2024年4月11日 (木)

私たちに希望、健康、幸福を与えてくれた給水計画

 事業参加者のひとり、カイスタさんのお話を紹介します。57歳のカイスタさんは、パキスタンKPK州の旧FATA地域の村に妻と3 人の娘と5人家族でこの地域に長い間住んでいます。

  彼の村は高地に位置し、村びとは、山の泉から飲料水を得るためにロバや手押し車を使い毎日長距離を移動しています。水源が村から1500メートル離れているため、長年にわたって水不足という厳しい課題に直面してきました。

 特に干ばつ期間中は飲み水を確保するのに精一杯で、衛生管理に時間やお金をかけることができなくなり、コミュニティの衛生状態も悪化します。村から離れた丘にある唯一の水源も、蓋などがないため汚れやすい状況でした。

 長年水の問題に苦しんでいた村でしたが、ある日ある日ジェンが、村のすぐそばに水道管やと共同水栓を提供する給水計画をもってきました。この計画には、貯水槽、家畜の水飲み場の建設も含まれていました。

 カイスタさんは、「ジェンの給水プロジェクトによって、コミュニティの中で簡単に清潔な水が手に入るようになりました。地域のニーズを汲み取りながら迅速に改修工事を進め、短期間で水源の修復を完了させ、村の状況が大幅に改善されました」と話してくれました。

 加えて、カイスタさんは、「ジェンは、コミュニティのボランティアと協力して、水と衛生に関するセッションも実施してくれました。これらのセッションは非常に有益で、村の人びとの衛生知識や意識が高まりました。私は、給水計画の完成後、コミュニティにきれいな飲料水が確保され、水衛生促進や健康活動の改善がもたらされたことに、深く感謝しています。私たちに希望、健康、幸福を与えてくれました」と、とても嬉しそうに話してくれました。

 ジェンは、カイバル・パクトゥンクワ(KP)州オラクザイ郡(旧FATA:旧連邦直轄部族地域)で、紛争やテロの影響を受けた人々たちが、安全な飲料水を確保し、維持できるよう、水衛生環境の改善を目指し活動を行っています。

 現在、計画の7ヵ村(1,553世帯)に対し、水衛衛生促進活動を行い、5ヵ村(1,188世帯)の給水施設整備が無事に終了しているところです。 

 

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カイスタさん一家

  
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衛生教育プログラムの実施

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モニタリング時のスタッフと参加者の皆さん

※本事業は、外務省「NGO連携無償資金協力」からの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

 

いつも応援をありがとうございます。
ジェンは厳しい環境にいる人びとに寄り添い、
「自立した生活を取り戻すこと」と「心のケア」を中心に支援活動を行っています。
ジェンとともに「生きる力」を支えてください。

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4月 11, 2024 水衛生改善 |

2023年11月16日 (木)

ガルさんの話:ガワク村に清潔な水をもたらす

 ジェンは、ハイバル・パフトゥンハー(KP)州オラクザイ郡で、紛争や武力抗争の影響を受けた人びとが、安全な飲料水を確保し、維持できるよう、水衛生環境の改善を目指し活動を行っています。7ヵ村(1,553世帯)に対し、水衛生促進活動を行い、内5ヵ村(1,188世帯)に対して、給水施設整備を行っています。

 現在7ヵ村中2ヵ村で、給水施設整備と水衛生促進活動が無事終了しました。

 事業参加者のひとり、ガルさんのお話を紹介します。ソチャ・ガルさんは、KP州オラクザイ郡にあるガワク村に住んでいます。ガルさんは妻、息子3人(内、一人未婚)、娘2人(未婚)、息子の妻2人、孫6人の15人家族です。

 ガルさんの生活は非常に厳しく、苦労の連続でした。特にきれいな水の不足は深刻な問題でした。病気になることも多く、女性や子どもたちは遠方まで水汲みに行かなければなりませんでした。家族がいない時には、ガルさん自身もロバを使って水を汲むことがありました。状況が改善されないことに絶望し、希望を持つことは困難でした。

