様子を興味津々に眺めている人々たちがいました。
今回訪問したアディレ学校のあるカイバ村は、カジョケジ郡の町中から車で1時間30分、川が増水して流れが強いためそこから車で進むことができず、10分ほど歩いてたどり着きます。
川が増水しているため、ジェンのスタッフも住民手作りの木組みの橋を渡ります。
そこから両側にソルガム畑を眺めながら10分ほど歩いて村にたどり着きました。
村の中心には土壁で建てられた次のような建物が数軒建っています。そこの中心で先ほどのグループ討議を行っていました。
井戸と簡易トイレを建設する学校はそこからさらに歩いて10分ほど。中庭のきれいな学校でした。簡易トイレを建設する場所をジェンと学校のスタッフで確認しあいます。学校の端にある草むらのなかが候補地です。来月から住民たち主導でトイレづくりが進められます。
訪問した時間はお昼休み。学校の中庭では男の子たちがサッカーを、女の子たちはボール当てゲームを楽しんでいました。20mほど離れた両端からテニスボールのようなものを真ん中の子にめがけて投げます。当たると次の人と交代。昼休みの時間を楽しく過ごしていました。
(この事業は、ジャパンプラットフォームや支援者の皆さまのご支援で進めています。)
11月 10, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2011年10月27日 (木)
手押しポンプ修理のトレーニング開始
カジョケジ郡では今年度の深井戸に設置する手押しポンプを維持・修理するための研修が始まりました。
目的は3つ
1)ポンプの定期検査技術
2)簡単な修理技術
3)本格的な修理の監督技術です。
これらはジェンの設置する手押しポンプをできるだけ長く使ってもらい人々が井戸水を使い続けるようにしてもらうためです。
講義に使う手押しポンプ(インディア・マークII)
参加者15人に聞いたところ、手押しポンプの修理を手伝ったことのある人が3人、自転車の修理をしたことがある人が4人、バイクの修理をしたことがある人が1人。その誰もが機械関連のトレーニングを受けたことがありません。そのような人々に10日間で最低限、簡単な修理技術を身に付けてもらいます。
講義に臨む参加者たち
講師は、州と郡の水道局エンジニア。手慣れたもので参加者に巧みに質問しながら教えていました。ポンプのパーツの説明から、修理道具の説明、そして修理の仕方など覚えることはたくさんあります。
修理道具
今回は、手押しポンプで一番複雑な構造のシリンダーの分解と組み立てに ついて、簡単にご紹介します。このシリンダーは手押しポンプに水を送り込む重要なパーツです。
中には次の写真のようにいろいろな金属部品とゴムパッキンでできています。
講師の一人クリスティンさんがまずは実際に分解して組み立てて見せます。
そして、今度は二人ずつ組みになって、分解と組み立ての実践です。
部品を上下逆につけたり、ゴムパッキンのつける数を間違えたり、みんな初めてのことなので試行錯誤しながらすすめます。
前日に教えてもらった修理道具を使って、しっかりと部品と部品を留めていきます。10分で分解と組み立てを行うという課題の中、組み立てている以外の参加者も単に見ているだけではなく、後ろから声をかけて間違っているところを指摘します。
最後に、実際にバケツの水を使って水を吸い上げられるか確かめて、
そして、完成です!!
これらの実習が終わって、みんなおいしいお昼ごはんの時間でした。
今日のお昼ご飯は、トウモロコシの粉で作ったリロ(現地バリ語:スワヒリ語のウガリに相当)とヤギのシチュー。
お昼ごはんが終わったら、みんなのんびりすることなく、午後の授業が始まるまでみんなで復習をして忘れないようにしていました。
このグループへの研修が終わったのち、カジョケジ郡では他のグループのためにもう1回、モロボ郡で2回、井戸の維持管理のトレーニングを進めていきます。
(この事業は、ジャパン・プラットフォームや支援者の皆さまのご支援で進められています。)
10月 27, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2011年10月13日 (木)
トイレ建設は住民主体で
今期事業の学校トイレ建設は、コミュニティ主体で進めます。そうすることで、学校トイレが壊れても、軽微な破損は自分たちで直せるようになりますし、必要であれば自分たちでトイレを増設することもできます。
9月中旬に、建設に必要な技術訓練を村々の若手が集まって受けました。各村3名ずつ、モロボ郡では18名が参加していました。煉瓦の積み方、セメントを使ったトイレの床の作り方、セメントに混ぜる意志の見分け方などなど、学ぶことはたくさんです。
村に戻ったら自分たちが率先してトイレを作ることになるので、みんな必死で学んでいます。
これは、トイレの床になる鉄筋コンクリートの針金同士を結び付ける作業。
大きめに石を砕いて、セメントに混ぜるちょうど良い大きさにするのも研修の一つ。
かんかん照りの中、みんな実習用の材料を自分たちで一生懸命作っています。
セメントと砂利を混ぜ合わせ、枠の中に流し込みいろいろ作業をした成果がここにあります。
しゃがむ式のトイレなので、真ん中に穴をあけるため、そこらへんに転がっている材料が使われていました。
手前はセメントバッグの紙袋を丸めたもの、真ん中がプラスチック容器、一番奥は見えにくいですが土煉瓦が使われていました。
見ていて驚いた作業の一つが次の一コマ。鍬を網の下において金づちでたたいていきます。
これは、網を切る作業です。ニッパーの網を切る工具がない場合、このようにして切ることができることを教えてもらいました。
訓練所の裏では、料理係のおばさんがお昼ご飯を作ってくれていました。
中身は豆シチュー。おいしそうです。
この事業は、ジャパン・プラットフォームや支援者のみなさまの支援で進められています。
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平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
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10月 13, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2011年9月29日 (木)
南スーダンの水事情・10月に「地球VOCE」で紹介されます。パート2
テレビ朝日の国際協力番組「地球VOCE」の撮影クルーとともに、
JENの事業地の一つ、モロボ郡へ取材に行きました。
今回訪問をしたカンジャ小学校は、
昨年、JENが衛生教育を行った学校の一つで、
今年は、井戸とトイレの建設を行っています。
学校に到着すると、ちょうど衛生教育の時間が始まるところで、
全校生徒が集まっていました。
JENの日本人スタッフが現地の言葉で挨拶をすると、
わぁーっと歓声があがります。
衛生教育の時間のスタートです。
学校には衛生クラブが発足されており、
週2回あるこの衛生教育の時間で
正しい衛生知識を生徒たちに広めるのは、
15名いるクラブのメンバーたち。
衛生教育の時間では、
クラブのメンバーたちが、
正しい衛生知識を教える劇を披露したり、
イラストの描かれたカードを使い、
そのイラストが正しい行動かどうか、
クイズ形式で教えていました。
ただ、この学校には、トイレと井戸が、
まだ完成していません。
生徒たちは、通常、
学校に併設されている教会のトイレを使っていますが、
時には、学校の敷地内の茂みで用を足すこともあるようです。
トイレが完成したとき、
その新しいトイレを、皆が習慣的に使うように
促進していくのも彼らの役目。
衛生クラブのメンバーの仕事はまだまだ続きます。
劇やクイズを通して、
生徒から生徒へ正しい衛生知識が伝えられている様子は、
「地球VICE」の10月の放映でも紹介されますので、
ぜひご覧ください。
JENは平成23年度外務大臣表彰を受賞しました。
====== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、
こちらへ
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緊急募金を受け付けています。
↓↓↓↓↓↓↓
○郵便振替口座 00170-2-538657
口座名 JEN
通信欄に「東日本大震災」と記載ください。
○クレジットカード:http://bit.ly/c7R8iA
プルダウンメニューから「東日本大震災」をお選びください。
その他、銀行へのお振り込みに関しては、恐れ入りますが、ジェン東京本部(03-5225-9352 担当:富田、浅川)までお問い合わせください。
9月 29, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2011年9月 1日 (木)
ラジオを通して衛生教育
今年の衛生教育は一味違います。学校での衛生教育だけでなく、ラジオを通して事業地の多くの人々に衛生の大切さを訴えるのです。
学校に行けない子どもたちや学校で衛生教育を学ぶ機会のなかった大人たちが聞いてくれること想定しています。
