2013年12月19日 (木)

衛生行動の変化における女性の役割

 FATAでは、宗教関連機関と家族、この二つの社会的な集合体が非常に強い影響力を持っています。家族は社会にとってもっとも影響力の大きい集合体の一つであり、女性がこのまとめ役となっています。

 女性は、知識を代々語り伝えるキーパーソンです。おばあちゃんやお年寄りの女性は、子どもたちへ聞かせる、代々伝わる昔話を詰め込んだ、大きなレコードともいえます。女性たちは知識、伝統、信仰、習慣等を新しい世代に伝えていきます。

 ジェンはFATAのクラム管区で衛生促進セッションを計画する際、SWOT分析(ある集団や個人の強み、弱み、機会、脅威を分析する手法)を通して、対象となる帰還民の中に、衛生に関して行動の変化に繋がる「機会」がないかと考えました。そしてその「機会」が女性であることを認識し、女性の特性を活かしながら衛生知識、習慣を広めるための計画を立てました。

 まず、活動の始めには、コミュニティリーダーを通して対象地域に衛生的な生活の大切さを伝えるようにしました。ひと度それが満足いくレベルまで到達してから、女性の行動変化に繋がる活動を開始しました。衛生促進のような新しい活動やコンセプトは、対象地域において影響力の強い家庭から、他の家庭に広まっていくため、スムーズに浸透していきます。

【ジェンスタッフによる女性たちへの衛生促進セッション】
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 現在、ジェンの衛生促進セッションを受けた家庭の女性たちは、自分たちの家の衛生環境を維持することができるようになってきています。それに加え、女性たちから衛生の大切さを日々伝えられる子どもたちは、非衛生的な行動に敏感になっています。5歳のNabi Shah君はジェンのスタッフにこう語りました。「ぼくのおばあさんが、土の中には虫の卵があって、靴を履かずに歩けば、虫が体に悪さすると言っていたんだ。だからぼくたちはみんな今、靴を履くようにしているんだよ」

【男の子の歯磨きを手伝うお母さん】
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【女の子の髪をとかすお母さん】
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 今、クラム管区の帰還民女性たちは、衛生に関しての知識を身に着け、実践に移し始めています。そしてその知識を次の世代に語り始めているのです。

 ※クラム管区での衛生促進活動は、支援者の皆さまおよび、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームの協力を受け実施しています。

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12月 19, 2013 国内避難民支援, 衛生教育 |

2013年9月12日 (木)

衛生促進で変わり始めた子どもたちの生活

 今回は、連邦直轄部族地域(FATA)のクラム管区で行っている衛生促進活動の効果に関するご報告です。

 3歳の少女シャグファは長い避難生活のあと、最近両親と共に故郷のダンガル・ゴド村(クラム管区中央部)に帰ってきました。
 彼女が国内避難民となって故郷の村を離れたのは、まだお乳を飲んでいる赤ん坊の時でした。避難民キャンプで暮らしていた間、シャグファは学校にもイスラム神学校にも行く機会がありませんでした。そのため彼女は満足な衛生知識を身につけていませんでした。両親もそのことがどのような結果をもたらすか知りませんでした。

 もしシャグファがそのまま衛生知識を持たずに成長していたら、健康に悪い影響があるばかりでなく、学校の出席率にも影響していたでしょう。彼女の住む地域では下痢性疾患に罹る子どもが多く、シャグファもそのリスクにさらされていたのです。

 衛生促進セッションはジェンが現在実施している支援プロジェクトの中心となる活動で、シャグファの村を含む7つの村を対象としています。セッションの実施後は、ほとんどの村で子どもたちが適切な衛生習慣を身に付けはじめていることが確認されています(両親からの報告と、ジェンスタッフのモニタリングによる)。

 私たちジェンスタッフはシャグファに会い、話を聞きました。
彼女は次のように言っていました。「以前は、私はいつも体調が悪く、めまいを感じていました。何をしても疲れました」。
シャグファは村で衛生促進セッションを受け、良い衛生習慣が健康のためにとても大切だと知ってから、毎日の生活の中でそれを実践するようになりました。

 彼女の父親は、シャグファの積極的な姿勢について次のように話しました。
「私の娘は、『靴を履かないと土の中にいる虫が体に入って人の体の中で卵を生むから、お医者さんから痛いことをされるよ』とジェンの衛生促進チームから教えてもらった、と話しています」
「ジェンが私たちのことや、子どもたちの健康や教育のことを考えてくれて、本当に感謝しています」。

