2017年11月 9日 (木)
干ばつに負けない農業 その4
スリランカ北部では、10月からちょうど畑を耕す農耕期に入っています。
しかし近年10月に入っても雨がなかなか降らず、耕しても水が不足しているために、一番の収入源になる稲作ができずにいます。
JENはそうした水不足の状況でも稲作以外の作物が収穫でき、少しでも収入源となる、干ばつに強い種類の作物の種の配布および少量の水による農業ができる滴灌漑資材の配布を行っています。
唐辛子一つとっても、種類が豊富で、遺伝子組み換えではないオリジナルの種、ハイブリッドと呼ばれる種など、たくさんあります。またグレードもいろいろ。グレードの高い種類はスリランカ政府が一括して生産管理しています。
3か月後にはほとんど収穫できるようになり、直接収入につながります。
【スタッフによるパッキングの様子】

【種の配布式】

【点滴灌漑資材の説明】

【実際に取り付けてみる】

一刻も早く雨期になることを願いながら、農家は今せっせと畑を耕しています。
(10月末からようやく雨期に入ったようで、干ばつに強い種類の作物の植え付けとともに水田も広がってきました)
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11月 9, 2017 農業支援生計回復事業 | Permalink
2017年10月19日 (木)
干ばつに負けない農業 その3
干ばつに負けない農業の初めに紹介した唐辛子栽培の続きです。その後一体どうなったでしょう。ちゃんと育ったのでしょうか。
見てください! 立派な唐辛子がいっぱいなっています。

【唐辛子を収穫するセルヴァマニさん】

すでに何回か収穫したそうで、今回お訪ねした際もちょうど収穫の時期が来た唐辛子がなっていました。
【収穫した唐辛子を見せてくれました】

さらに、一番上にはナスがなり始めています。収穫までもう少し時間が必要です。
【小さい緑色のナスがなっている】

【左下は写真中央のナスと同じ時期に植えたもの。この灌漑システムのナスのほうが大きく、そして早く育っている】

20個の干ばつに負けない農業アイディアをこれからブックレットにまとめる予定です。これらのアイディアを組み合わせ、干ばつに悩まされる地区の生産性向上の一助になることを願って。
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10月 19, 2017 農業支援生計回復事業 | Permalink
2017年10月 5日 (木)
シードバンク設立に向けて
みなさん、シードバンク(種子銀行)というのを聞いたことがあるでしょうか。
その名のとおり、種を貸し出す仕組みです。
たびたびご報告していますが、スリランカは気候変動の影響を受けている国です。特に北部では、干ばつにより植物が育たず作物を収穫できない、また、次の作付けのための種も取れないという事態に直面しています。
そこで、JENはスリランカ各地にある農協と協力してシードバンクを設立しようと考えています。
その前に、シードバンクがどういったものか、適切な種の収集・保存方法、シードバンクの設立および運営に必要なもの、どういったときにどのように利用できるかなどについて、ワークショップを行っています。
多くの世帯は個人レベルで種を保存していますが、保存方法はそれぞれ違います。今後コミュニティレベルで種子を保存することで、地域の特性にあったよりたくさんの種類の種を、適切に保存できるようになり、“いざ”というときに貸し出しが出来るのです。
【アニメを使って種の収穫について説明する講師】
【種の保存について説明する講師】
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10月 5, 2017 農業支援コミュニティ | Permalink
2017年9月21日 (木)
干ばつに負けない農業 その2
前回ご紹介した節水農業アイディアに引き続き、別のお宅へ伺い節水農業を見学しました。
(写真1)【日差しを遮るネットが張ってある。これで約50%もの水の蒸発を防ぐことが可能】
写真の1の節水農業のアイディアは、日差しを遮ることで水の蒸発を防ぐというものです。
しかし、ここのお宅ではそれに加え、水の蒸発を防ぐアイディアを2つ3つ同時に行うことで、さらなる節水につなげようとしていました。
(写真2)【プラスチックバックに入れられた苗。表面にはマルチングの藁が敷いてある】
(写真3)【牛糞やココナッツの殻、ヤシの葉などを混ぜて堆肥を作っている】
プラスチックバックに入れて土を湿らせておく方法、さらにマルチリングと呼ばれるココナッツの殻や藁などで土の表面をカバーすることで保湿を高める方法のほか(写真2)、さらに植物の育成を促すため、裏庭で牛糞・ココナッツの殻や野菜くずなどを使用し堆肥も作っていました(写真3)。
他には、ビニールバッグにもみ殻を半分燃やし堆肥と土と混ぜたものを入れ、土の保湿力を高める方法を行っているお宅もあります。
(写真4)【事業参加者(右)とともに土の状態を確認するJENスタッフ】
燃やしすぎたもみ殻の灰は十分な保湿にならないため、どの程度もみ殻を燃やせばいいのか、確認しながら作業です。
(写真5)【もみ殻を燃やしている様子】
このように人びと一つの節水方法だけでなく、様々な手法を駆使して頻繁に起きつつある干ばつに備えています。
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9月 21, 2017 農業支援生計回復事業 | Permalink
2017年9月 7日 (木)
干ばつに負けない農業
近年スリランカでは、洪水と干ばつが同時もしくは交互に起きています。地滑りを伴うほどの洪水被害が毎年起きる一方で、北部では近年干ばつが頻繁に発生しており、貯水池の水が干上がります。
JENでは、今年5月末に発生した大洪水とそれに伴う土砂崩れによって避難を余儀なくされている被災者のために、南部ラトゥナプラ県にて緊急支援を行いました。
一方、北部では、農業の支援を行う中で干ばつに強い農業の普及を行っています。4月には、支援者の皆さまとフォード・モーターのご協力により、従来の農業に節水のしくみを含めたアイデアを住民から募る、節水コンテストを開催しました。
現在、これに応募し採用されたアイデアの選定と実施を進めています。
(節水コンテストについては、こちらから)
その中の一つ、斬新なアイデアの農業をご紹介したいと思います。
ゴミ箱の容器を重ねた灌漑システム。
内部には穴のあいた竹の筒が中央に配置しており、上からその筒に給水すること内部の土全体が湿っている状態になります。
一番下には蛇口が付いており、蛇口を開いておくことで土が吸収しきれなかった水を一か所に回収し、水の再利用が可能です。
この灌漑システムの製作者にアイデアはどこから来ているのか尋ねたところ、なん11歳の息子さん(写真下、緑のシャツの男の子)が考えたそうです。この灌漑システムには唐辛子の種が蒔かれ、現在まで順調に育っています。
3か月後の収穫が楽しみです。
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9月 7, 2017 農業支援水衛生改善 | Permalink
2017年4月20日 (木)
始まりました、節水コンテスト
JENスリランカ事務所では前回の支援速報でご紹介した、減災・防災の活動に加え、支援者の皆様と、フォード・モーターのご支援により、コミュニティ内の節水意識を高める活動も行っています。
家に井戸があると簡単に十分な水にアクセスできる反面、水が無限のものだと思ってしまい、必要以上に農業や生活用水に使ってしまう傾向にある家庭がたくさんあります。特に農業では、広くにまんべんなく畑に散水するところが、一か所に長時間放水をするという水の無駄遣いをよく見かけます。
このような習慣を断ち切り、水の重要さをコミュニティの人びとに理解してもらうため、節水につながる新しい画期的なアイデアを探し、実現させるために節水イノベーションコンテストを開始しました。
【コンテストのポスター。各コミュニティに配ります】
この3か月間のコンテストでは、コミュニティから節水につながる色々なアイデアを出してもらい、一番効果がありそうなアイデアの25案に対し、発案者に実際に試作品を作ってもらうためにJENが助成金を出すという企画です。
【4月から参加の新人さんを前に、コンテストの概要を参加者に説明するJENスタッフ】
いいアイデアはあっても、家庭でお金に余裕がなく実現が難しかった節水案をこのコンテストを通して、全面的に応援していければと願っています。
このコンテストが終了したのち、支援をしたプロジェクトの中で実際節水の効果があったものを選び、その節水方法を冊子にまとめて各地区の代表に配ることも計画しています。
一連のコンテストの結果、いい節水案でどんどんコミュニティ全体の節水意識の向上や環境保全への意欲を高めていく予定です。
今後の支援速報でも色々な案を紹介していくので、こうご期待ください!
【節水方法を提案している方】
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4月 20, 2017 農業支援コミュニティ | Permalink
2017年4月 6日 (木)
事業開始前の調査を実施しました
JENスリランカでは、支援者の皆様からのご寄付と日本政府の協力のもと、干ばつに対する減災と防災の強化をおこなう活動を開始しました。これは、気候変動からくる干ばつや洪水などの災害に対して、各家庭やコミュニティ単位でリジリエンスを高めることを目的としています。
JENがこれまで活動させていただいた地域では、農業(自給自足)や日雇い労働で生計を立てている家庭が多いため、干ばつなどが起こると作物に被害が生じます。たとえば、必要な食糧が確保できなかったり、収穫量が減るために収入が減少したりと、家庭が貧困に陥る可能性が高まります。
そのような状況を最小限にするため、今年は、各家庭でできる干ばつ対策のワークショップをおこないます。また、干ばつで農作物に被害が出た際、すぐに農業が再開できるために良質の種を貯蔵するシードバンクを地域に設立します。
対象となる人たちは、JENが2013年から活動させていただいている地域のみなさんです。目下、参加者の災害に対する意識が、どの程度なのか?を把握するための事前調査を行っています。
2014年に活動を行ったキリノッチ県パッチラパライ郡イッタ―ビル地区のシンガラーサさんは、3年前に掘った井戸を使い、庭の全域を使い農業を行っていました。
【庭一面を使い農業を営むシンガラーサさん】
シンガラーサさんは、3年前にJENが配布したササゲの種を栽培し、収穫した作物の一部を次の耕作のために保管しておくということを続けているそうです。今回訪問した際も、種を取るために乾燥させておいたササゲの山を見せてくれました。
【種を取るために乾燥されたササゲ】
【さやから出されたササゲの種】
このように作物から種をとり次の耕作のために自宅で貯蔵することにより、外部から種を購入する必要もなくなり、低コストの農業が可能となります。また、万が一災害などで作物を失った場合でもすぐに使える種があるという事は、家庭のリジリエンス強化につながります。
このような習慣を持っている家庭はまだ少なく、種が取れない外来のハイブリッド種などに頼っている家庭も多いため、今回の活動では、できるだけシンガラーサさんのような長期的な災害リスクを見据えた農業を営むことのできるコミュニティづくりに励んでいきます。
【シンガラーサさんとの事業開始前の調査中】
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4月 6, 2017 農業支援減災・防災強化支援事業 | Permalink
2017年3月23日 (木)
農業協同組合間の交流訪問会
2016年3月に開始したキリノッチ県およびムラティブ県での生計回復支援事業も終盤に近づいています。この1年間で JENは93世帯を対象に45基の農業用井戸を建設し、雨の降らない乾季にも農業を可能にし、農作物からの収入を向上させ、人びとが貧困から抜け出すための一歩を踏み出す手助けをしました。
また、コミュニティ強化の一環で各地区に農業協同組合を設立し、メンバー同士が協力し合い農作物を加工した商品を作り、コミュニティ自体の収入を増やし、住民の自助能力を高める支援もしました。今年の事業ではムラティブ県とキリノッチ県で合計4つの農協を設立しています。
農協設立において最も重要な点は、活動の継続です。どのビジネスや団体でもあるように、団体のメンバーが組織にメリットを感じなくなると活動は止まってしまい、再始動させるには時間が必要となります。
JENは今まで設立した農協へ、収入創出活動ができるための機材を提供していますが、今年は全4地区で小麦粉やスパイスを作るための製粉機を提供しました。
どんな商品を作るか、どこに売るか、どのような管理体制を作るかなどもJENの支援のもとに農協のメンバーに考えてもらう事で、農協のオーナーシップ精神を高めていますが、農協メンバーも初めての組織運営で戸惑う事もあります。
そこで、JENは今年設立された新米の農協メンバーたちが前期事業で作られた農協からノウハウを得られるよう、3月17日に農協交流会を開催しました。
この交流会の目的には情報交換に加え、今まで4年間、JENが強化してきた全11カ所の農協をつなげ、お互いを強化できるネットワークを構築することでした。そのため、各農協からの代表を1カ所に集め、一日をかけてディスカッションやグループワークを行いました。

