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2010年11月18日 (木)

農業用水がもうすぐ来る

 JENが、支援者の皆さま、Chabo!そして日本政府の協力を得て進めている、スリランカ東部での40基の農業用井戸建設が、佳境を迎えています。

 事業地はジャングルの中に点在する小さな集落です。ここでの農業用水の不足は深刻で、住民の95%以上が一番大きな問題として挙げていました。その農業用水がもうすぐ使えるようになる、ということで、村人たちは真剣なまなざしで工事を見守っています。 101118_mofa2_beneficiaries_use_jen_

 地下で水脈が走っているかどうか、一番よく知っているのは村人たちです。その意見をよく聞いて、掘る場所を決めます。井戸を使えない距離に住む村人でさえ協力を惜しみません。ある時、建機が細い農道を通れず立ち往生していると、その道脇にある畑を持っている住民が、「柵を壊して畑に入っていいから、ここを通れ」と言ってくれ、建機は柵を倒しながら畑の上を通っていきました。この農家は、井戸が完成しても、その水を直接自分の畑に使うことはできないことを分かっていました。何度も「ありがとう」と「すみません」が口をついて出ました。101118_9_original   

 JENは今回建設する40基が完成した後、住民たち自身がそこから得た利益をさらに地域のために役立てるために使うことを目指しています。地域全体が元の生活に戻れるよう、これからも住民達と一緒に、そしてこの記事を読んでくださる皆さま方と一緒に、復興を目指していきたいと思います。

11月 18, 2010 東部帰還民支援 |

2010年11月 4日 (木)

井戸の修理―ある若い女性の場合―

 ラージェスワリさん(24才女性)は、北部ワウニア県の紛争で被災した村に8ヶ月前に戻ってきました。彼女には、2人の子どもと夫がいますが、夫は反政府活動の疑いをかけられて未だに拘束されています。また、3人の子どもがいる妹家族も一緒に住んでいますが、妹の夫も同じく拘束されたまま戻ってきていません。村はずれの彼女の家には2人のお母さんと5人の子どもたちが生活しています。

 3か月前、彼女を訪ねた時には、壊れた井戸のものすごく汚れた水を生活用水として使っていました。飲み水は500mほど離れたところから毎日汲んできていたのです。その後、その井戸を清掃したときには、井戸の中からサルや牛の死骸まで出てきました。101104_3

 今、ラージェスワリさんの井戸は元通りになりました。井戸の水を飲み、料理や庭の水やりに使っています。彼女は、皆さまが井戸を修理して清掃したことを心から感謝してくれています。

 この事業はジャパン・プラットフォームや支援者の皆さまの協力を得て実施しています。101104_4

11月 4, 2010 北部緊急支援 |