 その後、ガルさんの村にジェンが訪問し、必要としていた清潔な水を提供するための計画を提案しました。ジェンは、給水タンクや他の設備の修理を行い、泉を保護し、水を集める施設を作り、村の周囲にパイプを敷設し、容易に清潔な水を得ることができる仕組みを整えました。

 ガルさんは、「ジェンは私たちに物をきれいに保つことの重要性を教えるだけでなく、清潔さや健康を保つ方法も教えてくれました。適切な道具や水道の使い方も教えてくれました」と話してくれました。

 加えて、ガルさんは、「ジェンのおかげで私たちの生活は素晴らしい変化を遂げました。長い距離を歩く必要もなく、清潔な水が手に入り、健康や幸福も体験できるようになりました。この例は、人びとが優しさと協力で大きな力を持ち、一緒に未来を変えることができることを示しています。ガワク村のソチャ・グルとしてだけでなく、コミュニティ全体を代表して心からの感謝を申し上げます」と、とても嬉しそうに話してくれました。

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ジェンスタッフに話をするガルさん(右)

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  共同水栓がガルさんの家の前に設置されて、水を遠くまで汲みに行く必要がなくなりました。


 事業実施中のKP州オラクザイ郡は、2018年5月にKP州に合併した旧連邦直轄部族地域(旧FATA)の13郡の内、7つの郡に含まれます。これらの7つの郡は、いずれも水衛生環境が極めて劣悪ですが、特に武力抗争や紛争、宗派間の争い[1]の影響で最も水衛生施設の破壊が激しいオラクザイ郡[2]で、水供給支援事業を実施しました。当郡は、他の郡に比べて継続的に自然災害や紛争、武力抗争の影響を受けており、予測が出来ない不安定な治安の下、パキスタンでは最も取り残された郡の一つとして認識されているからです。

 ジェンは、引き続きパキスタンの水供給支援を実施してまいります。改めまして皆さまの温かいご支援に心より感謝申し上げます。

※本事業は、外務省日本NGO連携無償資金協力からの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

[1] 2007年には、宗派 (イスラム教スンニー派とシーア派)の争いが起き、41,822 世帯の家族が避難をし、2012年まで続いた。その間、クラム郡の村が最も破壊の影響を受けた。なお、旧FATAに2つの宗派が混在し争いが起きた地域はクラム郡とオラクザイ郡のみ。

[2] FATA 事務局2014年報告書

11月 16, 2023 水衛生改善 |

2022年10月 6日 (木)

政府女子小学校「ワラサック」のトイレ建設の様子

ジェンは、テロや紛争、宗派間の争いの影響で学校や衛生施設が破壊され、パキスタンでは最も取り残された県であるクラム県で、衛生環境の改善と生徒の就学(特に女子生徒)の増加を目指し、学校インフラの改善を行っています。

写真(1)は、クラム県下部地域にある政府女子小学校「ワラサック」での1月中旬時点のトイレ建設の様子です。この学校には、285人の生徒に対して、既存のトイレは2つしかありませんでした。トイレの設備が整っていないことは、生徒の就学を妨げる要因となります。トイレを整備することで、生徒たちは安心して学校に通えるようになります。

冬の影響が比較的少ないこの学校のトイレ建設は、順調に進んでいます。写真(2)は、6月初旬時点で、トイレの内壁と外壁の左官工事がちょうど終わったところです。

写真(3)は、7月中旬時点です。浄化槽と浸水ピット(砂利や岩等を通して浄化槽からの排水をろ過する機能を持つ)やトイレの設備の設置はまだですが、セメントが乾き、周辺の清掃が終了しています。その間、教室の建設も、順調に進んでいます。

今後も引き続き、皆様に進捗状況をお知らせしたいと考えています。

尚、パキスタンの広範囲の地域では、現在大洪水の影響を受けています。被災者の人びとは大変厳しい生活を強いられていますが、ジェンがこの事業を実施している地域では幸いにも大きな影響は出ておらず、事業を継続出来ています。

ジェンは、大洪水被災者の生活再建を支えさせていただくため、緊急募金を行っております。ひとりでも多くの方の暮らしを支えさせていただくため、皆さまの温かいご支援をお願いいたします。

▼パキスタンの活動に寄付をする

https://jen.secure.force.com/?dt=1&pt=0...

