2017年8月31日 (木)

伝染病防止のための駆虫



パキスタンでは武装勢力の掃討作戦が展開されたことにより、避難を余儀なくされていた多くの人びとが、少しずつ故郷に戻っています。くわしくはこちらから。

こうした状況に対してJENは、連邦直轄部族地域(FATA)ハイバル管区への帰還民を対象に、支援者の皆さまと日本政府のご協力のもと、家畜を通じた生計向上プロジェクトに取り組んでいます。

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イスラム教では伝統行事として犠牲祭があり、このとき多くの家畜が運ばれるため、人びとが家畜に触れる機会が多くなります。このような状況下では、クリミア・コンゴ出血熱という感染症が家畜から人へと蔓延することが懸念されます。

FATAでもこの病気が広がる恐れがあったため、JENは昨年、支援先である家畜局がこの病気を媒介するダニを駆除することに協力し、37,500頭の家畜に駆虫スプレーを噴霧しました。

今年もこの病気を予防するため、9月1週目に予定されている犠牲祭に向けて同数の家畜に対して駆虫を行うべく、スプレー用薬剤を家畜局に譲渡しました。

主に家畜市場やFATAへの入り口にあたる地区といった流通経路の中枢で駆虫を実施します。さらにJENは、2018年には対象となる家畜をさらに増加させるべく活動を進めており、こうした家畜局の取り組みを今後も支援していきます。

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【スプレー用薬剤の譲渡】

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【駆虫要員と意識向上バナー】

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8月 31, 2017 支援物資配布, 農業支援 |

2017年6月15日 (木)

収入源としての手押し車

パキスタンでは武装勢力の掃討作戦が展開されたことにより、避難を余儀なくされていた多くの人びとが、少しずつ故郷にもどっています。くわしくはこちらから。


JENは2015年に反政府勢力の掃討作戦により影響を受けた地域の一つであるハイバル管区バラ地区 アカヘルで帰還した人びとの生計向上のための事業を実施しました。

JENがこの地区を選んだのは、経済的に脆弱な世帯が多かったことと、土地が農業に適していたためです。この地域は元々土地が肥沃でした。すでに政府の農業局により作られた農業支援委員会が活動をしており、JENは帰還した農家に種子と農具を配布しました。

ムハンマド・アユブさんは自宅近くで軍事作戦が展開されたとき、全てを残して避難しました。紛争が終わると彼は家族とともに戻りました。私たちは、彼を支援対象農民として登録し、種子や農具と手押し車を提供し、農作業に関する研修を行いました。

普段彼は手押し車を自分の畑で農作業に使っていますが、これが空いているときは他の農家が肥料運搬に使うのに貸してお金を得ています。他には市場から食料品を運んで来て、お金を稼ぎます。

アユブさんは地元のNGOで不定期に日雇い作業もしています。彼はそれらの仕事のほとんどで手押し車を使います。そういった仕事はささやかな物ですが、帰還後の生活再建にまだ苦労している彼と家族にとっては大変な助けになっているのです。

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【提供の手押し車で農作業をする様子】

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6月 15, 2017 帰還民支援, 支援物資配布, 生計回復事業 |

2017年1月12日 (木)

ハイバル管区バラ地区 Aka Khelにおける家畜の提供

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【JENの第4回目の牛配布会の様子】

ハイバル管区バラ地区の住人は、他の地域へ避難する前に牧畜を行っていました。なかでもアチャイ種の牛はこの地域の天候や地形に最適な品種でした。しかし、人びとがバラ地区に帰還してから紛争で失われてしまった家畜、とりわけ牛を提供する支援を行う組織はありませんでした。そこでJENは60歳以上の高齢者や障がい者、女性や孤児が世帯主となっている家庭などのもっとも脆弱な立場の人びとに牛の提供を始めました。

実際に牛を受けとった人びと、村の長老たちなどは口を揃えて、牛をもらえるなんて思ってもみなかったと言います。彼らの生計向上に大きな役割を果たすものの、高価な牛を提供されるとは誰も思っていなかったのです。

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【配布された牛を村までもって帰るために借りた車】

配布の前に牛は7日間の検疫を受けます。この期間中に家畜局職員が様々な病気から牛を守るためのワクチンを打ちます。この7日間が終わった後、病気の疑いのない健康な牛たちがワンダ(栄養補給用の飼料)と駆虫薬と共に配布されます。

コミュニティの長老たちは脆弱な状況にある人びとにとって、牛の配布は大きな支援になると言います。牛を受け取った人びとは今、各世帯で牛乳を得ることができ、これはとくに子どもにとって重要な栄養源になっています。また、牛乳、ヨーグルト、バターなどを家庭で作れるようになったことは彼らの食費の節約にも大きく貢献しています。

この支援は、帰還民の本来の生業である牧畜を通じて人びとの生計を向上させることを目指しており、牛の提供は主要な活動です。これに加え、JENは人びとの家畜管理についての知識を高め、最初はワンダを提供するものの、自前で費用をかけずに飼料を作ることを教えます。また、人工授精による品種改良を行い、ワクチン接種と寄生虫駆除によって家畜の健康を守れるように人びとを支援していきます。そして若者を巻き込み、牛乳販売を通じた所得創出も支援します。

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【牛配布だけでなく、効果的な牛の管理も説明】

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1月 12, 2017 帰還民支援, 支援物資配布 |

2016年12月 8日 (木)

連邦直轄部族地域(FATA)ハイバル管区バラ地区の帰還民に対する最初の支援物資配布

ハイバル管区バラ地区に帰還した人びとの経済状況を回復するため、彼らへの牛と餌の最初の配布を2016年11月29日に実施しました。本事業に参加の16人が、それぞれ牛1頭とワンダ(栄養補給用の飼料)3袋、駆虫薬1袋を受け取りました。

配布作業は前もって決められた手続きに従って行われました。配布前にJENの家畜オフィサーが支援対象者たちにむけて、家での牛の世話について説明しました。そこで話されたことは配布された牛をどのようにして彼らの家まで安全に運ぶか、餌や水はどのように与えるか、牛用シェルターはどうするかなどです。

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【牛の配布】

牛を配布する前日に16人の事業参加者に家畜の引換券を渡し、日時や場所や移動の手配などについて知らせました。また、支援の目的と事業参加者のみなさん、JEN、畜産局などの関係者の役割についても説明しました。

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【牛の配布の前日説明会】

引換券配布に先だって、牛を検疫しました。その際に、2頭の牛の健康状態が良好ではなかったため 、他の健康な牛2頭と取り換えました。さらにJENは、畜産局と協力して16頭全ての牛に予防接種と寄生虫の駆除を実施しました。畜産局はこのようにして、検疫を終えた牛の全16頭を配布可としました。

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【引換券配布】

この事業は2016年から2018年まで3段階で実施されるもので、今回の牛の配布の他に人工授精、牛の管理に関するスキルの強化、生計回復を予定しています。

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【配布される牛と栄養補給用の飼料】

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12月 8, 2016 支援物資配布, 生計回復事業 |

2016年9月29日 (木)

連邦直轄部族地域における「クリミア・コンゴ出血熱 (CCHF)」の予防策

「クリミア・コンゴ出血熱」とは、ダニの媒介によるブニヤウイルス科のウイルスで引き起こされ、人体と家畜両方が発症する病気です。この病気は、1944年に初めてクリミア地方で発見されたため、クリミア出血熱と名付けられました。その後1969年にアフリカのコンゴで見つかったウイルスと同一であることが分かり、現在の名前「クリミア・コンゴ出血熱 (CCHF)」になりました。


 パキスタンでは1976年以来、この病気の発症が確認されており、2000年以降、毎年50~60例が報告され深刻な問題です。2012年には16人が死亡し、2013年から2016年の間に60人が血液検査で陽性反応を示して、そのうち12人が亡くなりました。政府は、人びとのCCHFの知識がないために、症例の報告がされないケースが多くあると見て、この病気についての人びとの意識向上に着手しました。


 その計画の一環として、連邦直轄部族地域畜産局はJENに現在ハイバル管区でJENが進めている活動にCCHFの予防策も組み入れるよう要請してきました。主な理由はイスラム教の祝日である犠牲祭で家畜が捧げられるために、国内の他の地域から大変な数の家畜が連れて来られるからです。緊急を要するため、JENは直ちに必要な手続きを取り、最優先事項としてこの病気を予防するための対策を取りました。


【混雑するマーケットでの調査】
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【抗CCHF 剤を散布するJEN家畜チーム】
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その結果、JENは以下の物資を畜産局に提供しました。
·       スプレーポンプ(10~12リットル) 15
·       シペルメトリン/エコフリース-抗CCHF剤(リットル)  75
·       マスク    5
·       手袋  375
·       エプロン 15
 
【物資支給】
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 畜産局のスタッフの協力を得て、JENの家畜チームの一連の支援は3日間で完了しました。そして、犠牲祭用の家畜を売買するため50,000人を超える人びとが集まる家畜市場で、予防策として抗CCHF剤が38,000頭の大型および小型の家畜に噴霧されました。その結果、幸いにも、この地域でのCCHFの発生はありませんでした。畜産局はJENのこの活動に大変感謝しています。


【市場での薬剤の噴霧】
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9月 29, 2016 支援物資配布 |

2016年8月12日 (金)

連邦直轄部族地域(FATA)での帰還民支援

 JENの支援活動においてはどの国の場合でも、持続可能性が不可欠な要素です。緊急支援・復興支援・開発支援のいずれにおいても、持続可能性に万全を期しています。

 2011年以来JENはFATAの避難民のために、避難地域と帰還地域の双方で支援活動を実施してきました。

 約7万人の避難民に対し、シェルターや非食糧物資の提供、水・衛生支援、食糧支援や生計手段の確保等の支援を行いました。

 そしてFATAでの治安状況の改善に伴い、避難した住民の半数以上(161,064世帯)がすでにFATAに帰還しましたが、142,727世帯はまだ帰還できずにいます。しかし帰還の動きは着実に進んでいて、政府の計画では2016年内に避難家族の90%以上が帰還できる予定です。

