再び海に出る日が近い
ジャパン・プラットフォーム様と支援者の皆様のご協力により、バティカロア県ワカライ郡で実施している帰還民支援事業の一環として、現地の漁協組合に供与するボートの製造が始まりました。
バティカロア県の漁業水産省の記録では、今年1月の戦闘によって、ワカライ地区の漁民が合計109艘のボートを失っています。そのうち、ジェンは紛争被害の大きかった10の漁協組合に、2艘ずつ計20艘のボートを供給し、彼らの生活再建をサポートします。(写真左は、配布予定のボートと同じモデル)
この地は2004年暮れの津波でも大きな被害を受け、その後、支援団体により多くのボートが配布されました。しかし、当時は質よりも速さを重視する傾向があり、また、コロンボなど遠隔地の業者が、現地の地形や環境を考慮せずに製造したボートも含まれていました。従って、せっかく配布されたのに使用に耐えないボートが多くありました。
今回の事業では、過去の経験を踏まえ、住民や行政と協議を重ねた結果、ボート製造のエキスパートとして漁民からの評判の良い地元の業者に製造を委託しました。(写真右:ボート製造の模様)
製造が始まったこのボートは、耐久性や防水性を考慮し、ファイバーグラスを何十にも張り合わせて作り上げます。それ故、5、6人の熟練工が作業をしても1艘を作るのに4日かかります。全20艘のボートは1月末に完成する予定です。