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2005年9月 8日 (木)

忘れられた村

050907_02   ココナッツロープ作りを行っている村の1つにモラカティヤーラ村があります。この村の受益者は、津波で家が壊れ、混乱のさなか、出来たばかりの公共アパートに避難し、そのままそこに住みつくことになりました。正式に登録した居住者でないため、政府や支援助団体からの支援が十分行き届いておらず、いわば「忘れられた」村でした。

 JENが訪れた時も、「ある団体が、ボートと網を全員にくれると約束したのに、その後何の音沙汰もない」、「外国の団体は来ても写真だけとって帰っていく」と支援団体や政府の支援へ強い不満、不信感をあらわにしていました。公共アパートといっても、4畳半ほどの狭い部屋が2つに台所だけ。ここで一家5人が半年以上の避難生活を続ければ、プライバシーのなさ、新しい家にいつ移れるのかわからない不安、ストレスでいらいらが募ります。

 事業開始当初は、人々は険しい表情をしていて、黙々と作業を行っていました。日々の作業とグループカウンセリングを通して、少しずつ表情が生き生きし、あちこちから笑い声が聞こえるようになって来ました。不便な避難生活のストレスを忘れ、仲間と共に作業するひと時が、前向きな力を取り戻すための確実な一歩となっています。

 

9月 8, 2005 心のケア漁業支援 |

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