 この数字を受けて、JENは緊急の支援だけでなく、帰還した人々の生活再建のための長期的かつ持続可能な目標に向けた支援を進めています。

 具体的には、現在JENはFATAに帰った22,855人の人々が栄養のある食糧を手に入れるために家族で農産物を育てられるよう、支援をしています。さらに5,000人以上の帰還民の経済的な再建を目指して、家畜飼育の支援を進めています。

 JENは今、帰還民の支援に関していくつかの関係機関との連携の再構築をはかっています。

【畑の風景】
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【作物苗の配布後モニタリング】
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【土地が農地として適しているかに関する調査】
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8月 12, 2016 帰還民支援, 支援物資配布, 生計回復事業 |

2016年7月14日 (木)

FATA、南ワジリスタンでの初めての物資支援

 JENは、FATA(連邦直轄部族地域)南ワジリスタン管区のテーシル・セルワカイへの帰還民493世帯に対して、初めての物資支援を行いました。

 JENが、このプロジェクトの重要性を住民・軍事組織に伝え、最終的に国家開発機構の許可を得られたことにより、支援の実施が実現しました。

 それぞれの家庭に、農業・家庭菜園用の種や道具を配布しました。詳細は以下のとおりです。

<種>
1.トウモロコシ(オーガニック)40kg
2.トマト(オーガニック)     50g
3.かぼちゃ(オーガニック) 100g    
4.オクラ(オーガニック)    500g      
5.玉ねぎ (オーガニック)  25g      
6.ユウガオ(オーガニック)  50g
7.ニガウリ(オーガニック)  50g
8.ナス(オーガニック)     50g

<農業用品のセット>
1.手押し一輪車 1台
2.踏みすき     2個
3.千歯こき      3個
4..かま          1個
5.スコップ        1個
6.熊手         1個
7.十字鍬            1個

 ラマダン明けのイード休暇のあと、残りの1,357世帯への配布が完了する予定です。

 今後は、全ての事業参加者を対象に、農耕・家庭菜園の生産性を上げるための技術を広める予定です。プロジェクトが終了するまでに、対象世帯の食糧確保の状況を改善することを目指しています。

【配布の様子】
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7月 14, 2016 帰還民支援, 支援物資配布, 生計回復事業 |

2016年1月28日 (木)

自立した未来のために

 40歳のヌールさんは、パキスタンの連邦直轄部族地域の北ワジリスタン管区出身です。同管区で続く紛争から逃れるため、ヌールさんは5人の息子と4人の娘を含む家族皆で、バンヌー地方にある、政府の建設したバカ・ヘル避難民キャンプへと移住しました。

 現在は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に避難民として登録されています。北ワジリスタン管区にいた時は労働者として生計を立てていたヌールさんでしたが、避難生活が始まってからは、これまでにないほど生活が苦しくなり、WFP(国際連合食糧計画)やその他の団体の支援だけで生活していました。

 JENが同キャンプ内で始めた家畜を通した生計回復事業で、ヌールさんは支援を受けることになり、家畜の栄養状態を改善する飼料や、悪天候から家畜を守るシェルターキットを受けとりました。

 3か月後、ヌールさんはバカ・ヘルキャンプの入り口でミルクティーや卵、キャンディなどを売る商売を始めました。キャンプの入り口付近に位置するヌールさんのお店は、人々の憩いの場となっています。人々はミルクティーを片手に集まり、自らが抱える問題や解決方法について話し合ったりします。

 ミルクティーに使うミルクは、ヌールさんの牛から搾乳されたもので、その売り上げは月に8,500円程度です。それはヌールさん一家の生計を支えるのに十分とは言えません。

 自立した生活を目指し、ヌールさんは今後バンヌー地方の市場へと事業を広げていく予定です。

【駐車場の傍にあるヌールさんのお店】
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【ヌールさん(中央)、JENスタッフとお客さん】
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1月 28, 2016 国内避難民支援, 支援物資配布, 生計回復事業 |

2016年1月21日 (木)

ぬくもりを子どもたちへ

 パキスタンのシャングラ県は、昨年10月26日に発生した地震により、大きな被害を受けました。

 被災した山岳地帯に住む多くの人々は日雇い労働者として以前から貧しい生活を送っていましたが、そこに地震が起こったのです。山岳地帯はアクセスがあまり良くないため、支援が届きにくく、彼らは支援をもっとも必要とする人たちでした。

 そこでJENは、770世帯に越冬に必要な生活物資(マットレスや枕、暖かいご飯をつくるためのキッチン用具セットや衣類)を配布しました。衣類は、手袋、帽子、タイツ、靴下、ハイネックシャツなどで、それぞれに1-3歳用、4-8歳用、9-12歳用という風に、年齢別の配慮がなされました。

 配布後のモニタリングの際には、気温は0度に近くなっていました。子どもたちが受け取った服を着て、「もらった服がとても暖かいです。前はこういう服を持っていませんでした」と、話してくれたことが印象に残っています。

 その際に1つ気づいたことは、人々の身に着けていた衣類の汚れでした。原因は、コミュニティ全体における、衛生に関する知識と意識の不足です。これまで、教育を受けてこなかった村人は、清潔な生活を送ることの大切さを知らないため、子どもたちが汚れた洋服を着てもなんとも思っていませんでした。

 そこでJENは、各家庭に衛生的な生活の大切さを伝え、人々はそれを理解し、今後実行にうつしていくことを約束してくれました。

 パキスタンでの地震被災者緊急支援は、1月15日を以て終了しましたが、暖かい衣類を身に着けた子どもたちのことは、JENスタッフの心にずっと残るでしょう。

【配布した衣類を身につけた子どもたち】
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1月 21, 2016 支援物資配布, 緊急支援 |

2016年1月14日 (木)

JENとチャレンジ

 被災した地域は山岳地帯です。山奥に住む被災者のもとへたどり着くことは、ただでさえ容易ではありません。そこに更に冬の始まりと共に雪が訪れ、村々へのアクセスは困難を極めるようになりました。

 ニーズ調査時のシャングラ県では雨の日が多く、また時折雪が降っていました。舗装路を走ることはできても、舗装されていない山道を車で進むのは一苦労でした。また、地震の影響で地滑りが起こり、村への道がふさがれるかもしれない、ということも懸念されました。幸いにもそのようなことは起こりませんでしたが、余震でマグニチュード6規模の揺れが起こるなど、常に緊急時に備えていなければならない状況です。

 一筋縄ではいかない緊急支援ですが、困難に果敢に立ち向かい、生じた遅れは取り戻すのがJENのスタッフです。

 今週も、越冬物資やキッチン用具のセットなど、災害の中でも尊厳をもって暮らすための生活必需品が、シャングラ県の家庭に届けられています。

【テントで生活する人々】
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【物資引換券を手に持つ住民と、トラックに積まれた配布物資】
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1月 14, 2016 事務所・スタッフ, 支援物資配布, 緊急支援 |

2016年1月 7日 (木)

必要なものを、必要とされている場所へ

 シャングラ県に住む74歳の女性、グル・サナ・ビビさんは、娘さん、息子さんと3人で生活しています。
 娘さんは脳に障がいを持っていたのですが、充分な治療を受けることができませんでした。息子さんは貧しさから学校に通うことができなかったため働き口が限られており、村の中で日雇い労働者として働いています。しかし、日雇いの仕事も毎日あるわけではないため、地域の人々に助けてもらいながら生活していました。

 昨年10月26日、地震が起きた時、ビビさん一家はちょうど家から出るところでした。彼らが家から踏み出たその瞬間に家は崩壊し、娘さんは落ちて来た石や木でけがを負いました。家だけが自分たちの資産であったため、その瞬間は本当につらかったそうです。

 家が崩れてしまったため、ビビさん一家はしばらく近所の家に身を寄せ、その後県政府から配布されたテントでの生活を始めました。

 JENが、村で毛布などの越冬物資やキッチン用具を配布する話をすると、ビビさんはとても喜んでくれました。しかし、彼女にはテントよりもさらに頑丈なシェルターが必要だと訴えました。そこでJENは、ビビさんの村でシェルター支援を始める準備をしていた活動団体にビビさんの存在を伝え、その団体もビビさんの家にシェルター支援を約束しました。
 ビビさんは今後、新たなシェルターの中でJENから受け取る越冬物資を使って生活してゆきます。

 政府からテントの支援はありましたが、ビビさんはシェルターの必要性を感じていました。1つの機関や団体からの支援だけでは、生活に必要最低限のニーズさえも満たすことができないのです。ビビさんのような家族は地震被災地域においてまだたくさん存在します。

 JENは、パキスタンの地方政府や国内で活動する団体との情報共有など協力しあいながら、必要な支援を、必要としている人びとに届けます。

【テントの前でJENスタッフと話すビビさん】
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1月 7, 2016 支援物資配布, 緊急支援 |

2015年12月24日 (木)

グル・ナワズさんの話

 グル・ナワズさんは連邦直轄部族地域のカイバル管区に住んでおり、5エーカーの農地を所有していました。農業で生計をたてていましたが、紛争から逃れるため自分の村を離れました。

 6年が経ち自分の村に戻った時には、長い間耕作が行われていなかったために土地は荒廃していました。そこで彼は、農業の促進のために様々なサービスを提供している農業サービスセンターを利用し、自分の土地の再生を始めました。これまでに3エーカーの土地を再生させています。

 土地の再生は果たしたものの、農具を失い、作物の種も買うことができなかったグルさん。カイバル管区には同じような農民の方が多くいたので、JENは9月からこの場所で農具キットや種の提供支援を行っています。

 支援対象者としての登録手続きの間、グル・ナワズさんは伝えられた通りに道具を受け取れるか不安だったそうです。しかしその不安は、農具キットと種の袋を受け取った時に消えました。

