心のケアプロジェクト
JENが現在行っている職業訓練、子どものスポーツの各活動には、インストラクターと共にソーシャル・ワーカーが配置されています。
ソーシャル・ワーカーは、活動中の子どもを含めたJENの事業に参加した人々の様子を観察し、声をかけ、人々の悩み、心の声に耳を傾けます。毎日同じ時間を過ごすことで、人々は次第にソーシャル・ワーカーに心を開くようになってきています。はじめは黙々と作業を行い、他の人に話をすることもなかった人々が、今では津波のこと、家族のことさまざまなソーシャル・ワーカーに相談をするようになりました。特に、心のケアが必要と認められたケースについては、現地心理学専門家チームが、それぞれの家庭を訪れ、個別、家族カウンセリングを行っています。
マスカウンセリングと呼ばれる集団でのカウンセリングも行っています。マスカウンセリングは、歌や、ロールプレイなどさまざまな手法を使って行われます。リラックスしたアットホームな雰囲気の中で行われ、心理学専門家が、さまざまな質問を投げかけ、それに参加者が答えるという参加型アプローチがとられます。「心が軽くなった」、「津波のつらい記憶を少しずつだが受け入れられることができるようになった」という声が届いています。
また、ぜひ自分の家族にもこのカウンセリングを行ってほしいという要望もあがっています。心理学専門家からも、津波の被害を受けた人々に対する、こうした心のケアを広く進めていくことの必要性が指摘されています。