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2013年1月24日 (木)

東部:日本からの視察団

 スリランカでは、お客様を歓迎することは、相手への尊敬を表す文化的な行いの一つとされています。
写真あ)は、ウェラウェリ郡長が日本からの視察団を歓迎している場面です。

【写真あ】
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 この後、給水ポンプや種の受け渡し式(写真い)と、井戸のオープニングセレモニーとしてリボンカット(写真う)に参加して頂きました。

【写真い】
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【写真う】
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 また、村人達がJENのワークショップで学んだ有機堆肥作りの実演を視察団の前で行いました(写真え)。

【写真え】
130124_compost_makingpaktharkulam2


 これは藁、牛糞、落ち葉、生ごみといった普段の生活から得られるものだけで作られます。

 こうしたセレモニーや実演の合間に、視察団は村人達へ様々な質問を投げかけます。「給水ポンプはどうやって共有されるの?」「どうやって維持費をまかなうの?」等々。
 このようなやり取りは、農業井戸や配布された給水ポンプを使っていく村人達にとって、今後直面する事態を考える大変良い機会となりました。

(本事業は支援者の皆様と、外務省の協力のもと行われています。)

1月 24, 2013 文化、生活、習慣東部帰還民支援 |

2013年1月10日 (木)

スリランカ出張レポート~後編・東部~

 2012年11月29日掲載分の北部編に引き続き、東部編レポートです。

 コロンボから車でなんと10時間。東部バティカロア県に到着しました。
東部は北部に比べ、畑が広大で青々とした印象です。世帯あたりの所有面積も広く、北部は1エーカー程度に対して東部は2エーカーとのこと(1エーカーは約0.4ヘクタール)。畑作だけでなく、稲作も盛んで、あちこちに水田が見られました。

 バティカロア県では農業用井戸を建設し、帰還民の生計向上事業を実施しています。井戸建設真っ最中のキラン郡を訪問しました。予想以上に大規模な作業をしています。

【井戸建設の様子】
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 この事業地では建設業者とコミュニティの連携を見ることができました。村落部のため、労働者がいったん村で作業を始めると、1週間は市街の自宅に戻ることができません。そこで井戸管理委員会リーダーが自宅を開放し、宿泊場所や食事を提供しているとのことでした。家といっても、簡素な小屋ですが、チームワークを持って作業にあたっていることは、良い事例のひとつと言えます。

【井戸管理委員会リーダーのお宅】
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 この地域は帰還後数年が経過している世帯が多いことから、生活は安定しつつあるのだろうと考えていましたが、生活環境はあまり改善されていません。農業収入が安定しない、家を作っても度々象の襲撃を受けてしまうことが主な理由のようです。収穫期に象の襲撃が多いことは現地から報告を受けていましたが、今回、実際に被害を受けた家屋を見ることができました。

【象の被害を受けた家屋】

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 新しい発見がひとつ。象対策のひとつとして、郡より「象撃退クラッカー」が住民に配布された、という情報は確認していたのですが、いったいどのようなクラッカーなのか、想像できずにいました。この疑問が今回判明したのです!
 
 
 
 なんと、日本で使われるような、ひもを引っ張るクラッカーではなく、火をつけて象が来る方向に投げる「クラッカー」でした。大と小があり、「大」は音、光、煙が出る一方、「小」は音と煙で象を退散させるそう。スリランカにおいて象は神聖な動物であるため、クラッカーを直接ぶつけるようなことはしませんが、一時的な効果はあるとのことでした。

【クラッカー大】
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【クラッカー小】
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 初めて現地を訪問し、事業の進捗確認のみならず、現地の人々や行政官、現場スタッフと直接対話し、現地の状況を確認できたことで、今後、プロジェクトの様子がよりイメージしやすくなり、事業管理がスムーズに進むことが期待されます。

1月 10, 2013 東部帰還民支援 |