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2015年9月17日 (木)

ステップダウン方式による井戸建設

 生計回復支援といってもどうやって「生計」を「回復」するの?
 そのような疑問に今回はお応えしようと思います。

 JENが支援している帰還民の方々が住むのは農業地域です。紛争前は農業を営んでいる世帯が多かったのです。しかし避難している間に土地は荒廃し、農具や給水設備は略奪されました。帰還した後は、雨季はどうにか小規模に農業を営むことができるけれど、乾季の間はいつ仕事がなくなるか分からない日雇い労働をするしかない。そんな方々に対し、JENは農業を1年通して続け、安定した収入を得られるように支援をしています。

 その主な支援の一つが、農業用井戸の建設です。井戸水さえあれば、雨が全く降らない乾季の間でも農業を続けられるからです。では、皆さんは、井戸の作り方をご存じでしょうか。

 方法は複数ありますが、今回は中でも特殊なものをご紹介します。
 その名も「ステップダウン方式」です。

 通常の方法は、掘削機を用いて7.5mを一気に掘り、下からコンクリートブロックを積み上げ、内側と外側にしっくい塗りをし、仕上げに壁と井戸の隙間を埋め、完成です。
 これに対し「ステップダウン方式」の手順は少し異なります。

①湧水が出てくるまで2~5メートルを掘削機か手作業で掘ります。
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②ベースリングビーム(土台)を設置します。
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③ブロックを1、2メートル積み上げます
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④しっくい塗りをします。
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⑤ブロックの重さで井戸が沈むのを待ちます。
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⑥1、2メートル沈んだら、またブロックの積み上げとしっくい塗りを繰り返し、定めた深さまで井戸建設が進んだら、仕上げて完成です。
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【ステップダウンのイメージ図】
20150917_sl_07_new
 では、なぜこのような少し特殊な方法を採用しているのでしょうか。

 それはキリノッチ県の事業地が海に近いからです。土壌が砂や粘土を多く含んでいてやわらかく、一気に掘り進めてしまうと、壁がすぐに崩壊してしまうのです。このステップダウン方式で建設すれば、砂土の中に井戸が勝手に静かに沈んでいきますので、壁が崩れるリスクは少なくなります。

 7月末より始まった井戸建設も中盤に差し掛かってきました。地域の方々は「毎日30分以上かけて遠く井戸から何度も水を運ばなくてすむようになる」「いつでも土地に水をやれるようになる」「井戸を持っていない近所の世帯にも水を共有できる」と、完成が待ち遠しいようです。

 雨季に突入する11月より前に、全ての井戸の建設を終わらせたいと思います。

 現地事業担当
 西田亜理沙

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9月 17, 2015 北部帰還民支援井戸建設・修復生計回復事業 |

2015年9月 7日 (月)

コミュニティ強化ワークショップ

スリランカで現在行っている事業では、これから複数のワークショップを開催する予定ですが、8月末に初のワークショップが開催されました。その名も、「コミュニティ強化ワークショップ」です。
ワークショップの一番の目的は、各事業地で設立される『農業協同組合』が、コミュニティとして機能する様に、組合員である現地の人びとが協力して活動できるように役立つ知識を共有することです。

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トピックは、「コミュニティ活動のメリット」「リーダーシップとは」「問題解決方法」「対立予防」「地元行政との関係作り」「ステークホルダー分析」「チームワーク」などです。

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ワークショップの中には多数のグループワークやゲームを盛り込みました。こちらは、チームワークを試すグループワークの様子です。先頭に座るリーダーが進む方向を決め、足を動かしながら、協力しながらチーム全体で進んでいこうとします。

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進んでいるうちに途中で列が乱れたり、曲がる時に途切れたりしています。
しかし、みなさん頑張ってチームワークを発揮しようとしていました。

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農業協同組合の活動は、簡単にはいかないはずです。

それでも、笑顔の多い楽しいものであってほしい。このワークショップに参加することで、コミュニティで活動する意欲が増えてもらったなら、嬉しいです。


現地事業担当
西田亜理沙

9月 7, 2015 農業支援 |