【プログラム参加者にワークショップの目的を説明するフィールドオフィサー】
参加者は農協の活動費用や販路の確保のむずかしさなど、様々な課題を話し合い、協力することによって解決策を見出す姿勢を見せてくれました。
【オスィヤマライ地区の農協代表によるプレゼンテーション】
このように、お互いの活動を知り、メンバー同士の交流を作ることにより、これからも長期に渡り協力しあい、発展していくことを願っています。
【代々の農協メンバーがそろっての集合写真は壮観です!】
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3月 23, 2017 農業支援 | Permalink
2017年2月16日 (木)
雨のタイミングの難しさ
前回の支援速報でスリランカでの気候変動からくる干ばつへの懸念について書きましたが、今回は雨による農業への被害についてお伝えします。
雨季になるとキリノッチ県とムラティブ県の多くの家庭は、ササゲや小豆、落花生などの豆類を栽培します。500平方メートルから1000平方メートルという日本の一般家庭では考えられないような規模の土地全面を使い、35キロから50キロの豆を収穫することができます。
収穫された豆はマーケットで売る分、家で消費する分、そして、次の栽培の種となるために保存する分に仕分けされますが、種として保存するものは、消費用として収穫するものより長く地面に植えておき、自然乾燥させます。収穫をした後は45日間乾燥した場所に保管しておいた後、再度植えることができます。適度な乾燥がされないまま植えてしまうと、芽は出てもよい実りは得られないということです。
【農地いっぱいのササゲの栽培】
【栽培用に乾燥されたリョクトウ】
ササゲや小豆は乾燥にも強い植物なので、雨量が少なかった今季でもたくさんの種をつけていました。しかし、いざ収穫の時期にムラティブ県では1週間にわたる大雨が降ってしまい、自然乾燥が必要な種子に被害が出てしまいました。雨に濡れた作物は簡単に芽が出てしまい食用にも適さず、また適度な乾燥がされていなかったため、栽培もできません。農家の方々は残念そうに被害を受けた作物を見せてくれました。
【雨で発芽してしまったササゲ】
【被害を受けたリョクトウ】
このように、必要な時に雨が降らず、晴天が必要な時に雨が降るということが繰り返されることによって、農業で生計を立てる人びとはより脆弱な立場に追い込まれてしまいます。気候変動で天候が不安定になり続けるスリランカでは、このようなリスクを最小限に抑えるような対策がより一層必要となっていきます。
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2月 16, 2017 農業支援 | Permalink
2016年11月17日 (木)
農業協同組合の設立
JENが現在行っている事業では、井戸の建設や各家庭での農業の促進に加え、事業に参加している人びと全員からなる農業協同組合(以下、農協)を設立しています。今回紹介する農協は、JENが活動する4地区にあります。農作物の加工や販売などの活動を通して住民同士の連携を強め、地区の活性化と自助能力を向上を目指しています。
農協は、郡の協同組合管理課および農業局の管轄です。正式な団体として登録するためには、一定のメンバー数の維持はもとより、全メンバーによる定期的な会合の有無、資産管理能力など運営能力が審査されます。そのため、JENは先週キリノッチ県およびムラティブ県にて、農協の運営能力を強化するためのワークショップを開催しました。
【キリノッチ県農協運営ワークショップの参加者】
ワークショップでは、協同組合管理課から講師を招き、農協の登録に必要なプロセスや条件などの説明を受けました。その後、JENが規約や会合を開く際の議事録作成方法や、帳簿の記録方法などを説明しました。また、座学だけではなく、他の地区で運営が軌道にのっている農協を視察し意見交換会を開催、体験談などを聞きました。
【別々の地区からの参加者を紹介し、交流を図りました。】
新設されたばかりの農協の一番の課題は、加工品を売るなど、農協の活動が利益を得るようになるまで活動を維持、継続させることです。商品が売れるようになるまでには、新しい加工品の発案や品質の向上などの地道な作業が必要となります。
そのため、即時の利益が得られない場合には、あきらめて辞めてしまうメンバーも多くいます。これは全ての農協に共通する課題です。今回設立した農協でも、このような課題に直面した場合、活動が停止しないように、またメンバーのモチベーションが下がらないように、ワークショップでは持続可能な運営方法についても、学んでもらいました。
農協メンバーに商品展開のアイデアについてヒアリングした際、小麦粉や米粉の他、コーヒーやスパイス生産などの面白い案も取り上げられました。そこで、次の活動では、各農協に製粉機を供与する予定です。
これからの活動が楽しみです。
【ムランカーヴィルの農協見学。この農協は20年前に設立され、今では海外にドライフードを輸出しています。】
【それぞれの地区に分かれ、製粉機を使った商品のアイデア出しを行いました。】
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11月 17, 2016 農業支援 | Permalink
2016年9月23日 (金)
ヤングファーマーズソサエティの登録
JENは2015年のプロジェクトでムライティブ県オスィヤマライ地区にて新たに農協を発足しました。この農協は、内戦後再定住した元避難民のコミュニティ再建を促すために設立されたものです。前期事業ではこの農協にドライフード生産機や供与し、建設した農業用井戸の水を使用して作られた農作物を農協でドライフードにし、販売をすることで農協自体の収入も増やすことを意図としています。
農協を行政に登録し、地域市民組織として認めてもらうにはとても長い時間がかかります。昨年の6月にヤングファーマーズソサエティ(以下YFS)としての登録手続きを始めたオスィヤマライ地区の農協も、つい先月やっと正式な登録書が引き渡されました。
YFSとして登録されるには農協の管理委員が全員35歳以下でないといけません。JENが支援をしている地域の方たちは年配の世帯主が多いため、まずは若い世代の中から農業とコミュニティ強化に興味があり、地域の中でリーダーシップをとっていける若者たちを選んでもらいました。
その後、農協のメンバー全員で、農協を使いどのような加工物を作っていきたいかを協議しました。事業参加者は色々な加工製品の需要、マーケットの有無、価格設定などを考慮し、オスィヤマライ地区ではドライフードの生産を行う事に決めました。このように事業参加者を最初から巻き込んだ活動をすることが、JENがいなくなった後も彼らが継続して加工製品を作っていけることにつながります。
YFSとして登録されるには様々な条件があります。まずは定期的な会合をすることです。
YFSメンバー全員が協働でコミュニティ作りをしていけるよう、毎月一度は全メンバーが集まり、ドライフード生産に関する課題や解決策などを話し合い、それを議事録に記載します。
次に、各メンバーから決まった額の会費を徴収し、YFSが管理をする銀行口座にいれないといけません。登録の最終段階では、県農業局の農業専門家によるYFSの視察があり、それが終了すると書類が農業局に引き渡されます。それからは正式な承認がおりるまで数か月待つこともあります。
JENはこれまでにも7地区で農協を設立してきました。2013年に支援をしたヴィシュワマドゥイーストとヴィシュワマドゥウェストのではコンポストの製造を行っており、コンポストの販売や組合費の積み立てなどから農協の収入も増え、コミュニティ強化の一端を担っています。
【オスィヤマライ地区農協メンバーたち】

【YFS登録書】

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9月 23, 2016 農業支援北部帰還民支援 | Permalink
2016年8月 4日 (木)
井戸建設が始まりました!
スリランカでは、7月から活動の一つである井戸建設が始まりました。
農業用水へのアクセスが限られており、現在では天水農業しかできない地域の方々にとって、農業用の井戸は年間を通して農業を営むために必要不可欠です。
JENはこれから2か月間、93世帯を対象に45基の井戸を建設する予定です。
井戸建設は10メートルの穴を掘り、下からブロックを積み上げるようにできあがるので、地中での作業がほとんどとなります。
今回対象とする地域は地下水の水量が多く、雨が降ると建設現場が地下水で覆われてしまい、頻繁な排水をしながらの作業となるため、建設が大変困難になります。
そのため、JENではスリランカ北部で雨期が始まる10月までには建設を終わらせる計画をたてています。
井戸の建設には、掘削、石工、プラスタリング、水量テストなどの主要なステップがあります。現在では業者が着工しているほとんどの井戸で掘削が完了しました。掘削はパワーショベルという重機を使い行われますが、途中数メートルの所でパワーショベルでは壊せない岩盤にあたることもしばしばあります。そういう時はジャンボブレーカーを使い、固い岩盤を壊しながら掘削を行います。
【パワーショベルによる掘削作業】

農業用の井戸を待ちに待っていた地域の方々は、井戸の完成と共に農業を始められるよう、小さな苗床をつくり始めていました。掘削が終了した段階で、これから井戸が作られる穴からは大量の水が確保できるので、バケツとロープを使い自力で水をくみ上げる人の姿も見られました。
このように意欲のある方々がいち早く農業を開始できるよう、JENは引き続き業者のモニタリングを通し、井戸建設を進めていきます。
【井戸完成と共に農業が始められるよう、今から苗床の準備をしています】

【掘削が完了した穴から水をくみ上げる人】

【次の段階である石工作業に使うブロックも全て手作り】

【数か月後にはこの土地が野菜であふれかえっていることを願って】

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8月 4, 2016 農業支援井戸建設・修復帰還民支援 | Permalink
2016年7月21日 (木)
出張地スリランカより
今回は、東京本部のスリランカ担当が、過去の事業も含めて建設した農業用井戸や農業協同組合の活動の視察を行いましたので、その様子や感じたことをお伝えします。
7月3日に日本を発ち、スリランカの空の玄関口であるバンダーヤナーラカ国際空港に到着しました。空港からコロンボ市内へは34キロありますが、今は高速道路を利用することができ、車だと45分ほどで市内に到着します。
2009年に内戦が終結してから、スリランカは急速に経済発展を遂げています。特にコロンボではホテル建設が進んでいて、沿岸部では建設中の多くの高層ビルを目にしました。
一方で、農村部では発展から取り残されており、都市部と農村部の格差が広がっています。特にJENの事業地であるスリランカ北部のキリノッチ県とムライティブ県は内戦の激戦地だったこともあり、多くの方々が自分の住んでいる土地から逃れるなど、不安定な生活をしていました。
内戦が終わり、以前住んでいた土地に帰還しても、内戦により農業用の設備が破壊されたため、農業で生計を立てていた家庭の多くは今でも大変な生活を強いられています。
JENはこれに対応するため、農業による帰還民生計回復とコミュニティ再生支援事業を長期にわたり実施しています。今回の視察にて事業参加者の方々が自分で農業を営めるようになった姿に直接ふれ、効果を実感することができました。
【JENスリランカ事務所本部の最寄り駅であるキリノッチ駅】

コロンボから大きく揺れる列車に乗ること7時間、JENのスリランカ事務所本部の最寄り駅に到着。途中、軽食や昼食の販売も行われているので、スリランカの食を堪能できます。
【内戦で爆撃されたキリノッチ市内にある貯水槽】

市内には、このようにまだ内戦の痕跡が垣間見られる場所もあります。こんな大きな貯水槽が破壊されるほどの威力の爆弾が使われていたと思うと、ぞっとします。
【農業協同組合のメンバー】

2014年事業で設立したムライティブ県の農協にて。組合長がリーダーシップを発揮し、継続的に運営されています。内戦が激化することにより、彼らは戦火を逃れるために国内避難民となりましたが、現在は地元に戻り、生計回復に取り組んでいます。訪問中、彼らを始め、支援をしたコミュニティのたくましさを感じました。
【マンゴーを切っている様子】

農協に設置された食料乾燥機にて、自宅で採れた農作物やフルーツを乾燥させ、ドライフードを作っています。少しずつですが、販売により収入も得られるようになっています。
【パパイヤのドライフルーツ】

試食させていただきました。甘味が凝縮されてとっても美味しかったです!
【昨年度の事業で建設した農業用の井戸】

2世帯が共有して使用しています。訪問時に収穫した野菜の一部をプレゼントしてくれました!
【訪問時、農協の方々にいただいた野菜や果物】

事業地を訪問する度に、農協の方々に収穫されたばかりのカボチャ、ピーナッツ、パパイヤ、なすなどをいただきました。今回の訪問を通し、スリランカの方々が持つホスピタリティ精神に感動しました。
今回、初めてスリランカの事業地を訪問し、長期にわたる内戦により心の傷を負いながらも必死に生活していこうとする姿を目の当たりにし、JENの支援の意義を再確認しました。
また、まだまだ苦しい生活を送りながらも日本からの訪問者に温かく接し、お土産までいただくなど、本当に心の温かい人たちなんだな、と感じました。また、現地の習慣や考えを知り、私自身も日々の生活を見直すきっかけとなりました。もてなしの精神を持つ彼らは、これからのスリランカの社会を支えていく存在になると実感しました。
そんなスリランカの方々を支援するプロジェクトを日本から支えるべく、引き続き日々の業務に励んで参ります!コミュニティ強化事業はまだまだ続きますので、みなさまも長い目でご支援いただけると嬉しいです。
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7月 21, 2016 事務所・スタッフ農業支援北部帰還民支援 | Permalink
2016年6月23日 (木)
スリランカの乾季対策

