動物園では人気者だけど・・・
東部バティカロア県の事業地に向かう途中、森の中の幹線道路を走り抜けていると、たまに野生の象の群れに出会います。みんな、車を止めて遠巻きにみています。スリランカでも象は人気者で、動物園でも象のショーが大人気です。しかし、そんな象も、村の人々にとっては害獣になることも。
紛争後、北部の自分の村に戻ったスーリヤクマーリさん(38歳)から、深夜に出てきた数頭の象の話を聞くことができました。夜中に数頭の象が現れ、ジェンの支援で修復、した井戸に植えられていたバナナを食べていきました。象も数頭となれば猛獣です。彼女は子どもたちと身を寄せ合って恐怖に震えました。夫のカンディパンさんが近所の人びとに助けを求めに行き、村の人びとが鍋やバケツを叩いて象を脅かして追い払いましたが、バナナの木々は荒れ果ててしまいました。
スリランカの各地で、人々が家を建て、作物をつくるためにジャングルを切り開くと、もともと、そこに住んでいた象たちは森の中に避難します。ところが、人々が植える大好物のパパイヤやバナナは象たちの好物。それらを食べにしばしば村に出てくることになります。
開発で住むところを奪われる象、生きるためにジャングルを切り開いていく人間。
避難先からようやく村に戻ってきた人々は、今、生活を立て直すために必死です。 ジェンは村の人々を支援しながらも、象と人が共生していけることを願っています。