野良犬成長記
スリランカの生活で欠かせないのは動物の存在です。農家の多い北部では、酪農や養鶏のため水牛、牛、ヤギやニワトリなどがいたるところに見られます。その中でもほぼすべての世帯に共通して飼われているのが犬です。
内戦で壊滅状態となった北部では、復興した今でも窓やドアのない家が多く、敷地も塀で囲われていないため、番犬の存在はとても重要です。ただ日本と違い、ほとんどの犬が去勢や避妊を行わないで放し飼いにされているため、野良犬があふれかえっているのも現状です。北部で動物シェルターも野良犬のケアを行う施設もなく、野良犬は外に落ちているゴミを漁って生きていくしかありません。
JENのスリランカ事務所ではここ数週間、事務所の前にやってきた生後1~2ヶ月の子犬を4匹保護し、里親探しをしながらスタッフの自費で育成をしています。それぞれ親犬がおらず、食料不足と不衛生な環境で生きていたため回虫とノミにたかられ皮膚病を患っていたのが、1か月で見違える姿になりました。この子犬たちが安定した家に引き取られるまでの一時的な預かりになりますが、それぞれ性格の違う子犬たちが育っていくのを見守るのが楽しい毎日です。
【兄妹犬の「モモ」(左)と「お兄ちゃん」(右)】
【3番目に事務所に来た「ヒメ」(右)と新入りの「クロマロ」。クロマロは現地スタッフに引き取られる予定で、ヒメは日本へ行く準備を始めています】
先週、一番初めに事務所にたどり着いた兄妹犬2匹を、JENが支援をしたアナイヴィルンタン行政地区で、JEN事業に参加されているスプラマニヤムさんに引き取っていただく事になりました。スプラマニヤムさんは、井戸が完成し今年から農業による収入もあがるため、子犬たちを責任もって育てることができると話してくれました。
このご家族はスリランカ中部のキャンディの出身で、1970年代に政府による迫害のため北部のキリノッチに移り住みました。内戦中、2009年に一時期ワウニア県に避難したあと、翌年の2010年にアナイヴィルンタンに戻ってきたという事です。内戦で家を失い、当初は土とココナツの葉で作った家に住んでいたそうです。今では政府の支援で家も立ち、ヤギ3頭とニワトリを飼う事ができています。また、今回の井戸建設の支援で農業も本格的に始められ、大きな収入向上が期待されます。今後も、この家庭の発展とともに子犬たちが健康に育つのを楽しみにしているJENスリランカ事務所です
【スプラマニヤム家では「トミー」と「パピー」と名付けられ、元気に暮らしています】
【JENが支援した井戸と共に】
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