内容は、単なる教育的なものではおもしろくありません。なので、ラジオドラマを作って流すことにしました。ですが、ジェンのスタッフにはラジオドラマを作った経験がありません。
そこで、他の団体の経験あるスタッフを呼んできてジェンのスタッフの訓練をしてもらいました。
訓練は7日間。その訓練の中で8本のエピソードとドラマソングを作成しました。
ジェンのスタッフは短い期間で8本のエピソードを作ることにかなり戸惑っていたようですが、できる限りのものを作ってくれました。
エピソードの柱はお腹を壊さないようにするためにはどうすればよいか、ということです。
手洗いはもとより、どのような水が汚れているのか、水の保管の仕方、排泄物の扱い方、食べ物の保管の仕方、トイレ設置の必要性、調理器具をきれいにしておくことなどが含められました。
このドラマが流れたあかつきには、学校で学んだ子どもたちだけでなく、その親たちも衛生の重要性について理解し、より多くの人々が家庭で手洗いなどを実践して下痢などで悩む人々が少なくなることを願っています。
(この事業は、ジャパン・プラットフォーム、Chabo!、皆さまの支援で進められています。)
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平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
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9月 1, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2011年6月23日 (木)
自分たちで守る水 -井戸維持管理研修参加者の声―
6月13日から17日まで、南スーダンの中央エクアトリア州ラニャ郡にて「持続可能な井戸管理」の研修を5日間行いました。 ジェンは2007年より、南スーダンでの安全な水の確保のために、多くの人々が集まる学校での井戸の掘削事業を行うとともに、井戸を維持管理する人材や壊れた時に修理をする技術者を学校コミュニティごとに育ててきました。今回の事業では、このような技術者が郡の複数のコミュニティにまたがって連携し、行政やコミュニティからの修理の依頼に迅速に対応できるようなネットワークを構築する予定です。
今回の研修では、郡や地域(パヤム)の行政官10名とジェンスタッフ9名が参加し、地域コミュニティに井戸の維持管理や修理の方法を広めていく方法について学びました。今後、この研修を受けたジェンのスタッフや地域の行政官がファシリテーターとなって、各地で安全な水を管理する技術者のネットワークづくりを進めていく予定です。
今回の研修に参加したジェンスタッフのポニ・シルビアさんは、「今回の研修で、問題が発生した時にコミュニティにある資源を使って解決する方法を学ぶことができました。今度何か問題が発生した時は、自分たちの力で解決できるよう促していきたいと思います。」と言っています。
また、パヤム行政官のモロ・ウィルソンさんは、「この研修で、地域コミュニティを通してどのように井戸の維持管理の問題を解決していくかを学ぶことができました。井戸を適切に管理することによって、井戸が10年から15年と長持ちするようにしていきたいです。」と述べています。
現在、研修を受けたジェンスタッフたちは「コミュニティが井戸を自分たちで維持管理する」という、援助に依存しない自立に向けた意識を持って、地域コミュニティとの協力を進めています。
(プロジェクト・オフィサー エリザベス)
(この事業は、ジャパンプラットフォーム、Chabo!、その他の皆さんのご支援で進めています。)
6月 23, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2011年6月 9日 (木)
深井戸の引渡し式典(モロボ郡)
先日4月29日、モロボ郡の学校で完成した手押し式ポンプつき深井戸を地域の住民に引き渡す式典が開かれました。ジェンは、施設管理委員会の住民メンバーを井戸の修理工として訓練しましたが、これは深井戸が長く使われるようにするためで、ひいてはその地域の自立心を後押しすることになります。式典では訓練の修了証書がメンバーに渡され表彰されました。
式典に招かれた郡のお役人は、ジェンへの感謝の気持ちを表するとともに、委員会のメンバーには地域のために貢献するよう話があり、教育局の関係者は、学校周辺の茂みが子どもたちの排泄物で汚れなくなったことに感動していました。人々の習慣がよりよく変わったことを実感した1日でした。
(プログラム・オフィサー ハイレ)
(引渡しのあった事業は、ジャパン・プラットフォームやその他の皆様のおかげで4月末に無事に完了しました。現在は、5月12日にご報告したように新規事業を始めています。)
6月 9, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2011年5月12日 (木)
新事業の開始
ジャパン・プラットフォームやみなさまのご支援により、5月1日から中央エクアトリア州で新しい事業を開始しました。
これまでに引き続き、井戸掘削やトイレの建設を通して衛生環境の改善を行いますが、今回はこれまで以上にコミュニティとの共同に注力します。今回建設するトイレは、コミュニティの人々が主体になってコンクリート加工などの作業を行い、ジェンはそれを後押しします。
また、これまでの経験から、既存の井戸が故障しても部品の不足、技術者の不足、資金の不足などで、修理されずにそのままになっているケースが多くあることがわかりました。この事業では、技術者の組織化を行い、ビジネスモデルづくりの支援をすることで、地域の井戸が持続的に維持管理される仕組みを作ることを大きなテーマとしています。
これらを通して南スーダンの自立を後押しし、7月9日の独立に向かって、南スーダンの人々とともに草の根から国づくりに取り組んでいきたいと思います。
5月 12, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2011年4月21日 (木)
井戸修理技術トレーニングの修了式
ジャパン・プラットフォームやみなさまのご支援で行っている中央エクアトリア州の小学校を対象とした水衛生改善事業のひとつとして、ハンドポンプの技術トレーニングを行ってきましたが、先日カジョケジ郡で、トレーニングを無事修了した48人の施設管理委員会のメンバーの修了式を行いました。
式典は、カジョケジ郡の灌漑・給水担当官、教育担当官などの出席のもと行われ、修了者ひとりひとりに修了証が手渡されました。参加者のひとり、アリス・エドワードさんは「トレーニングで得た知識を、村のほかの人にも伝えたい」と語ってくれました。 式典の最後には、井戸修理に必要な道具のセットとスペアパーツが各委員会に贈呈され、委員会メンバーの顔には喜びがあふれました。
新たに誕生した48人のメカニックの今後の活躍を見守っていきたいと思います。
4月 21, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2011年3月10日 (木)
スーダンの「?」
トイレットペーパーの代わりに、現地の人が使っているものって?」
↓
「アイロンに使っている意外なものって?」
↓
「携帯電話を充電するのに、使っている意外なものって、なに?」
↓
「塩が取れない地域での塩味をつけるものって、なに?」
↓
この続きは、本日開催の
MOTTAINAI×JEN第1回活動報告会『眠ってる本が学校に!・スーダン編』~誰でもすぐにできる社会貢献
にてご報告します。ぜひお越しください。
(詳しくはコチラ)
3月 10, 2011 水衛生環境改善文化、生活、習慣 | Permalink
2011年2月24日 (木)
人形劇を使った衛生教育が始まります
ジェンのスーダンの水衛生改善事業では、人形劇を使って衛生に関する情報を普及させています。人形劇は主に学校の子どもたちを対象にしていますが、その効果は学校にとどまらず、コミュニティに広がっていきます。
最近、10人のジェンのスタッフたちが、8日間の集中講座で人形劇のトレーニングを受けました。トレーニングは、アフリカで健康・衛生に関する活動を専門に行っているNGOの協力を得て行われました。
劇に使う人形を作るのは、高いスキルと知識が必要な骨の折れる仕事です。また、素材をつくるためにマットレスを切り刻んでいると、それをみていたあるコミュニティの女性に、「そんなふうにマットレスを粗末にせずに、私にくれれば、私と6人の子どもたちが地面に直接寝なくてもすむのに」と言われ、大きな効果を生む活動には少しのコストが必要なことを理解してもらうのにはどう説明すればいいか、悩むこともありました。このようなプロセスを経て、人形を、そして人形劇をつくりあげていきました。
モロボ郡のケンディラ村での人形劇のリハーサルは、人々に知識を伝えるばかりでなく、とても楽しいものでした。暑い日でしたが、多くの人たちが劇を見に集まりました。
ジェンの活動では、人々と感情のかよったコミュニケーションを大切にしており、人々が心を開いて新しい知識を学べるような環境をつくるための努力をしています。劇の台本は簡潔なものであり、観客に参加してもらって、劇の中に出てくる「問題」を解決していきます。こんなにおもしろい学びのプロセスはほかにありません!
