ムライティブ県オッディスダン郡での支援
本年度の事業地である、ムライティブ県オッディスダン郡(Mullativu District,Oddusuddan Divisional Secretary)の様子をご紹介したいと思います。
【北部州全体から見たオッディスダン郡の位置(Northern Councilより)】
【ムライティブ県から見たオッディスダン郡の位置(Northern Councilより)】
オッディスダン郡は2009年の紛争終結の翌年2010年に、そこに住む人たちの帰還が始まった地域です。しかしながら、ムライティブ県で最も戦闘が激しかった地域でもあり、十分な支援が行き届いておらず、未だほとんどの人たちが仮設シェルターに住み続けています。
【藁とトタンでできた仮設シェルター】
【仮設シェルターの側面】
この地域の80%の人たちが家庭菜園で生計を立てていますが、雨水に頼っているため、野菜栽培ができない期間は日雇い労働で収入を得ています。
そのため平均月収は、スリランカ政府が定めた貧困ライン3,774ルピー(約2,800円)(2013年8月時点)に対して、約1,500ルピー(約1,200円)と大きく下回っており、生計を立てるための支援を必要としています。
さらに、25%の世帯主が女性という状況でもあります。
井戸を持っているのは地域の10%程度の世帯にすぎません。ほとんどの世帯は飲料水を共用井戸から得ているため、農業を行うための大量の水をその井戸から取水するわけにはいきません。その共用井戸も壊れてしまっていたり、枯れてしまったりしており、水不足が深刻となっています。
【枯れかけてしまっている井戸】
この地域に農業用井戸を建設することにより、農業収入の増加が促進されるだけではなく、共用の飲料用井戸との棲み分けができることで飲料水確保の競争が軽減されることが期待できます。
現地総務経理担当 那須田 智生
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