長く井戸を使うために ~井戸修理工の再研修、カジョケジ郡~
JENが活動している地域では、JENが設置している学校の井戸以外にも村にはいくつか井戸がありますが、壊れてもなかなか修理されていないのが現状です。
修理されない理由の一つは、村人がどこに経験ある修理工がいるか知らないためです。
また、定期的な保守点検せずに完全に井戸が壊れてから修理するので修理費が高くなり、いよいよ修理できなくなってしまうことも問題です。
JENが設置した以外の井戸についても、きちんと保守修理され、継続的に使用できるようにするために、JENは昨年ラニャ郡で井戸修理工の協会を立ち上げ、コミュニティと協力して保守点検や修理を実施できるような体制を構築しました。
今年はカジョケジ郡とモロボ郡で、協会という形ではなく井戸修理工個人が近隣のコミュニティと連携して井戸の維持管理を行い、井戸が長く使われるようにする体制の構築を進めています。
先日は井戸修理工の能力強化のために、カジョケジ郡にていろんな村から推薦された井戸修理工31名の研修を実施しました。研修では、単なる修理技術だけでなく、保守点検(POM:PreventiveOperationand Maintenance)の技術にも重点を置きました。これは壊れる兆候をつかんで完全に壊れる前に修理するためです。
【JENが配布した作業着を着て修理訓練】
参加した井戸修理工は、みんな保守点検の技術研修に興味を示しており、参加者の一人チャプリン・ソロ(Chaplain Soro:35歳)さんは、「この活動は地域の給水事情の改善にきっと役に立つ」とコメントしてくれました。
【修了式で謝辞の準備をするチャプリンさん】
また、アス・ジョセフ(Asu Joseph:24歳)さんは、「井戸の深さの計り方など具体的なことなどを学ぶことができ、またコミュニケーション・スキルの研修を通して、どのように効果的にコミュニティから協力を得ていくかを学ぶことができた」と話してくれました。
【JENの配布したマニュアルを手にするアスさん】
今後は、モロボ郡で同じ研修を行った後、各村のコミュニティへの保守点検の説明、井戸修理工の実演を通じて、コミュニティの保守修理への理解を深める活動を行っていきます。
【カジョケジ郡での参加者全員】
(この事業は、ジャパン・プラットフォームと皆様のご支援で進められています)
(ジュバ事務所長/西丸 崇)