皆さんは上の写真が何だかわかりますか?
日本では見かけないこのセメントの壺は、スリランカで使われている雨水採取タンク(Rainwater harvesting tank)といい、乾季に使う時のために雨水を溜めておくタンクです。大きさも5,000リットルから30,000リットルまでと様々で、種類も上の写真のようなカボチャ型の壺から半分か全体的に地中に埋まっている種類のものなど色々あります。
雨水採取タンクで溜められた水は飲料用や洗濯用など日常的に使用し、農業用に使うこともできます。
スリランカでは、古くから雨水を人工的に作った貯水湖に溜める習慣はあるものの、家庭での雨水採取タンクの導入は比較的最近のことでした。今では農村地域を中心に数万個ほどのタンクが使用されています。
屋根から雨どいを伝って落ちた雨をこのタンクの中に貯蔵することで、乾季の水不足の時でも家族に必要な水を確保できるという、ローテクながらも画期的な構造になっています。
スリランカは雨の多い国というイメージがありますが、北部では年間降水量が1,200ミリと東京の降水量よりも低いため、このような貯水・節水計画は死活問題です。
雨水を飲むなんて本当に大丈夫?と思うかもしれませんが、空気のきれいなスリランカの農村地帯に降る雨はあまり汚染されておらず、日常使用には問題がないそうです。家庭によっては塩素処理をすることもあります。
乾季には安全な水へのアクセスを可能とし、雨季には洪水を起こりにくくするという利点ばかりの雨水採取タンクですが、造設費が高く、農村地域の低所得世帯には手が出ないという難点もあります。そのような課題に対して、政府は助成金を出したりしているものの、まだまだ普及促進が必要です。
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6月 23, 2016 農業支援北部帰還民支援 | Permalink
2016年3月17日 (木)
マナー県の農業展示会訪問
3月14日、JENスタッフは、北部州農業局がマナー県で開催した農業展示会を訪問しました。
何人かの事業参加者たちも、ワークショップの一環として新しい知識を得ることを目的に、一緒に訪問しました。
展示会のテーマは「エコフレンドリーな農業を市場へ」で、水栽培、細流栽培やスプリンクラーのような水節約型技術、様々な植えつけの技術、農作物の病気、耕作技術などをメインに特集が組まれていました。
私たちが特に興味をもったのは細流灌漑(土壌表面や根群域に直接ゆっくり水を与えることにより、水や肥料の消費量を最小限にする灌漑方式)です。水管理の改善、有機農法や新しい種類の作物栽培の促進ができればと思っています。
また、多くの協同組合も見学しました。それらの組合は、ドライフードやココナッツからできた商品を生産し、よく売れています。JENは現在の事業で農協にドライフード製造器を供与したので、そういった製品が売れていることを目の当たりにすることは、事業参加者にとってよい刺激になりました。
【色々な たい肥作りの方法】

【グリーンハウスでの植えつけ】

【太陽熱利用のドライフード製造器】

この展示会には、キリノッチ県やムライティブ県の農業局の副長官が出席していました。リサーチの企業や団体も参加し、新しい種類の作物や種の保存技術の紹介も行っていました。
展示会訪問に参加した事業参加者の一人であるキルシュナンさんは、他の協同組合が販売していた様々な種類のドライフードに感動していました。キルシュナンさんは、今は家庭用にドライフードを作っていますが、方法を改善することで近隣のお店で売ることができるようになる、と話していました。JENスタッフと事業参加者は今後、梱包の方法を研究する予定です。
JENは、事業参加者たちが展示会で学んだ新しい方法を受け入れて実際に試してしてみるのをサポートすることも、コミュニティ強化支援の一つであると考えます。この展示会は、最新の知識を事業参加者と共有する重要な機会になりました。
さらに、プラスαとして、太陽の下での楽しい学びの日であったことは間違いありません。
【JENチーム 展示会にて】

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3月 17, 2016 農業支援北部帰還民支援 | Permalink
2016年3月 3日 (木)
東部バティカロアの視察
JENは2月26日、2010~2012年にかけて東部バティカロア県で行った農業生計回復支援の視察を、ドナーである日本大使館の方と共に行いました。
バティカロアは主要都市のコロンボから約320キロに位置する海に面した県です。2006年後半より再度激化した紛争の最終激戦にもなったことでも知られており、一時期は県内で8万人以上の避難民が発生していました。JENはここで、2年間で552世帯を対象に69基の農業用井戸を建設し、地域の人々で構成される井戸管理員会を立ち上げ、組織強化のためのワークショップや野菜・苗の配布を通して、所得の低い地域を対象に生計回復支援を行いました。
視察で5か所の井戸を訪問し、10世帯ほどの家族とヒアリングをした結果、訪問したほとんどの世帯で農業による収入が大幅に増加していること、井戸管理委員会が井戸やポンプのメンテナンスを定期的に行っていることなどがわかりました。事業前は月収1,000~1,500ルピーだった家庭が、自身の農家で採れた野菜や果物を売ることによって月に20,000から40,000ルピーにまで収入を上げることができていました。(1,000ルピー=約785円)
また、基本的な混作を行う家庭の他、コミュニティ内で育てる作物を分担し収入を分け合うなど、ワークショップの学びが活かされている様子も見られました。さらに、井戸をJENの事業参加者だけではなくコミュニティの方々に開放していたり、井戸からパイプを繋げ約1キロの水供給ラインを作るなど、独自の工夫を凝らすコミュニティもありました。
各世帯に収入増加によって得られたことを聞くと、土地を買い農地を拡大させた家庭が多く、他にも畑を耕したり農作物をマーケットへ持っていくためのトラクターを購入したり、新しいポンプを購入するなど、支援が継続的な効果をもたらしている事もわかりました。また、生計が回復したことにより子どもたちを学校に通わせることができたなど、波及効果も見られました。
生計回復支援は成果が見られるまで数年はかかる事業ですが、バティカロアの方々のようにJENが提供した井戸や農業に関する知識を用い、独自で効果を増大させることによって経済的な自立につながるよう、今後も支援をしていきます。
【採れたてのオクラ】

【乾季でも十分な水量を持つ井戸】

【地域の人々にヒアリングを行うJENスタッフ】

【簡易的な水供給パイプライン】

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3月 3, 2016 東部帰還民支援農業支援井戸管理委員会生計回復事業 | Permalink
2016年2月 4日 (木)
ドライフード生産農業協同組合への引き渡し




1月28日に、オスィヤマライ地区の農協センターで引渡式が行われました。
この地区は県境にあり、幹線道路からも離れ孤立していました。他の地区同様に村人は内戦中に避難し、もともといた人数の半分ほどしか戻っていません。今までに他の支援団体がサポートしたこともなく、だからこそその支援供給のギャップを埋めるためにも、JENはこの地区を支援対象としたのです。
そして、再び住民が一丸となって地域の発展に貢献できるように農業協同組合の設立をサポートし、収入向上とコミュニティ強化を目的として、ドライフードセンターを建設しました。
さらに、農協の運営がうまくいくように、加工食品の実践研修と組織運営の研修も提供しました。


半年におよび様々な支援を農協に対して行い、ついにこの日が来たのです。JENから正式にオーナーシップを農協へ引き渡す日です。
式にはJENよりプログラムオフィサー、プロジェクトオフィサー、フィールドオフィサーが参加し、行政地区長、経済発展担当オフィサー、地区の学校長、そしてJENの支援事業に直接参加している20世帯および間接的に関わっている32世帯の家族が参加しました。


最初にプログラムオフィサーがテープカットを行い、次に農協運営に必要な帳簿と運営記録用のノートが農協のリーダーに手渡されました。


次に、ドライフードセンターを囲むように多年生苗を植えていく儀式を行いました。

そして、農協の責任範囲、行政の責任範囲を記したMoUにサインして、JENからドライフード生産農業協同組合への正式な引き渡しが完了しました。
全参加者が農協の新たな一歩に対し、強い関心を示し、同時にJENに対して感謝の意を表していただいた、とても楽しいイベントとなりました。
私も1年間、オスィヤマライ地区の住民と共に、コミュニティを強くし、地域の発展を目指してきましたが、今までの苦労が少し報われたと感じられ、とても嬉しく思いました。

フィールドオフィサー
アダイカラン
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2月 4, 2016 農業支援北部帰還民支援生計回復事業 | Permalink
2016年1月21日 (木)
北部キリノッチ県でのマーケティングワークショップ
JENは昨年12月8日に32人の事業参加者を対象にマーケティングのワークショップを行いました。
このワークショップでは、現地の方々が収穫した作物をより効果的に売るために、マーケティングの重要さおよび必要性にフォーカスしました。参加者はとても興味を持って、全ての活動に積極的に取り組んでいました。
参加者の理解と協力を促すため、ワークショップはグループ活動やディスカッションなどの手法を用い、
・マーケティングとは何か
・どこで誰にどのようなものを販売するか
・マーケティング戦略
などの話題を取り扱いました。
また、雨季にどのような作物を育てるかなど、新しいマーケティングの方法や戦略などが協議されました。このワークショップを通して、参加者はどの季節にどのような作物を育て販売するかなど、将来的な計画を練るために重要なスキルを得ることができました。
このような戦略的なマーケティング計画は、より効果的なビジネス管理を可能とさせ、参加者の利益・収入を上げることにつながります。
さらに、グループディスカッションでは
・地元および都市での顧客や消費者の確保
・市場での価格決定
・良質の作物を育てる方法
・販売方法と課題
などの話題が協議されました。
【グループ活動】

【活動を見守るJENスタッフ】

ワークショップでは雨季対策として、乾燥食品や粉状の製品などの需要についての説明も行いました。変動する気候に対応する作物や製品に関した講義は参加者から好評でした。季節別の課題を取り扱ったマーケティングの講義は、参加者にとって非常に役に立ったようです。
最後に、講師はJENが構築した製粉所や乾燥食品生産センターについて説明し、より効果的に作物を売ることで生計回復を可能とすることの講義をしました。
【講義の様子】

私たちはこのような取り組みが、より強く持続可能なコミュニティの発展につながることを願っています。
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1月 21, 2016 農業支援北部帰還民支援生計回復事業 | Permalink
2016年1月 7日 (木)
フォローアップが大事!
あけましておめでとうございます。
スリランカ人の大多数を占めるシンハラ人とタミル人の新年は4月14日ですので、スリランカ事務所では師走の雰囲気は一切なく年末を迎えました。
そんな中、2015年を振り返り、残りの事業期間3か月の間にするべきことを確認するため、北部事業に関わる全スタッフが参加するオールスタッフミーティングを12月30日に開きました。
井戸建設、ワークショップ、農業用アイテムの配布といくつか活動が残っていますが、残りの期間は今まで実施してきた支援を受け取った方々が有効活用できるように、しっかりフォローアップしていくことに力を入れよう、と気持ちを新たにしました。
たとえば、設立した井戸管理委員会や農業協同組合の活動が継続されているか、配布した種苗を効率よく栽培できているか、農業訓練・マーケティングワークショップで学んだ内容を有効利用できているか、などを確認していきます。もし上手くいっていない、困っている世帯やグループがいたら、スタッフが随時アドバイスをするなどしてサポートしていきます。
モノを配布、ワークショップを開催、井戸を建設、組合を設立。それだけでは支援は終わりません。むしろ、その後のサポートをいかに丁寧に、そして効果的に行うかで、JENが実施した支援の成功度合いが決まってくると考えています。
残り3か月、スタッフ一丸となり、より良い支援を提供すべく、尽力いたします。

現地事業担当
西田亜理沙
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1月 7, 2016 事務所・スタッフ農業支援北部帰還民支援井戸管理委員会 | Permalink
2015年12月10日 (木)
大使の視察
少し前の話になってしまいますが、11月3日に、在スリランカ日本国大使館の菅沼大使と大使夫人が、JENの事業地を訪問されました。
現在、北部ムライティブ県とキリノッチ県で行っている帰還民のための活動は、支援者の皆さまと日本政府の協力を得て行っています。
2015年6月に着任された菅沼大使に、実際にどのような活動をしているのか見ていただくとても良い機会となりました。
今回はキリノッチ県で設立・運営サポートを実施している「農業協同組合の製粉センター」および「完成して間もない井戸」の状況をご紹介し、さらに組合メンバーとお話ししていただきました。