▼クラウドファンディングで寄付をする

https://readyfor.jp/projects/jen_pakistan

 

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トイレ2基(奥:建設途中の様子)

浄化槽(浸水ピットの真横:四角でレンガが敷き詰められた様子) 浸水ピット(手前:円筒上にレンガが敷き詰められた様子)

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トイレの内壁と外壁の左官工事がちょうど終わったところ

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セメントが乾き、周辺の清掃が終了した様子

 

10月 6, 2022 教育支援学校修復・建設水衛生改善 |

2022年6月23日 (木)

女子小学校「アリ・シャライ」の事業前の様子

ジェンは衛生環境の改善と生徒の就学(特に女子生徒)の増加を目指し学校インフラの改善を行っています。その一環として、施設の修復と新設を行っています。

写真(1)は、クラム県上部地域にある政府女子小学校「アリ・シャライ」での事業開始前の様子です。

この学校では、修復が必要な教室が2つのところに、225名の生徒が学んでいます。そのため、生徒はテント内で、授業を受けることもあります。教室の数が不足しているため、このテントが張られた場所に、教室を新たに建設しています(写真2)。同時に、既存の2つの教室も修復しています。

3月初旬からこの学校の教室の建設が着工し、土台作りが完成し、壁のレンガ積み作業をしているところになります。今後も引き続き、皆様に進捗状況をお知らせしたいと考えています。

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テント内で勉強している生徒の様子(コロナ禍前)

 

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教室の壁のレンガ積みの途中

6月 23, 2022 教育支援学校修復・建設水衛生改善 |

2022年1月28日 (金)

「生徒に対する衛生教育」の支援活動について

JENの教育担当スタッフが衛生教育研修について、県当局、学校やコミュニティとの調整を行っています。各学校の教師と一緒に教材を準備し、昨年12月初旬から生徒を対象に衛生教育を開始しています。
現在は学校の冬期休暇期間(12月下旬から翌年2月末)のため、研修はお休みですが、今年3月上旬から再開する予定です。
写真は、衛生教育をバルコニーと呼ばれる教室の廊下を使って行っている様子です。学校建設・修復中のため、研修をバルコニーで実施することもあります。

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衛生教育をバルコニーで受けている女子生徒の様子

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石鹸を使った手の洗い方を実践中。真ん中にいる生徒が、
綺麗になった手を他の生徒に見せているところ

1月 28, 2022 水衛生改善 |

2021年5月 6日 (木)

水衛生支援事業:事業参加者インタビュー

マハナーズ・ビビさんは、クラム県プワール村に住む主婦で、5人の子どもがいます。彼女は、家族の治療のためにパラチナール・ザナナ病院を訪れます。JENチームは、事業終了後のモニタリングの際、ビビさんにインタビューしました。 彼女によれば、「私は特に冬に子どもたちが病気になると、この病院によく来ます。非常に優秀な医師がいるため、私たちの地域のほとんどの女性は好んでこの病院を選びます。」と話してくれました。

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ジェンスタッフからインタビューを受けるビビさん

事業開始前の状況について、ビビさんは、「必要に応じて、子供たちは屋外で排泄し、私は近くの家(病院の隣)にトイレを利用しに行っていました。隣人たちは、自発的に私達に利用させてくれました。しかし、時には私たちがトイレ施設を利用することを許可しませんでした。その場合、病院から徒歩10分のところにあるイマームバルガ(シーア派のモスク)に行きました。この距離を歩くのは苦痛でしたし、その場所にはとてもたくさんの男性がいたので、恥ずかしいことでもありました。」と話してくれました。

