清潔な水がもたらす希望 ― 洪水被災地で進む水衛生改善プロジェクト
1.事業開始の背景
パキスタン・シンド州カイルプール郡は、2022年の大洪水により給水施設が甚大な被害を受け、現在も人口の約40%が安全な飲み水を得られない状況にあります。
井戸やポンプは壊れ、女性や子どもたちは何キロも離れた水源まで水を汲みに行かなければなりません。
この状況を受け、2025年3月末日より、ジェンは水・衛生環境の改善と給水施設の維持管理能力の強化を目的とした事業を開始しました。
修理が必要な給水ポンプ場の中にある、壊れた水ポンプ
2.事業の概要
洪水で被災した5つの村において、太陽光発電を活用した給水施設の修復・新設を行い、約2,200世帯(13,200人)に安全な飲料水を届けます。
また、地域住民による「飲料水協会(DWA)」を組織し、施設の維持管理や衛生教育を担う仕組みを構築しています。
加えて、男女10名の「水衛生促進員」が中心となり、手洗い習慣や安全な水利用を広めています。
3.進捗状況(9月末時点 → 現在)
2025年3月の契約締結後、現地での安全確認や入域手続きに時間を要したため、事業は当初計画より約2か月遅れて8月中旬に全5カ村で工事を開始しました。
9月末時点の中間報告では、基礎部分が完成しています。
技術チームが給水施設の基礎工事を確認中
公衆衛生工学局(PHED)の専門家による施設維持管理研修・施設管理キットの研修も終えました。

施設維持管理キット供与を終えて、PHEDがDWAメンバーにキットの説明をしている様子
DWA強化や水衛生促進活動も順調に進んでいます。ジェンは確実な目標達成のため、事業期間の2か月延長申請の準備をしながら、地域の人びとが安全な水にアクセスできる体制づくりを着実に進めています。
その後(2025年10〜11月現在)、全5カ村において、ジェン技術チームと公衆衛生工学局(PHED)が連携し、太陽光発電システムの設置や給水配管の接続作業が進められています。
ジェンは引き続き、現地の安全を確保しながら、誰もが清潔な水にアクセスできる社会を目指して活動を続けます。
※本事業は、外務省「NGO無償資金協力」および皆さまからのご寄付により実施しています。