製粉機でどのような加工品ができるか説明しました。

大使ご一行を歓迎すべく集まった組合メンバーが、製粉機センターの外で話を聞いています。

完成したばかりの井戸を見ていただいたりし、

大使夫人は井戸の大きさに驚かれていました。

最後に、菅沼大使より激励の言葉をいただき、組合メンバーと共に記念撮影をしました。

現地事業担当
西田亜理沙
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12月 10, 2015 農業支援北部帰還民支援井戸建設・修復 | Permalink
2015年11月19日 (木)
農業協同組合のドライフード生産
JENが実施している帰還民への支援の主な方法は、①生計向上と②コミュニティ強化ですが、今回ご紹介する活動は、コミュニティ再生と収入創出を通した、コミュニティ強化を目的としています。
そのコミュニティというのは、事業参加者全員が所属する「農業協同組合」です。
この組合は事業地ごとに設立・支援されます。そこでは、リーダーとなる運営委員が選ばれ、何か問題が起きた時に、全員で解決策を練り、対応していく仕組みづくりが形成されます。
事前にコミュニティ強化ワークショップで学んだ「リーダーシップとは」「問題解決方法」「地元行政との関係作り」「ステークホルダー分析」「チームワーク」などのスキルを実際に応用する事が可能になります。
また、コミュニティの運営管理の練習と収入創出を兼ね、活動テーマを導入しています。
今年の事業では「ドライフード生産」をテーマにあげ、各事業地の7~11名の運営委員を中心に、活動が開始される予定です。
先日そのドライフード生産に必要な「乾燥機」が事業地に届きました。とてもシンプルなデザインですが、1回に20キロもの野菜や果物を乾燥させることができます。早速、デモンストレーションで食べられる葉っぱを乾燥させてみました。
乾燥機をコロンボから運んできたトラックが農協センターに到着しました。

こちらが乾燥機です。

茄子をスライスして、並べる運営委員の一人。

食べられる葉っぱもいれましょう。

この入れ物に木屑を入れ、踏みしめて固めます。

その入れ物を乾燥機の下に入れ、火をつけます。
下から熱風が上に流れ、乾燥させていきます。


使用手順を説明するプロジェクトオフィサーのデービッド

30分待ったら、ドライフードが出来上がりました。

ドライフード生産を通じて、コミュニティが強化され、事業参加者同士、さらに村人同士の絆が深まり、他の問題が発生しても一緒に協力しながら解決していくという意識が高まれば嬉しいです。
現地事業担当
西田亜理沙
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11月 19, 2015 農業支援北部帰還民支援生計回復事業 | Permalink
2015年11月 5日 (木)
長い困難の中で家族を守る(後編)
マリーニさんの話は続きます。
「私は農業関係で働いたことがあるので、ある程度の経験はありますが、井戸がないため農業を続けることができませんでした。しかし、今回のJENの支援によって小規模な農業を始められるので、私の生活は大きく変わることになると思うととても楽しみです。
井戸建設の最初の掘削工事が始まり、完成が待ち遠しくてなりません。まず家族のための家庭菜園を始めたいです。そして、もしうまくいったら、作った野菜を売って収入を増やしていきたいです。
娘たちは、井戸ができて体を洗うために出かける必要がなくなることを待ち望んでいます。そういった外出は安全上問題があるため、長い間心配の種でしたから」
「私は井戸の立派な持ち主になります」
とマリーニさんは力強く言いました。
「JENと、このプロジェクトに携わっているスタッフの方には感謝の言葉しかありません。JENは私たちがとても長い間直面してきた根本的な問題を理解し、私の村の立場の弱い人々に必要な時宜を得た支援を提供してくれました。
また、このプロジェクトの実施に必要な資金の面でJENを支援してくれたすべての人々にも感謝したいと思います。
水へのアクセスは、人々の生活になくてはならないものです。JENの温かい支援に私たちの心を打たれました。これからずっと、この井戸から水を汲むたびに、この支援のことを思い出すでしょう」
と楽しそうにマリーニさんは話してくれました。

フィールドオフィサー
T.サレンダー
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11月 5, 2015 農業支援北部帰還民支援井戸建設・修復 | Permalink
2015年9月 7日 (月)
コミュニティ強化ワークショップ
スリランカで現在行っている事業では、これから複数のワークショップを開催する予定ですが、8月末に初のワークショップが開催されました。その名も、「コミュニティ強化ワークショップ」です。
ワークショップの一番の目的は、各事業地で設立される『農業協同組合』が、コミュニティとして機能する様に、組合員である現地の人びとが協力して活動できるように役立つ知識を共有することです。
トピックは、「コミュニティ活動のメリット」「リーダーシップとは」「問題解決方法」「対立予防」「地元行政との関係作り」「ステークホルダー分析」「チームワーク」などです。
ワークショップの中には多数のグループワークやゲームを盛り込みました。こちらは、チームワークを試すグループワークの様子です。先頭に座るリーダーが進む方向を決め、足を動かしながら、協力しながらチーム全体で進んでいこうとします。
進んでいるうちに途中で列が乱れたり、曲がる時に途切れたりしています。
しかし、みなさん頑張ってチームワークを発揮しようとしていました。
農業協同組合の活動は、簡単にはいかないはずです。
それでも、笑顔の多い楽しいものであってほしい。このワークショップに参加することで、コミュニティで活動する意欲が増えてもらったなら、嬉しいです。
現地事業担当
西田亜理沙
9月 7, 2015 農業支援 | Permalink
2015年8月 6日 (木)
事業地オスィヤマライ行政地区での初の事業参加者向けミーティング
7月7日、JENはオスィヤマライ行政地区にて、事業参加者のサポートとして、初のミーティングを開催しました。
JENからは事務所長代理、プログラムオフィサー、コミュニティーワーカー、フィールドオフィサーが参加しました。関係者は、事業参加者はもちろんのこと、事業参加者選定委員会のメンバー、住民組織のリーダーらが参加しました。
会議の主な目的は、JENスタッフと事業参加者がお互いを知るとともに、事業内容を説明し、生じた疑問点を明らかにすることです。JENは、事業参加者は生計回復支援事業の内容について十分に知ることができるよう、丁寧に説明する事を心掛けました。

事業参加者は井戸のサイズを大きくすることを要望しました。乾季の野菜栽培に強い関心があるためです。加えて、雨季が終わる前に建設作業が完了することや、ワークショップへの参加を熱望していました。


事業参加者は、生計回復支援について理解を示してくれ、また、私たちの井戸管理委員会や農業協同組合の形成に関するアイディアに賛成してくれました。理由は、集団での作業は自分たちの絆を深め、収入の向上を支えるということを皆知っているからです。
そのうえで、いくつかの意見が出されました。常設の水源や衛生的な建設物といった基本的な設備が整った食品加工センターの建設がいいという人もいました。コミュニティ強化支援での計画の際に自分たちの意見を取り入れてほしいという意見もありました。さらに、井戸建設にあたっては、作業質を確保するためにも、日雇いの労働者として現地の人材も含めてほしいという要望もありました。

(Photo8)
また、農業協同組合形成後、少なくとも3か月はフォローアップを行ってほしいと言う要望もありました。私たちも、農業協同組合の運営が軌道に乗るまでの期間をサポートすることは重要だと考えています。
地域の人々は非常にJENの活動に興味をもっており、事業について定期的に話し合いを持ちたいと話していました。事業参加者と良好な関係を築く第一歩となった、と感じました。
オスィヤマライ担当 フィールドオフィサー
アダイカラン
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8月 6, 2015 農業支援北部帰還民支援井戸建設・修復 | Permalink
2015年7月23日 (木)
2015年も引き続き、農業生計回復とコミュニティ支援を継続しています
JENは、昨年に引き続き支援者の皆さまおよび日本政府のご協力のもと、3月22日から帰還民に対する農業支援とコミュニティ強化を通した生計回復支援を行っています。
今回の事業地は、北部ムライティブ県で新たに1か所、キリノッチ県では新たに1か所、そして昨年と同じ地区で1か所です。
そのうちの1つ、ムラティブ県オッディスダン郡オスィラマライ行政地区はまだ電力もなく、道も整備されておらず、街や市場へのアクセスも悪いのが特徴です。
オスィラマライ行政地区↓
※Northern Provincial Councilホームページより引用
オスィヤマライ地区は県境に接していて郡の中心からも遠いため、インフラ整備が遅れている地域です。

電線はありますが、電気は通っていません。
もう一つの事業地、キリノッチ県パッチラパライ郡のヴァンボドゥカー二行政地区と、前期事業の事業地でもあったムハマライ行政地区は,、いまだ地雷撤去中ですが、部分的に地雷撤去が完了し土地が解放され、住民が徐々に戻ってきています。
地図↓
※Northern Provincial Councilホームページより引用

このヴァンボドゥカー二地区。避難先から帰還したものの、まだ仮設住宅に住み、住宅建設支援待ちの方が多いのが現状です。

行政地区官の事務所もまだ仮設です。

前事業地のムハマライ地区ではまだ地雷撤去作業が続いています。
今年中には終わるとか終わらないとか。
事業開始から約4か月が経ちました。
ベースライン調査と受益者選定、そして第1回受益者ミーティングが完了し、これから様々な支援活動が実施されます。
随時紹介いたしますので、ぜひフォローしてください。
現地事業担当
西田亜理沙
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7月 23, 2015 農業支援北部帰還民支援生計回復事業 | Permalink
2015年7月 9日 (木)
昨年度事業参加者の声
インタビュアー: R.クガネサラサ(フィールドオフィサー)
インタビューを受けた人:サヤンティニィ―(農協の書記、ムハマライ地区、25歳)
インタビュー日:2015年6月12日
JEN職員 「ワナッカム(おはようごうございます)! 農業協同組合の書記官として、農協の機能や周辺の人々にとっての利点を教えて下さい」
事業参加者「もちろんです。私たちの農協に訪問いただき、ありがとうございます」
「私はこの農協の書記官として、月1回行われる会議を調整し、その中で議事録をとったり、会議で取り上げられた課題を決断に向けてサポートしたり、といった役割を担っています。私たちの農協は今年活動を開始し、これで2回目の月例会議になります。現在、製粉機を用いて追加で製粉できるもの、機材の欠点、収入のさらなる向上について話し合いをしているところです 」
「(利点についてですが)近隣住民はお米やとうがらしを製粉しにやって来ます。1日に3~4世帯ほどが訪れます。以前は近くの町まで行っていましたが、私たちの農協で製粉を行うようになって、時間を短縮し、無駄な支出を減らすことができるようになりました」
JEN職員「(事業参加後)村で感じた変化や発展についても教えて下さい」
事業参加者「私たちの村についてですが、未だに村に戻ってくる帰還民がいます。(一方で)、過去に日雇いの仕事で生計を立てていた人々はある程度は定職につき、幸せに生活している人もいるように見えます。 そして、ほとんどの世帯が恒久住宅を持ち、互いに協力的になったように見えます。人々は今自由に動きまわれるようになり、治安の問題もありません。 このように生活環境を楽しめるようになったことは大きな変化です」
「製粉機のオペレーターの代わりに食料を製粉させてもらった時は嬉しかったです。理由は、その時この農協が私たちの村に属しているということを実感できたからです。なので、村のために働けるこの仕事を贈り物であるかように感じています。私は全ての農協メンバーが手と手を取って助け合い、社会向上を築けるようになったら嬉しいです。 この農協の活動がさらに広がって、近隣の村の人たちも恩恵が得られるようになることが私の夢であり、楽しみです」
【JEN現地スタッフが農協の建物の前で、農協の書記にインタビュー中】

【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

7月 9, 2015 北部緊急支援農業支援生計回復事業 | Permalink
2015年5月28日 (木)
キリノッチ県でのインタビュー
私たちは自分の土地で野菜栽培をしており、それが唯一の収入源です。
JENが開いてくれたワークショップに参加するまでは、村の集会には時折参加するだけでした。ですが、ワークショップの経験から村の集会で何ができるかがわかり、全ての集会に参加するようになりました。集会でアイデアを共有するようになりましたし、村の発展のリーダーとして選ばれるようにもなりました。
ワークショップでは、事前に計画を立てることの重要性を学びました。特に農業ワークショップでは土壌の準備、有機肥料の作成、有機農薬の作成、水の節約、季節に合った栽培などを学びました。それまでは害虫コントロールや農業の健康被害などは知りませんでした。
【インタビューに応えてくれた家族】

ちょうど今、学んだ土壌準備と有機肥料の作成を実践しているところです。種まきをしたら他の学んだことも実践する予定です。
JENから様々なサポートを受けることができ、うれしく思います。野菜栽培の計画を立て、多くの収穫が得られるようになったら、子どもたちのためにお金を貯めていきたいと思います。
【有機肥料の作成】

