マーケティングワークショップの開催
11月中旬に開催した農業訓練ワークショップから1ヶ月経ち、配布した野菜の種や多年生植物の苗が支援対象者の農業用地で育ち始めた頃に、マーケティングワークショップを開催しました。
このワークショップの一番の目的は、人びとが苦労して生産した野菜や果物などの農作物を、どのように工夫すれば効率よく市場で売ることができるか、を学ぶことです。
講師には、スリランカ北部の農村地域における市場システムに精通している専門家を招き、下記のテーマを扱いました。
①マーケティングで重要な4本の柱(商品、価格、販売場所、販売促進)
②農村地域の市場や消費者の特徴
③商品の質向上、価格設定、販売網の設定、販売方法
④販売計画の作成方法
座学のみとなると、万国共通、参加者が集中力を切らし疲れてしまいますので、なるべくグループワークを含め、学んだ内容を実践できる機会を増やしました。その一例が、ロールプレイングです。
参加者をグループ分けして、それぞれ仮想店舗を構え、販売競争をしてもらいました。消費者役はジェンスタッフが担い、各店舗スタッフ(参加者)とコミュニケーションをとりながら商品を吟味し、欲しいものを購入していきました。商品の差別化や消費者へのサービス提供などを特に工夫することなく押し売りする方が多く、講師はこの結果を元に提供すべき知識やスキルを判断することができました。
【仮想店舗の開店準備に取り組むワークショップ参加者】
【ジェンスタッフに野菜の種を売ろうとしている雑貨屋】
ワークショップの最後には、学んだ知識やスキルを元に、グループごとに農作物の販売計画(ビジネスプラン)を作り、発表してもらいました。どのグループも、どんな消費者をターゲットにするか、どのように農作物を魅力的な商品にするか、なぜその価格にしたか、どのタイミングで販売するか、としっかり考えた上で、プランを練っていました。
【ビジネスプランを練っている最中に講師からアドバイスをもらうグループ】
ジェンの支援事業に参加する支援対象者はマーケットからのアクセスが悪い地域に暮らし、直接消費者と接点をもたない農家の方が多いのです。そのため、農作物から収入を得る上で中間商人に頼らざるを得なく、妥当ではない価格を設定されるケースがほとんどです。
今回学んだマーケティング知識やスキルを駆使してもらい、各世帯の収入向上につながることを期待しています。
現地事業担当 西田亜理沙
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