【セッションを受ける前のシャグファ】
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【セッションを受けたあとのシャグファ(弟とともに)】
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 ジェンクラム事務所 シニア・フィールドオフィサー シャー・フサイン



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9月 12, 2013 帰還民支援, 衛生教育 |

2013年7月18日 (木)

衛生促進パレード

JENは現在、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームの助成により、FATA(連邦直轄部族地域)クラム管区において帰還民の水衛生環境改善支援に取り組んでいます。このプロジェクトの活動の一つは、2008年以降の戦闘によって破壊された既存の水供給施設の整備です。もう一つの活動は、帰還民たちの健康状態の改善・維持を目的とした衛生促進です。

先日ジェンの現地スタッフは、支援対象の一つであるニジャブ・カライ村を訪ね、年長者を対象に衛生促進セッションを行い、日常生活における衛生の大切さを伝えました。

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その際、村にはたくさんの子どもたちもいたため、現地スタッフは子どもたちにも衛生について話しました。すると子どもたちはその話に興味津々で、現地スタッフが村のほかの地域に移動する際にも、後ろをついて回り始めたそうです。
子どもたちはJENが各世帯へ配布している衛生パンフレットを持ってジェンスタッフとともに村中の道を練り歩き、それを見た他の子どもたちも次々と仲間に加わりました。紛争で苦しんだ経験を持つ子どもたちが、この「衛生促進パレード」ではとても楽しそうで、うきうきしていました。

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このパレードは村中の年長者や他の子どもたちを魅了しました。年長者や村の関係者たちは、これらの帰還民の健康状態を改善しようとするJENの取り組みに感謝の意を示しました。活動の中で偶然生まれたこのパレードは、子どもを巻き込んだ画期的なアプローチとして、中央クラム政権にも評価されました。

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 これらの子どもたちが、今後も衛生メッセージを周りに伝えていってくれることを期待しています。




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7月 18, 2013 国内避難民支援, 衛生教育 |

2008年2月21日 (木)

生活に役立つ支援

0802202007octpkunicefwesbadhal_5  事業地訪れると、たくさんの人が私たちの周りに集まってきます。

 バーグ県ハベリ郡にあるアコリ・ワラ・バラ男子小学校のハーン先生が、地震直後から今までの復興の様子を語ってくれました。

 「地震直後の混乱の中、JENがやってきた日のことを未だに覚えています。84歳になる私の父は、カシミール人以外の人を見たのは人生で初めてのことだと言っていました。というのも、私たちの村は道路から3時間歩いた山の中にあるからです。

 そこにJENは、テントの配布や学校の備品の配布だけでなく、防災教育や衛生教育なども行ってくれました。衛生教育を受ける前、生徒たちの爪はいつも伸びきっていて、汚れた洋服でも気にせずに着ていました。

 今は毎朝、子どもたちの手をチェックし、汚れている場合はJENが設置した水道で手を洗うよう指導しています。また、日々の衛生が病気の予防につながることを知った子どもたちは毎日清潔な制服を着て学校に来るようになりました。

 JENの支援はこれからも私たちの生活に役立っていくと思います。」

2月 21, 2008 衛生教育 |

2007年12月13日 (木)

ついに完成、3本の柱

Wss_bhs_fateh_pur_1_resize_2   今年も事業地に雪が降り始めました。地震から3度目の冬を迎えるバーグ県ハベリ郡にて、JENが行ってきた活動が地元新聞紙に紹介されました。記事では、JENが地震直後から事業を行ってきたことへの感謝と、JENが行った学校への水・衛生事業により、子ども達の教育環境が大きく改善したことが書いてあります。

 ついに完成した120校への3本の柱(柱1:仮設トイレ、柱2:給水システムの整備、柱3:衛生教育)を軸とした水・衛生事業。以前は、学校から遠くにある川や泉で水を飲んだり、手を洗っていた子ども達ですが、今は授業を中断することなく勉強を続けることが出来るようになりました。また、トイレと水の供給にあわせて実施した衛生教育により、下痢の症状を持つ子ども達が飛躍的に減少するなど、子ども達の健康も向上させることができました。

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12月 13, 2007 衛生教育 |

2007年5月17日 (木)