プロジェクト・オフィサー/エリザベス
2月 24, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2011年1月27日 (木)
モロボ郡での成功
モロボ郡の中心部から遠く離れたところにある学校に通う子どもたちは、いつもどうやって安全な飲み水を確保するかという問題に頭を悩ませています。モロボ郡は中央エクアトリア州のグリーンベルトに属しており、南スーダンの中では水と緑が比較的豊かですが、安全ではない泉などの水がコミュニティの飲料水になっているケースが多いからです。
リチャード・モリと彼の兄弟は、いつも1~2リットルの小さな水筒を持って学校へ行きます。この水を友だちと分け合う時は、学校から離れた所にある水源へ水を汲みに行かなければならなくなります。その水はあまり安全とはいえません。そのせいで、リチャードの小さな弟は、しばしば病気になったり下痢を起こしています。
ジェンは2009年からジャパン・プラットフォームやみなさまのご支援と、コミュニティの人々の協力で、モロボ郡の子どもたちの安全な飲み水へのアクセスを改善しています。これまでにモロボ郡の小学校で13基の井戸を掘り、さらに2基掘削中です。
ジョン・モロは言います。「井戸のおかげで私たちの生活はとてもよくなりました。前は、1日中といってもいいくらい多くの時間を、飲み水を手に入れるのに使わなければなりませんでした。」
同じような喜びの声が、つい先日井戸が完成したドゥドゥラベのコミュニティでも聞かれました。6人の子どもを育てているドリス・マワは、「ジェンが私たちのコミュニティにしてくれたことは、100点満点です。井戸が完成しただけでなく、私たちは今ジェンの井戸管理のためのトレーニングに参加しています。私たちは、飲み水の心配をしなくてもよくなっただけでなく、井戸が故障したときの心配をしなくてもよくなりました。井戸の故障を修理する技術を身に付けたのですから!」と語ってくれました。
井戸管理のトレーニングは、技術的なことだけではなく、コミュニティの人々が協力して作業をする価値について考える機会にもなっており、コミュニティ強化にもつながっています。
(プロジェクト・オフィサー/エリザベス)
1月 27, 2011 水衛生環境改善 | Permalink
2010年12月 2日 (木)
モロボの新しい水源
ジャパン・プラットフォームやみなさまのご支援で、モロボ郡に9つの新しい井戸を掘ることができました!これらの9つの井戸は学校の敷地内に掘っているため、子どもたちがきれいで安全な水を得ることができるようになります。ジェンは、特に帰還民の多い地域を選んで支援しており、安全な水の提供は帰還民が再定住に大いに役立っています。
今回井戸を掘削した9か所のなかで、ニェイという学校ではこれまで多くの支援団体が井戸を掘ろうとし、失敗してきた場所でした。ジェンはこれまで約4年間の南スーダンでの水衛生改善支援の経験から、掘削に先だって質の高い水源調査を行うことができたため、このような場所でも十分な水量がある井戸を掘ることができました。
これから年末までに、カジョケジ郡でも井戸掘削を進めていきます。
プロジェクト・オフィサー/エリザベス
12月 2, 2010 水衛生環境改善 | Permalink
2010年11月 4日 (木)
「お話する学校」
小学校を対象に衛生教育をするのはとても難しいこともありますが、おもしろいこともたくさんあります。カジョケジ郡の事業対象校を訪問したときにも、子どもたちの豊かな創造性を目の当たりにしました。
特に興味深かったのは、衛生クラブのメンバーの子どもたちによる歌や劇の発表です。この衛生クラブは、ジャパン・プラットフォームやみなさまのご支援で行っている水衛生事業の中でジェンが結成し、トレーニングを行ったものです。子どもたちの創造性はとても豊かで、感心させられました。これらの歌や劇は、現地で話されているクク語やバリ語で行われることが多いですが、これらの言葉が少ししかわからない私にも、メッセージはとても強く伝わってきました。
また、ある学校では、子どもたちが「お話する学校」を作っていました。それは、学校の敷地内の様々な場所にメッセージの書かれたプレートを立てるというものです。ジェンの事業を通して学んだ衛生のメッセージだけでなく、HIV/AIDSに関するメッセージもあります。(カジョケジ郡はHIV/AIDSの影響を強く受けている地域のひとつなのです。)日常生活のひとつひとつの場面で、これらのメッセージが子どもたちの目にふれることになります。大切なメッセージを学校内のプレートが語る―「お話する学校」です。
こうした子どもたちの創造力豊かな活動は、コミュニティを変えていく大きな力となるでしょう。
プロジェクト・オフィサー/エリザベス
11月 4, 2010 水衛生環境改善 | Permalink
2010年10月21日 (木)
衛生教育ワークショップの大きな成果
南スーダンでの水衛生事業を視察に来られたジャパン・プラットフォームの方々と一緒に、カジョケジ郡の事業地へ行ってきました。今回の訪問では、以前このコーナーでご紹介した、先生への衛生教育ワークショップが大きな成果を上げていることが確認できました。
ワークショップでは、先生たちが自分の学校へ戻って実践する行動計画を作りましたが、なんと、多くの学校でその行動計画が実施されていたのです!ある学校では、ワークショップに参加した先生の主導でトイレの前に手洗い場が設置され、子どもたちがトイレを使った後にそこできれいに手を洗っている姿が見られました。またある学校では、敷地内に衛生や健康に関するメッセージ・プレートが設置されていました。ジェンの役割は、ポジティブな変化を起こすためのきっかけを作ること‐そんな目指したい姿が実践できていることを、とてもうれしく感じました。
モロボ郡では、トイレ建設と井戸掘削が順調に行われており、早いところでは水量テストを行う段階まで進んでいます。近々その様子もお伝えしたいと思います。
ジュバ事務所長/山中嶋美智
10月 21, 2010 水衛生環境改善 | Permalink
2010年9月22日 (水)
コミュニティのキーパーソン
先日カジョケジ郡で行われた、先生を対象にした衛生教育のワークショップには、35人の先生が参加しました。
南部スーダンでは、女の子の教育の機会はまだまだ限られています。このトレーニングに参加した先生の中でも、女性は4分の1にすぎませんでした。
何人かの女性の先生は、トレーニングに自分の子どもたちを連れてきており、小さな女の子たちが赤ちゃんの面倒をみていました。女性の先生たちは、ワークショップで新しいことを学べるという期待でいっぱいで、とても熱心でした。
アフリカでは、女性が子どもや家族の世話に大きな役割を果たしているため、おかあさんが衛生について学ぶことは、コミュニティ全体の衛生改善にとってとても重要です。おかあさんと一緒にワークショップにやってきた女の子たちは家でも兄弟姉妹の世話をしているので、彼女たちに衛生的な知識があると、それはそのまま家族の健康につながります。そのためJENは、特に女性、そして女の子たちに特に積極的に学んでもらっています。
プロジェクト・オフィサー/エリザベス
9月 22, 2010 水衛生環境改善 | Permalink
2010年8月26日 (木)
信頼される活動を目指して
8月18日~19日、中央エカトリア州の地域水資源局による調整会議が開かれました。この会議には、水・衛生分野で活動する国際NGO、現地NGO、現地政府などが出席しました。
「水は命」というスローガンのもと、会議の主催者は水・衛生分野で活動する団体を集めて、将来の計画を立てることを目的としていました。各団体と同じように、ジェンも2007年からこれまでの中央エカトリア州での水・衛生の活動について報告しました。
その席で、ラニャ郡の政府担当者が、ジェンの活動について次のようにコメントしました。
「ジェンは支援対象の選定から事業の実施にいたるまで、その過程がとても透明で、関連政府機関へも適切に報告をしています。ジェンを活動のモデルにしてほしい」
このコメントを聞いて、私はジェンで働いていることをとても誇りに思いました。私が以前働いていたジェンのエリトリアの事業でも、現地政府からこのように感謝されたことを思い出しました。これからも、現地の政府や人々から信頼を得られるような活動をしていきたいと思います。
プログラム・オフィサー/ハイレセラシエ
8月 26, 2010 水衛生環境改善 | Permalink
2010年7月29日 (木)
事業地の小学校訪問!
先日6月29日に、衛生教育の事業地であるカジョケジ郡のブライト・ユニティ小学校を訪れました。ブライト・ユニティ小学校は、カジョケジの街(街といっても、とても小さな街ですが)の中心部近くにあります。この小学校は男女共学で、全校生徒数は1000人を超える、カジョケジ郡の中では最も大きな学校です。校舎はレンガでできた建物と、スーダンでトゥクルと呼ばれている伝統的な土壁と草ぶき屋根の小屋の両方があります。
JENはカジョケジ郡とモロボ郡の小学校を対象に、皆さまとジャパン・プラットフォームのご支援で衛生教育と井戸やトイレの建設を行っています。カジョケジ郡では2008年から活動をしており、JENは地元でとても有名です。今回ブライト・ユニティ小学校を訪問すると、子どもたちはすぐに私達がJENのスタッフであることに気づき、あたたかく迎えてくれました。JENの活動が現地で評価されていることを実感し、これらの事業にかかわっていることを誇りに思いました。
ハイレセラシエ/プログラム・オフィサー
7月 29, 2010 水衛生環境改善 | Permalink
2010年7月15日 (木)
KAP調査開始しました!