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事業前の病院内のトイレの様子

さらに、「この病院には主に女性が訪れます。病院を訪れた数人の月経中の女性に会いましたが、とても不安を感じていました。女性特有の問題を抱えている人もいますし、頻繁にトイレに行く必要もあります。生理用の布やナプキンを交換する必要があります。私たち女性、特に障がい者にとって、トイレのない病院を訪れることは悪夢でした。女性に大きな安心を与えてくれて本当にありがとうございます。」と付け加えました。この事業では、女性用のトイレに、生理用ナプキンを処分できるようにゴミ箱を備えました。また、これらのトイレには鏡付きの棚が設けられており、女性は生理用ナプキンや布を置くことができます。女性患者のプライバシーを守るために、トイレの前に壁も建設されました。

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プライバシーが守られた適切に設計された壁付き女性用トイレの様子

以前とは異なり、患者は病院内で、十分な数の適切なトイレにアクセスできるようになりました。JENは、女性用に2つ、男性用に2つの個別トイレがある衛生施設をそれぞれ建設しました。さらに、男女共に2つある個別トイレの内、一つは、 アクセスしやすい障がい者のための洋式トイレが設置されています。患者たちは今、はるかにリラックスしたより良い環境で病院を訪れることができます。

※本事業は、国連人道問題調整事務所(OCHA)からの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

5月 6, 2021 水衛生改善 |

2020年12月17日 (木)

人々に水と衛生へのアクセスを確保する支援活動

シェド・ナジュムル・ハッサンさんはゼラン村の住民です。彼には職業がありますが、その労働だけが彼の家族を養う収入源です。月収は18,000ルピー(約12,000円)で、家族全員を支えるには不十分です。彼の家族は、妻、両親、未婚の兄弟、子ども3人(男の子2人と女の子1人)の8人家族です。彼のお母さんには高血圧の持病があります。

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お話を伺っている時の様子

彼は、彼のお母さんの治療のために、BHU(基礎保健ユニット)のゼラン外来病棟を訪れます。BHUは村でただ一つの医療施設です。BHUでは、医師一人と薬剤師二人が医療にあたっています。

高血圧のお母さんがトイレに行きたくなった時には、彼らはトイレを探して、遠くのイマームバルガ(宗教的建物)あるいは地元の誰かの家まで歩いて行かなくてはなりませんでした。BHUにもその周辺にも患者が使用できる公共のトイレがないからです。

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衛生セッションの様子

BHUあるいはその周辺に、毎日訪れる患者のためのトイレが一つもないことは問題でしたが、前回彼らがBHUを訪れた時、ジェンというNGOが、男女含めた患者のためにトイレ、洗面台、排水設備を建設してくれたことを知ってとてもうれしく思ったそうです。患者のために、ジェンが率先して支援してくれたことに感謝しています。とインタビュー時に伝えてくれました。

彼は衛生セッションにも参加しましたが、それはとても有益でした。また、ジェンの女性スタッフがBHUを訪れ、女性スタッフのために衛生セッションを行っていることを知りました。彼は妻にも、そのセッションに参加するよう促しました。夫婦ともに参加し、新しいことを学びました。適切な手洗い方法がとても重要だということを初めて知りました。

トイレ建設や衛生セッションは、人々の生活に良い変化をもたらします。トイレを利用できないことはとても大きな問題でしたが、彼らは今では外に行く必要がなくなり安堵しています。

 

※ハイバル・パフトゥンハー州(KP州)上部及び中央クラム地区における帰還民に対する水衛生施設改修を中心とした生活基盤改善支援事業でトイレの建設と衛生セッションを実施いたしました。本事業は、 ジャパン ・ プラットフォームからの助成金やジェ ン へ の寄付金により実施しています。

12月 17, 2020 水衛生改善 |

2019年11月12日 (火)

変化に向けてコミュニティを動かしモチベーションを高める

アンゴリ村は、中央クラム地区パラチャムカニのJENの支援対象区域にあります。地域全体がそうであるように、アンゴリ村も生活基盤(例えば、健康、教育、生活のための設備など)が十分ではありません。衛生面では、地域も村民もとても良い状態とはいえません。村には衛生設備が全くありません。トイレを使用することが社会常識となっていないため、ほとんどの村民が戸外で排泄をしています。

