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2009年10月 1日 (木)

【北部】避難民キャンプで出会った子どもたち

090528_low  給水活動のモニタリングのため、ワウニア県の避難民キャンプを訪れたときに、7歳から9歳くらいのふたりの女の子がボール遊びをしているのを見かけました。ところが、彼女たちはうまくボールを拾ったり投げたりすることができません。なぜならひとりは片足がなく、もうひとりは右手の指がなかったからです。

 私はキャンプを訪れると、給水車のところへ水をとりに来たり、薪を集めたりする人々の顔や様子を観察します。あてもなくキャンプ内を歩き回っている人もいます。彼らが生活に満足を感じているのか、あるいは悲しいのか、私には推し量ることができません。

 私がボール遊びをしている子どもたちに近づいていくと、彼女たちは遊ぶのをやめて、私の方を見上げました。名前はデヌージャとプリヤといいました。

 片足を失ったデヌージャは、寡黙です。足は去年の終わりに失いました。そのときの経験―武器や戦争を思い出すことを嫌い、避けようとします。その代わりに、生まれ育った村の懐かしい風景や、飼っていたペットのことを思い出して過ごします。でも村やペットが、いまどうなってしまったのかはわかりません。彼女は、足だけではなく、未来への希望も失ってしまったのです。

 プリヤは、今年の初めごろに、右手の指を失いました。彼女は、指はまた生えてくると信じています。指がなくなってしまったことを大変なことだとは感じておらず、再びボール遊びに熱中し始めました。私は、何も言うことができませんでした。

(プラダバン、ワウニア事務所フィールド・オフィサー)

10月 1, 2009 北部緊急支援 |