みなさまのご支援とジャパン・プラットフォームさまのご支援により実施している学校水衛生事業は、おかげさまで順調に進んでいます。
この事業では、トイレ・井戸の建設、建設を実施した学校での維持管理委員会の立ち上げと、その維持管理に関するトレーニングを行います。
またこの事業では、衛生教育を合計51の学校で実施します。今はこの51校で、衛生教育前の子どもたちの衛生についての知識(Knowledge)、行動を変えることに対する態度(Attitude)、行動の習慣(Practice)を測る調査=「KAP調査」の真っ最中です。
この調査に基づいて、より綿密な衛生教育の実施が可能になるようにしていきます。
7月 15, 2010 水衛生環境改善 | Permalink
2010年7月 1日 (木)
変わり続けるモロボの生活
先日、私は、ベティー・アヨゾさんが、オンバチキリコ小学校で新しく掘った井戸の一つから水を汲んでいるところに出会いました。ベッティさんは23歳、2児の母。彼女は1キロ以上歩いて水を汲みに来ていました。
ここは安全な水を汲める唯一の場所。井戸で水を汲むために列ができるときもあれば、1時間以上待たされることもあります。以前、彼女は小川の水を料理に使っていましたが、そのせいで料理に色が付くほどだったそうです。
学校にある井戸を使う家は、一世帯当たり1ヶ月1ポンドのメンテナンス料を井戸管理委員会に払っています。井戸が学校の敷地内にあるので学校の生徒が優先的に使いますが、井戸の維持管理は地域住民全体で行う、という自覚があるのですね。
7月 1, 2010 水衛生環境改善 | Permalink
2010年6月 3日 (木)
モロボ郡水衛生の支援活動は大成功!!
学校を対象にしたJENの水衛生プログラムによって、遠隔地モロボ郡(Morobo)に住む人びとの生活は様変わりしました。
「立派な衛生施設と安全な飲み水は、すばらしい発展を住民たちにもたらしてくれたよ」とリョカポト(Ryokapoto)に住む人は言っています。(リョカポトはモロボ郡の地方都市)
郡の水担当部署代表のアルハジさんは「モロボの人たちにとって、これは本当にすばらしいことです。私たちは1年以内にこのように多くのものを達成できるとは思ってもみませんでした」と言います。
屋根から伝わる雨を集めて蓄えることによって、モロボ郡にある6ヵ所の学校で学ぶ1000人もの子どもたちが手洗い場を使うことができるようになりました。この手洗い場はジャパンプラットフォームとChabo!から提供されたものです。
リョカポトのリーダーのワニさんは「以前は、私たちはこのような施設を使ったことはありませんでしたし、JENのことも知りませんでした。JENがここで活動を始めてから1年、とても多くの変化がありました。これらは、今まで頂いた多くの支援なしには語れません」と語っています。
6月 3, 2010 水衛生環境改善 | Permalink
2010年4月 8日 (木)
JENの衛生教育~人形劇編~
JENは南部スーダンで帰還民の水衛生環境を改善するため、井戸やトイレを学校に建設したり、水因性の病気を予防するために衛生教育をしています。今回は衛生教育についてご報告したいと思います。
日本では「トイレの後は手を洗う」ことは、衛生上、大切なことだと理解し、習慣になっています。衛生や保健教育を受けていないスーダンの帰還民の子どもたちはどうでしょう。「衛生」を学んでいないのでその理由を知りません。そこで、まず「なぜ人はトイレを使った方がよいのか」を説明します。
説明をする時、ただ「話す・説く」だけでは効果がありません。メッセージを確実に伝えるために、手を変え品を変え、あらゆる手段でアプローチします。JENは、2007年から人形劇を衛生教育のツールとして使ってきました。
人形劇の良いところは
・第3者(人形)が演じている
・子どもたちは客観的に見ることができる
という点です。
人間が劇をするリアルすぎる場合がります。でも、人形が演じると、客観的に捉えることができるので、すーーーっと理解できる、という理由です。その劇を自分に当てはめて考えることで、メッセージが頭の中に定着しやすいのです。
子どもたちは、笑いながら楽しそうに人形劇を見ています。そのうちの一人は、人形劇のストーリーをお母さんにも伝えたい、と話していました。
JENの衛生教育が広がっていくと、「習慣」が生まれ、コミュニティ全体の衛生状態の改善に繋がってゆくでしょう。
4月 8, 2010 水衛生環境改善 | Permalink
2010年1月 7日 (木)
髪の毛を切ることは…
ジャパンプラットフォームさまと皆さまからのご支援を受け、JENは2007年から継続して南部スーダンの子どもたちに向けて、衛生教育を行っています。その衛生教育を受けた子どもの話をご紹介します。
「JENの衛生教育を受ける前は、両親がなぜ必死になって僕の髪を切ろうとするのか、わかりませんでした」と語るのは、14歳のロパニ・ダダ君です。「以前は、親が意地悪でそんなことをするとばかり、思っていました。でも、今はわかります。それは、髪の毛を短く切らないと、虱がわいたりして不潔になるからです。」
JENの衛生教育により、たとえば「掃除をする」「爪をきる」「洋服を洗濯する」等々の身の周りの衛生知識が再び身につけられ、身だしなみについても変化が起こっています。
1月 7, 2010 水衛生環境改善衛生教育文化、生活、習慣 | Permalink
2009年8月18日 (火)
「蛙」と「ダンス」
2009年4月より皆様とジャパンプラットフォーム様のご支援で、中央エクアトリア州に位置するモロボ郡とカジョケジ郡にて小学校での衛生教育を実施しています。今回は、その衛生教育を行った際の現地の子どもたちの様子をご紹介します。
衛生教育の第一ステップとして、毎日の生活に感じる「問題」の発見と衛生教育をつなぎ合わせて考える取り組みをしています。小学校4年生から6年生には、毎日の生活の一場面を絵に描いて表現してもらった後、グループでその絵について話し合い、4枚の別々の絵を使って1つのストーリーを作ってもらいます。
この作業は、自分の生活における水・衛生に関する問題発見をすることが目的です。しかし、子どもが自主的に描くストーリーや絵には、そういったことに囚われない自由な発想がいっぱいです。
例えば、子どもが描く日常生活の一場面には「蛙」が登場します。また「蜂蜜を取りにいく絵」や「木を切る絵」があります。これらは彼らが日常生活でとても身近に感じている生活の一場面です。
「では、日常生活の問題としては、どんなことが挙げられるだろう?」という質問には、「ダンス」という答えもありました。「どうしてダンスが日常生活の問題になるのか?」と聞くと、「ダンスは“お酒を飲む場所”と密接につながった行為だから」ということでした。
一見、関係ないように思える回答も子どもたちが真剣に日常生活について考えているからこそ。衛生教育の模範解答的な回答ばかりが挙がらなかったことに、とても安心しています。
8月 18, 2009 水衛生環境改善衛生教育 | Permalink
2009年7月23日 (木)
ハエが病原菌を運ぶから・・・
2009年4月より支援者の皆様とジャパンプラットフォームのご協力で、中央エクアトリア州のモロボ郡とカジョケジ郡にて小学校での衛生教育を実施しています。現在は子どもたちの“清潔度”や、清潔な行動を取ることを躊躇している理由を調べるために、事前調査を行っています。
この調査でわかったことは、子どもたちは衛生に関する独自の“理解”(=衛生的な知識)を持って生活をしている、ということです。たとえば、一部の子どもたちは、
「家にトイレがないけれど、遠くの茂みで用を足せば、病気にならない」ということ。
これは周囲の大人が、「用を足す場合は、不衛生だから茂みに行くように」と教え、子どもたちが学校で学んだ「ハエが病原菌を運ぶ」という知識と合いまった結果だろうか、と推測します。
