南スーダンのクク部族における文化
私の名前はエマニュエル・ケネス・ドゥクです。総務担当者としてジェンに勤務しています。この支援速報において、私の出身部族の文化についてご紹介いたします。
私の出身部族はククと呼ばれます。この部族は主にジュバがある中央エクアトリア州のカジョケジ郡に住んでいます。南スーダンの南部に位置し、そこにはカンガポ1、カンガポ2、リレ、ルゥオロ、ネポという5つの地区(「パヤム」と呼ばれます)があります。
カジョケジの地名は、部族酋長カジョ・コジの名前から取って名付けられたものであり、クク族の土地にその名が与えられました。
ククは、中央エクアトリア州に約54万2千人が生活する最大部族バリ族に属します。私たちはバリ部族と同じ言語を話しますが発音が異なり、その言語はクク語と呼ばれます。書き言葉も存在し、次の27のアルファベットからなります。
A E I O U Ö – B D G J K L – M N P R S T – W Y ’B ’D Ý Ŋ – NY GB KP
部族の主要な経済は農業であり、家族の大半は、村で農業に従事しています。主な栽培作物はアワ、メイズ(トウモロコシの一種)、米、野菜、です。また、羊、ヤギ、牛といった家畜を飼育しています。そのほかに、狩猟用のナイフや槍、歌が歌われる時に演奏されるドラム、シェケレ(ヒョウタンを使った楽器)やフルートなどの楽器も作っています。
クク族には、様々な踊りがあります。例えば日照りに悩まされたときは、部族の若者が雨乞いの踊りを踊ります。雨に恵まれると、人々は土地を耕し収穫をあげられます。そうすると今度は、喜びを表す踊りを踊り、神への感謝を表します。葬儀の際にもまた踊りがあり、遺族が悲しみを表します。
クク部族は、歌を愛し、歌を書きます。通常は実話をもとに歌が書かれ、そこに登場するキャラクターは大抵が動物です。これらは普通年長者によって子どもたちに語られます。
現在は、村で私たちは近代的な衣服を着ていますが、昔は、動物の皮や木の繊維から作られた服を着ていて、身体のほんの一部を隠しているにすぎませんでした。
美についてですが、女性は金属製のイヤリングを身に着けますが、男性は男性である証として身体に傷跡をつけます。そうすると、女性が認識してくれ、好意を持ってくれます。身体に傷をつけることは女性には許されていません。
日常生活は、男性は日中狩りに出かけ、女性は大抵農作業か家事をしています。女性は、男性より早く家に戻り、子どもたちのために食事を作り始めます。幼い子どもは男の子であっても女の子であっても、近くの水汲み場へ水をくみに行きます。若い男性は、父親や年長者の側にいて狩猟を学び、若い女性は、母親の側で料理や夫との接し方を学びます。
裕福であるか沢山の家畜を持っている人はコミュニティの中で最高の敬意を払われますが、通常敬意は年長者に対して払われます。次に若い男性たち、最後にようやく女性と子どもの番になります。年長者に敬意が払われるのは、家庭内およびコミュニティ内で問題が発生した場合に、年長者が問題解決を任され、皆が年長者の言葉に耳を傾けて従うということからも見て取ることができます。
結婚のプロセスはとても長く、まず、男性の家族が他の地区のコミュニティへ行って、良いバックグラウンドの女性を探すことから始まります。そのバックグラウンドは、かつては家柄と振る舞いでしたが、今では教育も含まれます。もし特定された女性のバックグラウンドが良くなければ、良いバックグラウンドを持つ尊敬に値する女性を探しに男性の家族は別な村へ移ります。こうして男性の家族は、女性達の振る舞いを知ることができるのです。
もし女性の家族が同意すれば、婚姻が正式なものとなります。以前は、自分の両親や年長者が合意すれば結婚に選ばれた女性は何も言いませんでしたが、今では、両親や年長者と結婚する女性が全員同意することになっています。持参金は通常、現金や家畜で支払われます。
コミュニティにおいては、年長者がほとんどの意思決定をします。係争や人の死などが発生した場合は、年長者が集まってどう解決するかが話し合われます。もし殺人のような犯罪があった場合には、被害者側の許しを得たうえで、加害者は、羊や牛などの家畜で代償を払わなければならず、時には農地の一部を被害者の家族に与えることもあります。コミュニティには様々なルールがありますが、その中には、互いを尊重し、また互いのプライバシーを守るというルールも含まれています。
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