NGO用ビザ
スリランカの駐在員はNGO用のビザを取得して滞在します。
初めは1か月のエントリービザを取得し、その後1年のレジデンスビザを取得します。
この点が観光でスリランカに訪れる場合と大きく異なるのですが、このビザ取得が結構難儀なのです。
まず、用意しなければならない書類が多いのです。
1.労働許可証申請書
2.ビザ申請書
3.パスポートコピー
4.申請者の英文履歴書
5.所属先からの雇用証明
6.最終学歴の卒業証明書
7.業務定義書(いわゆるToRです)
8.所属先からの推薦状
9.渡航証明(犯罪経歴証明書)
渡航証明は日本にいる場合、警察署に申請します。発行には約2週間を要します。在外公館で発行した場合はもっと時間がかかるそうです。
海外で学位を取得した場合には卒業証明書も海外から取り寄せなければなりません。
ここまでで最短でも2週間、概ね3週間から4週間を要します。
その後、書類一式をスリランカ事務所に郵送します。これで約1週間。
スリランカに書類が到着したのちに、事業を行っている県の県長から推薦を受けなければなりません。
国は違えど、お役所仕事なのでここで早くても1週間を要します。
次にスリランカのNGO事務局へ申請書類を持っていき、そこからも申請許可を得ます。
スリランカのNGO事務局は防衛省の管轄となっており、同時にセキュリティ・クリアランスを得ることになります。
このセキュリティ・クリアランスの取得の条件が厳しく、申請時点でスリランカ国外にいなければならず、なおかつ最低6週間以上の国外滞在実績を作らなければなりません。時には2か月以上かかることもあり得ます。特にココが厳しい。
つまり、申請の許可を得るだけで2か月以上かかってしまうのです。
NGO事務局から申請許可とセキュリティ・クリアランスを得たのちに、入国管理事務所にビザ申請をすることができます。
スリランカ国内での1週間程度の手続き後、書類が日本のスリランカ大使館に転送され、スリランカ大使館で面接をしたのちにエントリービザがようやく発給されます。スリランカ大使館での手続きも1週間ほどかかります。
合計で、書類準備に1か月、申請許可を得るのに2か月、申請に2週間で約4か月が必要となります。
渡航できた後も、1か月以内にレジデンスビザを申請しなくてはならないため、なかなか落ち着けません。
事業運営の裏にある、見えない苦労話をご紹介してみました。
現地総務経理担当 那須田 智生
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】