着工式で「うん」がつく
6月10日、JENが校舎の建設を進めているソンバ小学校にて、着工式を執り行いました。
実は、すでにこの学校の工事は開始しています。しかし、バリ族である地元の人々の話によると、“工事を実施する前には必ず、ある儀式を行う必要がある”ということで、遅ればせながら着工式が挙行されたのです。儀式には地元の酋長さん、南スーダン政府の教育省の役人、パートナーであるUNHCRの代表者が参加してくださいました。
動物のあるモノを地面に浸透させる、というその儀式は、工事の安全と工事にかかわる人々の健康を保証するために執り行われるものです。着工式に向けて、JENからは山羊を一匹、トウモロコシの粉、油、塩、トマト、ドラム缶一杯のお酒を寄付しました(バリ族の皆さんは自他共に認める?大酒飲みということで有名だそうです)。
山羊と食料を受け渡したのち、儀式は、まず動物を犠牲にするところから始まりました。首から血を絞り出し、大地にしみこませます。その後、肛門を切り裂いて糞便を絞り出し、それに食用油を混ぜ、学校の敷地に撒きます。この作業は村の酋長さんによって執り行われ、その儀式の間、村の女性たちは大地に響く雄叫びをあげていました。
その後、酋長さんが私の目の前で立ち止まり呪文らしきものを唱え始めました。思わず目をつぶって聞き入っていましたが、そのうち顔の表面に何やら生暖かい感触を感じました。目をあけると、なんと、酋長さんが私の顔にその聖なる糞尿を塗っているではないですか!
同席していた政府の役人によると、この糞を塗ってもらうことで私自身の今後の身の安全と健康が保証される、とのことでした。「うんがつく」とはまさにこのことでしょうか?儀式の後、代表者がスピーチをしていたのですが、私は驚きと、微妙なにおいに刺激され、ほとんどうわの空でした。
順調な工事を願うための式典で、思いもかけず珍しい体験をしてしまいました。最初はびっくりして思わず腰が引けたものの、これで健康が保証されると聞くとなんとなく嬉しい気分です。