下痢の対処方法に関する知識も独特です。現地の人々、とくに子どもにとって「下痢」は時に脱水症状を招く非常に恐ろしい病気です。それを防ぐために、水や砂糖、塩を一定量混ぜ合わせ、体内の水分と似通った成分の水を飲むことが一つの応急対処方法と言われています。しかし、病気を治すには、水、砂糖、塩を混ぜたものだけでは、足りないと考える人もいます。そこで、「下痢になったら、砂糖、水、塩に加え、コーヒーや土、泥を混ぜたら、下痢に効く」という話も聞きました。
JENが行っているこのプロジェクトの趣旨は、衛生に関する正しい知識を教え、守らせることではありません。むしろ、問題の発見、分析や解決方法について、子どもたちが自主的に考える機会となるように取り組んでいます。
引き続き、温かい応援をよろしくお願いします。
7月 23, 2009 水衛生環境改善 | Permalink
2009年5月14日 (木)
自立する力とは
日本では、新しいことをスタートするのにもっともいい季節は春ですね。南スーダンでも4月をむかえ、いろんな新しいことがスタートしています。
皆様とUNHCRのご協力で2009年3月に始まったジュバ郡小学校3校の建設と,皆様と外務省のご協力で4月に始まった学校水衛生改善のプロジェクトです。これに伴い、ジュバ事務所にも新しいスタッフが加わりました。現在は国際スタッフも含め、全員で21名の大所帯。大変賑やかです。
ところで、2009年3月末までプロジェクトを行っていた地域で新しいことが起こっているのを見てきました。いままで建物がなく、木の下で学んでいた学校に、なんとシェルターができ、トイレと井戸が完成しているのです。子どもの人数も倍に増えて、運動用の場所もできていました。住民の協力で作った井戸の柵やシェルター、それに学校の敷地を見るたびに、このプロジェクトが化学反応をおこし、人びとの自立する力を引き出したんだと思うと、胸がいっぱいになります。
5月 14, 2009 水衛生環境改善衛生教育文化、生活、習慣 | Permalink
2009年4月30日 (木)
モロボとカジョケジで活動をはじめました
新たに学校での水衛生の事業を開始しました。2007年に中央エクアトリア州ラニャ郡、テレケカ郡でスタートした事業ですが、これからは、同州のモロボ郡、カジョケジ郡でも実施していきます。新しい事業地はウガンダ、コンゴ民主共和国と国境を接しており、帰還民も多い地域です。
新規事業では学校衛生教育、井戸掘削、トイレ建設、地域の住民で構成する水管理委員会トレーニングの4つの活動を行う予定です。そして、帰還民の再定住地域が衛生的で生活しやすい環境になることを目指し、お手伝いをします。
事業開始に伴い、まずはスタッフの新規の雇用を開始しました。1つのポジションに200人以上も応募が来ることもあり、書類審査だけでもかなりの時間がかかってしまいます。そのあと、数人と面接を行い、最終的に合格者が決まります。最後は給与交渉です。国内に物資がなく、輸入に頼っているため物価高の南スーダンだけに、人件費も高いのが現状です。
ジェンの活動に参加し、一緒に働いてくれる仲間を探して今日も面接を続けています。
4月 30, 2009 水衛生環境改善 | Permalink
2009年4月 2日 (木)
自分たちで守る自分たちの井戸とトイレ
日本政府、支援者の皆様、そしてChabo!で集まったご寄付で実施していたラニャ郡4校を対象にした学校水衛生事業がついに終わり、3月26日に引き渡し式を実施しました。これからは、地元の行政と水衛生管理委員会によって、出来上がった井戸・トイレが維持されていきます。
この事業では、井戸・トイレの建設だけでなく、委員会のメンバーに対する、設備の維持や管理方法のトレーニングを行いました。トレーニングはジュバから専門家を招き、2校ずつ、2回にわけ、それぞれ9日間行いました。井戸修理のメカニズムを学ぶ座学と実際に修理を行い、実践的な技術も身につけてもらえるように工夫しました。実践編のトレーニングでは、なんと参加者の力で7本の井戸を修復しました。
引き渡し式では、参加者へ修了証を渡しました。実際に井戸を修理した参加者たちの表情は、自信に満ちていました。ジェンはこれからも、自分たちの手で井戸とトイレを大切に使っていく人びとの姿を見守っていきます。
4月 2, 2009 水衛生環境改善水管理委員会 | Permalink
2009年3月 5日 (木)
自立への道しるべ
昨年9月にはじまった小学校でのトイレと井戸づくりも、2月に入り、終盤を迎えつつあります。それぞれの学校に作ったこれら施設の管理委員会(寄り合いのようなもの)では、各校で2日間ずつワークショップを実施しました。学校ごと、または参加者ごとに井戸の正しい使い方と維持や管理方法について、参加者どおしがアイディアを出し合いました。
今回は、ワークショップの流れを簡単にご紹介しましょう。
*****
アイスブレイクとして、、、「井戸水に異臭がしたら、どう対応するか?」という場面を設定します。
委員会のメンバーから、「行政の水担当官に連絡をとり、水質確認をお願いする」というアイディアが出ました。このアイデアをきっかけに、委員会だけで解決できないケースについては、外部の人に支援やヘルプを依頼する必要があることが見えてきました。
さらに、質問を参加者とともに、掘り下げていきます。
「外部の人が修理を行う、または修理の監督を行う場合、何が必要になるか?」という質問しました。
「修理に必要な部品やパイプ、外部の専門家に支払うお金が必要だ」と言う答えが挙がりました。
「外部の人には、どのくらいのお金を払うのか?」という質問には、
「150ポンド、50ポンド、必要額に応じて」など、様々でしたが、合意したことは、『財源はコミュニティが確保する』でした。
続いて、「どのように財源を確保するか」という質問には、
「委員会の会計担当者へ毎月井戸使用料を支払う」、という方法が提案されました。
*****
すでに事業開始から現在まで、各学校の管理委員会は井戸を管理するために財源を集め続けています。そして、自分たちで維持や管理をしてゆくための準備を整えはじめているのです。
ワークショップでは、井戸の管理方法を押しつけるのでなく、その井戸を使う住民からアイディアをつのり、自分たちでできる管理の方法を決めていきます。こうして、自立への道しるべとなる土台ができれば、ジェンが去った後も、オーナーシップを持って、正しく井戸を利用してくれるのです。
3月 5, 2009 水衛生環境改善 | Permalink
2009年2月19日 (木)
ルールを決める、ということ
2008年9月からスタートした小学校4校へのトイレ建設、井戸掘削、維持管理委員会トレーニング事業も2月に入って終盤を迎えつつあります。
2月6日から、学校関係者と地元コミュニティの人が参加するワークショップを実施しています。このワークショップは、主に井戸の使用方法について住民の間でルールを決めることを目的としています。例えば、井戸を清潔に長い期間利用できるようにする工夫、井戸の故障修理の担当者と井戸水の洗浄担当者、それぞれの作業の調整や費用の工面方法、などを話し合います。
Komoyi小学校のワークショップには68名が、Kiribala小学校には52名が集まりました。ワークショップのでは、主にグループワークが中心です。5つのグループに分かれ、1つのグループに1名読み書きのできるメンバーが加わります。そして、井戸の維持管理で発生する場面に応じて、グループごとで問題解決案を発表する形式で進めました。
次回はワークショップで各グループによって発表された詳しい内容をお伝えします。
アサヒコム 「国際支援の現場から」でも
スーダンの最新情報が掲載されています。
くわしくは、こちら
皆さまからのご感想もお待ちいたします!
info@jen-npo.org
2月 19, 2009 水衛生環境改善 | Permalink
2009年1月22日 (木)
黄色と緑色!