 

フセイン・ガルさんはアンゴリ村の住民です。彼には仕事はありますが、家族を十分に養えるほどの収入は得ていません。彼の家族は20人で、男性も女性も全員戸外で排泄しています。1つだけトイレがありますがとてもひどい状態です。何度か改修を考えたそうですが、いつも実行できませんでした。幸いJENのプロジェクトが始まり衛生セッションに参加し、トイレ改修の必要性を強く感じたそうです。

 

彼はJENがトイレ建築用のツールを提供してくれると聞いて驚きました。すぐに計画を立て、ツールを受け取るとさっそく建築を始めました。

「子どもが排泄のために川に行くのを見ているのはとても辛いです。村の私の友人の子どもが、排泄のため野原や川に行き怪我をしました。」とも話していました。彼は、衛生キット配付期間中に室内便器やツールをJENから受け取ってすぐに建築を始めました。JENの衛生キットは役にたつものばかりで、いくつかは農業目的にも使えるそうです。

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次のようにも述べました。「現在私達はトイレが使用できます。家にトイレがあることは、良いことばかりだとわかりました。衛生面でもそうですし、精神的にもストレスが少なくなります。今は、掃除機もあるし、家族にとって衛生環境がさらに良くなりました。家族全員にとって幸せなことですが、特に子どもや女性にとってはトイレを使うことにより個人の尊厳が守られ、とても良かったと思います。」

 

フセイン・ガルさんの話は、ただ1つのトイレを作るにあたってのストーリーですが、私達は人々の行動変容に向けてコミュニティと共に活動する必要があります。そのためにも、JENは男性、女性、子ども達に衛生セッションを行いました。フセイン・ガルさんがJEN の衛生セッションに参加した後に自分自身のトイレを作ることを決心したように、PHPF (Pakistan Humanitarian Pooled Fund)助成金によるこのプロジェクトは、効果的で持続可能な方法であることを示しています。

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最後にフセイン・ガルさんはPHPFJENの貴重な支援に対し感謝を述べました。さらに「村の主たる問題は、家屋、墓地、畑に流れてくる排水や雨水です。毎年雨季の間、雨水によって収穫物がひどい影響をうけます。JENの力を借り、排水路を作り水が川に流れる方向を変えます。村を代表して、JENPHPFに感謝します!そして今後もJENが私達に支援を続けてくれることを強く望みます。」と付け加えました。

 

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A-view-of-completed-latrine5181【完成したトイレ】

 

11月 12, 2019 水衛生改善 |

2019年9月13日 (金)

クラム地区での衛生事業:事業参加者 アリフ・ノアさんのお話

アリフ・ノアさんは中央クラム地区のマンレー村の住民です。彼は運転手の仕事をしていて、それが彼の家族を養う唯一の収入源です。彼の月収は10,000ルピー(約7,000円相当)ですが、現在のところ家族全員を支えるには不十分です。

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彼によると、彼の家には3つ部屋があり家族8人で住んでいます。家族8人に1つのトイレしかなく、全員のトイレの需要に対して十分ではありません。たいてい女性はそのトイレを使用しますが、男性は戸外で用を足す、あるいは戸外が危険な場合そのトイレを使用します。「様々な病気の原因となるので、戸外での排泄はよくないことはわかっていますが、他に方法がないのです。」と言いました。さらに「JENから提供された衛生キット及び衛生教育はタイムリーで適切です。私はJENの親身な支援に対してとても感謝しています。」と付け加えました。彼は、家族がトイレを必要としているので、短期間で室内便器を据え付けることを私達に約束しました。スタッフは、JENの技術チームがトイレの設置について技術援助をするために、適切なタイミングで訪問することを彼に確約しました。


