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2009年2月19日 (木)

紛争地での「ガネーシャ」

090219_20090212_ganeshatemple_low   本やドラマを通じて、日本で最近人気のガネーシャですが、スリランカでは、成功や知恵の神様としてあがめられています。もっとも人気のあるヒンドゥー教の神様といえます。バティカロア県内を移動していると、いくつものガネーシャ寺院を通り過ぎます。

 紛争のため住んでいる場所を追い出された人々が戻ってきているキラン郡では、建物が壊れてしまっています。しかし、仮設の寺院がいくつかみられ、人々の信仰の篤さが感じられます。場所によっては、写真のように大きな木の下に石を祀っています。そして、そこに神様が宿っていると信じて、花やお賽銭が備えられています。紛争の傷跡が見える光景でもありますが、なんとなく日本の道祖神を思い出す、懐かしい光景でもあります。090219_20090212_ganeshatemple_2_l_3

 スリランカ北部では紛争が激化し、避難民の数が増え始め、治安も流動的な状況になっています。そんな中、JENは、東部州内のほかの地域に避難していた人々が、もともと住んでいた土地に帰還したあとの、再定住の支援を続けています。成功の神様が見守るなか、人々は生活再建の努力を続けています。

2月 19, 2009 文化、生活、習慣 |

2009年2月 5日 (木)

気丈なお母さんの紛争の傷跡

090205_mofa_chabo_20090129_koolavar  クラビチェナイ村のサンタナピレさんは、ジェンの事業で結成した管理委員会(支援地の住民による支援受け入れの組織)のリーダーです。集会やワークショップのときにはいつも目を輝かせて一生懸命話を聞き、とても活発で、頼もしいおかあさん、という印象でした。

 しかし先日、カウンセリングを担当する心理学専門家に同行して彼女の家を訪問したとき、これまで知らなかった一面を見ました。

 サンタナピレさんには、5人の子どもがいました。息子の1人は政府軍の攻撃で亡くなり、娘も別の戦闘に巻き込まれて亡くなりました。さらに、このような状況が耐えられなくなったサンタナピレさんのだんなさんも自殺してしまいました。

 涙を流しながら、過去に起こったできごとについて話してくれたサンタナピレさん。村の人々の近くで活動しているJENスタッフを信頼し、心を開いてくれたのです。

 精神的な傷があまりにも大きく、引きこもりがちになっていた時期もあったそうですが、今は,孫の面倒を見ながら、生活を再建しようと一生懸命です。簡素な家ながらも室内は清潔に整えられていて、彼女が自分で作ったというヤシの葉のゴザや、バスケットがありました。JENが配布した種で育てたとうもろこしやピーナッツも、ほかのどこの家よりも元気に育っています。

 辛い過去を抱えながらも、明るく前向きに生きているサンタナピレさんの姿に、訪問したスタッフ一同、心を揺さぶられました。そして、このように非常に厳しい状況の中で、必死に自立していこうとしている人々の尊い努力を支援していきたいと、決意を新たにしました。

2月 5, 2009 心のケア文化、生活、習慣政治、経済、治安 |