子どもたちと衛生

Unicef_hygiene_competition_070428_haveli_7   ハベリ郡にある小中学校は4月下旬から一斉に試験期間に入りました。子どもたちにとって試験勉強に忙しくなるシーズンです。そんな中、JENが開催した「衛生発表会」には、約150人もの生徒と先生が詰め掛けました。

この発表会では、子どもたちと先生が『衛生と健康』をテーマに寸劇や詩、歌、絵画などを発表して競い合うことで、衛生に対する意識を高めることを目的としています。また、清潔さを競う部門では、参加した小さい女の子たちがそれぞれにお気に入りの服を着て、おめかしを楽しんでいるようでした。スピーチ部門で優勝した女子生徒は、表彰式の壇上で再びスピーチを行ない、「衛生を高めることは、私たち住民自らの責任です。子どもを病から守るため、みんなで衛生環境をよくしていきましょう!」と力強く訴えかけました。Unicef_hygiene_competition_070428_haveli_8

一方、皮肉にもこの日、筆者はパキスタンに赴任してから初の腹痛に見舞われ、最後のスピーチで「今日は腹痛なんです」と言うと、会場からは笑いが漏れました。衛生の大切さに対する思いを新たにしたところです。

5月 17, 2007 衛生教育 |

2007年2月15日 (木)

大自然の中に生きる人びとの知恵

Unicef20070115latrine_installation 今年の冬は、例年より1ヶ月早く始まり、11月中旬には、標高約1800メートルのここバーグで、早くも雪が降り始めました。

カシミールは非常に雨が多く、3日に1度は雨か雪が降るため、冬場の学校トイレの建設作業などは大変困難なものとなりました。しかし、住民の積極的な参加で、雪や雨の中でも何とか作業を進めることができ、特に、厳しい寒さのもと、一日の作業を終え住民からそっと差し出される温かいチャイは、格別なものでした。

 それでは、朝の気温がマイナス5度というJEN事業地の住民は、どのように厳しい冬をしのいでいるのでしょうか。実は、ここに地元の知恵が隠されています。住民の大半は、冬用の家と夏用の家を持っており、秋の終わりになると山の麓にある家に下ります。Mofa20061118assessment

 まるで優雅な避暑地での生活のように聞こえますが、家は土と藁葺き屋根でできた質素なもので、季節ごとに住処を変えるのも、厳しい夏の暑さと冬の寒さを乗り越えるためのカシミール人の知恵なのです。

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2月 15, 2007 文化、生活、習慣, 衛生教育 |

2006年12月 7日 (木)

3本の柱

Pakistan_unicefwatsan_0611102  ハベリ郡では、わずか23%の学校にしか使用可能な衛生設備がなく、28%の学校しか安全な飲み水を子ども達に提供できていません。

 衛生設備や安全な飲み水がないと、学校の衛生状態の悪化から子ども達の間で下痢やコレラ等の病気が蔓延する危険性があります。また、例えそうした設備があっても、正しい使い方を子ども達が知らなければ、衛生状態は改善されません。

 そこでJENは、仮設トイレ(柱1)や給水システムの整備(柱2)と衛生教育(柱3)の実施という、ハードとソフトを組み合わせた活動を通じて、約13,000人の子ども達に安全で衛生的な教育環境を提供していきます。

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12月 7, 2006 地震教育, 衛生教育 | | トラックバック (0)

2006年10月12日 (木)

衛生教育ワークショップ開催

Destribution1  JENは9月15日と20日、事業地のカシミール州ハベリ郡にある2つの村で、学校に通う子どもたちと保護者に対し、衛生教育のワークショップを開きました。

 村の子どもの間では下痢や皮膚病が多く、不衛生な環境が原因とされています。JENの衛生教育は、震災後の子どもたちが新しく設置されたトイレや手洗い場を適切に使用し、学校の基礎的な衛生環境を整えることを目的としています。ワークショップではJENのソーシャルワーカーが自身の病気になった体験を交えながら、食べる前やトイレの後は手を洗うこと、下痢になった時の対応、安全な水の確保のしかたなどについてなどについて教えました。Distribution2_1

 またワークショップで得た知識を村人に実践してもらうため、衛生キットも各家庭に配布しました。キットの内容は村人の普段の生活に合わせたものを選びました。

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10月 12, 2006 教育支援, 衛生教育 |