2022年12月15日 (木)

シンド州ダドゥ郡で洪水被災者緊急支援を実施しています。

パキスタンで中部や南部を中心に広範囲に発生した洪水により90もの郡に被害が及び、3,300万人以上が被災しています。2022年6月以降のモンスーンによる異常な豪雨が原因です。死傷者は、14,606人(死者1,739人、負傷者12,867人)とされ、228万戸以上の家屋が全半壊しています。また、低所得の家畜農家の経済的な生命線であるにも関わらず、116万頭以上の家畜が死亡しました。1万3千キロ以上の道路と、439の橋が被害にあっています(パキスタン国家災害管理局・11月18日付)。

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洪水の水で覆われる被災地域(シンド州ダドゥ郡)

特に、シンド州の洪水被災者は、深刻な食糧危機に陥っています。調査では、シンド州で被災した回答者の90% が、家族に十分な食料を供給できない状況にあると分かりました。 

ジェンのパキスタン事務所は、ピースウィンズ・ジャパン様と提携し、最も被害の大きいシンド州の中でも特に支援が行き届いていない郡の一つ、ダドゥで緊急支援を実施します。合計2,538世帯に、食糧パッケージ1カ月分を配付します。また、被災地では既に、蚊が媒介する伝染病や水を原因とする病気などへの懸念が高まっているため石鹸、蚊帳等を合わせて配付する予定です。

先日事業開始後の現地訪問(11月下旬)で、村全体が洪水で流されたダドゥ郡の被災地「パリヤ」町を訪れました。平均60センチ程、家が水に覆われているものの、一部の場所では道路にアクセスできるようになりました。写真(下)の男性や他の村人たちは、水が引いたので最近戻ってきました。家屋の瓦礫を集め、自分たちの手で再建を始めています。家だけでなく、作物やその他の資産も破壊され、復旧にはこれから長い時間がかかると思われます。

引き続き皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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調査で訪問した村の様子。積みあがっているのは集めて再利用するという家のがれき。

12月 15, 2022 支援物資配布緊急支援洪水被災者支援食糧配布 |

2015年7月30日 (木)

洪水と備え

 パキスタンでは、4月~5月がプレ・モンスーン、6月~8月がモンスーンの季節です。今年も、このプレ・モンスーンとモンスーンの大雨がパキスタンを襲い、各地に洪水をもたらしました。被害は23県に及び、死者81人、負傷者45人、損壊家屋1,921戸、172,016人の人々がより安全な場所に避難し、全部で793の村が被害を受けました(出典:パキスタン災害対策本部の状況報告。2015年7月28日時点)。

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 ハイバル・パフトゥンハー州ではチットラル地区とパンジャブ州の6つの地区が最も大きな被害を受け、シンド州では数日内に洪水が起きる可能性があります。パキスタンの気象庁は、来週さらに雨が降ると予報しています。

 避難所の設置やその他の緊急対応がスタートし、中央および州政府が努力を続けています。パキスタン軍は被災地域で人々の救助や避難のための活動に従事しています。
毎年パキスタンのさまざまな地域が洪水に見舞われているので、被害にあった人々を助けるために巨額の資金が使われているのは止むを得ないことですが、もしコミュニティーの災害からの回復力を増すための対策が取られれば、被害を減らすことができるでしょう。

 これに関しては、政府や多くの国際・国内NGOが防災研修を行っていますが、より大きなコミュニティーのインフラ開発を支援しつつ、このような研修の規模を拡大する必要があります。
 それは基本的には政府の責任であり、実際、政府(特に、国家災害対策本部)が今後の災害に対処するための計画を立てていますが、必要とされるインフラ整備やコミュニティーでの訓練が追いつかないのが現状です。
 そこで、防災のための専門知識や能力を持ったさまざまな組織による支援が重要となります。

 人道支援組織や緊急支援組織は、コミュニティーの防災意識を高めるための効果的で重要な役割を担うことができます。それにより、中央と地方政府の負担を減らすこと、人々の苦しみを最小限にすることができるでしょう。

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7月 30, 2015 洪水被災者支援 |

2015年4月 9日 (木)

パンジャブ州洪水被災者の今

 今年3月の終わりに、JENの現場チームはパンジャブ州南部のムザファ・ガー県を訪れました。昨年12月から今年1月上旬にかけて行った、洪水被災者の方への緊急物資配布後のモニタリングを行うためです。

 モニタリングでは、そのプロジェクトの対象となった被災者の方々が、受け取った物資を十分に活用していることが確認できました。

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 訪問の際に見られた対象地域の前向きな変化は、小麦が収穫できるまでに育っていたことでした。被災者の人たちは小麦を十分に育てられることを願っていたため、このことを、喜んでいました。小麦が育てば、次のシーズンまでパンが作れるからです。

 被災者の方々は、去年洪水が家や収穫前の水田に深刻な打撃を与えた厳しい状況の下で、小麦の種をまいたのでした。今回の訪問の際には、これらの人々は春の陽気を楽しみ、「雄牛レース」などの地域行事に熱中していました。

 しかし、JENのチームは、これらの被災者の生活にはまだまだ課題があることにも気づきました。もっとも深刻な問題は、家屋の再建が遅れていることや、晩冬の激しい雨により再び洪水が起こる危険があることです。被災者はほとんど自分たちで手に入れた材料を使って未だに家を建て直している最中で、そのスピードはとても遅いのです。

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 パキスタンは、気候変動に最も影響されやすい国の1つに挙げられています。ここ数年のパキスタンにおける洪水は非常に恐ろしいもので、2010年~2014年にかけては毎年、人命、家畜、収穫前の穀物、インフラや公共資産に深刻な打撃を与えてきました。

 今こそ政府と人道支援機関は従来の発想にとらわれずに、災害が起きてから対応するだけではなく、むしろ、災害管理における長期的な開発計画を立てるべきです。そうすることによって、毎年の洪水による被災リスクを軽減し、積極的かつ適切な人道支援が期待できるようになるはずです。



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4月 9, 2015 洪水被災者支援 |