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そして各個人や家庭内の衛生、環境衛生、食べ物などの衛生についてレクチャーを行いました。また戸外での排泄のデメリットについて説明するため、コミュニティメンバーを集めました。清潔な水を飲むこと、目が覚めた時、食事の前後、遊んだ後、トイレの使用後には石鹸で手を洗うことを習慣づけるようにアドバイスしました。汚れた手は感染症に結び付くので、石鹸で手を洗う方法を実践してみせました。参加者に何度も繰り返し手洗いを実践してもらいました。

アリフ・ノアさんはJENのスタッフによって行われた衛生セッションについて「私は以前、正しい手の洗い方を知りませんでした。JENの衛生セッションの後、初めて私の村や道路の環境について考え、それらがいかに汚いかに気付きました。私は家族に、台所、家、周囲の環境に特別に注意を払うよう必ず説得します。」と言っています。

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最後に彼は、我々の村でこのような活動をしてくれた組織はJENが初めてだと言い、この支援に対し、我々の生活態度、環境や健康状況に絶対に良い影響をもたらすと提起しています。JENが今後も我々の村の貧しい住民への援助を続けてくれること、近い将来に新たなプロジェクトを提供してくれることを望んでいるとも述べました。

9月 13, 2019 水衛生改善 |

2019年7月23日 (火)

衛生教育を実施している様子

事業地で行っている衛生教育の様子が届きました。

 

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7月 23, 2019 水衛生改善 |

2019年6月 1日 (土)

ほとんどの時間を水汲みの時間に費やしているパミーナさんの話

パミーナさんは主婦です。彼女はマグレベ サールパック村に住み、4人のこどもがいます。村へのアクセスは道が舗装されていないので、困難です。パミーナさんによると、「この村にはいつくかの問題があります。特に、安全な飲み水が無いことがこの地域の主な問題です。特に私たち女性は、水を汲みに行く事が主な責任になるので、さらに苦しいです。私たちは1日に2回以上水を汲みに行きます。水源までの道は困難で、危険です。時折女性はケガもします。それらの水を使用すると様々な病気を子どもたちに引き起こします。それにより、私たちの家族への経済的な負担がかかります。また、自分たちの固形廃棄物を置いておく場所がないので、私たちは空き地にそれらを投げ込みます。それによりまた別の病気も生じます。適切な保健医療施設もここにはなく、サッダ市の病院にいきます。去年息子が下痢になりまして、治療のためにサッダ市に行かなければなりませんでした。」

彼女はこの村での給水施設の建設に伴いとてもジェンに感謝しました。彼女は「私たちは本当にこの施設建設にドキドキしています。長期にわたる飲み水の問題が解決されます。この地域の女性は、ほとんどの時間を水汲みの時間に費やしています」と言います。さらに、彼女は「私たちの家にトイレはあるけれど、状態はとても悪いです。適切な水のシステムはないですし、子どもたちは衛生の知識もありません。もし私たちに保健衛生に関する研修や知識を頂けたら、感激です」。

「私たちはジェンに協力します。今後もサポート頂ける事を願っています。過去に私たちの地域は見放されており、この素晴らしい貢献に心底感謝しています。」と彼女は言いました。

6月 1, 2019 水衛生改善 |

2019年4月17日 (水)

異例の降雪が活動を遅らせる

JENは28の水と衛生(Water, Sanitation and Hygiene: WASH)プロジェクト地域で2300世帯を対象に援助をしています。今年の天候はいつもとすごく違っています。2018年と2019年の降雪期間の長さとその激しさは、ここ数年の記録を超えました。このことにより、水の供給計画やトイレといった水衛生施設の再建プロジェクトを著しく遅らせました。

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いくつかの村では、降雪のため小道や道路が壊れ、狭くすべりやすくなり、潜在的に危険をはらんでいます。こんな状況では、車での移動は危険です。そのため、代わりにスタッフは歩いて村を訪ね事業参加者の元へ行ったり、水のサンプルを集めたりします。降雪が激し過ぎる時は、しばしばチームは現場に行くことを延期しなくてはなりません。

