2021年7月13日 (火)

ハイバル・パフトゥンハー(KP)州の害虫被害支援事業の完了

ハイバル・パフトゥンハー州(※以降、表記はKP州)の害虫被害の最も影響を受けた2県の農家の人びとに対するに対する害虫駆除・監視・管理を中心とした生計基盤支援の報告です。

KP州およびシンド州のそれぞれ1県(D I Khan/タールパーカー県)において、深刻な害虫の被害にあった農家の人びと(68の世帯:476)に対して、バッタ駆除グループ(LCG: Locust Control Group)を形成の上、緊急支援物資として、害虫駆除用の必要資材(殺虫剤の噴霧機材、防御用品(マスク、手袋、眼鏡、帽子))の配布し、現場での害虫駆除訓練を実施しました。

合わせて、各県の農業局のバッタ制御室とLCGメンバーの連携を促し、今後のバッタ襲来に備えて、農業局バッタ早期警戒メカニズムの立ち上げ及び監視・制御の仕組み強化しました。

さらに、対象4,680世帯(32,760)の家畜農家の人びとに対して、緊急対応としての家畜の飼料、寄生虫の駆虫薬及び予防接種を行いました。家畜の健康管理啓発セッションの開催を通して、関連する家畜育成の知識を提供することで、食糧危機に直結する飼料不足の状態の緩和をサポートしました。駆虫処置や予防接種用の機器は、おおよそ12世帯ごとのグループリーダーに1つずつ供与された(管理を含む)ため、今後も家畜農家のために、活用が可能になります。

この害虫被害の影響を受けた農家の人びとを対象に行っていた事業は20215月に完了いたしました。

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家畜の健康管理啓発セッションで真剣に話を聞く家畜農家の人びと

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家畜への駆虫処置と予防接種の様子

※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

7月 13, 2021 生計基盤支援事業 |

2021年6月18日 (金)

事業参加者の声 – ハイバル・パフトゥンハー州D I カーン県 –

カマール・アドゥ・ディン(Qamar-ud-Din)さんは55歳で、4人の子供がいます。彼は4年前に遭った交通事故で障害が残り、今は動くことができません。彼は、彼の給料が我が家の家族のための唯一の収入源であると言いました。彼の村はD.I.カーンの主要都市から非常に遠く、適切な道路インフラがなく交通は不便です。何か収入になるものを得るために、毎日主要都市に出かけることは彼にとって本当に大変なことでした。現在、彼の生計は完全に家畜に依存していますが、深刻なバッタ襲撃のために家畜の放牧用飼料を奪われました。家畜は飼料不足のために弱っていますが、彼には売っている飼料を買う余裕がありません。

このように、JENの事前調査で、カマールさんの生活はかなり過酷な状況であることがわかりました。JENチームは彼の牛に飼料を提供し、近い将来ワクチン接種と駆虫を行う予定です。

カマールさんは、「私の家族と私のコミュニティを代表して、私たちの家畜に飼料を提供してくれた日本政府、日本の皆様、そしてJENの人道支援活動に感謝しています。」と述べました。さらに「将来のバッタ襲撃に対処するためにコミュニティメンバーの訓練をすることで、私たちの農業と家畜の安全が守られます」と話してくれました。

6月 18, 2021 生計基盤支援事業 |