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2011年3月24日 (木)

【北部】ジェンにかかわり1年‐ムクンタン

 スリランカ北部のワウニア県ワウニア郡で1月から始まった井戸の修復(*1)は、3月上旬にようやくスリランカ政府から活動許可が下りて、本格的に活動が始まりました。その活動の主軸となっているのが、本日ご紹介しますプロジェクト・オフィサーのラージャラトナム・ムクンタン(37歳)です。ムクンタンは、4才の娘と奥さんがいて、ヒンズー教を信仰しています。110324_201012_2

「私が9歳のころから紛争が激しくなりました。私の家は反政府地域につながる幹線道路沿いにあったので、治安関係者による夜間の強制家宅捜索を受けたり、戦闘のために2~3日、知り合いの家に避難しなければならないといったことがしばしばありました。そして、1990年には、戦争のためとうとう家族とともに家から逃げなければならず、それから避難・避難の生活です。その時の自宅はまだ政府軍の警戒地域にあり、戻ることができません。

 若いころは会計士になろうと思っていました。そのころ商業・会計コースが学科に新設されおもしろそうだったからです。ですが、私が住んでいたところは反政府軍の影響下にあったため、会計の勉強ができるコロンボに出ていくためには保証人が必要だったのです。しかし、コロンボに知り合いがいないため、コロンボに行くことができませんでした。唯一出てくることができたワウニア市にはその当時、会計事務所さえありませんでした。会計の勉強はしていたのですが、働くところもそれほどなかったので、その頃ボランティアをしていたスリランカ赤十字で働き始めました。

 もともと、紛争の影響で周りに厳しい環境にいる人々が多かったため、そのような人々を支援するのが好きでした。小学校の頃もボーイスカウトのようなグループに入って活動もしていました。今、ジェンに入って人道支援を続けていけて満足しています。娘にもぜひ会計士ではなく、ソーシャル・ワーカーになってもらいたいと願っています。」

(*1 この井戸修復支援はジャパン・プラットフォームやみなさまのご支援で進められています。)

3月 24, 2011 北部緊急支援 |