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この状況により、計画されたプロジェクトの活動ができない事で、プロジェクトを(困難だけど)やりがいがあるものすると同時に、冬が終わった後の仕事量を増やします。しかしながら、良かった点は、JENが前向きで、このプロジェクトの期間を無事に3か月延長できたことです。また、JENのアプローチの一つとして、スタッフ間での話し合いの後、水衛生施設の再建に向けて3つの業者と契約することにしました。

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水供給施設の再建は、これまでも3業者による分業で行っていました。1つの業者はひたすらトイレの再建に集中します。その再建事業は、契約したその作業を終えた後、別の業者に手渡されます。このアプローチの目的は、(分業されることで)より多くの再建事業が少ない時間で実行されることです。今のところ、JENは再建事業がイ-ド・アル・フィトル祭(祝日:6月5日から7日の間ラマダン(断食月)の終わりを祝う)の後、つまり2019年6月か7月に終了することを予測しています。

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衛生キットの調達は最終段階に入っています。それらの配布は数週間のうちに始まります。そのため、現場のチームは、現在のところ衛生キットの保管と安全のために倉庫と警備員を探しています。JENは計画されたすべてのプロジェクト活動が予定通り終了することを願っています。

 

4月 17, 2019 水衛生改善 |

2019年2月20日 (水)

飲料水の供給スキームにおける調査

ジェンは中央クラム管区における水と衛生(Water, Sanitation and Hygiene: WASH)事業に向けたパラ チヤムカニ地区での飲料水の供給スキームの実現性評価を終えました。提案されたスキームは、クラム管区の地方行政により任命され、ジェンは30以上の飲み水用の構造物を訪問しました。

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調査結果のとおり、クラム管区における主な飲み水の給水源は天然の泉です。天然の泉は、定流の中の底から加圧された水が湧き出した特殊なタイプの地下水源になります。全ての天然の泉は、石や他の物質(砂利、砂、沈泥)といった地下の部分からなる帯水層によるものです。掘り抜き井戸や、手押しポンプ用井戸、掘り井戸/開放井戸のようなその他の飲み水の給水源は、うまくいっていません。なぜなら、ジェンの対象地域は、起伏のある硬質の地形で地滑りの地域であるからです。

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この対象地域へのアクセスは、大変難しく、その道はほとんどウルドゥー語とパシュトー語で「カチャ」(コンクリートの道でなく、舗装されていない)です。夕立ちや豪雪が続く期間と共に、冬の時期は既に始まりました。気温は、5度低くなり、建設作業は、2月まで実行できなくなります。そのような厳しい天気の中、事業参加者のところに行くのは非常に危険になります。と言うのも、事業参加者の村へ進む道は狭く、滑りやすいからです。もし安全対策をよく知らなれば、山岳地帯であるため、そのリスクは高いです。

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エンジニアたちが実現性評価の報告書を準備するために、車や徒歩で4から5時間の長い移動するため、水源を訪れることはとても難しいです。全ての飲料水の供給スキームは、ジェンの基準を満たしませんが、ほとんど全ての村が小さな水源からの飲料水の供給スキームを必要としていました。少ない理由は、技術的なスキームの非実現性、コミュニティ双方の不和、そして高い予算でのスキームにおける少ない人口の数になります。 最終的に、ジェンのチームは、10の飲料水の供給スキームを選定しました。そこは、事業参加者がより紛争の影響を受けており、技術的な基準も満たしていました。ジェンは、建設関連の作業をするために天気が良くなれば、これらのスキームを恐らく3月初旬には開始できるかと思います。

2月 20, 2019 水衛生改善 | | トラックバック (0)

2018年11月27日 (火)

水はいのち:クラム管区で必要な人々に安全な水を供給する事

水を飲むことは人間にとって最も基本的な権利でありますが、残念ながら時がたつにつれて、人口の増加と共に、世界中で、人々は安全な飲み水を得ることが難しいという問題に直面しています。パキスタンも早急な解決を必要としています。水と衛生専門NGOウォーターエイドによれば、『自宅の近くで清潔な水を利用できない人数が最も多い国10ヶ国』の内、9位にランク付けされており、全2億7百万人の全人口の内、2千百万人がきれいな水にアクセスできないと言われています。

