10分では伝えられない思い
ワウニア県の避難民キャンプで働いていると、多くの悲しい現実に遭遇します。
ある日、私は避難民キャンプで、キャンプの脇の通路を歩くひとりの妊婦さんに出会いました。話しかけると、彼女は泣きながら話してくれました。
「この紛争では、たくさんの人々が爆撃で傷つきました。にもかかわらず、(戦闘が行われた北部には)病院や医療サービスがありませんでした。ここ(避難民キャンプ)にはそのような医療の問題はありませんが・・・、早く両親のいる家へ帰りたいです。両親は、栄養のある食事を用意してくれ、精神的にも支えてくれます。自分やこれから産まれてくる子どもは、そうした両親の支えを必要としています。
両親は時々、目に涙を浮かべてキャンプの面会所へ私に会いに来ます。キャンプへの出入りを管理する警察は、面会を10分しか許してくれません。私たちの状況や思いを話し合うのに、それは十分な時間ではありません。
両親と一緒に自分の家に住むことができる日が来ることを切望しています。」
(スレーシュクマール、ワウニア事務所フィールド・オフィサー)