 彼は再生した1エーカーの土地に小麦の種をまきました。既に順調に発芽が始まっており、家族とともに喜んでいます。「受け取った種の質は申し分ないので、大きな実りがあることを願っている」と話します。

 地域の人びとは、地域の平和と安定が続き、再び穏やかに暮らせることを願っています。グル・ナワズさんは長い間自分の家と土地から離れて暮らしていたので、もう同じことはしたくないと話します。

 彼のような帰還民の再定住ができるだけスムーズに行われるように、JENは支援を続けていきます。
【JENスタッフと話すグル・ナワズさん】
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【畑を見つめるグル・ナワズさん】
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12月 24, 2015 帰還民支援, 支援物資配布, 生計回復事業 |

2015年12月10日 (木)

シャングラ県の状況

 ハイバル・パフトゥンハー州にあるシャングラ県の面積は、1,586k㎡で、約733,000人が生活しています。
 県内にはたくさんの小さな谷や高い山があり、海抜は2,000~3,000m、県内で最も高い場所は3,440mにもなります。

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 2005年の地震や2010年の水害が起きた際、シャングラ県はパキスタン国内の他の地域に比べて被害が大きくありませんでした。しかし、今年10月26日に起こった地震では、人的、物的ともに非常に大きな被害を受けました。

 州災害対策本部の最新の情報によると、これまでに49人の死者と181人の負傷者が確認され、11,395棟の家々が半壊や倒壊の被害を受けています。
 シャングラ県の冬は厳しいため、寒さから身を守るためのシェルターや越冬支援が急務です。すでに冬は始まっており、現在夜間の気温は0度まで下がります。

 政府や人道支援団体の支援は始まっているものの、まだまだニーズには追い付いていない状況です。

 JENも、被害を受けた人々に対する越冬支援事業をスタートしました。冬を越すために欠かせない物資の配布を、迅速に行っていきます。

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12月 10, 2015 支援物資配布, 緊急支援 |

2015年11月26日 (木)

農業用具キットの配布

 現在、JENは、パキスタン北部の連邦直轄部族地域(FATA)のカイバル管区において、1,150の帰還民家族への支援を行っています。ここでの活動は、現地NGOのSDO (State Development Organization)とパートナーシップを組み、協同して行っています。

 このプロジェクトでは、これまでに1,000世帯の方々へ農業用具キットの配布を行いました。そのうち約23%に当たる、229世帯は女性が世帯主です。 

農業用具キットの配布の際には、その女性達への配慮も欠かせません。女性への配布は、女性スタッフから家庭菜園キットをお渡ししました。 また、家庭菜園の技術訓練の際にも、パキスタンにおける女性の識字率の低さを考慮して使用する冊子などはビジュアル中心のデザインとなっています。

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1,000世帯の中で150人がポリオ(小児麻痺)、精神疾患、聴覚の損傷、腕や脚を切断するなど、障がいを持つ方々でした。障がいを持つ方々も自ら配布場所を訪れ、キットを受け取り、訓練を受講されました。

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年配の方々も多く配布場所を訪れました。

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 私たちJENはこの事業によって、様々な状況に置かれている現地の人々が農業を通じて生計の回復ができるようにサポートしていきます。


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11月 26, 2015 支援物資配布, 生計回復事業 |

2015年9月10日 (木)

連邦直轄部族地域(FATA)ハイバル管区の帰還民への農業支援

 JENは2011年から連邦直轄部族地域(FATA)及びハイバル・パフトゥンハー州で様々な緊急事態の被災者支援を実施してきました。支援の分野は多岐にわたり、シェルターや物資(食料品を除く)の配布、水衛生、食糧安全等10,000世帯を超える人々の支援をしてまいりました。

 最近、連邦直轄部族地域(FATA)カイバル管区の帰還民に向けての農業支援を開始しました。カイバル管区の人々は、政府による反政府武装勢力掃討作戦の被害から逃れるために一時的に国内で避難していましたが、6年が経って状況が落ち着くにつれ、帰還を始めました。
(現在54,599の家族が同管区に戻りましたが、32,217の家族は依然故郷を離れたままです。出典:UNOCHA)

 今回の事業では、1,150の帰還家族を農業支援の対象とする予定です。これらの家族に農業用具キットと農業用及び家庭菜園用の種子を配布します。

 このプロジェクトの目的は、帰還家族が生計を回復し、各世帯ごとに食糧を確保できるよう支援することです。このプロジェクトでは女性も平等に対象者となります。

 女性には野菜の種や農業用ツールの他、家庭で野菜作りを始めるための研修を実施します。それにより彼女たちが栄養豊かな食糧を得て健康になる手助けをします。

 家族の稼ぎ手の男性には種子50kgと農業用具を支給し、農業指導者や畜産局による研修を実施して、生計回復を支援します。

 プロジェクトの最終目標は帰還家族の食糧安全保障を改善し、かれらがこれからもずっと故郷に住むことができるようにすることです。


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9月 10, 2015 帰還民支援, 支援物資配布, 生計回復事業 |

2015年8月13日 (木)

支援物資の配布が完了しました

 JENは、北ワジリスタン管区から逃れてきた国内避難民への家畜飼料と家畜用シェルター資材の配布を完了しました。このプロジェクトの対象となったのは全部で500世帯です。

 JENは事前に「引換券」を印刷し、それをスタッフが対象世帯に配りました。引換券には対象家族の世帯主氏名やID番号などの情報、および物資の配布場所と時間が記載されています。
 
 配布の前にJENは、警察や地区役員など関係する全ての公的機関や、村の長老のようなその他の関係者と調整を重ねました。

 物資は、納入業者から配布の1日前に届きました。

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 ちょうどラマダンの月でとても暑い時期だったので、JENのスタッフは配布作業を定刻どおり進めるため、夜中から配布物資のパッケージを配列し、準備しました。
警備は地区の警察が担当してくれました。

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 配布は3回に分けて行われ、それぞれ150世帯、195世帯、155世帯を対象に家畜飼料と家畜用シェルター資材が支給されました。

 配布作業を円滑に進めるため、JENは確定した対象者のみに連絡し、配布会場には引換券を持っている人だけが入場を許可されました。

 引換券の確認にはJENのスタッフ1名と警察官1名が一緒に当たりました。そのあと、JENのスタッフが配布作業の一連の流れを説明しました。

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 それから、対象者を1人1人確認し、彼らの拇印をもらいました。

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 次に、JENの技術スタッフが、駆虫薬や家畜用シェルターや飼料についてその使用方法などを説明しました。

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 最後に物資を対象者に手渡し、その記録として引換券を回収しました。

 こうして、無事に支援物資を対象者のもとに届けることができました。



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8月 13, 2015 国内避難民支援, 支援物資配布 |

2015年7月 2日 (木)

物資配布の準備を行っています

 JENは今年、バンヌー県内Ghoriwala地区の国内避難民500世帯が食糧を安定して確保できるよう、家畜保護事業を行っています。その一環として、家畜飼料と家畜用シェルター資材の配布をします。

 配布は3回にわけて行われる予定で、1回目は7月6日です。
 最初は200世帯、2回目は145世帯、3回目は155世帯を対象に、物資が配られます。

 第1回目の物資配布場所は、国連機関である世界食糧計画(WFP)の物流セターです。WFPの職員に事前に連絡を取って場所の提供を依頼し、許可を得ることができました。2回目と3回目は同地区内の別の場所にある、動物病院の敷地内で行われます。

 配布の事前準備には、余念がありません。まず、物資の仕入れ先にはかなり前に注文を入れ、配布までに確実に物資が揃うようにしました。その甲斐あって、配布日の前日にトラックで物資を運びこむ手はずが整っています。

 また、当日の配布がスムーズに進むように、人々の整列場所と方法、日陰の確保、トイレ環境の確認も行っています。女性、老人、身体に障がいのある人々は優先的に配布を受けることができます。そして、安全のために警察官を会場に配置します。

 現在は、配布2日前に配られる「引換券」の作成を進めています。引換券には物資の受け取り日・時間・場所・受取人の名前・父親の名前・ID番号が書かれ、最後にJENスタッフのサインが記されます。

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 会場では、人々がどのようなものを受け取るのかがしっかり理解できるように、配布物資リストを掲示します。また、不満がある時にはすぐにJENに連絡がとれるよう、シニアスタッフの電話番号も掲示します。

 このように、事前準備を入念にしてきたJENスタッフです。ラマダンの真最中、暑い中で行われる今回の配布ですが、手順どおりスムーズに実施されることを祈っています!


