2007年11月22日 (木)

漁網づくりの職業訓練がはじまりました

Panichankeny7  11月19日、東部バティカロア県での紛争被災者への支援の一環として実施する、漁網づくり職業訓練のオープニングセレモニーが行われました。

 今回の事業では、漁業協同組合が管轄する合計10ヶ所の村で訓練を行う予定です。

 1回目は5村で実施。各会場には、地元ワカライ郡の郡長、スリランカ軍の民生部門の担当官、漁業省の担当官などが出席し、スリランカの伝統である蜀台への点火に続いて、各出席者のスピーチが行われました。

 1村40人の事業参加者に対し、1日3時間ずつ2ヶ月間に渡って訓練が行われるこの訓練、講師陣は、地元の大学に所属する経験豊富な専門家で、講義と実習を交えます。

 また、各事業地では心理学者によるカウンセリングも行われ、津波や紛争で心に傷を抱えた住民を精神的にもサポートします。

 訓練が終了する時、参加者が漁網の修理や製作を通して収入の手段を得て、生活を改善することを目標にしています。

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11月 22, 2007 魚網作り |

2007年9月13日 (木)

バティカロアの訓練所建設にむけて

Puliyankandaladi_village8  ワカライ郡で、事業の一環として職業訓練(魚網作り)を実施することになりました。しかし2004年の津波被害、長きに渡る戦闘により、訓練に使用できる適当な施設が残っていません。そこでプレハブ構造の訓練所を建設予定です。

 しかし、ここで問題となるのが物流です。

 一棟あたり5トン相当の建材を、対象となる10の村に届けるために、大型トラックとクレーン付き小型トラックを手配します。現地へのアクセスが悪いため、業者の多くは引き受けることに躊躇気味でしたが、ようやくバティカロア県内で実績のある建材輸送業者と折衝が始まりました。

 避難民の方がたが帰還されて、既に6ヶ月(*)経ちましたが、本格的な復興には、まだまだ時間がかかります。皆さまの継続的なご支援を宜しくお願いします。Broken_village_by_war

*ワカライ地区(バティ北部)への帰還。他地域への帰還は3ヶ月ほど遅れた。

9月 13, 2007 魚網作り緊急支援 |

2007年8月30日 (木)

スリランカ東部での事業開始

P6220116   JENはジャパン・プラットフォームの資金協力により、スリランカ東部のバティカロア県で、紛争被災者に対する支援事業を開始致します。この地は、昨年夏以降にスリランカ政府軍とタミール人の武装組織であるLTTEが激しい戦闘を行った場所で、16万もの人々が生活の場を奪われ国内避難民となっています。

 紛争が収束に向かった今年の春以降、約10万の人々が元の村に帰還しました。しかし、2004年暮れのインド洋津波の被害を受けた場所もあります。紛争と津波、ふたつの大きな被害によって、人々は生活基盤や生計の手段を失われました。

 今回の事業では、県内北部、ワカライ地区の漁民を対象に、紛争で失われた漁船の配布、魚網作りの職業訓練、漁業協同組合の活性化、心理カウンセリングなどを実施する予定です。Kokuvil2_idp_camp4

 まずは事務所の設立、現地職員の雇用、行政との事業実施合意書締結などの事務手続きから始まりますが、10月中旬以降は活動を軌道に乗せて行く予定です。

8月 30, 2007 心のケア魚網作り緊急支援 |

2006年6月30日 (金)

味の素野菜栽培・栄養改善事業

1_25  味の素株式会社様のご支援により、野菜栽培を通した栄養・生活改善支援事業を4月より開始しました。この活動は、津波で家をなくし「再定住地区」と呼ばれる内陸の開墾地に移住した津波被災者女性を対象に行っています。

 活動では、有機農法による環境に優しい野菜栽培の指導に加え、ソーシャルワーカーが栄養指導とカウンセリングを行い、被災者の心の傷を癒すと共に、被災者の栄養状態の改善を目指します。新しい農法を習得するだけでなく、正しい栄養知識を得ることができるということで参加者に好評です。

 参加者のナスリーナさん(33歳)
 「私は津波で父、母そして2人の子どもを亡くしました。庭いじりは前から好きだったのですが、津波で大好きだった家も庭も全部なくなってしまい落ち込んでいました。新しい土地に越してきて、この活動に参加したことで、何もなかった庭に新しくオクラやマメなどを育てることができてすごく嬉しいです。栄養のクラスでは仲間と集まるのが楽しみです。今まで知らなかったこと、例えば、どういう食べ物を食べれば、病気を防げるかなど毎日新しいことが学べてとてもためになります。」

スリランカ津波復興応援ツアー(11/18~23)参加者募集中!

