東部バティカロアの視察
JENは2月26日、2010~2012年にかけて東部バティカロア県で行った農業生計回復支援の視察を、ドナーである日本大使館の方と共に行いました。
バティカロアは主要都市のコロンボから約320キロに位置する海に面した県です。2006年後半より再度激化した紛争の最終激戦にもなったことでも知られており、一時期は県内で8万人以上の避難民が発生していました。JENはここで、2年間で552世帯を対象に69基の農業用井戸を建設し、地域の人々で構成される井戸管理員会を立ち上げ、組織強化のためのワークショップや野菜・苗の配布を通して、所得の低い地域を対象に生計回復支援を行いました。
視察で5か所の井戸を訪問し、10世帯ほどの家族とヒアリングをした結果、訪問したほとんどの世帯で農業による収入が大幅に増加していること、井戸管理委員会が井戸やポンプのメンテナンスを定期的に行っていることなどがわかりました。事業前は月収1,000~1,500ルピーだった家庭が、自身の農家で採れた野菜や果物を売ることによって月に20,000から40,000ルピーにまで収入を上げることができていました。(1,000ルピー=約785円)
また、基本的な混作を行う家庭の他、コミュニティ内で育てる作物を分担し収入を分け合うなど、ワークショップの学びが活かされている様子も見られました。さらに、井戸をJENの事業参加者だけではなくコミュニティの方々に開放していたり、井戸からパイプを繋げ約1キロの水供給ラインを作るなど、独自の工夫を凝らすコミュニティもありました。
各世帯に収入増加によって得られたことを聞くと、土地を買い農地を拡大させた家庭が多く、他にも畑を耕したり農作物をマーケットへ持っていくためのトラクターを購入したり、新しいポンプを購入するなど、支援が継続的な効果をもたらしている事もわかりました。また、生計が回復したことにより子どもたちを学校に通わせることができたなど、波及効果も見られました。
生計回復支援は成果が見られるまで数年はかかる事業ですが、バティカロアの方々のようにJENが提供した井戸や農業に関する知識を用い、独自で効果を増大させることによって経済的な自立につながるよう、今後も支援をしていきます。
【採れたてのオクラ】
【乾季でも十分な水量を持つ井戸】
【地域の人々にヒアリングを行うJENスタッフ】
【簡易的な水供給パイプライン】
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