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7月 2, 2015 国内避難民支援, 支援物資配布, 生計回復事業 |

2015年3月26日 (木)

緊急支援における長老の役割

 短期間で実施する緊急支援では、きちんとした人選さえできれば、人道機関は効率的かつ迅速に支援を行うために、対象地域の長老の力を借りることができます。コミュニティに根差した活動をしている組織と活動したことのある長老は特に、コミュニティの協働の方法を知っているため、緊急時の協力者としてより適任といえます。

 昨年の秋から今年の1月にかけてJENが実施した洪水被災者緊急支援の対象地域であるパンジャブ州ムザファ・ガー県は、スタッフ全員にとって新しい土地でした。ですが、そこで短期間に緊急支援を実施する必要がありました。幸運にも、ニーズ調査で訪れた際、数名のやる気に満ちた長老に出会うことができました。そのうちの1人が、ミトーさん(現地語で「やさしい人」という意味)でした。

 コミュニティとの最初のやり取りの際、JENのスタッフはミトーさんのボランティア精神、献身的な姿勢や、過去にコミュニティ組織と働いた経験があることを知りました。ミトーさんはJENスタッフをコミュニティの方々に紹介し、かれらとのミーティング進行をサポートしてくれました。また、ミトーさんはJENの支援対象者選定基準を良く理解し、現地語(サライキ語)で自分が所属するコミュニティに説明してくれました。

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 その後、JENが各被災者の世帯を訪問し、選定基準にそって支援対象者を登録していく作業をする際にも、ミトーさんは案内役となって作業を手伝ってくれました。まさに、JENと被災者コミュニティとの懸け橋となってくれたのです。

 他にも、対象被災者の方々への物資配布引換券の配布や、配布スケジュールの告知、実際の配布実施まで、ミトーさんはずっと一緒にサポートをしてくれました。

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 さらに、女性や高齢の方々が物資を受け取った後安全に自宅に戻れるよう、ミトーさんは乗り物の手配までしてくれたのです。配布の時、現地では雨が降っていました。責任感の強いミトーさんは、その日の夜、JENスタッフに電話して、自分の村に住む支援対象者の人々が全員無事に物資を持ち帰ったことを報告してくれました。
 
 電話でミトーさんは「私たちは皆無事に家に帰ってきました。早速物資を使い始めましたよ。今日は本当に寒くて、この厳しい冬にキルトブランケットほどもらって助かるものはないです。とてもうれしく思います。JENの皆さんのご多幸をお祈りします」と話してくれました。

 支援が終了した今も、ミトーさんは時々イスラマバードにいるJENのスタッフに電話をしてきて、スタッフが変わりなく元気にしているかどうかを尋ね、またいつものように困ったことがあれば協力します、ということを伝えてくれます。

 私たちは、万一ムザファ・ガー県でまた何か緊急事態が起こったとしても、ミトーさんは自分のスキルとボランティア精神を生かし、支援団体と被災者の両方をサポートしてくれると信じています。JENスタッフは今後の災害発生の際の協力者として、現地政府へミトーさんを紹介しました。


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【緊急企画】イラク国内避難民緊急支援活動報告会を開催します。

イラク北部にて緊急支援に従事しているスタッフが帰国します。
今、イラク北部でなにが起こっているか、JENは国内避難民に対しどのような支援活動を行っているか、今後の活動の展開は、など、緊急支援活動報告会でご紹介いたします。
ふるってご参加ください。

くわしくはこちら

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3月 26, 2015 事務所・スタッフ, 支援物資配布, 緊急支援 |

2015年3月12日 (木)

重要な食糧源を守るために

 2014年6月から開始された政府による武装勢力掃討作戦により、およそ100万人の人々が連邦直轄部族地域(FATA)北ワジリスタン管区から、国内避難民となって流出しました。

 これらの避難民の人々の多くは混乱の中、ラッキー・マルワットを含むハイバル・パフトゥンハー州まで約350,000頭の家畜を連れて避難しました。

 政府や人道支援組織による、避難民の人々への食糧、避難所、衛生・給水施設などの基本的なサービスの提供は、非常に大きな困難を伴いました。

 一方、彼らの重要な食糧源の一つである家畜を、大量死や投げ売りから守ることも、同時に大きな課題となっていました。

 JENはラッキー・マルワット地区の国内避難民1,200世帯を対象に、国連のパートナーとして家畜保護支援を始めました。このプロジェクトの目的は、避難民の家畜を大量死や投げ売りから守ることにより、彼らの食糧確保状況を改善することでした。

 食糧安全保障クラスターや他の支援組織との調整により、避難民のための総合的な家畜保護パッケージが作られました。パッケージの内容は、麦わらなど家畜の飼料、ミネラル、給餌・給水キットなどです。

【配布場所に用意された家畜保護パッケージ】
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 このプロジェクトの対象者の一人、イシャク・ジャンさんは次のように話しています。

「誰も支援の手を差し伸べてくれる人がいない中で、このようなサポートを受けることができ、とても助かりました。私は生活のために、3頭の雌牛を1頭ずつ非常に安い値段で売ろうとしていたところでした。これらの牛から取れるミルクの量が避難前から3分の2も減り、牛の餌も手に入らない状況だったのです。売ってしまう前に支援を受けることができ、よかったです」

【イシャク・ジャンさん】
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 国内避難民は自分たちの家畜から、ミルク、ヨーグルト、チーズ、肉などを手に入れています。そのため、家畜保護は避難民の食糧安全保障に大きく貢献できるものなのです。避難先には十分な資源がないため、国内避難民が避難先で暮らし続ける限り、継続的な支援が必要になります。

【避難民との話し合い】
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3月 12, 2015 国内避難民支援, 支援物資配布 |

2015年2月26日 (木)

洪水被災者、ラブ・ナワズさんの被災体験談

今回は、1月上旬に終了した、パンジャブ州の洪水被災者支援で対象となったラブ・ナワズさんのお話を紹介します。

***

 ムラッド・アバッド地区カンガンル・シュマリ村に住むラブ・ナワズです。昨年の洪水で、家も畑も住む村も破壊されてしまいました。今はNGOに貰ったテントで家族と生活しています。家や収穫目前だった畑が流されたことを思うと、とてもストレスを感じます。どうしたら生活を取り戻せるか考えています。明けない夜はなく、一所懸命働く者に神のご加護があるはずです。

Mr_rab_nawaz_in_front_of_his_ten_2  昨年末のある日、JENが村にやって来て、私たち被災者と話をしました。その人は日本の皆さんの代わりに、イスラマバードからこの村に来たと言っていました。パキスタンの他の州から、そして遠く離れた国から私たちにサポートの手を差し伸べてくれる人がいることを、非常に嬉しく感じました。JENが熱心に話を聞いてくれたことが、この数か月感じていたストレスの軽減になりました。その後、彼らは冬の寒さを凌ぐ物資や衛生用品を支給してくれました。

 その支援物資を受けるまでは、ほとんど生活を立て直せていませんでした。冬がすぐそこまで近づいていたので、配られた物資はとても役に立ちました。私だけでなく、近所の人も皆、守られていると感じ、安心できています。

 私たちは、日本の皆さんのタイムリーなサポートを心から感謝しています。今回の支援によって、私たちは尊厳ある生活を取り戻すことができました。

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2月 26, 2015 事務所・スタッフ, 支援物資配布, 緊急支援 |

2015年2月12日 (木)

より脆弱な避難民世帯への支援

 カナ・ミールさんは、北ワジリスタンでの政府の対武装勢力軍事作戦を逃れ、バンヌー地方へ避難したお年寄りです。彼は息子3人と娘2人の父親ですが、息子の2人は子どもの頃にポリオに感染し、障がいが残っています。3人目の息子は地元の市場で日雇い労働をしています。

 カナさんはレストランで警備員として働き、月に8000パキスタンルピー稼いでいます。これ以外に国連の世界食糧計画から毎月食料支援を受けています。さらに、彼の家族は政府や他の人道支援団体からも支援を受けています。
カナさんは元々生計手段として家畜を飼っており、北ワジリスタンから避難する際、どうにか羊58匹と牛10頭を何とか連れ出しました。しかし避難生活の混乱の中で、羊15匹と牛10頭を失ってしまいました。

 JENがバンヌーで実施している国内避難民の家畜保護支援では、カナさんのようなお年寄りや、病気や障がいをもつ家族のいる世帯など、より困難な状況にいる人々を優先的に支援対象としています。カナさんはJENの家畜保護支援の対象となり、飼料やシェルター資材などの家畜飼育物資を受け取りました。カナさんはそれらを使い、家畜に栄養価の高い飼料を与え、家畜小屋の補強をしました。また、JENの獣医チームはカナさんの家畜へのワクチン接種も実施しました。

 物資配布後のJENによるモニタリングの際、カナさんは、家畜飼育物資の配布は家畜の健康状態、栄養状態改善の点などで非常に役立った、と話してくれました。配布した飼料や物資を活用した結果、彼の家畜は健康を取り戻し、8リットルも多くミルクが取れるようになったそうです。このため、カナさんの家族全員が食糧を十分に確保できるようになってきた、とのことでした。

【JENスタッフとカナさん一家】
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2月 12, 2015 国内避難民支援, 支援物資配布, 生計回復事業 |

2015年1月29日 (木)

国内避難民支援:物資配布後のモニタリング

 JENは最近、バンヌー県とラッキー・マルワット県で現在暮らしている連邦直轄部族地域(FATA)からの国内避難民を対象とした家畜保護プロジェクト2件を完了しました。

 そのうちの1件は、1575世帯の避難民を対象に行われ、もう1件は、1200世帯の避難民を対象に行われました。
対象となった国内避難民へは、家畜の餌、家畜用シェルター資材、家畜用予防接種(口蹄疫、腸性毒血症)など、家畜の飼育に最低限必要な物資と、予防接種を提供しました。

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 JENの現地コアスタッフは、双方のプロジェクト対象地域を訪れ、モニタリングを実施しました。まず、プロジェクトの実施状況とその影響について、現地の畜産局とミーティングを行いました。畜産局によると、職員は実際に配布作業に立ち会って活動を確認しており、総合的な家畜保護パッケージの提供を実現したことについて評価しているとのことでした。

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 モニタリング訪問中には、支援対象となった国内避難民やその他関係者からも、配布に満足しているという評価をもらうことができました。

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 一方、対象地域には、今回の支援の対象には含めることができなかった国内避難民もいます。FATAからの避難民の数は非常に多く、各支援組織が提供できる支援と、実際の避難民の総数には大きな差があるのです。あらゆる人道支援機関が、これらの人々へ支援を届ける必要があります。

 ジェンは2015年も引き続き、支援を受け取っていない方々を対象に、同様の支援を続けていきます。



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1月 29, 2015 国内避難民支援, 支援物資配布 |

2015年1月15日 (木)

パンジャブ州洪水:取り残された地域への支援

 前回に引き続き、パンジャブ州での洪水被災者支援の様子についてお話しします。

 2014年の秋にパンジャブ州やカシミール地方を中心に発生した洪水は大きな被害をもたらし、政府と民間の両方の支援を必要としました。多くの支援が計画・実行されましたが、被災した全ての家族のニーズを満たすことはできていません。洪水によって滞留しよどんだ水や、厳しい冬の到来は、洪水で被災した人たちの生活状況を悪化させているのです。