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6月 30, 2006 魚網作り |

2006年1月 5日 (木)

不思議な村

21  JENが魚網作りのトレーニングを行っているモダラガラ村は、他の漁村と同様多くの家屋が津波によって破壊されました。不思議なことにモダラガラ村では津波により命を奪われた人は1人もいませんでした。

 スリランカの多くの漁村では、第一波が去った後、浅瀬にいる海老や魚を獲ったり、逃げ遅れたりしたことで、第二波に飲み込まれてしまい、多くの人々が命を落としました。

 村人たちに津波につていの知識があるわけでもなく、ただ村のお年寄りたちの「危険だからとにかく皆で逃げろ」という言葉に従い、村人たちは第一波が来た瞬間に、村人全員で海岸から遠くへと走って逃げたそうです。そのため、多くの家屋は破壊されてしまいましたが、けが人もなく、皆無事でした。

 お年寄りが「危険だ」と感じたことは直感であって、なぜそう感じたかはよくわからないそうです。

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1月 5, 2006 魚網作り | | コメント (0)

2005年11月24日 (木)

きれいになった砂浜

s1  JENが魚網作りを行っているモダラガマ村では、地元の人々が海岸清掃を行いました。この村は、津波により地形が変わり、大雨の際、川が氾濫し村が浸水するようになりました。川の入り江にゴミが溜まってしまい、水の流れが悪くなるのです。そこで、人々が話し合いをし、また浸水が起こらないように、週末皆で協力して入り江と砂浜のゴミ拾いをしました。

 今では、この海岸線はすっかりきれいになり、白い美しい砂浜が広がっています。このように、JENのトレーニングは村の連帯を強め、地域活動の促進にも繋がっています。

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11月 24, 2005 魚網作り | | コメント (0)

2005年11月10日 (木)

男性に好評なカウンセリング

2  JENは職業訓練活動を終える際に、各村に活動についてのアンケート用紙を配ります。その際、面白い共通点を見つけることができます。

 「魚網作り」の村は、参加者の多くが男性ですが、「ココナッツ・ロープ作り」は参加者のほとんどが女性です。多くの場合、魚網作りの村の男性は一番面白かった活動内容として「カウンセリング」をあげます。これに対して、女性は「ロープを使ったマット作りの作業」など、作業の内容に参加する面白さをあげる人が多いのです。

 スリランカの男性、特に漁師は、自分の辛い気持ちを表現したり、人に打ち明けたりすることはほとんどないそうです。そうはいえ、津波で家族や家を失い、辛い気持ちを抱いていることには変わりがありません。魚網作り参加者のアンケートには、「カウンセリングを通して、初めて自分の気持ちを吐露することができ、気持ちが軽くなった」という感謝の声が多く寄せられています。

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11月 10, 2005 心のケア魚網作り | | コメント (0)

2005年10月20日 (木)

女性も参加する魚網作り

 1 魚網作りに参加する多くが漁師の男性ですが、中には女性の参加者もいます。漁業が盛んなハンバントタでは、魚網を作ったり、とれた魚を干し魚に加工したりと、夫の漁の大事なサポート役となる女性も多いそうです。

魚網作りに参加するW.H.パッドゥミニーさん(33歳)もその1人で、ウェリパタンウィラ村の魚網作りに参加しています。

「私は津波で父を亡くしました。夫は漁師ですが、津波で全ての漁具を失くしました。今、夫は日雇い労働をしていくらの収入を得ていますが、いつまで雇ってもらえるのか分からず、とても不安です。この講習で魚網作りの技術をあげ、魚網を手に入れ、一日も早く夫が漁に戻れるようサポートしていきたいです。」

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10月 20, 2005 魚網作り |

2005年9月29日 (木)

JENの活動がスリランカ全国紙に掲載!

