長い困難の中で家族を守る(前編)
JENのスタッフです、と私が彼女に自己紹介をすると、オッディスダン郡タチャダンバン村のクマール・マリーニさんの目は輝きました。
「家族を養うために長い間困難と闘ってきましたが、今私は希望にあふれています。JENの事業に参加して、日々の生計向上をもたらす資産を持つと同時に、小規模農業による収入を得ることが可能になるからです」
と彼女は言いました。
【マリーニさんと山羊】
「私は43歳で、16歳と14歳の娘がいます。私の夫は、20年以上にわたった残酷な戦争の犠牲になり、私たちの生活は一瞬にして破壊されました。
2000年に夫が亡くなったことは私にとって想像を絶する悲劇で、私の人生も終わったと思いました。でも、その後も何とか頑張って生きてきたのは、2人の小さい娘を育てなければならないという責任感のためだけでした。
夫の死からの15年間、娘たちを食べさせ、できるだけのことをしてやるために奮闘してきました。私は道路工事や水田での農作業を手伝う日雇い労働者です。これらの仕事はいつもあるわけではありません。私が稼ぐお金は日々の家族の食事を作り、小さな娘たちに最低限の必需品を与えるのにかろうじて足りる程度のものです。このような日雇い労働以外には収入の手段はありません。
ただし、収入につながる唯一の蓄えとして2匹の山羊を飼っています。
JENの2015年度プロジェクトの対象者に選ばれたとき、私は本当に救われたと思いました。女性世帯主の世帯として認定され、小規模農業を始めるための農業用井戸を供与される、と伝えられました。飲み水を近くの共同井戸から汲んでくるのに大変苦労していたので、自分の井戸を持てると聞いて本当にワクワクしました。娘たちも共同井戸で体を洗うのを嫌がっていましたので、井戸の供与は私たちの生活にとって素晴らしいサポートになります。
また、このプロジェクトの別の要素として、「共有」という考え方があります。井戸は私と隣人の二つの家族で共有し、どちらの家族にも便利なように、両方の家の真ん中の場所に建設するということで合意しました。
私はJEN主催のワークショップにも出席しました。そこでは一貫して、お互いに助け合うこと、共通の目標を持って達成を目指すことが話されました。これらはお互いが生き延びるため、社会生活上の重要なことだと思います。このワークショップのおかげで私の知識はさらに向上しました。隣人と井戸を共有しながら、きちんとした社会生活を送ることを楽しみにしています」
(次回に続きます)
フィールドオフィサー
T.サレンダー
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