 前回お伝えした通り、JENはパンジャブ州ムザファ・ガー県の被災した地域において、最も脆弱で厳しい状況にいる人々を支援するために、支援を計画しました。対象となった地域の一部には、県の中を走るチェナーブ川によって他の地域から断絶され、孤立してしまった村もいくつかありました。チェナーブ川を渡る橋は無く、これらの地域へアクセスするにはボートで渡るしかありませんでした。

 JENの現場チームは、この支援から取り残された地域を支援するために全力で取り組みました。まず、河岸へ辿りつくために四駆車 を使用し、チェナーブ川を渡るのにボートを使い、その先は、被災した地域へ辿りつくためにバイクを使いました。厳しい冬の寒さと濃い霧のため、対象地域への道のりは容易なものではありませんでした。それでもなお、このような状況で日々生活する被災者に早く支援を届けるのだ、という決意のもと、現場チームは先を急ぎました。

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 被災者が暮らす地域にたどり着いた現場チームは、被災者の方々が冬を越すために必要な生活物資を無事に渡すことができました。

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1月 15, 2015 支援物資配布, 緊急支援 |

2014年12月25日 (木)

パキスタンにおける自然災害と緊急支援

 パキスタンは何十年にも渡り、頻繁に自然災害が発生している国です。特に、地震と洪水はパキスタンの人々をこれまで何度も苦しめてきました。

 中央アジアからパキスタンに続いているヒンドゥークシュ山脈は、地震が多いことで知られています。

 また、地球温暖化はパキスタンにも大規模な被害を与えています。中国とインドとの国境に隣接したパキスタン北部のヒマラヤ山脈で何世紀も昔の氷河が溶け、毎年ある時期に川が増水しています。
 さらに、温暖化は気候を変化させ、この地域ではモンスーンの雨も増えています。これらの変化により、川の水位が上昇し、川の水が平野部に溢れやすくなっています。

 パキスタンの平野部は、ハイバル・パフトゥンハー州からシンド州のアラビア海まで広がっています。この地域はとても肥沃で人口密度も高いため、洪水が起こるたびに大勢の人たちが被災しています。パキスタンの人たちの大部分は生計を農業に頼っており、近年ではほとんど毎年、洪水が農業に深刻な被害をもたらしています。

 2014年はパキスタンにとって、またもや最悪な年となりました。洪水がパンジャブ州とカシミール地方に大きな被害をもたらしたのです。

【村を襲った洪水】
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【破壊された家】
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 JENは2005年からパキスタンで活動しているので、この国の災害には可能な限り対応しようとしています。現在、JENは被害の大きかったパンジャブ州のムザ・ファ・ガー県の被災コミュニティーを対象に、緊急支援を実施しています。既に迫ってきている厳しい冬から人々を守るために、マットレス、キルト、衛生キット、プラスチックマット、プラスチックシーツなどの物資を提供しました。対象地域の人々は家の再建や畑の修復を始めています。

 しかしながら、大部分の人たちは極度の貧困生活を送っており、元の生活に戻るためには、まだまだ多くの支援が必要とされています。

【テントで暮らす家族】
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12月 25, 2014 支援物資配布, 緊急支援 |

2014年12月11日 (木)

国内避難民支援のモニタリング

 ジェンは現在、ハイバル・パフトゥンハー州(KP州)のラッキー・マルワット地区において、連邦直轄部族地域(FATA)の北ワジリスタン管区から逃れてきた約900人の国内避難民に対して、緊急家畜支援を実施しています。

 このプロジェクトは国連人道問題調整事務所(UNOCHA)の緊急対応プログラムの一環で、活動期間は3ヵ月です。これまでに、計画の約半分の活動が完了しました。

 活動の改善を重ね、より良い結果を得るためには、モニタリングと評価が重要なため、本プログラムの活動は全て、評価モニタリングチームによるモニタリングを受けなければなりません。

 ジェンの活動地域にも、先日そのモニタリングチームがやって来ました。彼らはジェンの事務所や倉庫を視察し、支援対象の避難民の方々に会うために活動現場にも足を運びました。ジェンの現場スタッフに対しては個別のインタビューがなされ、スタッフが書いた日報や週報もチェックを受けました。彼らはさらに倉庫や在庫帳を見て、配布物資(飼料や水、搾乳キット)の質もチェックしました。

 モニタリングチームは支援対象の方々にもインタビューし、プロジェクトデザインや活動内容について、彼らの意見を聞きました。また、障がいを持つ人や女性、高齢者など、社会的に脆弱な立場にいる人々がきちんと支援の対象として含まれているかどうかについても聞き取り調査を行いました。

 モニタリングチームは今後の改善点としていくつかの技術的なポイントを指摘してくれ、ジェンのスタッフはそれらを書き留めました。総合的には、ジェンがKP州の遠隔地域で暮らす、特に脆弱な状況にある避難民を対象に支援を実施していることについて、前向きな評価をしてくれました。



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12月 11, 2014 国内避難民支援, 支援物資配布 |

2014年11月13日 (木)

今年の洪水被災者支援

 パキスタンは、毎年のように地震や洪水など、自然災害に見舞われています。2010年の洪水は、約300万人が被災し、国土面積の5分の1が浸水するという建国史上最悪の自然災害となりました。毎年夏~秋にかけて降るモンスーンは近年長期化する傾向にあり、人々にとって大きな脅威となっています。

 今年も8月~9月にパキスタン各地で大規模な洪水が発生し、これまでに約250万人に被害をもたらしました。洪水が発生してから一部の人道支援機関が支援を開始しましたが、多くの地域において支援の手が足りない状況となっています。中には、ほとんど手つかずの状況となっているところも残っています。

 この洪水の被災者支援のため、ジェンは最も被害の大きかったパンジャブ州において緊急物資配布支援の実施を計画し、準備を進めています。

 ジェンが実施した現地調査では、被災者の方々は生活用品、食糧品、仮設シェルター、衛生施設や生計回復など様々な支援を必要としていることがわかりました。ジェンはまず、支援が行き届いていない地域を中心に、最低限の生活環境を取り戻してもらうため、衛生用品を含めた生活物資の支援を計画しています。

【テントに避難している被災した子ども】
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【被災した子どもたち】
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【JEN設立20周年記念の取り組みについてはこちら

11月 13, 2014 支援物資配布, 緊急支援 |

2014年10月30日 (木)

大量の物資を配布する方法

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 バンヌー県での国内避難民支援の開始にあたり、JENの現場チームは、飼料パッケージと家畜用シェルター資材の配布モデルを決めるため、話し合いをしました。
 というのは、1家族当たりのパッケージ「麦わら5束、ワンダ(栄養補給食)2袋、防水シート1枚と竹10本、350ml ボトル2本の駆虫薬」はとても重いからです。

 話し合いで、現場チームは二手に分かれることに決めました。まず、獣医スタッフを含むチームは、集まった避難民世帯に対して、家畜管理説明会と避難民の受付を担当することになりました。一方で、ロジスティクスを担当するチームは、家族ごとに配布物資のパッケージを準備することになりました。

 配布時には、参加する世帯分のスペースが必要であることを考慮しながら、注意深く場所を選びました。1回の配布につき、200世帯をカバーすることとして、これまでに、400世帯に配布が行われました。

 最初の配布場所は、200パッケージの物資を置くのがやっとのスペースしかありませんでした。そのため、参加者の移動も含め、より簡単に配布できるようにもっと広い場所が必要であることがわかりました。

 これを受け、現地スタッフはコミュニティリーダーや長老と相談しました。彼らはとても広い土地をJENに教えてくれ、無償で利用させてくれました。そこは、JENが200世帯に200パッケージを配布するのに十分な広さでした。

 配布は予定通りの方法で実施されました。まず来場した対象者は1か所に集まり、家畜管理説明会にて、配布の手順、配布物の量や使い方について説明を受けました。

【家畜管理説明会】
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 説明会の後、事前に配布しておいた配布引換券を照会しながら、受付作業が行われました。これと並行してロジスティクスチームは配布パッケージを準備し、受付が完了次第、各世帯には飼料パッケージと家畜用シェルター資材が配布されました。

【準備された配布パッケージ】
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【配布場所にて】
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 これは、北ワジリスタンからの国内避難民を支援するために始まった最初のプロジェクトで、彼らにとって最も重要な収入源である、家畜を保護する支援となっています。JENは、これらの脆弱な立場にある人々の生計を安定させる為に、支援を続けていきます。

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10月 30, 2014 国内避難民支援, 支援物資配布, 緊急支援 |

2014年10月16日 (木)

支援物資配布場所の選定

 支援物資の配布場所の選定は、ジェンにとって難しい仕事の一つです。それは以下のように組織的な協議プロセスを経て行われます。

•企画会議 
•配布場所の特定・確認 
•治安状況についての情報マネジメントオフィサーの評価 
•最終選定および災害対策本部と軍による承認

 ジェンは配布場所を決める前に簡単な企画会議を実施します。この会議には情報マネジメントチーム、事業実施チーム、総務・経理・ロジスティックスチームが参加し、活発に話し合ってお互いに必要な情報を交換します。

 配布場所の選定においては、地理的な位置がとても重要です。
 支援対象者、納入業者、ジェン・スタッフ、他の関係者の誰にとっても、同じくらいの距離にあって行きやすい場所でなければなりません。
 さらに雨や強い日差し、暴力、武力攻撃などから対象者を守るために、適切な建物がなければなりません。配布作業を円滑に平和的に完了するには、場所の安全が一番重要なのです。
 ジェンは垂れ幕やパンフレットや看板を配置したり、配布作業中混雑を整理するための警官の派遣を政府に要請したりします。

