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2009年8月20日 (木)

みんなで支援

090820  6月にジャパン・プラットフォームや支援者のみなさまの協力で始まったワウニア県での避難民に対する緊急給水事業。乾季真っ只中の今、給水に必要な水をどこから確保するか、ワウニア県の水道局はいつも頭を悩ませています。

 飲料用の水は、川の水をろ過装置できれいにするか、既存の農業用井戸や新設井戸から取水して塩素消毒をして配られています。ジェンは水道局が指示する取水ポイントから避難民キャンプ内の給水ポイントまで水を運んでいるのです。

 1枚目の写真は取水専用の井戸です。水道局は避難民キャンプの周辺にある溜池の近くなどにこのような井戸を作っています。この井戸から電気ポンプで水をくみ上げて給水車に注いでいます。

2枚目の写真のおばあさんは、なんと、この電気ポンプのオペレーター。年齢は70歳。作業は、ポンプスイッチをつけたり消したりする作業なのですが、朝6時から夕方8時まで働いているそうです。この井戸のすぐそばに住んでいて、若干のお給料を水道局からもらっています。090820_2

 今回の緊急支援はこのように、スリランカ政府の水道局からキャンプ近くに住まうおばあさんまで、いろいろな人々がいろいろな形で連携しながら進められています。

8月 20, 2009 北部緊急支援 |

2009年8月18日 (火)

10分では伝えられない思い

  ワウニア県の避難民キャンプで働いていると、多くの悲しい現実に遭遇します。

  ある日、私は避難民キャンプで、キャンプの脇の通路を歩くひとりの妊婦さんに出会いました。話しかけると、彼女は泣きながら話してくれました。

  「この紛争では、たくさんの人々が爆撃で傷つきました。にもかかわらず、(戦闘が行われた北部には)病院や医療サービスがありませんでした。ここ(避難民キャンプ)にはそのような医療の問題はありませんが・・・、早く両親のいる家へ帰りたいです。両親は、栄養のある食事を用意してくれ、精神的にも支えてくれます。自分やこれから産まれてくる子どもは、そうした両親の支えを必要としています。

  両親は時々、目に涙を浮かべてキャンプの面会所へ私に会いに来ます。キャンプへの出入りを管理する警察は、面会を10分しか許してくれません。私たちの状況や思いを話し合うのに、それは十分な時間ではありません。

  両親と一緒に自分の家に住むことができる日が来ることを切望しています。」

  (スレーシュクマール、ワウニア事務所フィールド・オフィサー)

8月 18, 2009 北部緊急支援 |

2009年8月13日 (木)

ともに支えあう暮らし

 JENは、紛争と津波による被害をこうむった東部バティカロア県・ワカライ郡で、復興から取り残されがちだったサラティブ村において、トイレ建設と衛生教育の事業を実施しています。

 この事業は50世帯を対象にしており、住民の積極的な参加によって支援が進んでいます。たとえば、トイレのピットになる部分を掘る作業は、住民自らに行ってもらえるようお願いしています。

090813ptt_wab_article_photo_2  写真の女性、ダルマニンガム・ニロジニさんはだんなさんを亡くし、一人で子どもを育てています。彼女にとって、このような建設の作業をすることは、難しいことです。トイレの建設を開始するにあたって、ジェンは5世帯の住民からなる小さなグループを作るよう、促しました。小グループの中で、お互いに助け合う仕組みづくりです。同じグループの男性が穴掘りを手伝いに来てくれ、ニロジニさんは無事に穴掘りを終えることができました。炎天下で作業を終えた隣人に、彼女は嬉しそうに水を差しだしました。

 このように、事業参加者のコミュニティが、自分たちで問題解決ができるような仕組みを人々とともに育てていくことが、ジェンの支援事業の特徴です。

(スジダラン、ワラチェナイ事務所フィールド・コーディネーター)

8月 13, 2009 東部帰還民支援 |