2017年12月 7日 (木)

最後のワークショップ~ハザードマップ作り

 スリランカは、長年にわたる内戦の終結から8年が経ちますが、26年にもおよんだ内戦の影響が現在も色濃く残っています。特に激戦地だった北部では、他の地域に避難していた人びとが帰還し、暮らしを立て直していこうと日々奮闘しています。

 JENはこの地域での支援を約5年にわたって行ってきました。5年間支援してきたこの地域の人びとが、今後安定的に暮らしていけるよう、防災・減災の活動を行っています。本年12月31日を持ってスリランカからJENは終了することになっており、スリランカでの活動もいよいよ集大成となります。

 11月にはJENンスリランカとして最後のワークショップを開催しました。今回の議題は地域の各世帯が参加し作成するハザードマップ作りです。

 今回は前回のワークショップで学んだ、どのような災害がスリランカ北部では起こりうるのかということや、前回からの宿題(自分の家の避難経路、どこにトイレやドアがあるのか)についておさらいをし、村に発足した減災委員会を紹介した後、地図の作成に取り掛かりました。

 参加者一人一人が自分の家は地図のどこにあるのか確認し、参加者の各家をはじめ、ご近所の家、学校や宗教施設などの公共施設や商店など村の設備を書き込んでいきます。さらに井戸や公共の側溝、貯水池などの災害につながりそうな場所も書き入れます。

【カラフルな防災地図を作成する参加者】
20171207_sl_01_map_2


 そして地図を使ってどのような経路で災害時に避難するか、家畜をどこへ避難させるかなどについて講師が説明しました。

【地図と各家庭での備えの重要性について説明する講師】
20171207_sl_02_lecture_2


 最後に参加者の何人かに、自分の家がどこか指をさしてもらい避難経路を確認。またスタッフが指さしたところが誰の家か回答してもらいました。全員完璧! やはり村のことは村の人が一番よくわかっているのです。講師も「行政だけでは災害が起きた時に対処しきれない。村人自身が備えをして、村人同士で助け合うことが何より災害被害を減らせること」と繰り返し強調しました。

 全5回のワークショップを通じ、主に直接農業に影響するような自然災害、干ばつや洪水に対する備えについて学んできた参加者。災害は身近なところにあり、いつでもどこでも起こりうるもの。今後も継続して、参加者やコミュニティ全体そして行政が一体となって防災・減災に努めてほしいと願っています。

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12月 7, 2017 減災・防災強化支援事業 |

2017年7月 6日 (木)

減災・防災ワークショップがスタートしました!

 自然災害の多い日本では学校で防災訓練を行い、各家庭に災害時の備えがあることは、珍しくないことかもしれません。しかしスリランカでは、災害が起きることを想定して備えをしている家庭は、あまり多くはありません。
 特に貧困層の多い北部では、備えのない中で干ばつなどの自然災害が起こり、農作物がダメになってしまい、収入源を失い、さらに貧困に追い込まれる事例があります。

 これらの負のサイクルを断ち切るため、JENでは、減災や防災の支援を行っています。
 そのひとつである、減災・防災ワークショップが、2017年6月30日から始まりました。

【ワークショップ会場】
20170706_sl_01_kaijou

              
【参加者】
20170706_sl_02_member


 ワークショップは5部構成で、

 1.参加者の自己紹介・アイスブレーキング
 2.穴埋めクイズ
 3.講義
 4.ビデオで学び
 5.まとめ

 と進んでいきました。

 今日の講義では、まずどんな災害があるのか、そのような時、どのように自分と家族命を守るのかを学びました。

「普段、あまり意識をしていなかったが、ちょっとした知識で命を守れることが分かった」と、理解を示してくれる参加者が多くいらしゃいました。

 今後は、災害が起こった後いかに早く日常を取り戻すか、どのように農業を再開するのか、どうしたら災害時に農作物を守るのか、等を学びます。

【3グループに分かれて、穴埋めクイズ】 
20170706_sl_03_quiz1


20170706_sl_04_quiz2


【講義の様子】    
20170706_sl_05_lecture

【本日の教材】
20170706_sl_06_textbook

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7月 6, 2017 減災・防災強化支援事業 |

2017年4月 6日 (木)

事業開始前の調査を実施しました



JENスリランカでは、支援者の皆様からのご寄付と日本政府の協力のもと、干ばつに対する減災と防災の強化をおこなう活動を開始しました。これは、気候変動からくる干ばつや洪水などの災害に対して、各家庭やコミュニティ単位でリジリエンスを高めることを目的としています。

JENがこれまで活動させていただいた地域では、農業(自給自足)や日雇い労働で生計を立てている家庭が多いため、干ばつなどが起こると作物に被害が生じます。たとえば、必要な食糧が確保できなかったり、収穫量が減るために収入が減少したりと、家庭が貧困に陥る可能性が高まります。

そのような状況を最小限にするため、今年は、各家庭でできる干ばつ対策のワークショップをおこないます。また、干ばつで農作物に被害が出た際、すぐに農業が再開できるために良質の種を貯蔵するシードバンクを地域に設立します。

対象となる人たちは、JENが2013年から活動させていただいている地域のみなさんです。目下、参加者の災害に対する意識が、どの程度なのか?を把握するための事前調査を行っています。

2014年に活動を行ったキリノッチ県パッチラパライ郡イッタ―ビル地区のシンガラーサさんは、3年前に掘った井戸を使い、庭の全域を使い農業を行っていました。

20170406_sl_the_garden1

【庭一面を使い農業を営むシンガラーサさん】

シンガラーサさんは、3年前にJENが配布したササゲの種を栽培し、収穫した作物の一部を次の耕作のために保管しておくということを続けているそうです。今回訪問した際も、種を取るために乾燥させておいたササゲの山を見せてくれました。

20170406_sl_pods2

【種を取るために乾燥されたササゲ】

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【さやから出されたササゲの種】

このように作物から種をとり次の耕作のために自宅で貯蔵することにより、外部から種を購入する必要もなくなり、低コストの農業が可能となります。また、万が一災害などで作物を失った場合でもすぐに使える種があるという事は、家庭のリジリエンス強化につながります。

このような習慣を持っている家庭はまだ少なく、種が取れない外来のハイブリッド種などに頼っている家庭も多いため、今回の活動では、できるだけシンガラーサさんのような長期的な災害リスクを見据えた農業を営むことのできるコミュニティづくりに励んでいきます。

20170406_sl_baseline_research4

【シンガラーサさんとの事業開始前の調査中】

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4月 6, 2017 農業支援減災・防災強化支援事業 |