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2009年12月 3日 (木)

「避難民キャンプの外で生きる」

 スリランカ北部ワウニア県で、ジャパン・プラットフォームと協力して実施してきた避難民キャンプへの給水事業も、残すところ12月だけとなりました。

 この間、ワウニアのキャンプの人数も12万人まで半減しました。キャンプから去った避難民の中には、自分の村への帰還を認められて戻る人々、治安の問題から自分の村には戻れずキャンプ以外の親戚・知人宅に身を寄せる人々など、さまざまな人がいます。

 ワウニア県の親戚・知人宅に身を寄せている人の中には、一つの親戚に3家族の避難民が同居しているケースがありました。写真左に移っているメリーさん(33)は、この家の大黒柱。90年代の戦争に巻き込まれ避難民キャンプに移り住み、3年前、ワウニアの田舎にあるタダックラム再定住村に移住しました。しかし、2年前に近所でだんなさんを何者かに殺害されて以来、2部屋しかない自宅で4人の子どもたちを育てています。

 そのメリーさんのもとへ今回、避難民としてIDP(国内避難民)キャンプから解放された義理のお父さんやお母さんが身を寄せ、ついでお義姉さんの家族、義妹さんの家族が加わることになりました。

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メリーさんと義理の父母、姪

 お義姉さんには2人の子どもと赤ん坊、義妹さんには1人の赤ん坊がいます。2人のだんなさんはどちらも、LTTEと関係があると疑われ、隔離キャンプに依然として収容されています。みんな、メリーさん宅に身を寄せ、収入の目処もなく不安な日々を過ごしながら、地元に戻れる日を待っているのです。

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4家族が同居する2部屋の家

 このメリーさん一家のように、もともとワウニアに住む貧しい家族が、何も持たない親戚や知合いの避難民を受け入れて、懸命にその一時の苦境を支えあおうとしています。地雷除去の進む、戦闘地域だった村々に戻れる日を待ち望みながら。

 ジェンは、このように早期の帰郷を待ち望む避難民が、受け入れ先の家族と共に少しでも安心して安全に暮らせるような支援は何か、刻一刻と変化する最前線の支援ニーズに対応できるように、現在、調査の真っ最中です。

12月 3, 2009 北部緊急支援 |