雨のタイミングの難しさ
前回の支援速報でスリランカでの気候変動からくる干ばつへの懸念について書きましたが、今回は雨による農業への被害についてお伝えします。
雨季になるとキリノッチ県とムラティブ県の多くの家庭は、ササゲや小豆、落花生などの豆類を栽培します。500平方メートルから1000平方メートルという日本の一般家庭では考えられないような規模の土地全面を使い、35キロから50キロの豆を収穫することができます。
収穫された豆はマーケットで売る分、家で消費する分、そして、次の栽培の種となるために保存する分に仕分けされますが、種として保存するものは、消費用として収穫するものより長く地面に植えておき、自然乾燥させます。収穫をした後は45日間乾燥した場所に保管しておいた後、再度植えることができます。適度な乾燥がされないまま植えてしまうと、芽は出てもよい実りは得られないということです。
【農地いっぱいのササゲの栽培】
【栽培用に乾燥されたリョクトウ】
ササゲや小豆は乾燥にも強い植物なので、雨量が少なかった今季でもたくさんの種をつけていました。しかし、いざ収穫の時期にムラティブ県では1週間にわたる大雨が降ってしまい、自然乾燥が必要な種子に被害が出てしまいました。雨に濡れた作物は簡単に芽が出てしまい食用にも適さず、また適度な乾燥がされていなかったため、栽培もできません。農家の方々は残念そうに被害を受けた作物を見せてくれました。
【雨で発芽してしまったササゲ】
【被害を受けたリョクトウ】
このように、必要な時に雨が降らず、晴天が必要な時に雨が降るということが繰り返されることによって、農業で生計を立てる人びとはより脆弱な立場に追い込まれてしまいます。気候変動で天候が不安定になり続けるスリランカでは、このようなリスクを最小限に抑えるような対策がより一層必要となっていきます。
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