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2014年7月31日 (木)

JENでの経歴

私の名前は、ラジャラントナム ムクンダンと言います。今年40歳になり、2010年からプロジェクトオフィサーとしてJENで勤務しています。今は北部ワウニア県の借家で妻と娘二人と暮らしていますが、私自身も実は未だに国内避難民なのです。

私がJENの活動で印象に残っている活動がいくつかあります。スリランカ北部では2009年6月以降避難民キャンプ内の避難民世帯を対象に緊急支援を開始しましたが、2011年にJENは北部ムライティブ県で帰還民対象に緊急支援事業として仮設住宅を建設しました。私や現場のチームにとっても新しい活動であったため、当初国際スタッフを補佐し、現場で事業全体の進捗を管理する立場にあった私は現場調達や建設作業を進めることに奮闘しました。 

当時この地域は入域を許可されたばかりの帰還地であり、また過去に最も紛争の被害を受けた地域であったため、建設作業用に資材を購入する事が可能な店すらなく、ただ破壊された道や紛争の遺棄物(逃げるために置き去りにせざるを得なかった車や生活用品など)が路上に散在していました。また、雨季の豪雨の最中、治安上も安全とは言えない地域の中で、時折の晴れ間に建設作業を進めるのは本当に大変でした。しかし、この状況を打破するために、私たちは毎日二回チームで会議を行い、なんとか計画の見直しを行い対応していました。 事業の終わりに、現地の関係機関より建設の質の高さや実施が適時であった事から、高い評価を頂いた時は本当に嬉しかったです。通常は仮設住宅の保証期間は1年ですが、JENの仮設住宅は3年経った今もなお良い状態で使用されていることも嬉しく思います。

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また、もう一つとても印象深い話があります。緊急支援時期から移行し生計回復支援事業行っていた去年に、私たちは北部ムライティブ県で農業用共同井戸の建設に加えて、新しく形成された農業協同組合の主導による「有機たい肥作業場」を建設しました。その間、私たちは通常の有機農法研修に加えて、「炭を使った有機たい肥づくり」の訓練も裨益者に対して実施しました。裨益者の息子の一人がその方法を父から良く学び、炭の加工ビジネスを開始し、近隣の県で良い稼ぎを得るようになりました。小規模ですが少しずつ人々の生活状況が変わっていっている事を喜ばしく思います。

また、もう一つ伝えておきたい事は、通常最も私が大変だと感じる作業があります。それは、受益者選定の際です。理由としては、私たちはJENの基準に沿って裨益者を選定しますが、現実はそれ以上に支援を必要としている世帯が存在し、その世帯を全員サポートできないという難しさがあります。それでもやはり、この場合、私は何度も繰り返し現場のスタッフと話し合いを持ち、多くの意見を関係機関から得て、最も最善を尽くすよう努力していますが、やはり最も私が慎重になる作業の一つです。 

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最後に、私がこれまでのJENでの活動を通して自分自身のキャパシティ デぺロプメント(能力開発)について考える時、これまで日々上司から事業形成、事業管理、モニタリング、評価やその報告に至るまで実地訓練のような形で、多くを学べる事が出来たと感じています。 ただ、先ほど述べたように、私はこれまで大変だと感じる事は時折あっても、嬉しい事も多々あり、JENで働いている時が一番幸せです。

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7月 31, 2014 事務所・スタッフ |