2008年9月より、中央エカトリア州ラニャ郡にて、皆さまと外務省のご支援を頂いて実施している事業では、井戸掘削がほぼ終了し、トイレの建設事業が着々と進んでいます。
これと並行して進めていたトレーニングで、生徒自らドアノブの高さ、窓の位置、手洗いキットの高さ、トイレの壁の色を選ぶ活動がありました。ピンク、赤、紫等、別の色を用意していたにも関わらず、壁の色として、もっとも人気が高かったのは黄色と緑色でした。4校中3校の生徒が、この2色を選んでいます。
好きな色に理由はないだろうと、理由を尋ねませんでした。が、事業地からジュバへの帰り道に、ふと、思い当りました。まぶしい太陽と生い茂る木々がとても印象的な地域に暮らすこどもたち。太陽をつかさどる黄色と木々をつかさどる緑色は生徒にとって最も身近で、生活に存在する色なのではないかな、と。
出来上がったトイレを、少しでも身近に感じてもらえればと願います。
1月 22, 2009 水衛生環境改善文化、生活、習慣 | Permalink
2008年12月 4日 (木)
トイレ・トレーニング
2008年9月より、中央エカトリア州ラニャ郡にて、皆さまと外務省のご支援により、4校の生徒対象にトイレ・トレーニングを実施しています。このトレーニングは、4段階の構成で、週に1度、生徒とともに活動し、1ヶ月かけてトイレ使用の大切さと使用方法を実践的に学びます。
Step1:人形を使って生徒同士、自己紹介をします。
Step2:衛生にかかわる問題を確認します。
Step3:Step3の問題を解決する方法を考えます。
Step4:最後に、実際にトイレの使い方、清掃方法、手の洗い方を学びます。
それぞれのステップでは、ロールプレイを使ったり、ぬり絵をしたり、衛生について発表をし合ったり、と生徒が参加して実施する活動が盛りだくさんです。
明日、12月4日からスタートするStep3のトイレ・トレーニングでは、生徒の背丈に合わせたドアノブになるように、生徒自身が背丈を測る活動を取り入れています。
トイレが家にない生徒や、トイレを使ったことがない生徒に、「トイレは心地よく、親しみが持てる」と実感してもらうために、あの手、この手を使いながら、いよいよ今月よりトイレの建設に入ります。
12月 4, 2008 水衛生環境改善 | Permalink
2008年11月20日 (木)
地元住民と支援者の方との出会い
Chabo!著者の勝間和代さんが、JENの代表理事および事務局長とともに、スーダン事業地まで視察にいらっしゃいました。事業地の人々にとって、一度にこんなに大勢の日本人を見たのは初めての経験です。子どもたちが歓迎の歌で出迎え、先生たちの熱いメッセージが勝間さんご一行に届けられました。
JENの事業地は道路事情が悪く、支援の行き届きにくい場所にあります。今回のように、日本の支援者の皆様が事業地を訪れてくださることで、現地の人々は日本の人々からの暖かい応援を間近に感じることができました。
「私たちができることを、一緒に考えていきましょう」
という勝間さんからのメッセージは、人々の今後の自立を支える第一歩のメッセージになったことでしょう。
11月 20, 2008 水衛生環境改善事務所・スタッフ文化、生活、習慣 | Permalink
2008年11月 6日 (木)
コミュニティとともに
2008年9月より、中央エクアトリア州ラニャ郡にて、皆さまと外務省のご支援を頂いて実 施している事業を行っている学校の一つ、Komoyi小学校では、事業開始前になかったはずの井戸が、別のNGOによって学校付近に掘削されたことがわかりました。
JENの事業方針の一つに、「もっとも支援を必要とする人に支援を届けること」という方針があります。南スーダンは戦争後の復興の真最中で、必要とされる支援の種類は数多く、また支援を必要としている地域も広いことが現状です。
そういった中で、井戸がコミュニティにあって、しかしながら「十分ではないから、もう一本掘ってほしい」というKomoyi校地元住民と、「より水源の乏しい学校を探すべき」と考えるJENが話し合いを行いました。
地元教育担当官と事業地のチーフが見守る中、話し合いの末、Komoyi小学校の住民は、井戸を別の学校に譲ることに賛成してくれました。
事業を実施しながら考えることは、「事業の結果や効果には、プロセスが影響する」ということです。今回は、どのようにして地元住民の意見を反映し、納得してもらうかが、とても大切なポイントでした。まだ始まったばかりのこの事業、引き続き応援をよろしくお願いします。
11月 6, 2008 水衛生環境改善 | Permalink
2008年10月23日 (木)
新たに、3校の小学校で活動をスタートしました!
このたび、皆さまと外務省からのご支援をもとに、新しい事業をスタートしました!
新しいといっても、事業を行う地域はこれまでに引き続き、中央エクアトリア州ラニャ郡。ムカヤ・パヤム(Mukaya Payam)と呼ばれる地域の小学校3校です。
これらの学校では、飲料水として安全な水源がなく、近くにある池を利用しています。
下痢などによる乳児死亡率は非常に高く、また、水源まで歩いて数時間かかる家庭も多く、多くの女性や子どもは飲み水の運搬に時間をとられてしまいます。
たとえば、17名の女性の中で、妊娠中も水汲みをしていたという人は15名いました。
妊婦の重労働が流産を引き起こすとも言われており、実際17名中7名が流産を経験しているそうです。
また、10名は下痢によって子どもを亡くしたことがある女性でした。
避難先から帰還してきた人たちが健康的な暮らしを送るために、足りないものはまだまだたくさんあります。
たとえば、医療設備や地元で手に入る薬、最低限生活する上で必要な食糧、そして安全な飲料水と衛生施設(トイレなど)。
JENは子どもたちとその家族の水・衛生環境を改善するために努力していきます。応援をよろしくお願いします。
10月 23, 2008 水衛生環境改善衛生教育文化、生活、習慣 | Permalink
2008年8月28日 (木)
井戸維持管理トレーニング(2) – トレーニング開始!
3校の施設維持管理委員会メンバー15名を対象とした、井戸維持管理トレーニングを8月10日~16日の1週間にわたって実施しました。ラニャ郡には、他の援助機関によって設置されながらも、住民が維持管理できないために、故障したまま放置された井戸を多く見かけます。JENが設置した井戸が同じ状態にならないよう、今回は上記メンバー15名とJENスタッフ、講師がムンドゥ小学校に泊まりこみで、合宿形式のトレーニングを行いました。
トレーニングでは、ハンドポンプをはじめとする各部品の取り外し方や交換方法、点検の仕方などについて、実際にJENが設置した井戸を使用してみっちり1週間学びます。開始当初は眠そうな目をこすりながら教室に来ていた参加者も、トレーニングを進めるうちに積極的に質問したり部品を確認したりするようになりました。
8月 28, 2008 水衛生環境改善水管理委員会 | Permalink
2008年8月12日 (火)
井戸維持管理トレーニング(1) – どこで寝る?@フィールド
現在、日本政府のご協力の下で進めている学校水衛生改善事業も、佳境を迎えています。
対象校3校での井戸とトイレの設置も予定通り完了し、今は施設維持管理委員会のメンバーを対象とした、井戸維持管理トレーニングを実施しています。
フィールドに滞在する時は、その日の宿泊場所を決める必要があります。
町の中心部ではロッジを見つけることができても、遠隔地ではそうはいきません。
今回のトレーニング実施場所は、町から2時間ほど離れた小学校であるため、同校の教室に泊めてもらうことに。
スーダン人スタッフ2名は教室内にテントを張って寝ることにしましたが、私は以前からスタッフのすさまじいイビキに悩まされていたため、車の中に寝袋を敷いて寝ることにしました。
フィールドではこの時期夜間は冷えるのですが、車中で寝てみると案外暖かく、快適で、今後もクセになりそうです。
8月 12, 2008 水衛生環境改善衛生教育文化、生活、習慣 | Permalink
2008年7月31日 (木)
支援の手が届かない人々へ支援の手を
2007年事務所開設当初から、ラニャ郡の小学校を対象に井戸掘削とトイレ建設事業を継続して行っています。現在までに“アクセス可能”な小学校48校中、もっとも水衛生環境に乏しい6校に井戸とトイレを建設しています。
次の事業地ムカヤでは、乾季になると、井戸1本しか使えません。水源は、おもに自然に発生した沼や水溜りばかりです。これからは、ムカヤにある小学校3校を対象に、井戸とトイレを建設する予定です。
先日、ひと休みしたカフェで、地元の炭とウガンダの茶葉を使った、とてもおいしいお茶をいただきました。炭火で水が沸く間に、お店の方と一緒に見た水源は、やはり沼地にありました。
ムカヤは、ウガンダの国境にあるイェイという比較的大きな町に隣接していながら、人口が少ない地域です。人数は少ないものの、安全な水源へのアクセスが難しい子どもたちを対象に、学校からきれいな水を届けてゆきます。
7月 31, 2008 水衛生環境改善文化、生活、習慣 | Permalink
2008年6月 5日 (木)
住民達の協力
現在、外務省の協力を得て実施している学校水衛生改善事業は、色々な場面で住民の積極的な協力を得ながら進められています。
例えば、井戸掘り業者が井戸の排水溝を作る時にも、住民が資機材の運搬やコンクリート作りを手伝っています。また、井戸やトイレを管理するために設立された施設管理委員会のメンバーは、今後の維持管理方法の勉強のため、井戸のパイプを挿入する作業に立ち会って、手順や仕組みを学びます。
このように、施設の設置をただ業者任せにするのではなく、住民に積極的に参加してもらうことで、施設の維持管理方法について学ぶことができます。また、作られた井戸やトイレが自分達コミュニティの共有財産であるという意識を芽生えさせ、設置後もコミュニティによって大事に維持管理してもらえるようになるのです。
6月 5, 2008 水衛生環境改善水管理委員会 | Permalink
2008年3月13日 (木)
大使、ジュバ来訪
先週、在スーダン日本国大使館より、石井大使と早川一等書記官がJENジュバ事務所を訪問されました。現在、JENは外務省の協力の下、ラニャ郡において学校水衛生改善事業を実施しています。この事業では、ラニャ郡にある3つの小学校において、井戸の掘削、トイレの建設、水衛生施設管理委員会の設立と運営管理に関するトレーニングを行っています。
今回のミーティングでは、本事業の進捗を報告し、事業地における現在の治安状況を説明しました。また、ジュバでの生活や、今後のスーダンでの活動計画についても意見を交換しました。JENは今後も大使館や外務省をはじめとするいろいろな関係者と密に連絡を取り合いながら、スーダンにおける事業を進めていきます。ご訪問ありがとうございました。
3月 13, 2008 水衛生環境改善 | Permalink
2008年2月28日 (木)
胸一杯のセレモニー
ジャパン・プラット・フォーム(Japan Plat Form)と皆様のご支援によって、昨年4月より実施してきた事業が2008年1月31日を持ちまして、無事終了致しました。
テレケカ郡とラニャ郡の最もニーズの高い学校5校では、井戸掘削と学校衛生施設(トイレ)の建設が終了し、1月28日と31日に、それぞれの地域のコミュニティにて引渡し式を行いました。式には、コミュニティの人をはじめ、施設管理委員会のメンバー、コミュニティのチーフ、学校の校長先生、地元の水・衛生担当官、教育担当官、そして、ラニャ郡では郡長であるコミッショナーも参加しました。
コミッショナー曰く、「今までに数々のNGOがラニャ郡で活動を行っているが、このような引渡し式を正式に行ったのはJENが初めてで、とても歓迎している」とのこと。テレケカ郡では、「JENが初めに約束したとおりの事業を、途中で投げ出すことなく完了したことをとてもうれしく思う。JENが別の地域で活動を始めることになっても、是非この地域に戻ってきて欲しい。」とラブコールまでいただきました。数々の喜びの声で胸が一杯になった1日となりました。
2月 28, 2008 水衛生環境改善 | Permalink
2008年1月24日 (木)
井戸マシーン
みなさん、こんにちは!