 配布時間もまた大切な要素です。夕方暗くなる前に配布作業が終わらなければなりません。
 さらに、対象者の登録や、配布引換券・支援パックの配布作業に関して透明性を確保することは、ジェンや対象者、他の関係者の間の対立や不信を招かないために最も重要です。
 災害対策本部や地方政府、軍を含めた関係者との積極的な協力関係が、行き違いを減らし、活動をスムーズに実施するのに大変役に立ちます。

 相互信頼の構築や今後の改善のため、配布完了後には事務所で評価ミーティングも行います。



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10月 16, 2014 国内避難民支援, 支援物資配布, 緊急支援 |

2014年9月 4日 (木)

コハートにおける国内避難民支援

 連邦直轄部族地域(FATA) にて2009年に始まった紛争により、アフガニスタンとの国境に近いオラクザイ管区やクラム管区から大量の避難民が発生しました。現在までに、FATA内の多くの区域においてパキスタン軍による武装勢力掃討作戦が完了し、住民が避難先からの帰還を果たしました。

 しかし、いまだに何千もの国内難民世帯が、ハイバル・パフトゥンハー州のコハートやデラ・イスマイル・カーン、ハングーやペシャワールなどで避難生活を強いられています。

FATAの災害対策本部(FDMA)は、オラクザイ管区出身の国内避難民たちの帰還プロセスを2014年9月に開始する予定である、と発表しました。これを受け、ジェンはUNOCHAの協力のもと、コハートに避難している1000世帯を対象に支援を実施することを決めました。

支援内容は、折り畳みベッド、屋根用のプラスチックシートとロープ、安全な飲み水を運び保存する為のポリ容器、電力供給のない時でも使用できるソーラーランプや、カーペット・マットレスとして使用できるプラスチックのマットなどが含まれている支援パックの配布です。帰還を見据え、持ち運びしやすいものを選んでいます。

対象地域として、ジェンはジャルマとシャプールという2郡を選定しました。不安定な治安状況などによって、予定期間内での配布は困難かと思われましたが、できる限りの努力をし、1000世帯すべてに配布を完了することができました。 対象となったコミュニティはジェンダーに関して非常に保守的でしたが、外に出てきにくい女性のニーズにこたえるため、ジェンは女性スタッフによる対象地域訪問を計画しました。理解を得るため、活動の最初から長老たちなどの有力者と話し合いを重ね、最終的に女性スタッフが事業地を訪ねることに許可をいただくことができました。

配布対象者の選定前には、対象となるコミュニティとグループ討議を行い、支援目的や選定条件などについて、細かく話し合いました。こうすることにより、対象地域の人々が事業の目的を理解し、活動中の問題が起きにくくなることが期待できるのです。

配布は3回に分けて行われ、シャプールで373個、ジェルマで627個の支援パックが配布されました。受け取った人々は、シェルター、水、電灯など、最低限必要だったものを受け取ることができてよかった、と話していました。

これらの生活品は簡単に運べて、出身地に持ち帰り、使い続けることが可能なため、帰還後の再定住促進にも貢献することが期待されます。

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9月 4, 2014 国内避難民支援, 支援物資配布 |

2014年6月26日 (木)

新たな避難民の発生

 北ワジリスタン管区は、パキスタン北西部のアフガン国境に接している面積約11,585mの山岳地帯です。1998年パキスタン政府の国勢調査によると、当時の人口は361,246人でした。

 最近、パキスタン政府は同管区を拠点としている反政府武装勢力に対し、掃討作戦を開始しました。これによって、少なくとも約10万人の避難民が故郷から隣接するハイバル・パフトゥンハー州各地に避難せざるを得ない状況に陥り、大半は同州のバンヌ県に避難しました。

 現時点では、パキスタン政府による国際支援の要請がされていないため、国連機関による避難民登録はまだ行われていません。パキスタン政府による避難民の登録は幾つかの北ワジリスタン管区の出入口で行われており、これらの登録の際には同時に子どもへのポリオワクチン接種も実施されています。

 政府はバンヌ県のバッカ・ケルとカシュー橋に二つのキャンプを設立しました。しかしながら、安全面への不安や文化的にセンシティブな地域であることから、多くの避難民がキャンプに移ることに抵抗感を示しています。現在、北ワジリスタンの避難民世帯の数は約1万世帯(平均13.5人/世帯)と想定されていますが、最終的には避難民の数が20万人に上ることが予想されています。

 パキスタン政府の計画では、全ての避難民世帯に食費として7000ルピー(約7210円)と、生活用品費として5000ルピー(約5150円)、そして6月末から始まるラマダーン時期用の物資を渡すことになっています。政府はこれらの現金支援と配布に関し軍隊の協力を得る予定で、その間に、銀行口座、ATMカードやSIMカードなどの準備も進めていくことになっています。

 今回新たに発生した国内避難民の人々は、現在全く人道支援を受けておらず、自らの資産や親族に頼らざるを得ない状況です。これらの人々へ支援を実施する際の最も大きな課題はアクセスであり、現地当局には支援が入りやすくなるような対策が求められています。



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6月 26, 2014 国内避難民支援, 支援物資配布 |

2013年11月 7日 (木)

JENを覚えていてくれた男性

 私たちパキスタン人は、数年前に数千人の死者を出し、インフラを破壊した二つの大地震をまだ鮮明に覚えています。JENは両方の地震に関して人道支援に出動し、コミュニティをサポートしてきました。最初の地震は2005年にカシミール地方で起こり、JENは3年間被災地で支援を実施しました。二番目の地震は2008年にバロチスタン州のジアラットで起こりました。これら2つの地震には似た点があります。両方とも冬がくる直前に、そしてアクセスが非常に難しく冬には必ず雪が降る山岳地地帯で発生したことです。

 どちらの被災地でも、JENは何千人もの避難民に支援を提供したので、様々な出会いが有りました。中でも、以下のエピソードは特にJENのメンバーとして働くことに関し、誇りを持たせてくれるものでした。

 ジャラットさんはジアラットのカッチ地区の貧しい農民です。彼の住まいは2008年の地震によって完全に破壊されました。ジャラットさんには90歳の母と、妻と子どもがいます。地震発生後、JENが冬用テント、衛生キット、キッチンセット、そしてがれき処理キットを提供する前は、弟の部屋を借りて暮らしていました。JENは長期間利用するテントの設置をサポートし、設置完了後、ジャラットさんはすぐ家族と一緒にテントに移りました。その後JENは支援活動の終了とともに、同州の事務所を閉じました。

 先日、数年ぶりにJENスタッフが調査のため同地区を訪問した際、道端にいたジャラットさんに偶然会いました。ジャラットさんはテントをどのように使用しているか私たちに見せるため、私たちを家に招待してくれました。

 中に入った私たちは、5年前に提供したテントがまだ建っていて、そしてジャラットさん一家が住み続けていることに大変驚きました。ジャラットさんは更にほかの複数の家族とテントを共有していることも教えてくれました。震災後、ジャラットさんは自分の家を建てたそうですが、まだ夜はテントで子ども達と寝ているそうです。その理由を尋ねると、彼は分からないと答えました。もしかするとジャラットさんはまだ地震の時のトラウマを抱えていて、大きな屋根の下で寝ることに不安を感じるのかも知れません。

 

 
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 今回ジャラットさんと再会し、話を聞いたことで、私たちはJENの支援を誇りに感じました。その理由は次の4点です。

1.被災者支援の成功を確認できました。
2.支援を届けた相手の喜びを確認できました。
3.支援を実施した際、期待していた結果(テントの正しい持続的な使用)を確認できました。
4.支援を届けた相手が、今もなおJENに対して温かい気持ちを持ってくれていることも確認できました。

イスラマバード事務所長 アズマット・アリ




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11月 7, 2013 事務所・スタッフ, 支援物資配布 |

2009年8月20日 (木)

帰還の先に

スワート県から戦闘を逃れてきた国内避難民は、避難民キャンプやホストファミリーの家で暮らしている間、それぞれ人道支援団体から緊急救援物資を受け取り暮らしていました。スワート県の一部地域の安全が確認された現在、その地域の人々は故郷へと帰還を続けています。

先日、スワート県へ帰る人びとに話を聞く機会がありました。ある男性は、JENのスタッフに次のように話してくれました。

「私たちが厳しい状況に直面し、助けを必要としていた時、多くの団体が私たちを支えてくれました。物資の支援は、私たちが本当に必要としているものを満たしてくれてとても助かりました。そして今、私たちは希望を持って故郷に帰ることができます。

 しかし一方で、故郷では、家や学校、病院、水道など、戦闘によって破壊されている場所もあるのが現実です。子どもたちが勉強する場所も不足しています。校舎が壊れてしまった学校の一部では、軍によって供給された、一時的に校舎の代わりになるテントがあるだけです。

 山岳地帯であるスワートの冬がもうすぐ始まろうとしています。戦闘によるトラウマは勉強にも影響が出そうですが、子どもたちが再び学校で元気に学べる日を願っています」

8月 20, 2009 支援物資配布, 緊急支援 |

2009年7月30日 (木)

交通渋滞

 国内避難民の人びとの一部は、故郷での安全がある程度確認された後、故郷へ帰り始めています。毎日、何台もの車やバス、トラックがスワート県に向かって走っています。家畜を連れて帰郷する人びとは、トラックを借りて家畜を運んでいます。

Traffic_jam1_2  このように帰郷する人々で、ジェンが事業を実施している地区に続くマラカンドへの主要道路は、毎日交通渋滞が絶えません。渋滞が何時間も続くことすらあります。ジェンでも、調査や支援物資配布が遅れてしまうことがあります。しかし、毎回暗くなるまでには仕事を終わらせ、約75キロ離れたスワビ県の事務所に帰っています。

