10年で初の試み、農協メンバーの交流会
1月28日に、前期事業で形成した2つの農業協同組合(農協)と今期事業で形成したばかりの4つの農協の運営委員会メンバー、合わせて42人を集め、交流会を行いました。異なる期間、異なる地域で支援を受けてきた方々が顔を合わせ、コミュニケーションをとることは、JENがスリランカで支援をしてきた10年の中で初の試みでした。
そのため、主な目的である「農協メンバーのネットワーキング」と「農協運営のための成功の秘訣、失敗事例、アドバイスの共有」を達成できるか、スタッフは期待と不安が入り混じった状態で当日を迎えました。
当日の朝7時から、2台のバスが4ヶ所の地域をめぐりながらメンバーを乗せ、9時半頃、前期事業で形成した農協のコンポスト生産作業場に到着しました。長旅の疲れをとるため少し休憩した後、10時に交流会プログラムを開始しました。
まず、今回の交流会開催を快く受け入れてくれた、農協のリーダーであるプレジデントから歓迎の挨拶がありました。そしてメンバーが、どこの地域からきたか、運営委員会での役割(プレジデント、会計、書記など)、農協の活動テーマ(コンポスト作り、苗生産、製粉食品生産)、交流会への期待などを含め、自己紹介しました。
【農協メンバーを送迎したバス】
【前期事業で設立したコンポスト生産作業場】
【JENスタッフも歓迎していただきました】
【交流会開始の挨拶をするフィールドオフィサー】
次に、コンポスト作業場を運営していくための各メンバーの役割、運営管理費、帳簿や集会記録、材料集め、生産活動、マーケティングなどについて、各農協メンバーが説明しました。
さらに、農協として正式に登録する方法、地方行政との関係構築の重要性、将来の目標なども共有しました。新しい農協のメンバーは、うまく運営していけるか、どのような問題が発生しどのように解決できるか、生産した商品をしっかり売れるかなど、随時質問していました。
最後に、いくつかのグループに分かれ、今後どのように協力しながら農協として発展していけるか話し合いました。
【グループになり、会計の役割について話し合う参加者】
【話し合った内容を全員に共有している様子】
今期事業では、様々なワークショップを実施してきましたが、講師がほとんど行政職員であったため、参加者が内容を理解し農業活動に生かせるよう、わかりやすい説明やグループ作業の取り入れなど工夫をしてきました。
今回の交流会は、似たような境遇や経験、生活条件のもとで農協を運営しているメンバー同士の情報交換の場となったため、内容をより深く理解し、今後の活動に生かせると感じた参加者が多くいた印象を受けました。
事実、招待された農協参加者全員が「とても役立った」「不安が解消され今後の活動に対しモチベーションがあがった」「内容が分かりやすかった」「チームワークが大事と理解した」などのコメントを残してくれました。
また、農協同士の協力方法に関しても「苗生産のためのコンポストを調達したい」「今後も運営に困ったらアドバイスをもらいたい」など前向きなコメントを多くもらいました。
【交流会に参加した農協運営委員会メンバー】
今期事業で形成したムライティブ県の農協は「苗生産センター」、キリノッチ県の農協は「製粉センター」を運営していきます。今回の交流会で構築されたネットワークと共有された知識を駆使して、持続的な運営につないでくれるよう、大いに期待しています。
現地事業担当 西田亜理沙
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