東部での帰還民への支援―現地スタッフの視点
スリランカで活動しているNGOの数は他の国に比べて多くはありません。その中でも、日本のスリランカの発展への貢献は非常に高いと思います。ジェンも難民や自然災害で被災した人々に対して多くの事業を実施した数少ない団体の一つではないかと、自負しております。
東部では2006年以降に帰還が始まり、2007年12月以降、バティカロア県で紛争の被害を受けた住民に生計支援を行っています。 私たちは、漁業回復支援で共有が可能なボートなどを提供しました。 農業支援では、ここ3年間で800世帯(おおよそ4000人)を対象にバティカロア県で100基の農業用井戸を建設しました。近隣に住む6000人も使用しています。
帰還した頃はWFPが配布する食べ物に頼っていましたが、今では自分たちで魚を取ったり、野菜を育てたりして、生計を立てることができるようになっています。
紛争の影響を受けた人々は住んでいた土地を追われ、家は壊され、大切な家財道具などを失いました。ヒンドゥー寺院や教会、お寺に行ったり、お祭に参加するなどの文化的活動もできなくなり、長い間ストレス下に置かれていました。
ジェンはこのような人たちに手を差しのべ、人々は元の生活に戻るために自信を持って前向きに農業に取り組むようになりました。今では組織化活動を通して、自由に文化的活動もできるようになるほどに良い方向へ意識が変わってきています。
スリランカ事務所(バティカロア) プロジェクトオフィサー デービット