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5月 28, 2015 農業支援北部帰還民支援 | Permalink
2015年5月14日 (木)
月刊スリランカ -10年間の支援を振り返って-<第4回>
【東部・北部での国内避難民や帰還民支援での7年間】その3
北部・東部では、7年間で16万7千人以上の国内避難民・帰還民の生活を立て直す一歩を後押しする事が出来ました。188の仮設住宅とトイレの建設、1535井戸の清掃を行い、1229基の井戸を修復し、ポンプ式共同用管井戸を13基建設し、安全な生活用水を確保しただけでなく、農業従事者にとっての生業再開のベースになりました。
また、14箇所のカルバート(橋梁型排水溝)の再建・建設により雨季の流通や経済活動を促し、218の農業用井戸を建設し、自立に向けた基礎をつくりました。
今後の供与品(農業では給水ポンプ、漁業ではカヌーなど)の維持管理と農業や漁業を通したコミュニティ活性化に向けて、204の井戸管理委員会(6の運営委員会を含む)・8の農業協同組合を形成し、12の漁業組合を再生しました。

北部では地雷除去が終わらず帰還が出来ていない地域もありますが、2014年からはさらに北上し、北部キリノッチ県の帰還地域へと自立支援に向けた活動を広げております。
10年間、温かいご支援を賜り、本当にありがとうございました。JENスリランカは今後も、より多くの人々の自立を支えるために努力してゆきます。引き続き、温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】
5月 14, 2015 東部帰還民支援農業支援北部帰還民支援井戸建設・修復井戸管理委員会 | Permalink
2015年5月 1日 (金)
月刊スリランカ ー10年間の支援を振り返ってー<第4回>
【東部・北部での国内避難民や帰還民支援での7年間】その3
北部・東部では、7年間で16万7千人以上の国内避難民・帰還民の生活を立て直す一歩を後押しする事が出来ました。188の仮設住宅とトイレの建設、1535井戸の清掃を行い、1229基の井戸を修復し、ポンプ式共同用管井戸を13基建設し、安全な生活用水を確保しただけでなく、農業従事者にとっての生業再開のベースになりました。
また、14箇所のカルバート(橋梁型排水溝)の再建・建設により雨季の流通や経済活動を促し、218の農業用井戸を建設し、自立に向けた基礎をつくりました。
今後の供与品(農業では給水ポンプ、漁業ではカヌーなど)の維持管理と農業や漁業を通したコミュニティ活性化に向けて、204の井戸管理委員会(6の運営委員会を含む)・8の農業協同組合を形成し、12の漁業組合を再生しました。

北部では地雷除去が終わらず帰還が出来ていない地域もありますが、2014年からはさらに北上し、北部キリノッチ県の帰還地域へと自立支援に向けた活動を広げております。
10年間、温かいご支援を賜り、本当にありがとうございました。JENスリランカは今後も、より多くの人々の自立を支えるために努力してゆきます。引き続き、温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。
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5月 1, 2015 東部帰還民支援農業支援北部帰還民支援漁業支援 | Permalink
2015年2月19日 (木)
10年で初の試み、農協メンバーの交流会
1月28日に、前期事業で形成した2つの農業協同組合(農協)と今期事業で形成したばかりの4つの農協の運営委員会メンバー、合わせて42人を集め、交流会を行いました。異なる期間、異なる地域で支援を受けてきた方々が顔を合わせ、コミュニケーションをとることは、JENがスリランカで支援をしてきた10年の中で初の試みでした。
そのため、主な目的である「農協メンバーのネットワーキング」と「農協運営のための成功の秘訣、失敗事例、アドバイスの共有」を達成できるか、スタッフは期待と不安が入り混じった状態で当日を迎えました。
当日の朝7時から、2台のバスが4ヶ所の地域をめぐりながらメンバーを乗せ、9時半頃、前期事業で形成した農協のコンポスト生産作業場に到着しました。長旅の疲れをとるため少し休憩した後、10時に交流会プログラムを開始しました。
まず、今回の交流会開催を快く受け入れてくれた、農協のリーダーであるプレジデントから歓迎の挨拶がありました。そしてメンバーが、どこの地域からきたか、運営委員会での役割(プレジデント、会計、書記など)、農協の活動テーマ(コンポスト作り、苗生産、製粉食品生産)、交流会への期待などを含め、自己紹介しました。
【農協メンバーを送迎したバス】

【前期事業で設立したコンポスト生産作業場】

【JENスタッフも歓迎していただきました】

【交流会開始の挨拶をするフィールドオフィサー】

次に、コンポスト作業場を運営していくための各メンバーの役割、運営管理費、帳簿や集会記録、材料集め、生産活動、マーケティングなどについて、各農協メンバーが説明しました。
さらに、農協として正式に登録する方法、地方行政との関係構築の重要性、将来の目標なども共有しました。新しい農協のメンバーは、うまく運営していけるか、どのような問題が発生しどのように解決できるか、生産した商品をしっかり売れるかなど、随時質問していました。
最後に、いくつかのグループに分かれ、今後どのように協力しながら農協として発展していけるか話し合いました。
【グループになり、会計の役割について話し合う参加者】

【話し合った内容を全員に共有している様子】

今期事業では、様々なワークショップを実施してきましたが、講師がほとんど行政職員であったため、参加者が内容を理解し農業活動に生かせるよう、わかりやすい説明やグループ作業の取り入れなど工夫をしてきました。
今回の交流会は、似たような境遇や経験、生活条件のもとで農協を運営しているメンバー同士の情報交換の場となったため、内容をより深く理解し、今後の活動に生かせると感じた参加者が多くいた印象を受けました。
事実、招待された農協参加者全員が「とても役立った」「不安が解消され今後の活動に対しモチベーションがあがった」「内容が分かりやすかった」「チームワークが大事と理解した」などのコメントを残してくれました。
また、農協同士の協力方法に関しても「苗生産のためのコンポストを調達したい」「今後も運営に困ったらアドバイスをもらいたい」など前向きなコメントを多くもらいました。
【交流会に参加した農協運営委員会メンバー】

今期事業で形成したムライティブ県の農協は「苗生産センター」、キリノッチ県の農協は「製粉センター」を運営していきます。今回の交流会で構築されたネットワークと共有された知識を駆使して、持続的な運営につないでくれるよう、大いに期待しています。
現地事業担当 西田亜理沙
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2月 19, 2015 農業支援北部帰還民支援 | Permalink
2015年1月 8日 (木)
マーケティングワークショップの開催
11月中旬に開催した農業訓練ワークショップから1ヶ月経ち、配布した野菜の種や多年生植物の苗が支援対象者の農業用地で育ち始めた頃に、マーケティングワークショップを開催しました。
このワークショップの一番の目的は、人びとが苦労して生産した野菜や果物などの農作物を、どのように工夫すれば効率よく市場で売ることができるか、を学ぶことです。
講師には、スリランカ北部の農村地域における市場システムに精通している専門家を招き、下記のテーマを扱いました。
①マーケティングで重要な4本の柱(商品、価格、販売場所、販売促進)
②農村地域の市場や消費者の特徴
③商品の質向上、価格設定、販売網の設定、販売方法
④販売計画の作成方法
座学のみとなると、万国共通、参加者が集中力を切らし疲れてしまいますので、なるべくグループワークを含め、学んだ内容を実践できる機会を増やしました。その一例が、ロールプレイングです。
参加者をグループ分けして、それぞれ仮想店舗を構え、販売競争をしてもらいました。消費者役はジェンスタッフが担い、各店舗スタッフ(参加者)とコミュニケーションをとりながら商品を吟味し、欲しいものを購入していきました。商品の差別化や消費者へのサービス提供などを特に工夫することなく押し売りする方が多く、講師はこの結果を元に提供すべき知識やスキルを判断することができました。
【仮想店舗の開店準備に取り組むワークショップ参加者】

【ジェンスタッフに野菜の種を売ろうとしている雑貨屋】

ワークショップの最後には、学んだ知識やスキルを元に、グループごとに農作物の販売計画(ビジネスプラン)を作り、発表してもらいました。どのグループも、どんな消費者をターゲットにするか、どのように農作物を魅力的な商品にするか、なぜその価格にしたか、どのタイミングで販売するか、としっかり考えた上で、プランを練っていました。
【ビジネスプランを練っている最中に講師からアドバイスをもらうグループ】

ジェンの支援事業に参加する支援対象者はマーケットからのアクセスが悪い地域に暮らし、直接消費者と接点をもたない農家の方が多いのです。そのため、農作物から収入を得る上で中間商人に頼らざるを得なく、妥当ではない価格を設定されるケースがほとんどです。
今回学んだマーケティング知識やスキルを駆使してもらい、各世帯の収入向上につながることを期待しています。
現地事業担当 西田亜理沙
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1月 8, 2015 農業支援北部帰還民支援 | Permalink
2014年12月18日 (木)
地域の方へのインタビュー<ムライティブ編>
私はムライティブ県プトゥクリルプ郡マナカンダル地区に、3人の子どもと住んでいます。私は紛争中に銃弾を受けてしまい、腹部にはまだ弾丸が残っています。そのため、家族の世話をすることも難しいです。
安定した収入もないため、日々の生活も何とかしのいでいる状況です。また、生活用水のためには毎日1kmの距離を水汲みに行き来しなければなりません。
そんな私たちをJENは支援の対象として選んでくれ、種、苗、フェンス、農業ワークショップを提供してくれました。
私はこれまでに、コミュニティ強化、農業技術、マーケティングの3回のワークショップに参加しました。特に農業技術ワークショップは生活に安心感を与えてくれました。
コンポストと有機農薬の作り方を学んだのは初めての経験でしたが、ワークショップの後すぐに自分で作り始めました。完成までには時間がかかりますが、費用もかからず、健康的です。
現在、配布されたブラックグラム(黒レンズ豆)の栽培をしています。このブラックグラムに早速、今作っている有機農薬を使ってみたいと思います。一度ブラックグラムの栽培を行った後に、本格的な菜園を作りたいと思っています。その時にコンポストを使いたいと考えています。
私の夢はJENからのサポートに依存することなく、生活を築くことです。そして、子どもとともに菜園を作っていきたいと思います。
JENと日本のみなさんに本当に感謝しています。
【地域の方とブラックグラムの畑】

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12月 18, 2014 農業支援北部帰還民支援 | Permalink
2014年12月 4日 (木)
農業用具の配布
11月中旬に農業用具と野菜の種、多年生苗の配布を行いました。
具体的には、
- 鳥獣被害からの農地保護用フェンス(有刺鉄線)
- クワ
- 有機農薬散布用スプレー
- 野菜の種(唐辛子、茄子、長豆、オクラ、トマト、蛇瓜、タンパラ(葉野菜)、とうもろこし、黒レンズ豆)
- 多年生苗(ココナッツ、ジャックフルーツ、ライム、オレンジ、マンゴー、ザクロ、モリンガ、パパイヤ)
を配りました。
特に野菜の種、多年生苗とスプレーは、農業技術ワークショップで得た知識を直ぐに実践できるようにするために重要です。
【農地保護用フェンスとクワの配布】

【野菜の種、多年生苗とスプレーの配布】

実は、スリランカではNGOが住民に対して自由に物資の配布を行うことができません。
必ず配布物に対して行政のチェックが入り、配布にも地区行政官が立ち会います。
地区行政官が立ち会えない日は配布日として設定することができないのです。
配布場所も必ず行政庁舎の前で行わなければなりません。
重いものを配布する場合であっても住民の家まで直接配達することができないのです。
今回1巻25kgの有刺鉄線を2巻配布したのですが、地域の人たちは慣れているようで、運搬用のトラクターを手配して共同利用していました。
【トラクターの共同利用】

現地総務経理担当 那須田
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12月 4, 2014 農業支援北部帰還民支援 | Permalink
2014年11月27日 (木)
農業技術ワークショップ
11月11日に農業技術ワークショップを開催しました。
この農業技術ワークショップは、建設する農業用井戸を最大限活用して収入が効率的に得られるようになることを目的としています。具体的には、
- 畑の準備
- 有機コンポストの作成方法
- 有機農薬の作成方法
- 節水農業
- 害虫のコントロール
- 農作物の収穫方法や収穫時期
- 農業を営む上での健康問題
をテーマとして取り扱い、自分たちの野菜栽培に生かしてもらいます。座学で半日、実作業を行う演習で半日、の構成です。
ワークショップに限らず、普段から配布する種や苗の選定などに関して現地農業局と密接に連絡を取っており、その結果、講師派遣や農業訓練センターの使用にも協力してもらえることになりました。
特にスリランカでは農薬が原因で健康被害が発生している可能性があり、有機農業にシフトするべく、力を入れているようです。そのためか、兼ねてから有機農業に取り組んでいるJENに良く協力してくれます。
【座学の様子】

