出張地スリランカより
今回は、東京本部のスリランカ担当が、過去の事業も含めて建設した農業用井戸や農業協同組合の活動の視察を行いましたので、その様子や感じたことをお伝えします。
7月3日に日本を発ち、スリランカの空の玄関口であるバンダーヤナーラカ国際空港に到着しました。空港からコロンボ市内へは34キロありますが、今は高速道路を利用することができ、車だと45分ほどで市内に到着します。
2009年に内戦が終結してから、スリランカは急速に経済発展を遂げています。特にコロンボではホテル建設が進んでいて、沿岸部では建設中の多くの高層ビルを目にしました。
一方で、農村部では発展から取り残されており、都市部と農村部の格差が広がっています。特にJENの事業地であるスリランカ北部のキリノッチ県とムライティブ県は内戦の激戦地だったこともあり、多くの方々が自分の住んでいる土地から逃れるなど、不安定な生活をしていました。
内戦が終わり、以前住んでいた土地に帰還しても、内戦により農業用の設備が破壊されたため、農業で生計を立てていた家庭の多くは今でも大変な生活を強いられています。
JENはこれに対応するため、農業による帰還民生計回復とコミュニティ再生支援事業を長期にわたり実施しています。今回の視察にて事業参加者の方々が自分で農業を営めるようになった姿に直接ふれ、効果を実感することができました。
【JENスリランカ事務所本部の最寄り駅であるキリノッチ駅】
コロンボから大きく揺れる列車に乗ること7時間、JENのスリランカ事務所本部の最寄り駅に到着。途中、軽食や昼食の販売も行われているので、スリランカの食を堪能できます。
【内戦で爆撃されたキリノッチ市内にある貯水槽】
市内には、このようにまだ内戦の痕跡が垣間見られる場所もあります。こんな大きな貯水槽が破壊されるほどの威力の爆弾が使われていたと思うと、ぞっとします。
【農業協同組合のメンバー】
2014年事業で設立したムライティブ県の農協にて。組合長がリーダーシップを発揮し、継続的に運営されています。内戦が激化することにより、彼らは戦火を逃れるために国内避難民となりましたが、現在は地元に戻り、生計回復に取り組んでいます。訪問中、彼らを始め、支援をしたコミュニティのたくましさを感じました。
【マンゴーを切っている様子】
農協に設置された食料乾燥機にて、自宅で採れた農作物やフルーツを乾燥させ、ドライフードを作っています。少しずつですが、販売により収入も得られるようになっています。
【パパイヤのドライフルーツ】
試食させていただきました。甘味が凝縮されてとっても美味しかったです!
【昨年度の事業で建設した農業用の井戸】
2世帯が共有して使用しています。訪問時に収穫した野菜の一部をプレゼントしてくれました!
【訪問時、農協の方々にいただいた野菜や果物】
事業地を訪問する度に、農協の方々に収穫されたばかりのカボチャ、ピーナッツ、パパイヤ、なすなどをいただきました。今回の訪問を通し、スリランカの方々が持つホスピタリティ精神に感動しました。
今回、初めてスリランカの事業地を訪問し、長期にわたる内戦により心の傷を負いながらも必死に生活していこうとする姿を目の当たりにし、JENの支援の意義を再確認しました。
また、まだまだ苦しい生活を送りながらも日本からの訪問者に温かく接し、お土産までいただくなど、本当に心の温かい人たちなんだな、と感じました。また、現地の習慣や考えを知り、私自身も日々の生活を見直すきっかけとなりました。もてなしの精神を持つ彼らは、これからのスリランカの社会を支えていく存在になると実感しました。
そんなスリランカの方々を支援するプロジェクトを日本から支えるべく、引き続き日々の業務に励んで参ります!コミュニティ強化事業はまだまだ続きますので、みなさまも長い目でご支援いただけると嬉しいです。
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