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  JENのスリランカの事業が、ハンバントタの全国紙(9月20日付ディバイナ新聞)に掲載されました。

    

                                  ~記事要約~
 「JENがハンバントタで実施している心のケアに重点をおいた職業訓練事業は、スリランカソーシャルワーカー協会と協力して実施しており、地域の人材を活用した新しい手法を使っている。
 シシラサガマ村では、野菜菜園に必要な道具が提供され、40家族が野菜菜園事業に参加している。麻袋に土と堆肥を入れ、その麻袋に野菜を栽培するという、最小限の水を使ってできる画期的な栽培方法である。また、ポリエチレン製の袋を苗床として使いトマト、ナスビ、とうがらしなどを栽培している。

 ココナッツ・ロープ作りでは、各村でクラス毎に30の村人が参加している。参加者らは自分たちで作ったココナッツ・ロープからマットなどの製品を作っており、今後販路を拡大していくことを期待している。
 漁村では、ロブスター漁の魚網支援をしており、この事業では魚網を直接支給するのではなく、魚網を作ることから始めている。

 参加者の1人プレマダサ(T.M.Premadasa)さんにインタビュー、『魚網も何もかも津波で流されてしまい、とても落ち込んでしまった。政府から支給される5,000ルピー(日本円で約5,500円)の支援金以外何も支援がなかった。JENがこの村で支援活動をしてくれたおかげで、5,000ルピー以上の支援を受けることができた。3人1組となって魚網を作り、魚網を完成し、今はこの網を使って4人の仲間と漁に出ている。JENが私たちの村で支援してくれたことで、みな将来に希望を持つことができるようになった。』

 スリランカソーシャルワーカー協会メンバーも現場レベルで事業に参加しており、JENのスタッフ共に地元のコミュニティーと密接な関係を築いている。今後も協会と協力体制のもと、事業を実施していく予定である。」

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9月 29, 2005 心のケア魚網作り | | コメント (0)

2005年9月 9日 (金)

漁の再開と心の復興

2  スリランカの津波被災地ハンバントタでは、建物の修復が終わり、多くの被災者が避難キャンプから仮設住宅へ移り、少しずつ復興に向かってはいますが、今なお被災者の多くの人々はが将来の生活への不安を抱えています。

 被災前に漁で生計を立て家族を養っていた多くの男性は、「どうすれば漁を再開できるのか?」、「日雇い労働で今後家族を養っていけるのか?」などの不安や悩みをかかえ、また誰かに打ち明けることもできず1人で抱え込むケースが多いのです。 JENの魚網作りの職業訓練事業では、3人1組でロブスター漁の魚網作りを行なっています。作業をしながら仲間と話をし、そしてソーシャルワーカーが彼らの不安や悩みを聞き受けとめることで、気持ちが軽くなり、少しずつ前向きな考えを持てるようになっています。魚網が完成後には、自分達で作った網で皆で漁を再開し、収入を得ることができます。

 ソーシャルワーカーがこの男性たちの家庭を訪問したところ、妻や子どもたちから、夫(父親)がこの魚網作りのワークショップに参加してから明るくなったという報告がありました。

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9月 9, 2005 魚網作り | | コメント (0)

2005年7月 7日 (木)

魚網作りに参加して

050706_02   『魚網作り』に参加したバリピティヤガマゲ・セーナカさん(28歳)

 被災前は家族5人で生活していました。津波で両親と妹を失い、姉と2人だけになってしまいました。家は全壊し、家財道具の全てが津波によって流されてしまいました。現在は仮設住宅で暮らしています。

 漁師をしていたので、JENの魚網作りに参加するようになりました。みんなで作業することで、沈んだ気持ちから少しずつ解放されつつあります。仕事をがんばって、将来は自分の家を建て直したいと思っています。

7月 7, 2005 魚網作り | | コメント (0)