演習では、有機コンポストの作成、有機農薬の作成を行いました。
【有機コンポストの作成演習】


【有機農薬の作成演習】

写真④
次は12月中旬に、成果である農作物からどのようにして効率的に収入を得るかをテーマにした、マーケティング・ワークショップを開催します。
現地総務経理担当 那須田
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11月 27, 2014 農業支援北部帰還民支援 | Permalink
2014年10月23日 (木)
地域の方へのインタビュー<キリノッチ編>
私はイタベル村に以前から住んでいました。7人の子どもがいますが、娘の1人は19歳の時に強制的に武装グループへ参加させられて、紛争中に亡くなってしまいました。娘が1人、衣料工場で働いているのが唯一の安定した収入で、あとは夫が日雇い労働で収入を得ています。生活のニーズを満たすほどの収入は得られていません。
この村は紛争から直接的に被害を受けており、ほとんどのものが破壊されてしまいました。家や共用の建物、排水設備、大きな木さえも。私たちは2004年から2012年まで避難していました。私たちが帰ってきたときには村は墓地の様になっていました。
私たちはいつも現在の生活や、どのように収入を得てどのようにやりくりするかについて考えています。これが唯一の生きていく方法であり、平和をもたらすものと考えているからです。必要なものは隣人には頼りません。一生懸命働いて努力することが幸福へのビジョンだと信じているからです。
農業協同組合については今のところ多くのアイデアを持っているわけではありませんが、グループとして働くことは時間を節約し、新たなアイデアを共有し、地域を発展させることができるものだと期待しています。
【インタビューに答えてくれた方と家族】

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10月 23, 2014 農業支援北部帰還民支援井戸建設・修復 | Permalink
2014年10月 9日 (木)
地域の方へのインタビュー<ムライティブ編>
私は4人の子どもと夫と共にタチャダンバン地区に住んでいます。子どものうち、2人は障がいを持っており、1人は日雇い労働に従事し、もう1人は学校に通っています。井戸は持っていませんが、日々の食事のために小さな家庭菜園で野菜を栽培しています。水は近所の人から分けてもらい、バケツにくんで運んでいます。
1997年から2000年の間、国内避難民キャンプで過ごしていました。2000年に自分の家に帰ってきたときには家は完全に壊れており、畑は地雷原となっていました。未だに大きな穴が敷地内に残っています。その後、2008年から再び紛争のために土地を離れ、2010年に帰ってくることができました。
私が家庭菜園に関心を持っていることを考慮に入れて、JENは私を支援対象者に選んでくれました。直接、私たちの生活の様子を確認した上で、選んでくれたのです。JENのサポートによって私たち家族が前向きになれることを願っています。農業用井戸ができて、自分で家庭菜園ができることを想像するとハッピーな気分になれます。もし、家庭菜園から収入を得ることができるようになったら、家を建て直したいと思います。
農業協同組合の設立も、私たちの村にとって経済的、文化的、社会的な手助けになると感じています。協同組合の機能は、将来的に村で子どもたちが大きなスケールでビジネスをする助けになると思います。
日本の人たちとJENが、私たちの生活の手助けをしてくれていることにあらためて感謝します。
【地域の方とJENスタッフ】

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10月 9, 2014 農業支援北部帰還民支援井戸建設・修復 | Permalink
2014年9月 4日 (木)
厳しい目で過去の事業を振り返ることの重要性
少し前の話になってしまいますが、6月23日・24日、過去に実施した2つの事業の事後評価のために、在スリランカ日本大使館の方が事業地を訪問されました。この事業は、支援者の皆様のご寄付と、日本政府の助成金を得て実施しました。
1日目は、2009年6月から2010年11月まで、東部バティカロア県で実施した農業用井戸の建設を通した帰還民の生計回復事業を視察。2日目は、2010年11月から2011年12月に実施した地域を視察されました。
当時JENは、井戸ごとに8世帯の家族からなる井戸管理委員会を設立しました。この委員会には、井戸から水を汲みあげ、農地に散水するための水ポンプ、動物が落ちないよう井戸を囲むフェンス、そして野菜の種や多年生植物の苗を配布しました。さらに、ワークショップを通じ、農業技術や共用井戸とポンプの共同運用方法を指導し、隣人同士で協力しあう中で地域コミュニティの絆を強めることを目標に掲げました。
あれから3年半が経ち、井戸の状態はどうなっているのか、ポンプはまだ共有されているのか、井戸管理委員会のメンバーは協力しあっているのか、そして何よりも、村の方々の暮らしは良くなっているのかを知るべく、私も「厳しい目」をもちながら事業参加者のお宅を訪問させていただきました。
【各井戸に埋めた事業プレート】

【井戸の状態を視察される大使館の方々(手前2名)】

【井戸の状態について説明するJENスタッフ】

当初目標にしていた「生計回復」の効果は持続していることがわかりました。事業参加者の中からランダムに選んだ16世帯に対して聞き取り調査をした結果、全世帯の収入が事業開始前から比べると約3~6倍(3000~6000ルピー、約2340円~4680円)に増加していました。中には、農業で得た収入を元に農地を拡大したり、家畜を購入したり、雑貨店を経営したり、作物の種類を増やすなどし、10倍以上収入が増えている世帯も見受けられました。井戸の状態も良いものが多く、水ポンプも継続的に使用されていました。さらに、隣人と協力して、共同で農業を実施し、得た収入を公平に分けている方もいらっしゃいました。
【事業参加者との対話】

【農業で得た収入を元に、お店を立ち上げた女性】

下の写真の身体障がい者の方からは、JENの支援を受ける前は仕事がなく生活が苦しかったが、今は生計が安定していることを教えていただきました。敷地内では当時配布した植物の苗が立派なパパイヤ、マンゴーやジャックフルーツの木に成長している姿を見ることができました。
【身体障がい者の方から話をきく大使館の方とJENスタッフ】

【立派に成長した木】

さらに、当時のワークショップで作成方法を学んだ有機肥料や殺虫剤を継続して作っている世帯も多かったです。嬉しいことに、各井戸が当時支援を受けた方のみならず、周りの20~30世帯の村人の間でも共有されているという、副次的な効果も見受けられました。これらのような「プラスの効果」が確実に出ていることに安堵すると共に、今後地域の方々の生計がますます向上することを期待できるような視察となりました。
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9月 4, 2014 東部帰還民支援農業支援 | Permalink
2014年6月19日 (木)
ムライティブ県オッディスダン郡での支援
本年度の事業地である、ムライティブ県オッディスダン郡(Mullativu District,Oddusuddan Divisional Secretary)の様子をご紹介したいと思います。
【北部州全体から見たオッディスダン郡の位置(Northern Councilより)】

【ムライティブ県から見たオッディスダン郡の位置(Northern Councilより)】

オッディスダン郡は2009年の紛争終結の翌年2010年に、そこに住む人たちの帰還が始まった地域です。しかしながら、ムライティブ県で最も戦闘が激しかった地域でもあり、十分な支援が行き届いておらず、未だほとんどの人たちが仮設シェルターに住み続けています。
【藁とトタンでできた仮設シェルター】

【仮設シェルターの側面】

この地域の80%の人たちが家庭菜園で生計を立てていますが、雨水に頼っているため、野菜栽培ができない期間は日雇い労働で収入を得ています。
そのため平均月収は、スリランカ政府が定めた貧困ライン3,774ルピー(約2,800円)(2013年8月時点)に対して、約1,500ルピー(約1,200円)と大きく下回っており、生計を立てるための支援を必要としています。
さらに、25%の世帯主が女性という状況でもあります。
井戸を持っているのは地域の10%程度の世帯にすぎません。ほとんどの世帯は飲料水を共用井戸から得ているため、農業を行うための大量の水をその井戸から取水するわけにはいきません。その共用井戸も壊れてしまっていたり、枯れてしまったりしており、水不足が深刻となっています。
【枯れかけてしまっている井戸】

この地域に農業用井戸を建設することにより、農業収入の増加が促進されるだけではなく、共用の飲料用井戸との棲み分けができることで飲料水確保の競争が軽減されることが期待できます。
現地総務経理担当 那須田 智生
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6月 19, 2014 農業支援北部帰還民支援井戸建設・修復 | Permalink
2014年5月22日 (木)
新事業の開始
2月28日をもちまして、北部ムライティブ県と東部アンパラ県での事業が無事完了いたしました。ご支援くださった支援者の皆様、日本政府には、感謝を申し上げます。
3月からは、支援者の皆様と、日本政府の協力を得て、北部ムライティブ県とキリノッチ県での事業を開始しました。
これまでの経験を生かし、
農業生計回復支援として、
①農業給水支援:48基の農業用井戸建設と給水ポンプ・井戸保護フェンスの配布
②生産性向上支援:コンポスト作成や有機農薬作成などの農業技術ワークショップの開催と種・苗・農業器具の配布
③収入向上支援:生産物から効率よく収入を得るためのマーケティングをテーマとしてワークショップの開催
コミュニティ再生支援として、
①井戸管理委員会の形成:4世帯(井戸2基)で構成する24の井戸管理委員会を設立し、給水設備と共有農具の共同管理を通してコミュニティ活動の意義やリーダーシップの取り方を身に着けるワークショップを開催する
②農業協同組合形成:5つの農業協同組合を形成することで組合化による収入向上を目指す
を実施します。
今回より、前回まで事業を行っていたムライティブ県プドゥクリルプ郡に加え、同県オッディスダン郡、キリノッチ県パッチラパライ郡で事業を展開することとなりました。
それぞれの地域にはもちろん選んだ理由があります。
・ムライティブ県プドゥクリルプ郡:悪路のために支援が行き届かず、未だ取り残されてしまっている
・ムライティブ県オッディスダン郡:ムライティブ県の中で最も戦闘の激しい地域であったたため、支援ニーズが高い
・キリノッチ県パッチラパライ郡 :2012年に再定住が行われたばかりの地域で、まだ支援が届いていない
次回以降、各地域について順番にご紹介します。
現地総務経理担当 那須田 智生
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5月 22, 2014 東部帰還民支援農業支援北部帰還民支援井戸管理委員会 | Permalink
2014年5月 8日 (木)
北部農業協同組合メンバーへのインタビュー
ビシュワマドゥイースト郡バラティプラム村に住むセルバラニさんには7人の子どもがいました。紛争で娘を一人無くし、息子がまだ1人行方不明です。今では5人の子どもと夫とともに暮らせるようになりました。しかし、2009年に避難した際に全ての財産を失いました。
以前、セルバラニさんは村で有名な農家でした。最新の技術や有機コンポストを使って農業を行い、多くの利益を得ていたためです。しかし、2010年に帰還した際に自分の土地にあったのは、簡易シェルターとしてのテントのみでした。夫は身体的、精神的に新しい生活を開始する状態にはなく、テントを設置するのに苦労し、経済的な問題にも直面しました。当然、男性が行うような日雇い作業もすることができず、生活が追いつめられていました。
そんな折、ジェンがニーズに沿った支援をしてくれ、再び幸せな生活を送ることが可能になりました。彼女はジェンが設立した農業協同組合に興味を持ち、組合の運営メンバーになりました。今では有機コンポストの生産や村の人々と良い関係づくりを楽しんでいます。
彼女の夢は次の世代が健康になることです。農業協同組合がコンポストの材料となるごみを村から集めることで、村がより清潔になることを信じています。そして、コンポスト作業場がもたらす収入によって村の経済に活気が出ること、災害時の備えができるようになることを願っています。
【コンポスト材料のごみ回収】
【回収した材料の裁断作業】
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5月 8, 2014 農業支援北部帰還民支援 | Permalink
2014年2月27日 (木)
現地の方へのインタビュー その5(東部)
私はテルックコービル地区のユンパラカラッチという村で生まれ育ちました。私には妻と一人娘がいます。
私たちは紛争の影響を受けて村を離れ、親戚の家に身を寄せていました。実のところ、私たちは再定住が行われる前に、自分たちの意思で2011年に村に戻ってきました。しかし、何も残っていませんでした。家も水もありません。乾季の間は収入が得られないので、年に4、5か月は生計を立てるために、他の場所を転々としていました。
JENのおかげで長年求めていた水を得ることができるようになり、うれしく思います。井戸が完成する前は2km先の井戸まで水汲みに行かなければならなかったので、井戸の水位が常に十分にあることを確認する度に、喜びがこみ上げてきます。
そして、井戸だけではなく、安心した生活が送れるように、住民組織化やリーダシップのスキル研修、コンポスト製造などの農業技術研修を受けることができました。
得た知識を活用して、農作物の生産量を増やし、不安のない生活を送ることが私の夢です。
【現地の方と、インタビューをするJENスタッフ】
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2月 27, 2014 東部帰還民支援農業支援井戸建設・修復 | Permalink
2014年1月23日 (木)
現地の方へのインタビュー その3(東部)
私はカンチクドゥッチアールという村に住んでいます。2006年に紛争で土地を追われ、2010年に元々住んでいた村に戻ってくることができました。
私には娘が1人おりますが、夫を2012年に失っています。野生の象を夜間に監視していた際に襲われてしまいました。夫の仕事は夜間のセキュリティと野生動物から農作物を守ることが主な仕事でした。
夫を失ったことで、希望を失い、もう普通の生活ができないことを覚悟しました。私と娘は何とかして生計を立てるために知恵を絞りました。その結果、雨季の4か月間だけは農業をすることができるようになりました。ナッツとトウモロコシが主な収穫物です。
しかし、野生動物から農作物を守ることは難しく、灌漑設備もないため、雨季が終わった後は収入がなくなってしまいます。また、トイレもない小さな小屋で生活をしています。安全ではないため、安心して夜を過ごすことができません。しかし、土地を離れることはできません。私たちが村から離れてしまうと、土地が奪われてしまいからです。娘が材料を集めてほうきを作って売っていますが、収入はわずかです。
今回のJENからの支援は、私が今の土地に戻ってきてから初めて、支援団体から受ける支援です。まさか、農業用井戸を設置してもらえるとは思ってもいませんでした。
おかげで1年中、水を利用することができ、農業が続けられます。井戸が完成したらココナッツを栽培しようと考えています。そしてお金を貯めて、ここに娘と永住できるような家を建てたいと思います。
【現地の方と、インタビューをするJENスタッフ】