 真夏の7月でも、毛布をかけて寝る必要があるほど涼しいスワート県やブネール県の北で暮らしてきた人々にとって、マルダン県やスワビ県の暑い夏はとても過酷なものでした。彼らは、故郷では、新鮮できれいな湧き水を飲んで暮らしていました。ところが、避難先では、政府が所有する貯水池から給水車が運んでくる水を飲まざるを得ない状況でした。避難民の中には、スワビ県やマルダン県の厳しい気候に適応するのが難しく、肌に炎症を起こしている子どもたちもいました。

 渋滞は困ったのものですが、彼らの避難所での厳しい生活がようやく終わったのです。

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7月 30, 2009 支援物資配布, 文化、生活、習慣, 緊急支援 |

2009年7月23日 (木)

故郷への帰還

090723_idp_return_2_resize  パキスタン政府と軍が、スワートの一部安定した地域への、国内避難民の帰還を宣言しました。宣言後間もなく、多くの家族が一斉に荷造りを始め、車の手配など帰還の準備に取り掛かりました。避難民キャンプに住む人々に対しては、政府がバスやトラックなどを用意しました。他方、避難民キャンプの外で暮らす多くの人々は、自ら公共交通機関を手配し、出来るだけすぐに帰れる準備を整えています。中には、帰還したい気持ちを抑えきれず、治安の心配からまだ帰還が認められていない地域へ帰ろうとする人もいます。

 スワートにいる軍関係者は、帰還に安全が確保できなそうな地域では、マルダン県やスワビ県に多くの家族を戻すこともしています。地域の安全性を鑑みて、政府は帰還政策を決定しているようですが、危険で不安定な地域への帰還は、未だ認められていません。これらの地域に故郷のある人々は、帰還の日がくるのを切に待ちわびています。090723_idp_return_3_resize

 JENは、ホストファミリーの家や学校で暮らすキャンプ外の国内避難民に対して支援を行っています。ある日スタッフが、学校で暮らす家族のもとを訪れました時のことです。3週間前にJENが支援物資を配布したこの家族は、帰還の準備を整えているところでした。子ども、お年寄り、女性、みんなの顔に笑顔があふれていました。

090723_idp_return_resize  一方、JENの支援地域では、まだ多くの人々が帰還できないままです。多くの家族は、一時的な避難生活に必要な備品を十分持ちあわせていませんでした。台所用品、ベッド、衛生用品等、不足しているものばかりでした。JENの支援によって、ようやく学校の教室やホストファミリーの家で、生活を送れるようになったと言う家族もいます。

 将来のことは、誰にもわかりません。しかし、故郷でいつも通りの暮らしができることを誰もが願っているのです。

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7月 23, 2009 支援物資配布, 緊急支援 |

2009年7月16日 (木)

来春への希望

 去年の春先、スワートに住む誰もが、大きな災難がこれから自分たちに襲い掛かるとは思ってもいませんでした。農民たちはみな農地を耕し、小麦やタマネギを育てる準備をしていたのです。小麦はこの地域の主要作物であり、またスワートは早春に花を咲かせる桃の産地でもあります。

 JENパキスタンスタッフと話をした人々はみな、口を揃えてこう言いました。
 
「去年の春は農業にとって理想的でした。春から初夏にかけて、ほどよく雨が降り、作物や果物の収穫にとっての条件が整っていました。作物が豊かに実ればお金を蓄えることができ、そのお金で、古い家を修理したり、子どもの教育や、娘の結婚、家族の治療費に当てることが出来るだろう」

 このような期待を抱いて農民たちは暮らしていたのです。

 しかし、不幸なことに、この地域での戦闘により、そのどの願いも叶えられることはありませんでした。農民たちの作物や果物は熟していましたが、それらを収穫する人はいなかったのです。農民の多くは家を逃れ、村から遠く離れたところで生活しています。

しかし、彼らはこうも続けます。

「今ではもう腐ってしまった作物のことを考えるたびに、悔しい思いがします。しかし、また次の春がやってきて、畑で汗を流せると思うととてもうれしい気持ちになります」

 故郷では、彼らにとっての新しい生活が待っているのです。

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7月 16, 2009 支援物資配布, 緊急支援 |

2009年7月 9日 (木)

スワートからの家族との出来事

090709_swat_family_2_low  多くの国内避難民が暮らすマルダン県やスワビ県で支援活動をしていると、度々悲しい話を耳にします。ここでは多くの家族が、食べものや水、基本的な生活用品や衛生設備が足りていない状況で暮らしています。
先週、JENパキスタンのスタッフは、ニーズ調査の過程で10人の子どもをもつ女性が避難している家を訪ねました。

 スタッフが家の中へ入ると、子どもたちは泣いたり、けんかをしていました。その理由は、子どもたちもその母親も、前の日の晩からその日の朝まで食事を取っていなかったからでした。

 こういった話は、他の国々で起こっていると聞いたことはありましたが、自国パキスタンで同様の状況を目の当たりにし、胸が痛くなりました。というのも、パキスタンは、農業の栄える肥沃な土地として名を馳せていると思っていたからです。

 キッチンを見渡しましたが、そこには食べ物がありませんでした。ただ、空っぽのコップと、生ぬるい水の入った古いポットがあるだけでした。子どもたちは食べ物を求めて泣いていましたが、母親はどうすることも出来ないようでした。家にはベッドと古びたマットがいくつかあるだけだったのです。

 国内避難民の中には、政府に避難民登録が出来ていない家族が多くいます。この家族もまた、登録を出来ずにいました。登録所に行くことのできる男性もいなければ、子どもたちもまだ小さいため、長く時間のかかる登録所での登録は行えないからです。

 JENは国内避難民を対象に、緊急支援として生活支援物資を配布し、状況改善に努めています。食料に関しては、他の団体がすべての国内避難民を対象に配布を行っています。しかしながら、こういった緊急支援では100%すべての人々に届けることは不可能といわざるを得ません。090709_swat_family3_low 

 JENパキスタンスタッフは、事務所に戻り、この出来事について話し合いました。そして翌日、スタッフは、生活支援物資とともに、自分たちのお金を出し合って買った食料やおもちゃも一緒に、その家族へ届けました。

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7月 9, 2009 支援物資配布, 緊急支援 |

2009年7月 2日 (木)

同じ太陽の影で

090702_20090618_jpf_assessment_swab  スワビ県パンジュビル地区でニーズ調査のため、JENスタッフがある家を訪れ、女性に面会していた時のことです。老人が部屋に入ってきて、気分が悪そうにしていました。「どうしたのですか?」とスタッフが尋ねると、彼はこう答えてくれました。

 「国内避難民の登録所に来るのは今日が二度目なのです。食料や支援物資を受けるためには、家族の登録を行わなくてはいけません。そのため登録所へ向かったが、登録所では何千人もの人が長い列を作って順番を待っていました。お年寄りや女性にとって、太陽がジリジリと照り付ける中、何時間も自分の順番を待つことはとても大変なことなのです。どれだけ待っても自分の番がこないこともあります。
 一滴の雨もなく、異常なまでに暑い。多くの人がこの暑さに耐え切れず、意識を失う人もいます」

 彼らの多くは、スワート、ブネール、カラムなど比較的涼しい地域の出身者です。この地域の夏はとても過ごしやすく、またピクニックコースも豊富なため、夏休みにはたくさんの観光客が訪れます。

 老人は続けました。
 「同じ太陽の下で、スワートでは何時間働いても暑いと感じたことはなかったのです。しかし、今は環境の違いを感じます。食べものも、ベッドも、フライパンも不足しているし、新鮮な湧き水もないのです。そして同じ太陽とは思えないくらい暑いのです。
 私は、この先、(避難民の)登録を済ませることも、政府や関係機関から支援を受けることもないでしょう」

 JENのスタッフは、政府登録の有無に関わらず、彼の家族に生活物資を届けたいと思いました。

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7月 2, 2009 支援物資配布, 緊急支援 |

2009年6月25日 (木)

スワートの勇敢な女性

090625_brave_lady_of_swat1_low  私はフィールドアシスタントの一人として、先週からJENでの仕事を始めました。

 スワビ出身の私は、以前は現地機関で働いていました。JENでの仕事は、コミュニティの人々と直接話をすることで、彼らの抱える問題を直に知ることができるので、とてもやりがいがあることだと感じています。

 JENが支援を開始したマルダン県ナライ地区で、私は国内避難民の家族が暮らす学校を訪ねました。生活環境は、日に日に悪化しているため、避難先で生活する人のなかには、そこに訪れた私たちJENスタッフをみて、まるで天使のようだという人々もいました。また、私は、ナライ地区で家族を支える一人の女性にも出会いました。

 彼女は、7人の子どもをもつ一方、夫は障がいを抱えているため十分な稼ぎがないことを打ち明けてくれました。かつて彼女たちは、紛争の中心地であるスワートでお店を営んでいましたが、この唯一の収入源だったお店から今は遠く離れ、国内避難民となった彼女らの生活を支える収入はありませんでした。090625_brave_lady_of_swat2_low

 しかし、その女性は一方で、マルダン県に来て、嬉しい経験も話してくれました。

「避難民としての生活が厳しくなる中、私は家族のために何かしなくてはと思い立ったものの、何をしたらいいか分からずにいました。そこで、近所の人々に相談をしてみました。

ある女性が私に、女性用の服を縫うことはできるか、と尋ねたので、私は、もちろん、と答えました。マルダンでホストファミリーと暮らすその女性は、何処からか調達したミシンと糸、そして針を私にくれました。私は近所に住む女性のために服を作り始め、お金を得ることができました。

すると、ほかの村の女性たちからも服作りの依頼があり、今では家族のための食料も、夫のための薬も買うことができています。すべては、私を助けてくれた近所に住む人々の優しさのおかげです。彼らの支えなしには、自分の技術を活かし、稼ぎを得ることはできなかったでしょう」

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6月 25, 2009 支援物資配布, 緊急支援 |

2009年6月11日 (木)

緊急支援に向けて

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 6月4日、多くの支援者の皆さま、そしてジャパン・プラットフォームの協力を得て、パキスタン北西辺境州で発生している多くの国内避難民のための、緊急支援を開始しました。

