首都から2時間の今 ~クリパパ小学校~
前回お伝えしたように7月から開始したジュバ郡10校での水衛生活動。まずは、ジュバ郡にある約140校の中から10校を選ばなければいけません。教育局などに聞き取りをした結果、ジュバ市内および近郊を除く地域で井戸のない公立小学校として25校が確認されました。
【先生に話を聞くジェンスタッフ】
先日、この22校の一つ、クリパパ(Kulipapa)小学校を調査しました。クリパパ小学校はジュバ市内から悪路を2時間ほど行ったところにあります。1年生から5年生までの全校生徒90人ほどで朝8時半から午後2時まで勉強します。給食はなく、2時過ぎに家に帰ってからお昼だそうです。学校まで1時間かけて歩いてくる生徒もいるそうです。
【クリパパ小学校】
事前に行政から聞いていた通り、この小学校には井戸もトイレもありません。井戸は1時間ほど離れたところに一つあるだけ。学校の水は用務員さんが朝1回運んできますが、それは先生用のポリタンク一つ。子どもたちは水を使うことができず、休み時間に水を飲んだり授業の前に手を洗ったりすることもできません。トイレも学校の裏の茂みで用を足すしかありません。
【休み時間で校庭で遊ぶ子どもたち】
この学校は、2007年までは青空教室でしたが、2008年に住民が協力して土壁とトタン屋根の校舎を3棟建設、今年、政府が煉瓦造りの校舎を2棟建て始めました。しかし、井戸やトイレを作るには至っていないそうです。
【建設中の煉瓦造りの校舎】
ジュバ市に近いので町に出ていく家族も多いかと思ったのですが、実際はジュバ市でも就職できない人たちが農業をしに戻ってきていて、生徒数は少しずつ増えているとのことです。
【左から、コロネリオン先生、ケニー先生、ラドゥ先生】
12時ごろに教室をのぞくと、休み時間に水を飲めないにもかかわらず元気な生徒たちで一杯でした。
* この事業はジャパン・プラットフォームおよび皆さまのご支援で進められています。
(ジュバ事務所長 西丸崇)