JENでは世界の各地で井戸の掘削事業を行ってきました。その中でも、あまり目にしない「井戸マシーン(井戸掘削機)」の光景をご紹介します。
現在、南スーダンで掘削している井戸は、深さ80メールから100メートルにまで達するため、掘削途中には、かなり固い石の地層や粘土の層にぶつかることもあります。石の地層を打ち砕いて掘り進むとき、マシーンは煙を上げて空中に放たれるロケットさながら、ものすごい量の砂が舞い上がります。一方、粘土層の土に当たると、乾ききった土地に水が溢れ返ります。
しかし、その水はまだまだ飲料水として飲めるようなものではありません。粘土と石の層をくぐり抜け、深さ100メートルを打ち進み、ようやく本物の飲み水に到達するのです。
1月 24, 2008 水衛生環境改善 | Permalink
2007年12月27日 (木)
ラーニャ郡での井戸トレーニングの成果は…?
テレケカ郡とラーニャ郡で行われていた井戸管理委員会メンバーのトレーニングが無事に終了しました。 合計5校の井戸管理委員会のメンバーは、井戸の使用方法や維持の仕方を学び、井戸を家畜から守り、井戸水を清潔に保つ方法を話し合いました。
その話し合いの中で、管理委員会が自分たちの力で学校の先生や地元コミュニティの人々を集め、井戸の周りにフェンスを建設することになりました。
11月末に井戸管理委員会のトレーニングを終えたラーニャ郡の一校を尋ねてみると、地元コミュニティによる井戸のフェンスが出来上がっていました。
コミュニティの人々が井戸の完成に喜ぶ姿とそれを大切にしようと思う気持ちが伝わり、JENスーダン事務所は南スーダン・ジュバで、素敵なクリスマスを迎えることができました。
12月 27, 2007 水衛生環境改善 | Permalink
2007年12月20日 (木)
水事業が終盤に入りつつあります、その2
ジュバから車で走ること4時間、トレーニングを指導しくれるコスマスさんと、そのNGOメンバーのアムレの2人は、テレケカ郡のクオゥリという村に到着後、現地のコミュニティ代表との面会、テントの設置、実施場所の決定、参加者のための食事料理担当者との相談、等々を非常にテキパキとこなしています。
感心した私が夕食中に、「どうしてこの仕事をしているの?」と聞くと、少しはにかんで「他に仕事もないし、自分の知っていることが役に立つなら…」と言ってくれました。そのときの綺麗な夕焼け空と二人の笑顔が忘れられません。コスマスさんは、地元行政の水衛生担当官にも関わらず、お給料は支払われていないそうです。
スーダンに赴任して早3ヶ月が過ぎ、4ヶ月目となりました。地元の方の協力に支えてもらいながら、JENも地元の方を支えて、事業の終わりをもうすぐ迎えます。
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12月 20, 2007 水衛生環境改善 | Permalink
2007年12月13日 (木)
水事業が終盤に入りつつあります、その1
中央エカトリア州のテレケカ郡とラーニャ郡の学校で行った衛生教育が無事に終わりを迎えようとしています。と同時に、井戸と生徒用トイレを建設する地域で、コミュニティメンバーと井戸の維持管理、修理方法等を話し合うトレーニングを始めています。
12月9日から、テレケカ郡での井戸トレーニングの準備に行き、現地コミュニティメンバー10名の方、またトレーニング場所を提供してくださったコミュニティメンバーの方と会いました。
トレーニングを指導してくれるのは、ラーニャ郡でNGOを作っており、行政の水衛生担当官でもある、コスマスさんと、そのNGOメンバーのアムレさんです。お二人は、水関係に詳しいNGOで働いた経験もあり、井戸に関する知識も持ったスーダン人です。トレーニングは、10日の月曜日よりテレケカ郡で始まっています。
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12月 13, 2007 水衛生環境改善 | Permalink
2007年11月22日 (木)
水衛生施設管理委員会のトレーニングがスタート!
去る11月19日、先日発足した「水衛生施設管理委員会」のメンバーへのトレーニングが始まりました。
この管理委員会は、現在建設中の5つの学校の井戸とトイレの維持管理を担ってゆきます。
地元行政の水衛生担当官が、井戸修理用のポンプの仕組みや修理の方法、周辺の衛生環境を守ることの大切さなどを教えていきます。また、それぞれの学校では、井戸のまわりに動物を近づけないためのフェンス張りや、トイレの掃除当番などもはじめます。
井戸とトイレをより衛生的に管理をしていくために、これからは管理委員会のメンバーの間で、さまざまな話し合いが行われます。
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11月 22, 2007 水衛生環境改善 | Permalink
2007年11月15日 (木)
井戸掘削を開始
ラニャ郡にて、11月6日に井戸の掘削が開始されました。
当日は、ケニアの業者が所有する最新式の掘削機が、対象校のLOKA ROUND小学校に到着し、早速管理委員会が指定し事前調査を行った掘削場所にて、掘削が開始されました。
地元の方や生徒たちが見守る中、掘削1日目にして水が出て、大きな歓声が上がりました。これから水が十分な量出るかどうかのテストを行い、結果がよければ、ハンドポンプの設置となります。
11月 15, 2007 水衛生環境改善 | Permalink
2007年11月 8日 (木)
引く手あまたのエンジニア
現在、衛生改善事業の一環として、5つの小学校でトイレ建設が進められています。
こうした建設に関する事業に欠かせないのが、エンジニアの存在。実際の建設は業者が実施しますが、設計図どおりに建てられているか、資材の質はどうかなど、全てを細かくチェックして、計画通りに建設が進められていることを、ジェンのエンジニアが確認していきます。
トイレの建設が始まってからというものの、ジェンのエンジニアは対象校5校を週に一回は必ずまわってモニタリングを実施しています。
建設完了予定の12月まで、彼の忙しい日々が続きます。
11月 8, 2007 水衛生環境改善 | Permalink
2007年11月 1日 (木)
井戸を掘る準備
学校での井戸掘削(くっさく)事業の対象5校において、井戸掘削前に地下に水があるかどうかを調べる調査が行われました。
写真のテレケカ郡の対象校周辺では、井戸が全く存在していないため、調査時には村人が結果を心配して大勢集まってきました。
結果は、どの場所でも60 ~80mで水がありそうだとのことで、村人たちも一安心の様子でした。
調査の後、村長さんからの感謝の印とのことで、村長さんのご自宅でジェンのスタッフに対してこの地域では日常的に食べられているサルを使った料理が振舞われました。
11月 1, 2007 水衛生環境改善 | Permalink
2007年10月 4日 (木)
こんぶ出汁?かつお出汁?
みなさま、こんにちは。2007年9月5日より南部スーダンのジュバ事務所に意気揚揚と赴任しました若野です。雨季の南スーダン・ジュバに来まして早1ヶ月です。
赴任前からある程度予想はしていたものの、最もカルチャーショックだったことは、事務所の水も濁っている、ということでした。それは、不透明であるという程度の濁り方ではなく、日本で言うと、だし汁くらい色の付いた濁り方をしています。蛇口から出る水も、シャワーの水も、洗面台の水もトイレの水も、すべてナイル川の水を使うためです。
週に一回の頻度で、水タンクを積んだ給水車が事務所に来ます。その給水車の水を事務所の水タンクに入れて、使用します。体を清潔に保つために、水で体を洗い、使用した食器を洗浄し、トイレを水で洗浄したり、沸騰させて飲料したり、炊飯をしたりと多くの場面で欠くことができないのが水です。
南部スーダンでのJENの活動は、衛生教育と井戸掘削やトイレの建設を通して、水に関する疫病を予防することです。
私たちが日本で当然のように使用している水が、この国では長い間、使用できませんでした。その苦労に、たくさんの敬意を込め、そしてこれからは、水を使って生活環境を整えるための努力と、その必要性を現地の人々と確認し合いながら、事業を進めていきます。
★★ 神楽坂まち飛びフェスタがはじまります。★★
JENは豪華ゲストを迎えて
「スーダンまるかじり」なるショーを企画しています。
ふるってご来場ください!
