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2016年3月17日 (木)

マナー県の農業展示会訪問

 3月14日、JENスタッフは、北部州農業局がマナー県で開催した農業展示会を訪問しました。
 何人かの事業参加者たちも、ワークショップの一環として新しい知識を得ることを目的に、一緒に訪問しました。

 展示会のテーマは「エコフレンドリーな農業を市場へ」で、水栽培、細流栽培やスプリンクラーのような水節約型技術、様々な植えつけの技術、農作物の病気、耕作技術などをメインに特集が組まれていました。
 
 私たちが特に興味をもったのは細流灌漑(土壌表面や根群域に直接ゆっくり水を与えることにより、水や肥料の消費量を最小限にする灌漑方式)です。水管理の改善、有機農法や新しい種類の作物栽培の促進ができればと思っています。

 また、多くの協同組合も見学しました。それらの組合は、ドライフードやココナッツからできた商品を生産し、よく売れています。JENは現在の事業で農協にドライフード製造器を供与したので、そういった製品が売れていることを目の当たりにすることは、事業参加者にとってよい刺激になりました。

【色々な たい肥作りの方法】

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【グリーンハウスでの植えつけ】
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【太陽熱利用のドライフード製造器】
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 この展示会には、キリノッチ県やムライティブ県の農業局の副長官が出席していました。リサーチの企業や団体も参加し、新しい種類の作物や種の保存技術の紹介も行っていました。

 展示会訪問に参加した事業参加者の一人であるキルシュナンさんは、他の協同組合が販売していた様々な種類のドライフードに感動していました。キルシュナンさんは、今は家庭用にドライフードを作っていますが、方法を改善することで近隣のお店で売ることができるようになる、と話していました。JENスタッフと事業参加者は今後、梱包の方法を研究する予定です。

 JENは、事業参加者たちが展示会で学んだ新しい方法を受け入れて実際に試してしてみるのをサポートすることも、コミュニティ強化支援の一つであると考えます。この展示会は、最新の知識を事業参加者と共有する重要な機会になりました。
 さらに、プラスαとして、太陽の下での楽しい学びの日であったことは間違いありません。

【JENチーム 展示会にて】
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JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。

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3月 17, 2016 農業支援北部帰還民支援 |

2016年3月 3日 (木)

東部バティカロアの視察

 JENは2月26日、2010~2012年にかけて東部バティカロア県で行った農業生計回復支援の視察を、ドナーである日本大使館の方と共に行いました。

 バティカロアは主要都市のコロンボから約320キロに位置する海に面した県です。2006年後半より再度激化した紛争の最終激戦にもなったことでも知られており、一時期は県内で8万人以上の避難民が発生していました。JENはここで、2年間で552世帯を対象に69基の農業用井戸を建設し、地域の人々で構成される井戸管理員会を立ち上げ、組織強化のためのワークショップや野菜・苗の配布を通して、所得の低い地域を対象に生計回復支援を行いました。

 視察で5か所の井戸を訪問し、10世帯ほどの家族とヒアリングをした結果、訪問したほとんどの世帯で農業による収入が大幅に増加していること、井戸管理委員会が井戸やポンプのメンテナンスを定期的に行っていることなどがわかりました。事業前は月収1,000~1,500ルピーだった家庭が、自身の農家で採れた野菜や果物を売ることによって月に20,000から40,000ルピーにまで収入を上げることができていました。(1,000ルピー=約785円)

 また、基本的な混作を行う家庭の他、コミュニティ内で育てる作物を分担し収入を分け合うなど、ワークショップの学びが活かされている様子も見られました。さらに、井戸をJENの事業参加者だけではなくコミュニティの方々に開放していたり、井戸からパイプを繋げ約1キロの水供給ラインを作るなど、独自の工夫を凝らすコミュニティもありました。

 各世帯に収入増加によって得られたことを聞くと、土地を買い農地を拡大させた家庭が多く、他にも畑を耕したり農作物をマーケットへ持っていくためのトラクターを購入したり、新しいポンプを購入するなど、支援が継続的な効果をもたらしている事もわかりました。また、生計が回復したことにより子どもたちを学校に通わせることができたなど、波及効果も見られました。

 生計回復支援は成果が見られるまで数年はかかる事業ですが、バティカロアの方々のようにJENが提供した井戸や農業に関する知識を用い、独自で効果を増大させることによって経済的な自立につながるよう、今後も支援をしていきます。

【採れたてのオクラ】
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【乾季でも十分な水量を持つ井戸】
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【地域の人々にヒアリングを行うJENスタッフ】
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【簡易的な水供給パイプライン】
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3月 3, 2016 東部帰還民支援農業支援井戸管理委員会生計回復事業 |