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2012年12月 6日 (木)

【東部】外務省モニタリングチームの訪問

 11月6日~7日、 外務省や支援者の皆さまのご協力で、バティカロア県で2008年10月から2009年9月に実施した帰還民生計回復支援の活動について、在スリランカ日本大使館によるモニタリングを実施しました。事業終了後の成果を確認するためのミッションです。JENのスタッフも同行し、活動が終了した地域の住民との対話や聞き取り調査を行いました。

 1日目は、バティカロア県キラン郡での農業復帰支援のモニタリングです。活動終了から3年以上が経過した現在も、配布した農具などを有効に利用していることを確認した後、住民が当時学んだ家庭菜園の技術を用いてできた唐辛子の苗床を視察しました。
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 育った苗はグループ内で共有します。男性の手前に見える大きな葉は、成長途中のココナッツの葉です。後方にはキャッサバの茂みや、大きなバナナの葉も見えます。JENの支援活動を実施していた時に受講した研修で習得した「混作」の技術を活用しています。その後、地元で有名な市場(マーケット)を視察し、漁業支援で組織した組合とその組合員がテラピアを販売している姿に遭遇しました。
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 2日目は、漁業復帰支援でボートや漁具を配布し、組織強化の支援を実施したワハネリ湖で活動する漁業組合へのモニタリングです。早朝から開始される魚の卸売場を見学した後は、組合のリーダーから話を聞きました。
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 JENが配布したカヌーの数を確認した後、漁協組合リーダーの自宅で、とれたて新鮮な魚の揚げ物をいただきました。

【JENが配布したカヌー。現在もロゴはそのまま残っています】
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【作業中の漁師たち】
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 また、農業復帰支援に参加したキラン郡2地区の各村から選ばれた受益者委員会のリーダーたちからも話を聞くことができました。

 15の家庭菜園グループから成るクダムネカル村の受益者委員会(111世帯加入)のリーダー、インドラーニさん(女性)は、「支援が終わってから3年が過ぎました。今では、会費を十分に積み立てています。メンバーと話し合い、今後は村のヒンズー教寺院の清掃をする予定です」と話してくれました。「私は今、自分の家の庭から野菜が取れるようになって本当に幸せです。以前は自分の利益ばかり考えていたけれど、JENの活動に参加して、コミュニティのリーダーとして他の住民をサポートしたいと思うようになりました。自分の中での大きな変化です」と自信にあふれた表情で話してくれました。

 活動開始時は帰還後間もない、不安定な状態にあった村でしたが、今では多くの住民が今後の展望を語っています。

 村落内で強い信頼関係が築かれ、発展しているこを確認でき、大変印象深いモニタリングとなりました。

12月 6, 2012 東部帰還民支援 |