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1月 23, 2014 東部帰還民支援農業支援 | Permalink
2013年10月31日 (木)
東部農業技術ワークショップ
今回は東部で行った農業技術ワークショップの様子を紹介します。
JENは農業用井戸の建設だけではなく、その井戸を有効活用できるように知識や技術を身につけて生産性を向上してもらうための農業技術ワークショップも実施しています。
農業技術ワークショップではそれぞれの井戸の受益者が一堂に会し、講義を受けるだけではなく、抱えている課題を共有し、議論します。
これまでは近隣地域を集めて1グループとし、グループ毎にワークショップを開催していましたが、新たに全てのグループを集める機会を設けました。
この試みにより、①コミュニティの範囲を広げること、②他グループと比較ができる環境により自分たちのグループの良い点・悪い点に気づいてもらうこと、③他グループとの比較により、自分たちのグループの結束を高めてもらうこと、を期待しています。

ワークショップと言っても、座学やディスカッションだけでは集中力が途切れてしまうので、写真のように有機農薬の現物を実際に確認したり、簡易顕微鏡で害虫駆除をした植物としていない植物を比較したりして、理解を深める工夫をしています。


受益者たちで議論して得た教訓を今後も生かせるように、JENスタッフが内容をしっかり記録します。

農業技術ワークショップは現地の農業局と協力して開催しており、作成した配布資料にはそのお墨付きとして農業局のマークも加わっています。

他のグループとは初めて顔を合わせたためか、初めのうちは若干緊張した雰囲気から始まりましたが、一度議論が始まると徐々にその緊張もほぐれ、活発になりました。
同じ悩みを抱える受益者の人たちがこうした機会をきっかけとして、団結し、コミュニティ強化につながることを願っています。
スリランカ事務所 総務経理担当 那須田
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10月 31, 2013 東部帰還民支援農業支援 | Permalink
2013年9月19日 (木)
北部事業視察のご報告
北部事業の様子をご紹介したいと思います。
北部でも東部と同様に、支援者の皆さまからのご寄付および、外務省の資金協力のもと、
① 農業給水支援として農業用井戸建設と給水ポンプの配布、② 井戸管理委員会の立ち上げとコミュニティ強化のためのワークショップ を開催し、生計の向上・安定の支援を行っていますが、東部とは違った難しさがあります。

井戸建設の上での違いは地質です。
東部の地質は硬い岩盤を含んでいるためドリルを使いながら掘っていますが、北部ではそれが不要です。ただ逆に柔らかい土壌であるため、掘った周囲が崩れてしまう問題が度々発生しています。
【崩れてしまった井戸】

また、井戸をコミュニティで共同管理するように勧めていますが、住民が井戸の共有に対して抵抗感があるようで、井戸を設置した土地の所有者が「今日は十分な水が湧き出ていない」と言ったりして占有してしまうことを懸念していました。
そこで、井戸を共有する世帯の土地の境界上に設置し、共有する世帯同士、遠慮なく井戸を利用できる環境を整えつつ、共有に対して理解してもらえるように話し合っています。
活動に参加する人びととのコミュニケーションは、井戸を建設する村から選出したコミュニティワーカーが中心に行っています。自分の村出身者が主体となって調整していることも、コミュニティ強化のひとつとなっています。
【コミュニティワーカーたち】

スリランカ事務所 総務経理担当 那須田
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
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9月 19, 2013 農業支援北部帰還民支援井戸建設・修復 | Permalink
2013年9月 5日 (木)
北部:雨と農業井戸建設へのチャレンジ
ムラティブ県のプドゥクリルプ郡、ビシュワマドゥ サウスおよびイースト地区では今、生計支援に向けた事業で農業井戸を建設中です。

およそ2分の1エーカーの土地を所有している低所得者世帯にとって、一年を通して水はとても重要です。深さ25フィート・直径12フィートの井戸の建設に向けて、掘削が開始されています。

今年前半の豪雨のために地面の水位が上がり、困難に直面しました。水を吸い上げる作業に時間を取られ、より高い馬力の給水ポンプを使用しなくてはいけなくなるという状況に陥りました。業者は協力的で、この地域の人々を助けたいという思いから、余計にかかった費用をカバーしてくれたケースもありました。

私たちは日々いろいろな問題に直面し、その対応にチャレンジしています。 それを見ている住民たちは私たちにとても感謝してくれています。
テクニカルオフィサー ケーサバン
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9月 5, 2013 農業支援北部帰還民支援井戸建設・修復 | Permalink
2013年8月 8日 (木)
東部事業の視察
本部スリランカ事業担当から現地総務経理担当となりました那須田です。
赴任にあたり、事業地の視察をしましたので、その様子をご紹介したいと思います。
こちらは2011年に東部バティカロアで行った農業用井戸の建設のその後の様子です。

建設から2年が経過しましたが、なんと給水ポンプが増設されていました!
井戸ができたことで農地を拡張することができ、さらに農地を広げるためにポンプを購入したとのことです。
今ではくみ上げた水を貯めておく貯水タンクも建設し、井戸の水が枯れてしまっても水を使えるような工夫もしています。

コンポストの利用や水が行き渡りやすくなるような耕し方など、ワークショップで行った農業実習の内容も実践されていました。

また、ワークショップで行った帳簿付けもしっかり継続されていました。

収入が増えたことで、自分たちでさらに収入を得る手段を導入するサイクルが出来上がっていました。井戸ができる前は500~2000ルピー(日本円で約400~1500円相当)だった月収が、5000~10000ルピー(4000~8000円相当)にまで増えたそうです。
2年でここまで変わるものなのですね。
現地総務経理担当 那須田
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8月 8, 2013 東部帰還民支援農業支援井戸建設・修復 | Permalink
2013年7月11日 (木)
北部帰還民へのJENの支援活動 - 現地スタッフの視点
スリランカは南アジアの真珠と呼ばれてきました。なぜなら、インド洋に浮かぶ海に囲まれたこの国の位置は、世界の中で経済的にも戦略的にも大変重要だからです。(その昔は、東西貿易の拠点でもありました)
しかし、30年間におよぶ内戦によって、経済と民族のまとまりが損なわれてしまいました。停戦から4年、現在は、少しずつですが経済的な安定を取り戻そうとしています。
JENは、インド洋津波による被害の直後2005年1月に、南部ハンバントタ県で活動を始めました。
2007年には東部に活動地を移し、30年間におよぶ内戦が終了した2009年には、その支援活動を北部までに拡大しました。
北部では国内避難民キャンプへの緊急支援を、その後の2010~2012年の間、帰還民の生活再建の支援を行っています。
2013年は、帰還民の自立を促進するため、北部の返還された地域であるムラティブ県プドゥクリルプ郡ヴィスワマドゥ南地区と東地区で、農業を基盤とした生活再建支援を開始しました。この地域は30年前は野菜の産地として有名でしたが、戦争によって人々の有形資産だけでなく、農業を営むための精神力も破壊されてしまいました。
JENは共に働く小さなグループを組織することで、心の復興をもたらすための支援を行っています。年間を通して水を供給するための農業用の井戸を建設し、併せて農機具の配布も行い、自信を持って自立した農業を再開できるようなサポートを行っています。農業の新しい技術のトレーニングや、知識習得のサポートも行っています。
【農業用井戸の建設準備】