ジェンは、パートナーであるUNOCHAと共に、クラム管区の最も未開発の地域で給水スキームに関する建設や修復の役割を担っています。今、ジェンは調査の段階にあり、低所得者地域や差し迫って水を必要としている場所を調査しているところです。

それらの場所は、美しい森と湧き水に恵まれていますが、その地域に水源があるにもかかわらず、村や家に水を引く方法や余裕もなく、人々は水へアクセスがありません。その問題は別として、既存のパイプが、水が汚染され各地で摩耗しており、それによりその地域では水系感染症を引き起こしています。湧き水自体も多くの場所で保護されておらず、水の汚染を引き起こし、最終的に下痢などの別の病気も引き起こしています。

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湧き水は村に存在してますが、不十分な計画のため、人口の増加が安全な飲み水を奪っています。例えば、マンルホ カレ村では、十分な湧き水があっても安全な飲み水にアクセスできない村の一つです。

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この村では、深刻な水の必要性があるため、クラム管区の行政と地方自治体と調整、相談の上、ジェンは給水スキームにこの村を選定しました。この地域で技術的な調査を行った後、ジェンのチームは、この村が給水スキームの支援をもっとも必要としていると実感しました。この地域の人々はこの村で新鮮で安全な水を飲める事に胸を躍らせ、熱望していました。この村の長老は、調査の間、ジェンのチームを歓迎し、サポートしてくれました。そして、彼らはこの村へのジェンの貴重な貢献に対して厚く御礼を述べてくれました。

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11月 27, 2018 水衛生改善 | | トラックバック (0)

2016年9月29日 (木)

連邦直轄部族地域における「クリミア・コンゴ出血熱 (CCHF)」の予防策

「クリミア・コンゴ出血熱」とは、ダニの媒介によるブニヤウイルス科のウイルスで引き起こされ、人体と家畜両方が発症する病気です。この病気は、1944年に初めてクリミア地方で発見されたため、クリミア出血熱と名付けられました。その後1969年にアフリカのコンゴで見つかったウイルスと同一であることが分かり、現在の名前「クリミア・コンゴ出血熱 (CCHF)」になりました。


 

 

 パキスタンでは1976年以来、この病気の発症が確認されており、2000年以降、毎年50~60例が報告され深刻な問題です。2012年には16人が死亡し、2013年から2016年の間に60人が血液検査で陽性反応を示して、そのうち12人が亡くなりました。政府は、人びとのCCHFの知識がないために、症例の報告がされないケースが多くあると見て、この病気についての人びとの意識向上に着手しました。


 

 

 その計画の一環として、連邦直轄部族地域畜産局はJENに現在ハイバル管区でJENが進めている活動にCCHFの予防策も組み入れるよう要請してきました。主な理由はイスラム教の祝日である犠牲祭で家畜が捧げられるために、国内の他の地域から大変な数の家畜が連れて来られるからです。緊急を要するため、JENは直ちに必要な手続きを取り、最優先事項としてこの病気を予防するための対策を取りました。


 

 

【混雑するマーケットでの調査】
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【抗CCHF 剤を散布するJEN家畜チーム】
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その結果、JENは以下の物資を畜産局に提供しました。

 

·       スプレーポンプ(10~12リットル) 15

 

·       シペルメトリン/エコフリース-抗CCHF剤(リットル)  75

 

·       マスク    5

 

·       手袋  375

 

·       エプロン 15

 

 

 

【物資支給】
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 畜産局のスタッフの協力を得て、JENの家畜チームの一連の支援は3日間で完了しました。そして、犠牲祭用の家畜を売買するため50,000人を超える人びとが集まる家畜市場で、予防策として抗CCHF剤が38,000頭の大型および小型の家畜に噴霧されました。その結果、幸いにも、この地域でのCCHFの発生はありませんでした。畜産局はJENのこの活動に大変感謝しています。


 

 

【市場での薬剤の噴霧】
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9月 29, 2016 水衛生改善 |