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2010年3月25日 (木)

コミュニティの力

 JENの活動方針の一つに「与える支援ではなく、支える支援を」があります。この方針を実現するためには、時間をかけて、地域の人々とコミュニケーションをとり、理念を共有する「過程」が大切です。今回は、昨年12月に行った井戸修復の時のエピソードをご紹介します。

 井戸の修復は、南部スーダンの水衛生セクターの中で、最も優先順位が高いものの一つです。特に、コミュニティ全体が修復のスキルを身につけることが重要です。

 JENが学校建設を支援するコミュニティには、4本の井戸がありましたが、うち3本が壊れていて、水が出ない状態でした。JENは、壊れた井戸について人々と話し合いをもちました。彼らにとっては、JENが修復するだろうという期待があったようです。

 「支える支援」を行うためには、自助努力の促進が不可欠です。そこで、JENは費用の半分づつの負担を促しました。折半など、人々にとっては初めての試みであったにも関わらず、その案が採用になりました。

100325_somba_elders_small_2 「自分たちの井戸は自分たちで何とかする!何とかできる!」

 ここで重要なことは、コミュニティが費用を負担することではありません。主体的にかかわることがなにより大切なのです。

 今後も各自がお金を出し合って、井戸を維持し、管理していくことになりました。

3月 25, 2010 水管理委員会 |

2010年3月11日 (木)

私の父と伯父の足跡(Part.2)

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メレス 一家の記録

 なぜなら、エリトリアで暮らす人は近年、遠くで暮らす家族のための仕送りで苦しんでいたからです。私も同様に、少ない収入を親戚に送ることで、48歳になる3番目の弟がジュバに来る資金を得られるまでになったのです。

 弟は、危険を承知で不法に国境を越え、幸運にもジュバで最も大きいホテルに勤めることができました。それから、メレス一家は今までにないほど経済的に豊かになりました。このとき、不法移住により自分の母国に帰ることができず、外国で暮らす大変さを実感しました。

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私の弟, バーヘーン, ジュバのスターホテルにて

 今、この経験から思い出すのは父と伯父がエチオピアへ移住した時のことです。貧困に苦しむ彼らが唯一持っていた財産は、村人の強い愛と互いに協力するという心でした。しかし、貧しさから父はエチオピアへ行き、自分と弟の両方の家族を養い始めました。ついにはそれも困難になり、エリトリアが独立を果たして国外退去となるまで40年以上暮らしていたエチオピアに、二人の家族を連れ戻すという決断を下しました。

 私の父や伯父の話と繋がりがあるという点で、歴史は繰り返されているといえるかもしれません。近いうちに、自分たちの意思で本国に戻れるようになることを、祈っています。

3月 11, 2010 事務所・スタッフ |