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2009年5月28日 (木)

内戦の終結

090528_low  スリランカでは、19日に国会で行われた大統領の勝利宣言により25年にも及んだ内戦が終結しました。

 勝利宣言のテレビ中継に合わせて、コロンボ市内には国旗と大統領の看板がたくさん飾られ、事務所の近くでは祝福の爆竹が鳴り響いています。また、車の窓から体を乗り出して国旗を振り、叫びながら市内を周回している人々が多くみられました。コロンボ市内は勝利の喜びに包まれています。

 一方で、最後まで戦闘が行われていた北部地域では、2006年からの戦闘で約28万人の住民が避難生活を強いられています。反政府軍の支配地域から脱出し、政府軍に保護されるまで、住民は食料や水も充分にないまま避難を続けていました。中には健康状態が悪化した人々もいます。090528_low_2

 避難民の多くが、戦闘地域の南に隣接するワウニア県の避難民キャンプに収容されています。しかし、ここ1ヶ月で、一気に20万人も増えたキャンプでは、スリランカ政府や国連、NGOによる支援がなかなか追いつきません。仮設テントや簡易トイレの建設、水や食料、衣類、石鹸などの配布が急ピッチで進められていますが、林を切り開いて急造しているキャンプのため排水施設に問題が発生したり、支援物資の配布でも混乱したりしています。

090528_low_3  東部で活動しているジェンも、この北部ワウニア県にて緊急支援を行なうための調査を進めています。中でも特に緊急性の高い支援を見極めている段階です。引き続き、皆さまのご支援、よろしくお願いします。

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5月 28, 2009 緊急支援文化、生活、習慣政治、経済、治安 |

2009年5月14日 (木)

一杯の水も逃さない

090514__small_low  日本政府と支援者の皆さまのご協力で実施している東部キラン郡での事業は、10ヶ月の内、7ヶ月が過ぎました。今回は農業支援について報告します。

 今年は、例年より降雨量が少なく、3月から4月、雨期の時期にも期待したほどの雨が降りませんでした。そこで活躍しているのが、JENが行っているビニール袋を使った農法です。この農法では、大規模にはできないものの、少ない水の量で効率的に農業が出来ます。従来のように地面に植えた場合は広い範囲に水をまかなければならないので、、大量の水が必要でした。

090514_misspoomalarkirandsagricultu  JENが提案したこの袋を使った農法では、1つの袋に対し1日コップ二杯の水で十分なのです。さらにこの水は野菜や、お皿、服を洗った水を使うという徹底ぶり。またこの農法は少ない土で行えるため、肥料の量も削減できるとういう一石二鳥の農法なのです。もともとこの方法は、今から行う家庭菜園で技術指導する予定でしたが、記録的な少雨のため、急遽、農業支援でも活用しました。この袋で育てている野菜は順調に成長し、トマト、オクラ、なす、チリなどが収穫時期を迎え、次々と収穫されています。090514__small_low_2

 JENはこのように、現地の環境の変化に応じて最も適した方法を提案し、最大限の成果を得られるように努力しています。

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5月 14, 2009 農業支援 |