 対象となる地域は、マルダン県とスワビ県です。約1,200世帯を対象に、テントやキッチンセット、衛生キット、蚊帳など、生活用品の物資を配布する予定です。

 JENにとって今回の支援は、パキスタンで行う3回目の緊急支援事業となりました。これまでの経験を大いに活かしてゆくことができる一方で、拠点となる場所の選定や一緒に働くスタッフのリクルートなど、一連の準備にはこれまで同様、慎調に行っています。

 現在、首都イスラマバードのJENオフィスでは、国内避難民に配布する物資の調達をはじめています。物資が揃うまでの間、現地スタッフは、事業地の行政官や社会福祉団体とコンタクトと調整をし、さらに、物資配布をサポートしてもらう新たなスタッフの確保に努めています。と同時に、現地の調整会議に参加して情報収集も行っています。

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 1日も早く被災者に支援の手を届けられるよう、スタッフ一同、事業の立ち上げに全力で取り組んでいます。

写真①:配布予定の生活支援物資の一部
写真②:業者倉庫での検品の様子

********************* 皆さまの、ご支援をよろしくお願いいたします。 現地の状況は、こちらまで ご寄付は、こちらまで その他、お問い合わせは、電話:03-5225-9352 または、info@jen-npo.orgまで *********************

6月 11, 2009 支援物資配布, 緊急支援 |

2009年6月 4日 (木)

北西辺境州での国内避難民への緊急支援がはじまりました

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アフガニスタンとの国境近く、北西辺境州にて避難生活を送る

国内避難民を対象に、生活用品の配布を含む緊急支援を始めました。

皆さまの、ご支援をよろしくお願いいたします。

現地の状況は、こちらまで

ご寄付は、こちらまで

その他、お問い合わせは、電話:03-5225-9352 または、info@jen-npo.orgまで

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6月 4, 2009 支援物資配布, 緊急支援 |

2008年12月25日 (木)

2008年パキスタン支援を振り返って

2008年も残すところ、あとわずかとなりました。本年も皆さまの温かいご支援により、パキスタン現地での支援活動を実施することができました。

本年はハベリ群での教育環境改善支援を中心に活動しました。具体的には、地震で壊れた学校再建・建設と、学校の生徒・先生、そして地域住民の皆さんを対象とした防災教育・衛生教育を行いました。また10月末にバロチスタン州にて発生した地震の被災者に対して、緊急支援活動を11月上旬より開始しました。間近に迫った厳しい冬を被災者の皆さまが乗り越えられるよう、越冬用テントや生活用品、家屋再建のための道具などの配布を行いしました。現在も、現地の人びとが今後自分たちの手で、自分たちの生活を再建できる基礎づくりの支援を継続して行っています。

2009年はバロチスタン州での地震被災者支援を中心に活動していく予定です。引き続き、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。 ご寄付はこちらまで クレジットカードによる寄付

12月 25, 2008 パキスタン地震 緊急支援, 事務所・スタッフ, 支援物資配布 |

2008年11月13日 (木)

地震から3年を経て

131108img_3946_low1jpeg 3年前に緊急支援物資を配布した村を訪問しました。

 政府主導による耐震構造家屋の配布支援が軌道にのり、また、ジェンにより繰り返し行っている地震教育や衛生教育などのワークショップも人びとに知識として浸透しはじめています。

 地震から3年を経て、この村に、「天からの戒め」という誤った解釈をする人はいなくなったと言います。皆、地震のメカニズムを正しく理解している様子でした。しかし、時折この地方を襲う落雷や強風が、人びとに地震の恐怖を思い起こさせることを知りました。電気の供給も十分でない孤立した山間地で自給自足の生活を営む小さなコミュニティに生きる人びとの声に、地震への恐怖がどれほどだったかを知らされる事になりました。

131108img_4022_low1jpeg_2  訪れた家庭では、緊急支援物資として配布したジェラルミンの衣装箱が、居間や寝室に整然と並んでいました。配布した鍋も、すっぽりと食器棚に並び、日々の食事の準備に欠かせないキッチン道具として重宝されています。

 人びとは異口同音に、「地震によって一瞬のうちに家や家財道具、家畜など、すべてを失ってしまいました。しかし、生活を再スタートする道具を得たお陰で、生活基盤の建て直しの大きな一歩になりました」と語っていました。131108img_3905_low1jpeg_3

(写真上:地震前に建っていた家に、耐震構造建築の家を増築した受益者)
(写真中:ジェラルミンの箱を今も大切に使っている受益者)
(写真下:戸棚にはジェンが配布した鍋が)

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バロチスタン地震による被災者への、緊急支援をスタートしました。

皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。 ご寄付はこちらまで クレジットカードによる寄付 

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11月 13, 2008 パキスタン地震 緊急支援, 支援物資配布 |

2006年1月19日 (木)

日本から暖かい毛布が届きました

1  『アフリカへ毛布をおくる運動』の皆さまから送っていただいた5,000枚の毛布の配布作業が始まりました。

 まず、12月28日からバーグのハベリ地区(ダラカス村、シーバム村、チャクヤス村、ダラパイン村)の96世帯(約960枚)に配布しました。2

 日本からの毛布と言うことで、品質の良い暖かな品が届くことは予想していたのですが、皆さまからメッセージが一枚一枚に縫い付けられているとは、スタッフも村の人々も考えていませんでした。メッセージと共に、愛らしいカラフルなイラストが目を引きます。受け取った子どもたちは、早くも毛布を広げ、異なるイラストを比べ合い、メッセージとイラストを描いてくれた日本の人々に思いを馳せていました。』

 心まで温まるご支援、どうもありがとうございます。

 日本からパキスタンへの輸送は日本郵船株式会社様のご支援を得て、パキスタン国内輸送と毛布の配布はジャパン・プラットフォームの資金協力のもと、毛布配布が実現しました。

アサヒコム「国際支援の現場から」 好評連載中!

JENは今回の地震被災者支援のため、緊急募金を受付けています。みなさまのご理解、ご協力をお願い致します。

郵便振替口座番号:00170−2−538657  口座名義:JEN
※通信欄に「パキスタン」とご明記ください。

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1月 19, 2006 市民の皆さまからのご支援, 支援物資配布 | | コメント (0)

2005年12月 8日 (木)

助け合いの精神

20051109_239  ある日トラック7台分にもなる長い配布作業を終えて、夕暮れの中で片付けをしていたとき、傍で佇んでいたおばあさんが、何ももらえなかった、と泣きながら歩いていました。

 JENの配布事業では、支援物資を受け取る人のリスト作成を村人に依頼します。このリストには家族構成、ID番号などが記載されており、同じ人が二重に支援物資を受け取らないようにリストに沿って配布を行います。

 なぜおばあさんが物資を受け取れなかったのか確認したところ、彼女は違う村から来ていた、とのことでした。JENは村ごとに配布を行っているため、おばあさんはその日に物資を受け取ることができなかったのです。

 残念ながら、何もあげることが出来ない、と伝えようとしたところ、村人の1人が、持っていた毛布を1枚差し出しました。すると、周囲にいた村人達も、誰とはなしに生活用品やお金を持ち寄って渡し始めました。おばあさんはしわくちゃの顔をもっとしわくちゃにして、涙しながら自分の村へと戻っていきました。

 おばあさんに生活用品やお金を渡したどの村人も、震災で家が壊れ、自分の生活だけでも大変なはず。それでも、困っている人に手を差し伸べようとする助け合いの精神が、被災地バーグでも生きています。

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JENは今回の地震被災者支援のため、緊急募金を受付けています。みなさまのご理解、ご協力をお願い致します。

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12月 8, 2005 パキスタン地震 緊急支援, 支援物資配布 | | コメント (0)

2005年11月17日 (木)

トラック野郎魂

IOMJEN  JENが現在配布しているテント、毛布は、イスラマバードからバーグまで大型トラックで輸送しています。

 パキスタンのトラックには、非常に精巧なデザインが施されおり、それぞれテーマを持ち、緑の山々、財宝、またある車両はビキニの女性(イスラム圏で許容されるのか?)等様々。他にもフラッシュライトや回転盤、鳴子の役割を果たす鎖等、どれをとっても手が込んでおり、見ていて飽きません。
 塗装の一部に、デザイナーの名前と携帯番号がちゃっかり書いてあり、良い作品=最高の広告になっています。

 トラック野郎のこだわりは万国共通のもの。  そんなトラックが、JENの緊急支援物資を支えています。

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11月 17, 2005 パキスタン地震 緊急支援, 支援物資配布 | | コメント (0)

2005年11月 3日 (木)

パキスタンから一時帰国中の後藤がNHKに出演!

3  地震発生直後にパキスタン入りし、現地で支援活動を行なった後藤秀孝(ごとうひでたか)が、NHK衛星第1放送「News Today Asia」で、現地の最新状況とJENの活動についてご報告します。


■番組名:「News Today Asia
■放送日時:
日本国内 11月5日(土)早朝4時40~55分(日本時間)
海外向け  11月4日(木)午後21時45分~22時(日本時間)
■放送チャンネル:NHK衛星第1

※番組の都合により放送時間が変更になる可能性があります

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1  JENが支援活動を行なうバーグ(Bagh)は、食糧や毛布は政府、軍、現地のNGOから支給があり、また市場も少しずつですが再開しつつあります。しかし、気温が下がり山岳部では雪も降り始めており、厳しい冬を前に人々の中で不安が広がっています。

 JENはこれまでに約500世帯にテントと毛布の配布を行いました。厳しい冬が訪れる前にさらに1,500世帯にテントと毛布を、そして計2,000世帯に生活必需品も配布する予定です。

 JENは今回の地震被災者支援のため、緊急募金の受付けています。みなさまのご理解、ご協力をお願い致します。

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11月 3, 2005 パキスタン地震 緊急支援, 支援物資配布 | | コメント (0)