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2011年4月21日 (木)

「離任と着任のご挨拶」① ~離任~ 西丸崇

 事務所長兼総務経理を担当しております西丸です。スリランカ政府の法律に則り、スリランカでの「3年」の滞在期限を近々迎えるため、4月19日にスリランカを去ることとなりました。前職での3年間の滞在をあわせると、合計6年間をスリランカで過ごすことになり、その間に子ども3人が生まれ家族5人となっていました。

 2008年5月に赴任した当時は東部の紛争は終わっていたものの、北部の紛争はまだ続いており、それが終わったのは2009年の5月でした。今は、武力紛争という点では平和になり、北・東部では復興が進み、紛争がなかった地域では観光振興や経済開発が進められています。
 先のことはだれもわかりませんが、今のところ、スリランカは一つの国として発展していってくれるのではと感じていますし、そのように強く願っています。

 この後は、日本に一時帰国した後、スーダンに赴任する予定となっています。これからも紛争で厳しい環境におかれた人々と話し、その人々の気持ちに寄り添いながら自分にできることを精一杯続けていきますので、よろしくお願いします。

4月 21, 2011 事務所・スタッフ |

2011年4月14日 (木)

農業用井戸を使い始めて~ヴィシュワリンガムさんの話~

 3月のある日、前の事業で農業用井戸を建設した地域を通りかかったので、参加者の一人のお宅を訪問してみました。訪問したのはキラン郡ペリラーウェリ地区のペリンパム・ヴィシュワリンガムさん(37歳)です。110407

 「私は、11月から3か月間の雨期の間にはトウモロコシや芋、ピーナッツを育てて生計を立てていますが、それ以外のシーズンは森で切った薪を町で売って生活をしていました。しかし、私が今何をしているか見てください。自分の土地で働く喜びを得ています。私の人生の中で今までになかった何か違うものを感じているのです。」110407_2

 「5か月前、井戸が完成間近な頃、ジェンが行ったワークショップで私の夢を語りました。『今までに見たこともないこのような大きな農業用井戸の水を使って、1年を通して農作物を育てたい』と。私は今、お金と時間を節約して、この庭からできる限り多くの利益を得ようと思っています。こう思えるのも、十分な水があるからです。今日は、立ち寄ってくれてありがとう。2か月後にまた庭を見て来てくださいね。」

 最後に彼はこう言いました「私たちはこの井戸を農業だけではなく生活のためにも使っているけれども、問題ないですよね」と。私たちは「もちろん、それはあなた方の井戸なのですから。あなた方が考え、どのようにするかを決めてください。だけど、みんなで分け合ってくださいね」と伝えて家を後にしました。

(フィールド・オフィサー:ナガラージャ、フィールド・アシスタント:シャールラタ)

4月 14, 2011 東部帰還民支援 |