【パキスタンでのJEN支援地域-2014年時点】
パキスタンでは武装勢力の掃討作戦が展開されたことにより避難を余儀なくされていた多くの人びとが、少しずつ故郷にもどっています。今回は支援対象地域の経緯と今後の見通しについてお知らせします。
連邦直轄部族地域(FATA: Federally Administered Tribal Area)はパキスタンの北西部に位置しています。地理的にFATAはバジャウル管区、モフマンド管区、ハイバル管区、オラクザイ管区、クラム管区、北ワジリスタン管区、南ワジリスタン管区の7つの管区と、ペシャワール辺境地方、コハート辺境地方、バンヌー辺境地方、ラッキ・マルワト辺境地方、タンク辺境地方、デラ・イスマイル・カーン辺境地方の6つの辺境地方からなります。
FATAはパキスタン連邦政府に辺境犯罪条例(FCR: the Frontier Crimes Regulations)と呼ばれる特殊な一連の法によって直轄されています。それぞれの管区の行政上代表者は政治駐在官(ポリティカル・エージェント:Political Agent)と呼ばれ、パキスタン大統領、ハイバル・パフトゥンハー州の州知事の代理を務めています。
FATAは、東部と南部がそれぞれパキスタンのハイバル・パフトゥンハー州やバロチスタン州に、西部や北部がアフガニスタンのクナル州、ナンガルハール州、パクティアー州、ホースト州、パクティーカー州に隣接しています。2001年、パキスタン政府軍はその地域で増加するテロを止めるため、軍事作戦を開始しました。この結果、特に2008年から2014年の間に多くの人々が他の地域に避難しました。
現在、FATAの大半の地域が安全とされ、75パーセント以上の人々が故郷に戻ってきています。状況が落ち着けば本格的な復興支援が行われます。JENを含む国際NGO、現地NGO,国連などの多くの団体が現在、支援を行っています。
FATAの復興に向けてFATAとハイバル・パフトゥンハー州を合併させるための法案が国会で審議されています。この審議は2017年1月24日に正式に発議されました。多くの政党がこの法案を支持しています。FATAの復興に向けて年間1千億パキスタンルピーの予算も提案されています。ハイバル・パフトゥンハー州との合併は、非常に大きな利点をもたらすでしょう。
FATAはハイバル・パフトゥンハー州と同じ行政機構をもつことで、教育、保健、社会福祉、司法、治安といったサービスが効果的に提供されることになります。人々は地元で仕事が得られ、多くのビジネスの機会も生まれるようになります。そして、復興による最大の利点はこの地に平和な環境が訪れることです。
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