【ヴィスワマドゥ東地区の人々】

プロジェクト開始の時点では、グループで機材を共有することが政府機関や現地団体に歓迎されていませんでした。戦争によって、帰還民の間で猜疑心や争いが生じていたためです。
しかし、これをチャレンジと捉えて取り組んだ結果、コミュニティ活動の実現に成功しました。北部での活動の実績が評価され、他機関にモデルケースとして紹介、推薦されることもしばしばです。帰還民のみなさんのあいだでも好評です。
【現地の人々とのコミュニケーション】
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7月 11, 2013 農業支援北部帰還民支援井戸建設・修復 | Permalink
2012年4月19日 (木)
東部:プロジェクト完了から3カ月を経て
昨年12月末に完了した東部事業で農業井戸やコミュニティ強化のワークショップを受講した方の、今の声をお届けします。
キラン郡ヴァッダヴァン村 Maheswaryさん(30歳女性)
2エーカーの土地で7つの野菜を育てています。
昨年習った自家製有機肥料を使っているお陰でよく育ち、市場での売れ行きも良くなりました。
この収入で小さなお店を開いたり、家畜を育てたりするようになりました。
さらには、貯蓄までできるようになり本当に嬉しいです。
この大きな大きな農業用井戸を得た今の私たちには、今後どんなことでも乗り越えていける自信があります。
4月 19, 2012 東部帰還民支援農業支援井戸建設・修復 | Permalink
2012年1月26日 (木)
東部:日本大使館により視察がありました
今月上旬、2011年末で完了した事業地と新事業予定地の視察の為、日本大使館の方が東部バティカロア県へいらっしゃいました。
シンナワッタイ村では、帰還してからの生活や主な収入源である農業について住民の方から話を伺っていました。
この村では雨に頼って農業を行っているので、4月から12月の乾期には農業収入がなくなってしまいます。近くにある小川も、乾期には都市部で水を確保する為水門が閉じられてしまうので、ここからも水を得られない状況にあります。
農業用井戸の必要性をお伝えするまたとない機会となりました。
ラージャプラン村では、完成した井戸をどの様に活用しているか、どの様に生活が変わったか等の聞き取りと、井戸や農業地の視察がありました。
この村では、今までとは違う新しい種類の作物を育てる取り組みが始まっていました。
これは、ワークショップで学んだ「効果的な生産とマーケティングへ向けたコミュニティ内での作物の調整」を実践したものです。
その土地の気候や土だけでなく、新しい作物を餌とする虫が発生し、周囲で育てている作物への影響はないかを調べる為、まずは限られた量・範囲で育てます。
問題がなければ、次のシーズンには栽培量を増やす予定です。
(手前に見えるのは、前回の支援速報で登場したクラッカンです。)
1月 26, 2012 東部帰還民支援農業支援 | Permalink
2011年9月 1日 (木)
私たちに不可能なことなんてあるのだろうか?
東部バティカロアでは現在、三段階に分けたワークショップの第二段階を行っています。
今回のテーマは「より高品質な生産のための種まき、収穫、マーケティング」です。ジェンスタッフ一同、参加者の声に心から嬉しくなりました。
「折角身の回りに資源がたくさんあるというのに、それに気付かず活用し損ねていました。それどころか、化学肥料にお金を費やしていたのです。今までこんな驚きのあるトレーニング・コースには出会いませんでした。
それから、今後農業について相談事がある際に、連絡をとれる人との繋がりもできました。今回のワークショップでは実際に農地に出て、実践的な方法を教えてもらったので、今後に生かせる知識が増えました。
本当に有益なワークショップで、やる気が湧いてきました」
参加者達に今までの基本の農業知識があるからこそ、ワークショップで更なる知識をぐんぐん吸収していけるのです。村人同士が力を合わせれば、今の倍の収穫・収入が得られるでしょう。
地域発展の役に立てることを誇りに思っています。
(本事業は支援者の皆様および外務省のご支援により進めております)
====== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちらへ
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9月 1, 2011 東部帰還民支援農業支援 | Permalink
2011年7月21日 (木)
ワークショップ~農業生産向上に向けて~
外務省そして皆様のご支援のもと、現在東部バティカロアではワークショップを開催しております。これはジェンが支援するコミュニティの中で、農業用井戸という共同資産を管理し、より効果的な農業生産とマーケティングを行うことを目的としています。
この日はオーガニック・コンポスト(堆肥)についてのレクチャーでした。参加者からは「化学肥料と堆肥では、用途が違う(前者は水田用、後者は農作地用)ことを初めて知りました。」「村にあるもので堆肥が作れるとは知りませんでした。」「農作業だけでなく、この堆肥を売ってさらに収入を向上させたい」といった感想が寄せられています。
堆肥作りの実地演習の様子です。
こちらはグループワークでのレクチャーの様子。
前事業でつくられたオーガニック・コンポストです。
7月 21, 2011 東部帰還民支援農業支援 | Permalink
2009年5月14日 (木)
一杯の水も逃さない
日本政府と支援者の皆さまのご協力で実施している東部キラン郡での事業は、10ヶ月の内、7ヶ月が過ぎました。今回は農業支援について報告します。
今年は、例年より降雨量が少なく、3月から4月、雨期の時期にも期待したほどの雨が降りませんでした。そこで活躍しているのが、JENが行っているビニール袋を使った農法です。この農法では、大規模にはできないものの、少ない水の量で効率的に農業が出来ます。従来のように地面に植えた場合は広い範囲に水をまかなければならないので、、大量の水が必要でした。
JENが提案したこの袋を使った農法では、1つの袋に対し1日コップ二杯の水で十分なのです。さらにこの水は野菜や、お皿、服を洗った水を使うという徹底ぶり。またこの農法は少ない土で行えるため、肥料の量も削減できるとういう一石二鳥の農法なのです。もともとこの方法は、今から行う家庭菜園で技術指導する予定でしたが、記録的な少雨のため、急遽、農業支援でも活用しました。この袋で育てている野菜は順調に成長し、トマト、オクラ、なす、チリなどが収穫時期を迎え、次々と収穫されています。
JENはこのように、現地の環境の変化に応じて最も適した方法を提案し、最大限の成果を得られるように努力しています。
「母の日のブーケが野菜の種に」スマイルシーズ観察日記はこちらへ
5月 14, 2009 農業支援 | Permalink
2009年3月 5日 (木)
とうもろこしの収穫
東部バティカロア県キラン郡での帰還民生活再建支援では、人々が生業である伝統的な農業に滞りなく復帰できるよう、支援してきました。
昨年11月に配布したトウモロコシとピーナッツの種は、雨不足などの問題もありましたが、なんとか収穫のシーズンを迎えることができました。例年よりも1ヵ月ほど遅い収穫となりましたが、黄金色のトウモロコシを前に、人々の顔に喜びの表情が溢れました。
収穫物の中から、来シーズン用の種を選びます。種用のトウモロコシは皮をむいて干し、両端を除いた真ん中の部分を種用に保存します。両端は、粒が小さかったりして種には向かないからです。この両端の部分は、粉にひいてミルクをかけて食べるそうです。
余すことなく、ものを大切にする人々の姿に、思わず背筋が伸びる思いでした。
昨年、好評いただきました~母の日のお花がスリランカのお母さんの野菜の種に~ジェンの「スマイルシーズ」今年も実施決定!
くわしくは、こちらへ
3月 5, 2009 心のケア東部帰還民支援農業支援 | Permalink
2009年1月 8日 (木)
新年を迎えたスリランカ
みなさま、新年おめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。スリランカでは年明け早々に、政府軍が反政府勢力の中心地である北部のキリノッチを攻略し、政治的に大きな動きがありました。引き続き情勢を注意深く見守り、必要が生じた際は、迅速な支援が行えるよう備えていきたいと思います。
昨年から引き続き支援をしている東部の帰還民も、いまだ厳しい生活を余儀なくされています。帰還から半年が経過したため、国際機関からの食糧援助は終了し、政府からの食糧援助にも限りがあります。そのため、1日に1食しか食べられない人も多くいます。今月の終わり頃までには、雨期の始まりとともに種まきをした作物が収穫できる見込みでですが、収穫までの今が辛い状況です。
ジェンは現在、トウモロコシの収穫をしたころに種蒔きを始める、農業復帰支援の第2弾に取り掛かりました。
今年も、忘れられがちな人々には継続的な支援を、新たに生じるニーズには迅速な支援を行えるよう、努力していきたいと思います。
1月 8, 2009 東部帰還民支援農業支援 | Permalink
2008年11月 6日 (木)
農具と種の配布
先日、キラン郡の6つの村で、360人の農業従事者を対象に、くわ、斧など農具10品と、とうもろこし、ピーナッツ、ロングビーンの種を配布しました。この地域ではもともと多くの人が、密林を切り開いて行う伝統的な小規模農業で生計を立てていましたが、紛争で避難している最中に農具や種を失い、農業に復帰するのが困難になっていました。
「適切なタイミングに、種と必要な道具をもらえて、とても助かりました」とは、支援を受け取った人からのコメントです。
今年は例年よりも雨が遅れていますが、帰還地で新たな生活を始めた人々は、平和への希望とともに土地を耕し始めています。恵みの雨が早くやってくることを、願ってやみません。
11月 6, 2008 農業支援 | Permalink
2007年1月18日 (木)
あの津波から2年、その4
2006年10月から日本政府の支援により実施している、津波被災者への生活再建自立事業の対象12村のうち、4村での活動が終了し、1月11日に各村で事業終了式が行われました。
参加者からは、
「過去に野菜の種や苗木を配布するだけの団体はあったが、JENは2ヶ月間に渡って農業指導と講義を行ってくれたので、作物を育てる知識と技術が身についた」「津波で家族や財産を失ったショックからアルコール依存症になっていたが、カウンセリングを受け、野菜作りに励むことで、立ち直る事ができた」
という声があがりました。
この4つの村の住民は、2005年の春から2006年初めにかけて近隣の各村から移動してきました。
出身地が異なる人々が集まった再定住地においても、事業を通じて住民同士が仲良くなり、協力して生活していく体制が築きあげられています。
スリランカ現地スタッフ来日!活動報告会(1月24日) NEW
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1月 18, 2007 心のケア農業支援生計回復事業 | Permalink
2006年9月28日 (木)
巷で人気の「コンポストタワー」
JENが津波被災者の再定住地区で行っている野菜栽培は、身近なものを使って行う有機栽培です。例えば、ペットボトルを使ったじょうろ、近所に生えているハーブから作った有機農薬、自宅のゴミから作った有機肥料など、低コストで家庭レベルでも続けていける野菜栽培を行っています。
特に人気なのが「コンポストタワー」と呼ばれる葉野菜栽培機。ペットボトルと大型のゴミ袋で作ったタワーの中に土と肥料を混ぜて入れます。袋のところどころに葉野菜を挿しておくと、つぎつぎと新しい芽が出てくる、というものです。真ん中のペットボトルは灌漑設備の役割をしていて、ペットボトルの口に水を注ぐと、ペットボトルの細かい穴から水が染み出て、程よく土が湿るという仕組みになっています。
最近はJENの事業村以外でも近隣の住民が真似をして、庭のあちこちにコンポストタワーが立ち並ぶようになりました。このように、JENの事業は地域全体に影響を与えて、手ごろに出来る野菜栽培の普及に一役を担っています。
スリランカ活動報告会開催!(11月8日) NEW
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9月 28, 2006 農業支援 | Permalink
2006年8月17日 (木)
村人たちに元気をもらう
昨年に続き2回目のスタディツアーを実施し、前回の2倍を超える18名の方がご参加くださいました。
ハンバントタの村では生花のレイとビートルの葉っぱで歓迎していただき、子どもたちが満面の笑顔で一斉にツアー参加者を取り囲む一幕も。
シリボプラ村では、村の人たちと協力してマンゴーやバナナの苗を植えました。作業の後は、手づくりのお菓子とお茶をいただきながら、村の女性たちとの交流会。津波発生当時の様子から、今の生活のことなどを伺いました。
この村は再定住地区にあり、村人は避難所や仮設住宅から移り住み、ようやくここで生活を建て直す第一歩を踏み出したところです。
「この野菜栽培事業に参加して、皆で協力して作業できることがとても嬉しいです。つらい気持ちも紛れてきましたが、今後は経済的な心配が残っています。津波の直後には一気に大量の支援が押し寄せましたが、1年8ヶ月経った今となっては潮が引くように去っていってしまいました。今ここに残っているのはJENだけ。野菜が育つのがとても楽しみです」
緊急時を過ぎ、報道も少なくなった被災地では、復興の歩みが始まったばかりです。
ツアー参加者の感想:
「津波の被災者を励ますつもりで来たけれど、村の皆さんの笑顔に元気をもらったのは自分の方でした。これからもスリランカのことを忘れることなく、今回植えたバナナやマンゴーが実る頃、またここを訪れたいです」
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8月 17, 2006 事務所・スタッフ農業支援 | Permalink
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2006年3月 9日 (木)
野菜の成長がもたらすもの
JENが野菜栽培を行った村では、トレーニング終了後も参加者の人たちが栽培を続けています。6月にトレーニングを終えたミリジャウィラ村では自分たちで育てた野菜を売って収入を得ている参加者もいます。
ナスは1kg45ルピー(日本円で約40円)、唐辛子は1kg80ルピー(日本円で約70円)で売れるそうです。今はナスのシーズンなので、ある女性参加者は一日最低4kg売り、日々の収入につなげています。その他トマト、オクラといった野菜に加え、ココナッツ、マンゴーといった木の苗も育てています。
トレーニング当初30cmほどだったココナッツの苗が、7ヶ月たった今では150cmほどに生長していました。『野菜の成長を見ていると心が癒されます』とトレーニング参加者は語ります。ココナッツの実がなる頃には、津波被災者の辛い心の傷が少しでも回復していることを祈るばかりです。
アサヒコム「国際支援の現場から」好評連載中!
3月 9, 2006 心のケア農業支援 | Permalink
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2005年7月21日 (木)
猿害
JENの野菜栽培のトレーニングが終了した村では、現在住民たちが自主的に野菜作りを続けています。トマトの苗も大きく育ち実を結ぶ日も近いのですが、現在、住民たちを困らせている問題があります。それは「猿害」。
サルが来て新芽を食べてしまうのです。どのように対応しているのか住民に聞いてみたところ、返ってきた答えは「一日中見張っている」でした。このようにのんびりしたペースではありますが、スリランカは少しずつ、着実に復興に向かっています。
7月 21, 2005 農業支援 | Permalink
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2005年6月30日 (木)
地球にやさしい野菜作り
職業訓練の1つである野菜作りでは、トマト、なす、唐辛子、さまざまなハーブの葉、ココナッツ、マンゴーなどを育てています。
インストラクターは実習を通して、低コストの新しい有機農法を紹介します。たとえば、「自宅の生ごみを利用した有機肥料の作り方」、「薬草を使った有機農薬の作り方」、「少ない水で効率よく水をまく方法」などです。どれもお金がかからず、身近にある自然の材料を使っているので、応用しやすく、参加者の間で大変好評です。評判を聞きつけた近隣の住民も講習を聞きに来て、この自然農法を実施し始めているそうです。
こうして、自然農法で育ったトマトやナスは小さな実をつけ始め、2、3週間後には収穫できそうです。最近はスリランカでも市場で売っている野菜のほとんどに農薬が使われているということです。人々は新鮮な有機野菜を収穫できるのを毎日心待ちにしています。
6月 30, 2005 農業支援 | Permalink
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2005年6月 2日 (木)
野菜を育てる
事業がはじまった頃、人々の話題は、いつも津波で失ったものに関することでした。インストラクターから野菜の栽培についての講習を受け、そして実際に野菜を栽培するようになり、人々の話題は栽培の方法、育っている野菜のことが中心になりました。 野菜作りを通して、津波のつらい記憶が少しずつ癒されています。
なすび、唐辛子、トマト、マンゴ…実をつけるのが楽しみです。
6月 2, 2005 農業支援 | Permalink
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