くわしくは、こちらを
10月 4, 2007 水衛生環境改善文化、生活、習慣 | Permalink
2007年9月13日 (木)
ザ・パペットショー
現在実施中の衛生教育では、生徒が楽しみながら衛生について学べるように、さまざまな工夫を凝らしています。そのひとつが人形劇を使った衛生教育です。
劇で使われる人形は、地元で入手できるマットレスのスポンジや、着られなくなった古着などを利用して、衛生プロモーター自らが作ります。ストーリーも、生徒たちへのヒアリングをもとに、特に理解度が低いポイントに絞って、衛生プロモーターが練り上げていきます。
普段、あまり見ることのない人形劇に、学校に通う生徒だけでなく、コミュニティの大人たちも観客として参加しています。
こうして、衛生にかかわる大切なメッセージが、学校を拠点に、コミュニティ全体に広がるのです。
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9月 13, 2007 水衛生環境改善 | Permalink
2007年8月23日 (木)
衛生ソング
現在実施中の衛生教育では、衛生ソングを使って衛生の大切さを子どもたちに伝えて
います。
ジェンの衛生プロモーターによって作成された歌のひとつをご紹介します。
「みんな トイレを つかいましょう
みんな きれいな水を 飲みましょう
健康のために 野原で用を足しては だめだよ
食べる前には 手を洗おうね
トイレを使った後には 手を洗おうね
身の回りを きれいにするために みんなで協力しよう」
メロディーをお伝えできないのが残念ですが、歌になるとメッセージがより伝わりやすい
ようです。
衛生教育を実施した村では、こうしたジェン製作のオリジナル衛生ソングを歌っている子どもたちを、よく見かけます。
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8月 23, 2007 水衛生環境改善衛生教育 | Permalink
2007年7月26日 (木)
衛生教育開始!
ラニャ郡にて、衛生教育がはじまりました。
今週実施した3校で、JENの衛生プロモーターは先生や生徒から歓迎を受けました。生徒たちも大はしゃぎで衛生教育セッションに参加をしていました。
衛生教育では、ピクチャーカードを使用したり、劇や歌を使い生徒が楽しみながら衛生について学びます。そして劇に込められたメッセージが自然と生徒に伝わるように、工夫がされています。また、生徒だけではなく、先生に対する衛生教育教材の説明も実施します。そして、いつかJENが事業を終了した後も、先生たちが衛生教育を引き続き実施できる体制をつくっていきます。
今までに実施した事前調査で、生徒たちはトイレの使用が下痢の発生の予防になることや、川の水は汚染された水であることをきちんと理解していないことがわかっています。不足している知識を補い下痢や水を起因とする病気の発生を減少させるために、今日もJENの衛生プロモーターが学校を周り、活動しています。
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7月 26, 2007 水衛生環境改善 | Permalink
2007年7月 5日 (木)
あなたにとっての衛生って?
JENでは学校での衛生教育や井戸掘削を実施する前段階として、衛生に関する調査を開始しました。
調査の一つ目は、学校の衛生状態やトイレや井戸など施設の衛生状態の把握です。学校のスタッフに衛生教育の実施の状況について質問をしながら調査を進めています。そして結果をもとに、井戸やトイレを必要としている学校を的確に把握し、選定する予定です。
二つ目は、生徒の衛生に関する知識・態度・活動の把握です。学校の生徒に対して質問し、調査を行っています。
衛生分野のどの部分の理解が足りていないか、どういった生活習慣が衛生状況改善の障害となっているかを見ることで、後日実施される衛生教育の内容をより効果的なものにするために使われます。
これまでに調査を実施した学校では、多くの生徒が川の水を安全ととらえ、飲み水として利用していることがわかりました。衛生への認識を改善するために、JENは活動を続けていきます。
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7月 5, 2007 水衛生環境改善 | Permalink
2007年6月28日 (木)
事業地までの長い道のり、その3
4時間の船旅を終えひと休み中の我々一行は、この街からJubaまで、ボートで更に6時間かかるということを知りました。そこで、急遽予定を変更。ボートを降り、乗り合いバスを利用することにしました。そして、バスに揺らること2時間、ようやくJubaに到着しました。
この出張は、Terekekaへのアクセスがどれほど困難かを、実証するものとなりました。アクセスの悪い場所ほど支援の手が届きにくいこと、そして、そういう場所で支援活動を実施することこそがJENの使命です。
いかに安全に、そして確実に支援を届けるか。スタッフの安全を第一におき、迅速な支援を行うための事業の作戦を練る。必要とされている人たちに、必要とされる支援を届けてゆきます。
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6月 28, 2007 水衛生環境改善文化、生活、習慣 | Permalink
2007年5月30日 (水)
衛生教育プロモーターのトレーニングを開始!
学校を訪問し衛生教育を実施するプロモーターを育成するためのトレーニングが、5月28日にラニャ郡で開始されました。
地域に根ざした支援とするため、また地元行政に事業に対するオーナーシップを持ってもらうために、プロモーター候補生はラニャ郡在住の人々を地元行政に推薦してもらい選定しました。
約一週間のトレーニングでは、水と衛生に起因する病気について学ぶだけでなく、PHAST (Participatory Hygiene And Sanitation Transportation)と呼ばれるユニセフが推奨する住民参加型アプローチの衛生教育の実施方法を学び、今後の行動計画も立案します。
5月 30, 2007 水衛生環境改善 | Permalink
2007年4月26日 (木)
ラニャの小学校を訪問
JENの事業地のひとつであるラニャ郡は、南スーダンの中心都市のジュバから車で約2時間南に行ったところにあります。先日事業を開始するにあたって、ラニャ郡の行政の方々へご挨拶すると同時に、付近の小学校を訪れました。
ラニャ郡は、内戦中に政府軍と南部を拠点とするSPLA(Sudan People’s
Liberation Army)が戦った紛争地帯でした。そのため、ラニャの小学校は建物がある小学校がほとんどなく、現在子どもたちは青空教室や、国連機関が配布したテントの中で勉強をしています。
2005年に内戦が終了し、隣国ウガンダやコンゴ民主共和国に非難していたスーダン人の帰還が開始しました。2007年も南スーダン全体で約10万人の帰還が予定されています。その中には多くの子どもたちが含まれるため、急激に増加する生徒数に学校側が対応できていないケースも多くみられます。
私たちが訪れた学校でも、現在約400人の生徒数に対してトイレが2つしかなく、衛生環境の整備が課題のひとつとなっていました。
帰還した子どもたちが安心して学べる環境を整えるため、JENでは日々準備を進めています。
4月 26, 2007 水衛生環境改善文化、生活、習慣 | Permalink
2007年4月 6日 (金)
スーダンで支援を開始します!
2007年4月から、ジャパン・プラットフォーム様のご支援のもと、南部スーダンにて学校水衛生改善事業を開始します。
20年にわたる内戦を経て2005年1月に和平合意が締結された南部スーダンでは、370万人の国内避難民と35万人の難民が帰還を開始しています。
JENは、ウガンダやコンゴ民主共和国からの難民の主な帰還先となっている中央エカトリア州テレケカ郡とラニャ郡にて、学校衛生教育事業を実施します。78校(生徒10675人)に衛生教育に関する教材を配布し、先生に教材の使用方法を学んでもらい、生徒に対して劇などを通じた衛生教育セッションを行う予定です。学校の教材開発や先生のキャパシティービルディングを中心に据えることで、今後学校レベルで先生が日常的に衛生教育を行う体制を整えるための支援を実施していきます。
また、中央エカトレア州には井戸やトイレが併設されていない学校が多く、生徒が川の水を飲むなど安全な水へのアクセスがなく衛生状況が悪い中で子どもの下痢が多発していることから、学校に井戸を掘削しトイレを建設することで、子どもたちの健康改善を図っていく予定です。学校に委員会を作ることで、完成後も学校側が自主的に施設の維持管理を行えるようにする予定です。
JENはスーダン支援のため、募金を受付けています。みなさまのご理解、ご協力をお願い致します。
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4月 6, 2007 水衛生環境改善 | Permalink